ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
紬の父親である琴吹家当主は今年も愛娘が友達と部活の合宿をしたいと聞いた。早速空いている別荘を使用人に手配させて護衛をつけようとしたが、こちらは昨年同様断られてしまった。
「昨年は幸い何もなかったが万が一の事がある、誰か適当な人物はいないのか?」そこで取引相手である破嵐万丈に相談する事にした。
「一人、うってつけな人物がいますよ。僕からコンタクトをとってみましょう」
その頃、藤崎忍は電卓とにらめっこしながらひとりごちた。
「店を開く為の資金も大分貯まったわ、でもまだまだ足りないわね」せめて店舗を購入する為の頭金だけでも稼ごうとき今日まで必死に働いてきた。その甲斐あって当初の目的は達成したのだが、彼にはもう一つお金が欲しい理由があった。
「光ちゃんは焦らなくていいって言ってくれたけど、できれば結婚資金も欲しいわよね」再び電卓を見つめるがそれで金額が増える訳でもない、ため息を吐いたところで携帯のメールが入る。相手はあの破嵐万丈だった、何の用かと連絡をすると万丈本人が直接電話の応対にでた。
「忍君、君に朗報がある。さる財閥のご令嬢の護衛を頼みたい、但し本人には決して気取られないようにだ。報酬は先方が○○円出すと言っている」それだけあれば店を開くのと同時に結婚資金にも充分足りうる、忍は二つ返事で引き受けた。
「さて、当日はどう近づこうかしら?確かあのお嬢さん、光ちゃんの教え子だったわよね」海辺の別荘に潜むとなると化けられるモノも限られてくるなと頭を捻っていると光が帰ってきた、話を聞いた忍はせっかくなら一緒に行こうと提案した。
という訳で、今年の軽音部の夏合宿に忍も光の友達の妹と一緒についてきた。
「お休みの日にすみません、忍さん」澪が頭を下げる。
忍「いいのよ、初対面の子供と二人っきりじゃ間が持たないしちょうどよかったわ」
律「で、ヒカちゃんの後ろに隠れてる娘が…」
光「そう。大学時代の友達、宮内一穂の妹さんで宮内れんげちゃん。小学一年生」
唯「キャワイイーッ!」
澪「こんにちは、れんげちゃん」
律「中々不敵な面構えをしてるな」
梓「この子も合宿に参加するんですか?」
秋「何や梓、不満なん?」
文「いいじゃん、別に」
茜「私はムギ先輩のご判断に従います」あれから茜は紬の提案で表向き専属メイドとして雇う形をとり琴吹家に住まわせてもらっている。あくまで表向きの為、学校等家以外でメイドの仕事は一切しなくていいと紬本人から言われている。その紬も
「四日間一緒に楽しく過ごしましょ」とれんげに優しく語りかける。
れ「にゃんぱすー」れんげは彼女なりの親愛の挨拶を披露する。
律「に、にゃんぱす?」
唯「あずにゃん、仲間だよ」
梓「何の話ですか?」
光「一穂からちょっと変わった娘だとは聞いてたけど…(そもそも一穂自体変わってるし)」
忍「どう、意味不明でしょ?恐れ入った?」
秋「何でアンタが偉そうやねん!」
忍「へぇ、流石に本場ね」
文「受け流した!」
光「はいはい、バカな会話してないで荷物を片付けなさい」
律「よーし、遊ぶぞーっ‼」すぐさま水着に着替えて遊ぶ気満々の律と唯。
澪「うおおおい‼遊ぶのは練習してから!」
律「えー?」
唯「遊びたーい」不満げな二人に澪は提案する。
澪「それじゃ多数決にしよう、私は練習が先!」これに対して唯と律は
「「遊ぶ‼」」
梓「練習がいいですっ」
秋「ウチも」
文「私も」
紬「遊びたいでーす」
澪(まさかの裏切り‼)となれば茜は当然恩ある紬に従うから
光「ちょうど四対四になっちゃったね」
忍「じゃ、れんげちゃんに決めてもらいましょ。それなら恨みっこなしじゃない」
れ「ウチ、みんなと遊びたいん」
律「おし!れんげ偉い‼」小学一年生とはいえ、いきなり呼び捨ての律に
れ「れんちょん…」
唯「ん?」
れ「ウチ、れんちょんて呼ばれてるん。れんちょんがいいのん」
唯「そっか。じゃ遊ぼっかれんちょん!」
れ「遊ぶーん!」
澪「ま、いっか」こうして軽音部のみんなはれんげを混じえて楽しく遊んだ、気づいたら夕方になり、日が落ちかけていた。
唯「ふはー」
律「遊んだ遊んだ、もうご飯食べて寝ようよ」
澪「練習はどうした?」
梓「やっぱり遊ばずに先に練習した方がよかったじゃないですか」
秋「梓が一番遊んどったやん。真っ黒んなって…」スッカリ日焼けした梓をニヤニヤして見つめる秋。
梓「私はちゃんと練習もするもん‼」
文「へ~?じゃ一晩中?」
梓「うぅ、するも~ん!」梓の叫びがオレンジ色の空に切なく響いた。
と、いう訳で「のんのんびより」かられんちょんこと宮内れんげの登場です、合宿はまだ続きます。