ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

175 / 282
第18話お化け!

 夕方、別荘内のスタジオにてようやく練習が始まる。

律「疲れたー、お腹すいたー」

澪「我慢しろ」

梓「うわーっ、スゴーい‼」高級アンプに完全な防音システム等、普段の部室とは設備が比べ物にならないほど豪華だ。まずは澪が文に、律が秋に基本的な演奏を指導する。これまでは個人で練習していた一年生だが実際にセッションするのは初めてである、楽器は違うモノだが紬も少し管楽器の心得はあったので茜についていた。

 

 その中で唯だけが先輩らしい事ができないでいた、いうまでもなく梓の方がギター歴が長く技術も抜きん出ているからだ。

唯「そんじゃ私はれんちょんにギターを教えてあげよう!」

れ「ウチ、興味ないん」唯の頭上にガーン!と石の彫刻のような文字が浮かび上がっている光景が想像できた。

 

 そして二年生陣も自分達の練習をする。

律「澪、早く練習しようぜ‼スネアが新品だ!」用意されていたドラムセットを見るなりテンションの上がる律。

澪「げんきんなやつ…,」試しに一曲プレイすると結構いい感じな仕上がりになっていた。

唯「今のすごい、よかったよね?」

紬「みんなピッタリ合ったわね!」光も音楽には素人ながら曲を通じて彼女達が成長したのを感じられた。

澪「律もちゃんと、リズムキープしっかりできてたな。特訓でもしたのか?」

律「おなかすいて力がでないよう

澪「お腹すいてるから無駄な力抜けたのね…」澪は呆れ返るがともあれ夕食を摂る事になった、この日のメニューはBBQで食材の買い出しから下ごしらえまで殆ど忍がやっていた。

 「みんなこっちにいらっしゃい、準備できてるわよぉ」みんなが練習している間に忍がBBQの支度を整えていた。

律「肉ーぅっ!」

れ「ウチもお肉食べるーん」律とれんげが網の前に陣取り肉を奪い合う。

れ「それ、ウチが密かに狙ってたお肉なん!」

律「へっへーん!こういうのは早いモン勝ちだぜ」

澪「お前は小さい子相手に何やってんだ?!」当然というか毎度お馴染み、澪の拳骨を食らう律だった。

 

律「胆試しをやろう。やっぱり夏で合宿といえば胆試しだよね‼」

文「ご飯食べた途端、元気になりましたね…」

茜「でも面白そう、やりましょう」

光「ダメです‼」光が反対する。

律「え~何でだよ、ヒカちゃん?」

光「顧問権限で胆試しは禁止にします‼」隣で忍が笑いを堪えている。

唯「それじゃ仕方ないね」

文「胆試しはなしで」

茜「どうしてもやりたい訳じゃないし」

律「やだーっ‼胆試しやりたい!やりたい!」みんなの意見が一致した中、ただ一人床に寝転がってジタバタしながら駄々をこねる律。

秋「律先輩アンタ…小学一年生が目の前におるっちゅうに」

梓「情けない…」

忍「つーか何でそこまで胆試ししたいのよ?」

れ「そんなに胆試ししたいん?ならウチ付き合ってもいいのん」

秋「小学生に妥協されとる!」結局、律の我が儘は通らず胆試しは行われなかった。

 

 就寝時間が過ぎた頃、胆試しができなかったので律は澪を脅かしてやろうとベッドのシーツをはがし、頭から被ってお化けに扮した。

 「澪のヤツ、中々ご飯食べさせてもらえなかった恨み晴らさせてもらうぜ」その姿のまま自分の部屋を出て足音を立てないように澪の元へ向かう、途中でトイレに起きたれんげにでくわした。

 「お化け出たん!」大声をだすれんげ。

 (ヤベッ、こりゃ出直すしか…)そう思った律だったが

 「ウチお化けに会ったん!記念にサインしてほしいん!今、鉛筆持ってくるん!」その場を走り去ったと思ったらすぐに引き返してきた、手にはそれぞれ鉛筆と『自由帳』が握られている。

律(参ったな、でも子供の夢壊す訳にもいかないし…)とりあえず芸能人のサインっぽく適当に崩した『お化け』の三文字を自由帳に書いてれんげに手渡す。

れ「お化けにサインもらったーん(喜)‼」嬉しそうに部屋に戻っていくれんげ、他には誰も起きてこないようだ。

律「フーッ、危なかったぁ」普通なら大抵の場合、ここで中止するモノだがそうはしないのが律である(というより夜中に寝ている人を脅かす事自体悪趣味だが)。今度こそ澪を脅かそうと計画を続行する、廊下を進んでダイニングを通りがかると今度はやけに顔を紅潮させた光に見つかった。

律「ヒ、ヒカちゃんこれはさ」律は知らなかった、光が実は澪以上にお化け嫌いな怖がりだという事を。

 

光「き、キャア━━━‼イヤッ、来ないで!近づかないでぇ‼」側にあったコップやら箸やら鍋をお化け律に投げつける、とりつくしまもないとはこういうのを言うのだろう。

忍「どうしたの、光ちゃん?!って何者じゃ、ゴルァ‼」光の大騒ぎを聞き付けみんな起き出した、忍も駆け出して律のお化け姿をみるなりブチキレて

 「白鳥ア・ラ・ベ・ス・クゥー‼」思いっきり蹴っ飛ばそうとした瞬間、れんげが前に立ち両腕を広げお化け律を庇う。

れ「ダメなのん!このお化けはいいお化けなのん!」

忍「(お化けじゃなくて不法侵入者か何かだけどね)何でそんなの分かるの?」

れ「サインしてくれたん」れんげはさっきの自由帳を取り出してみんなに見せる、忍はれんげの頭を撫でながら優しく言う。

忍「そう。じゃ後はあちし達大人に任せてアンタはもう寝なさい」れんげは寝室に戻っていく、その姿が見えなくなると律は被っていたシーツから出てきて

律「お騒がせしてすいませんでしたっ‼」誰かに何か言われる前に土下座する、みんな一斉に気が抜けて脱力した。

 

律「あの~忍さん?何で自動車で買い出しに来たのに私だけ徒歩?」

忍「当然の報いよ」合宿二日目、この日は別荘地近くの街に壊れた食器を買い替えようという事になり光と忍が街まで自動車を出したのだが、律だけ昨夜の騒動の罰として後ろから歩いてついてくるように忍からお達しがあったのだ。

唯「律ちゃん、頑張ってー」

秋「ええ運動になりまっせ」

文「自業自得ですね」

澪「ちゃんとついてこいよ」

律「そもそもコップとか割ったのヒカちゃんじゃ…」

梓「悪いのは律先輩です‼」

れ「一人で歩くん?」事情を知らないれんげだけが心配そうにしていたが

忍「いいのよ、あの娘歩くの好きらしいから」忍が律への皮肉を込めてそう説得?すると

れ「そうなんなー」納得したれんげ。こうして今年の軽音部のハチャメチャな夏合宿は終了した。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。