ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第14話不良とマネージャー達

 最近のあちしは光ちゃんといる事が多かったりする、何たって陸上部の朝練から一緒だもの。この日の放課後の部活もいつもみたく2人で校外に走り込みに行って隣街のきらめき市に入るとどっかで見た事ある女子と足並みが揃う。

 「へぇーっ、あたしと同じペースで走るなんて君達中々やるじゃない」女子にしては結構筋肉質ね、まあ顔は可愛いし女らしい色気もそれなりにあるけど。

 「ひょっとしてきら高の清川望さん?」光ちゃんが筋肉女子に尋ねる。そういえばテレビで見た事あるわ、確か中学水泳で全国大会まで行った娘よ。彼女も部活の途中?でも何で泳がないで走ってんの?

 「部活とは別にあたし、毎日50Kmのロードワークを欠かした事ないから」凄いわね、いい意味で人間じゃない!つーかそのぐらい努力しなくちゃ全国は厳しいのよね、あちしも頑張らないと。

 

 詩織ちゃんから誘いを受けて(メグ)ちゃんと3人で出かけたある日曜日、もう21世紀だというのに時代遅れの不格好な学ラン姿にリーゼント頭(当人達はオシャレだと思ってるんだから余計タチが悪いのよね)の不良共が因縁をつけてきたわ。あちしも1人なら無視して逃げるトコだけど女子2人が一緒じゃそんな訳いかない、河川敷に誘い出して喧嘩するハメになったわ。

 

 詩織ちゃん達には距離をとらせてあちしは不良3人とバレエ拳法で闘う、結果?あちしが勝ったに決まってんじゃな~い!

 「クソッ、番長様に報告だっ」アラ逃げる気なの?いいわ、バンチョーだろうがカンチョーだろうがぶちのめしてアッゲルっわよ~ん!

 「バカっ!」詩織ちゃんに怒られた。

 「喧嘩なんてしちゃダメでしょ!怪我したらどうするの?」心配させちゃったみたい、反省。愛ちゃんはその後ろで遠慮がちに詩織ちゃんを宥める、気を取り直してショッピング街に向かい服を見る事にした。今の時期もう水着売り場が賑わっているのね、でも何年か前みたいに今年の夏が冷夏だったらどうするのかしら?

 そんなあちしの勘繰りをよそに2人は水着をセレクトしているわ、幾つか試着もするみたいね。

 

 結局2人共水着を買うのは取り止めにしたようね、今日のところは見るだけで満足しちゃったみたい。その代わりワンピースやタンクトップなんかをごっそり買い込んでいたわ、勿論荷物持ちはあちし。

 

 地下一階にあるバーガー屋で一息吐いているとあちしの足元に毛糸玉が転がってきた、それを追いかける女子の声がする。

 「あ~ん、待ってぇ」イヤイヤ、生き物じゃないからいくら呼んでも戻らないって。でもどっかで聞いた声ね、そこにもう1人現れて毛糸玉を拾うと落とした娘に手渡す。

 「佐倉さん?」思い出した、毛糸玉を落とした娘はひびきの(ウチ)の野球部のマネージャーの佐倉楓子。入学当初色んな部活を見学していて野球部を訪れた時に会ってたわ、あの日の体験入部でこの娘はいきなり段差でコケたりボールの入った籠をぶちまけたり散々ドジってたから印象に残ってる。毛糸玉を拾った方の娘、あちしは知らないけど詩織ちゃんが紹介してくれた。

 「きらめき(ウチの)高校のサッカー部マネージャーの虹野紗希さんよ、この人は従兄弟の忍君」

 「虹野紗希です、ひび高の陸上部の人でしょ?この前のインターハイ見てたよ」大した成果も上げてないのに改めてそう言われると恥ずかしいわね、あちしは頭を掻きつつあまり親しくないけど佐倉さんを紹介した。

 「私、昔から野球が大好きなの。だから迷わず入部してね」

 「そう、私はどっちかスゴく迷ったわ」共通点も多いせいか2人はすぐ打とけて電話([注釈1])番号を交換していた、何かしら?この変な疎外感。

 

 6月が近づくと体育祭がやってくる。学校によってチーム分けは様々らしいけどひびきのは生徒全体が紅白に分かれての二組対抗戦になるわ、因みにあちしも光ちゃんも紅組よ。

 まずあちしが出るのは百メートル走、陸上部とバレエ拳法で鍛えた脚力を見せてやるわよ。

 




※[注釈1]固定電話です、携帯の普及率が低かった時代でしたから。
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