ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
今日は桜ヶ丘女子高では二日間に渡って行われる文化祭の一日目、軽音部の出番は二日目になるので今日はみんなクラスの出展に専念する。
そして翌日。今年は講堂の使用時間もガッツリ40分貰えている、光が立ち合って部室で最後の練習を始める一同。
練習を終えた軽音部は昨年同様機材を講堂まで持っていく。今年は部員も増えたがその分機材も多い、しかも男子のいない女子高故に一人を除いて荷物を手にする度にハァハァ息を切らしている。そんな中、紬は数十キロはあるアンプや律のバスドラムも軽々と運んでいる。
((((お嬢様なのに…))))一年生のみんなが呆気に取られたのはいうまでもない。
講堂では演劇部を始めとして各部やクラスの公演が行われる、少しずつ軽音部の出番が近づいてきた。
光「みんな、そろそろ出番だね。あまり肩の力入れすぎないで」舞台袖にスタンバイしている唯達を励ます光。
律「任せろよヒカちゃん、後は客席で見ていてくれ」光はそうねと頷いて舞台袖を去っていった。
澪「よし、みんなサプライズ決行だ!」届け出上の軽音部の部長は律だが知っての通り、ちゃらんぽらんな性格なので実質部員達の先導役の澪が全員に円陣を組ませる。
澪「今日のライヴと」
律「忍さんとヒカちゃんへのサプライズを」
紬「絶対成功させましょう」
唯「桜ヶ丘女子高軽音部、頑張って…」最後は一年生と二年生、全員声を揃えて
「「「「行きまっしょーい‼」」」」
まずは二年生の代表曲?『ふわふわ
光「忍ちゃん?どうしてここに?」
忍「あの娘達に是非観にきてほしいって呼ばれたのよ」曲はいつの間にかこの日のラストナンバー『カレーのちライス』に変わっていた、そして二年生の出番は終わる。
律「ヨッシャ!とりあえず終わった」
唯「あずにゃん、みんな。いよいよだよ」今回のサプライズは一年生がメインで仕掛ける手筈になっている、梓は愛用しているムスタングのギター、文は兄から譲り受けたフェルナンデスZO-3ベース、茜は紬からプレゼントされたウィンドシンセ、秋はスティックだけを持って舞台に上がり椅子を調整した。
一年生の演奏が始まる、曲は主にオリジナルのインストナンバーだった。軽快なメロディーが講堂に響いている、突然茜が演奏を止める。会場は一瞬ざわつくが、秋はハイハットでカウントを打つ。
秋「ワン・ツー・スリー」梓と茜が交互に誰もが知っている
ウ『♪パパパパーン♪』
ギ『♪ギュルルン♪』ご存じメンデルスゾーンの『結婚行進曲』だ、他の音楽系の部はともかく軽音部がこの曲を?と疑問に思う人もいる中、演奏が終了すると軽音部一同が舞台の上で横一列に並んで律が代表して客席に向かって挨拶する。
「陽ノ下光先生、藤崎忍さん」その後、全員で一斉に
「「「「ご結婚おめでとうございます!!」」」」みんなで頭を下げる。会場中の目が二人に注がれ、大きな拍手が送られた。忍は恥ずかしさで俯いている光の肩を抱くと、来場者達へ丁寧にお辞儀をして光を連れて講堂を後にした。
光「あの娘達、何考えてるの?!スッゴく恥ずかしかった!」一時校庭の隅に移動した二人、植樹された木の裏に姿を隠す。
忍「いいじゃない。彼女達なりの感謝の表しかたなのよ、きっと」
光「まあ、嬉しくはあったけどさ」
忍「光ちゃん」
光「ん?」
忍「幸せにするわね」
光「そうじゃないよ」
忍「え?」
光「二人でお互いを幸せにするの」
忍「そうね、誓うわ」
光「私も…」そっとキスを交わそうとした光と忍、その時!
「何で先越すのよぉ?!」悔し涙でグズグズな顔になったさわ子が二人の間に割って入ってきた、昨年のクリスマスに失恋して以来独り身なので後輩が一足先に結婚したのがよっぽどショックだったらしい。
光「や、山中先生?」
忍「またアンタなの?いい加減にしてほしいわね、全く!」
唯「ヒカちゃんせんせ~い!」軽音部のみんなが駆け寄ってくる、これから質問攻めに遭いそうだ。
忍「そういやあの娘達、何であちしらが結婚した事知ってたのかしら?」
光「こっちからも問い質さないとね」そう言って互いに顔を見合わせ吹き出してしまう、これからの二人の愛は新たな道に進みながらも永遠なのだろう。