ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
二学期を迎えて文化祭の準備一色に染まる桜ヶ丘女子高校。そんな中、軽音部だけは相変わらずのマイペースである。いつものようにお茶を飲みながらまったりしている。
澪「今日は唯がいないけどどうかしたのか?」
律「風邪を引いて寝込んでいるらしいぜ」
紬「明日にでもお見舞いにいきましょ」
梓「全く…文化祭も近いってのに」
秋「まあまあ、こればっかりはしゃーないやろ」
平沢家では忙しい両親に代わり憂が学校を早退して唯の看病をしていた。
憂「お姉ちゃん、大丈夫?」
唯「エヘヘ、大丈夫大丈夫」ベッドの上で汗だくになり息も乱れながらも精一杯の笑顔で返事をする唯、憂は体を拭いて着替えさせたら再び寝かしつける。
憂「ちゃんと寝てなよ、何かあったら呼んでね」
唯「うん、アリガト」憂はそう言うと自分の部屋に戻る。しかしその日の晩、唯にあんな異常事態が発生するとは(唯本人も含め)この時は誰も知るよしもなかった。
夜になって律は憂に電話をした。
「唯の具合はどうだ、熱下がったか?」
憂「それがお姉ちゃん、どんどん調子悪くなっていくみたいで…明日病院に連れていこうと思います」
律「そっか、お大事にな」電話を切る。
「あんな世話の焼ける姉の面倒をみるんだもんな、憂ちゃんも偉いよ」と呟くと何もない空間からいきなり手が出てきた。
律「ギャー!って、アレ?」これが澪や光だったらパニックを起こして気絶しているだろうが、律の神経はある意味消防車のホースより図太いので一瞬で冷静になった。
律「唯の手だよな、何でこんな場所に生えてきたんだ?」とりあえずくすぐってみた。
「キャハハハ…ZZZZ」間違いなく唯の声がした、その手を拘束して携帯を取り再び憂に電話する。
律「もしもし憂ちゃん?今、唯のところにいる?ちょっと様子をみてくれない?」言われるまま唯の部屋に向かった憂は唯の腕が一部壁に埋まっているのを見つける。
憂「お姉ちゃん!手が、手がなくなってるよぉ‼」
律「落ちついて憂ちゃん、唯の手なら今こっちにきているから」
憂「へっ?」
翌日部室にて光を含めた軽音部一同に昨日あった事を話す律と憂、最初は冗談だと思っていたみんなも憂が言うなら本当だろうと信じる。
梓「それで手が切り離された訳じゃないんですね」
憂「ウン。引っ張りだすとちゃんと手はくっついていたし、埋まってたハズの壁にも穴は開いてなかったの」
秋「アレか?漫画なんかでみる空間移動っちゅうヤツ」
文「唯先輩も自覚ないんですね」
紬「何かの呪い?」
澪「バカな事言うな‼」
律「ヒュ~、ドロドロドロ」
光「キャーッ‼」
梓「フザケてる場合じゃありません!」
茜「とにかく唯先輩の家に行ってみましょう。憂、大丈夫?」
憂「私はいいけど」
紬「私、そういうのに詳しい人を知ってるわ。連絡してみるわね」こうしてみんなで平沢家にやってきて唯の部屋に集まる。
唯「あ~みんな来てくれたのぉ?」熱があるせいか目は焦点が合ってなく、声もようやくだしている感じだ。ベッドから起き上がろうとしたが
澪「いいから寝てろ」
紬「ムリしちゃダメよ」横たえると寝息を立てて眠りについた唯は天井を仰ぐように布団から右腕をだした、すると手首の先だけ空間に消えてしまった。
光「み、見た?」青い顔で律に確認する光に対して
律「だからさっきから言ってんじゃん」あっけらかんと返事をする律、消えたハズの手はベッドから届かない位置に立て掛けてあるギブソン・レスポールのネックを横向きに握っていた。
「「「「ギャー‼」」」」律と憂以外の全員が絶叫する、しかしネックを握っていた手はすぐに離れて唯が腕を下ろすと同時に消えた。そして下ろされた腕にはちゃんと手がくっついている、みんなが一旦唯の部屋を出てリビングに移動したところで紬の携帯が鳴った。
「やあ、紬君。僕に直接コンタクトを取るなんて珍しいじゃないか、一体何の用だい?」電話の相手は破嵐万丈だった、紬は唯に起きた奇妙な出来事を話すと
「その現象には心当たりがある、君達の身近に僕より詳しい人間がいるから彼に確認してもらおう。今から破嵐医師団をそちらに派遣する」
茜「お嬢様、破嵐万丈様にご連絡を?」
紬「ええ、あの人ならきっと何とかしてくれるハズよ」とか言ってる内に、あっという間に万丈お抱えの医療チームが平沢家に現れて唯をベッドごと迅速かつ丁寧に特殊な救急車に乗せるといずこかへ運んでいく、ものの数分で万丈も到着して軽音部一同を執事ギャリソン時田の運転するリムジンに乗せて救急車の後を追っていった。
「ここって破嵐財閥が運営する病院だよな。万丈さん、俺に用って何だろう?」いつも通り会社で仕事をしていたら、突然上司に呼び出され全ての業務を中止してこの病院に行くように指示された彼は久し振りに旧友の顔を見かける。
「オウ、陽ノ下じゃないか。ここで何してるんだ?」
光「高坂君?!」万丈が呼び出したのは高坂賢であった。
万「やあ、高坂君。実は君に会わせたい人物がいてね」
紬「万丈さん、それって唯ちゃんですか?」
万「ああ。僕の推測が間違ってなければ彼が最もそれを証明してくれるからね」
賢「で、その人物ってのは?」
万「こちらで休ませている、ついてきたまえ」万丈に案内されて寝ている唯に出会った賢、結果は案の定だった。
賢「やっぱいますね」
万「僕の勘は正しかったようだな」
光「ちょっと高坂君、いるって何が?」若干腰がひけてはいるがこれも生徒の為と光は意を決して尋ねる。
賢「忍から聞いた事ないか?あの娘は俺と同じ。スタンドを宿しているんだ」