ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第15話決定!

 土曜日の夕方に梓が帰宅すると両親が久し振りに楽器の手入れをしていた。

 「二人共、どうしたの?」

父「梓か。この辺に今度ジャズバーが開店してな、母さんと一曲演奏させてくれるそうなんだ」

母「人前で演奏なんて久し振り、緊張するわ。梓も一緒に行かない?」両親に誘われてその店を訪れた梓だったが

秋「いらっしゃい、ん?梓やんか。ここ未成年はお断りやで」

梓「両親が招待されたのよ。アンタだって未成年でしょ、何でいる訳?」

秋「イヤ、ここオカンの店やさかい」なんて話をしていると秋の母が店の奥から出てきた。

 「中野はん、今日は来てくれはっておおきに。よろしゅう頼みますわ、しかし利発そうな娘さんですな。ウチの秋みたいなんと友達やったんかい。奇遇やわぁ」一気に捲し立てる秋母に圧倒される中野一家。

 「オカン、止めてぇな。ほんま恥ずかしいわぁ」いつになく照れながら母を制止に入る。

 「梓、開店までウチの部屋に行こか?これ以上は聞いてられへん」梓の手を引いて自分の部屋に連れていく秋、そこでしばらく雑談していたがやがて開店になると梓をホールに座らせる。

 

 自分が生まれてからバンドマンを辞めてしまった父のギターと母のサックスを何年か振りに聞いた。技術力云々は別にして梓は両親の演奏が好きだった梓はポヤンとした気分になる、秋の母もピアノでセッションに参加していたが曲が終わると秋がステージに上がり歌声を聞かせる。

梓(歌上手っ!)高校生の素人とは思えない美しくも力強い美声に梓だけでなくお客が全員魅了されていた。一曲歌い終わると秋は部隊袖にはけていく、やがて中野一家も帰宅した。

 

 梓はその晩散々悩んで秋、茜、文のパートを考えていた。

梓「秋はドラムがいいかな?でも今日聞いたらスゴく歌上手かったし、だったらボーカル?文はキーボードとかにむいてそうだけど…」Trrrrr…電話が鳴る、発信者は文だった。

 「もしもし?」

 「もしもし梓!緊急事態よ。すぐウチに来て、全員集合!」何やら気が立ってそうな文、もう夜も遅いのだが。

 「文、無茶言うな。伍代文の兄で理人(りひと)という、妹が勝手に話を進めてスマない。詳細は改めて説明する」

 「は、はあ…」梓は電話を切ると

 「文ったら一体、何の用だったんだろう?」

 

 翌日の早朝、文の家に集合した梓と秋。

 「あれ?秋、茜は?」

 「それが電話が繋がらへんねん」文が招集をかけたのか二年生もやってきた。

律「梓に秋、文から連絡もらったけど何の用だ?」

秋「ウチも知りまへん」

梓「私もです、文は昨夜すぐに呼び出したかったみたいですけど」玄関のドアが開き文が全員を中に入れる、その頭にはナゼかたんこぶができている。

 「あの後『人様を巻き込むな!』ってお兄ちゃんに拳骨食らって…」居間には既に茜が待っていた。

 「茜、アンタ早いわね」梓が驚いてそう言うと

茜「あの、そうじゃなくてさ…」何やら言いにくい話があるらしい、誰かが家に入ってきた。

 「あ、お兄ちゃん」文のお兄さんが帰ってきたそうだ、日曜日なのにスーツ姿で帰宅してきた彼はみんなに挨拶する。

 「昨晩電話で話した娘もいると思うが、改めまして文の兄で伍代理人といいます。県警の警察官です」

澪「制服じゃなくて、スーツって事は刑事さん?」

唯「オオ!生の刑事さん初めて見た」

律「芸能人かっ!」

秋「そっか。刑事さんなら夜中に未成年呼び出したら怒るハズやわ」理人は唯達の妙なやり取りに苦笑しながらも茜にすまなそうな顔を見せると

 「行く当てがなければしばらくこの家にいるといい、法の上での手続きは俺がやっておく。後は親父とお袋に任せる」そう伝えると階段を上がり二階に消えていった。

 

 その後、茜から詳しい話を知らされた軽音部一行。要約すると父親はもう長い間消息が知れず、母と二人暮らしだったがその母が借金を残して家出してしまい、返済の為に自宅も差し押さえられてホームレスになった。頼れる親戚もなくせめて一晩泊めてもらおうと最も近場にあった文の家に転がり込んだところ、事情を知った理人が便宜を図ってくれたという。

茜「そういう訳です、だから部活も…」いいかけた茜に紬が提案する。

 「それならウチで住み込みのバイトしない?勿論部活も続けながら」

唯「ムギちゃんナイスアイディア‼」これには全員賛同した。

梓「あっ!」

澪「どうした梓?」

梓「みんなのパート、全然決めてない!」そっちかよ、と梓以外の全員が笑う。

文「じゃ私ベースやる、お兄ちゃんが昔弾いてたから楽器自体はあるし」

秋「ウチ、ドラムしながら歌おてみたい。昼間ならオカンの店、練習場所に提供できるで」

梓「茜はどうする?」

律「ムギの家ならキーボード弾き放題じゃね?」

澪「イヤ、一応雇われるんだからそんな訳にも行かないだろ」

茜「私、やりたい楽器があるんですけど、いいですか?」この発言にみんな茜に前ノメリで向き合う。

 「「「「何がしたいの?!」」」」

茜「ウィンドシンセサイザーなんですが…軽音部らしくないかも」

律「んな事ねぇって、全然O.K.!」

唯「でもそれ、どんな楽器?」

澪「笛型のシンセサイザーだよ」

梓「ウチの軽音部にありましたっけ?」

秋「なかったら光先生に相談せなアカンな」

文「お兄ちゃんに頼んで買ってもらう?」

茜「それはダメ!これ以上ご迷惑はかけられないよ!」

紬(自分で買ってこっそり部の備品に混ぜちゃおうっと)数日後に茜は伍代家から琴吹家に拠点を移す。一年生'Sも各自楽器が決まり本格的に練習をスタートさせた…ハズである、その辺の詳細は次回で。

 

 

 

 

 

 

 

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