ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
公園をでて森の湖に訪れる二人、そこにも守護聖の一人がいた。絵筆を手に風景画を嗜んでいるようだ、こちらに気付くと穏やかな笑みを浮かべた。
「こんにちはディア、お散歩ですか?」
「こちらのアンジェリークに飛空都市を案内しているのですよ、謁見の間でお会いしたでしょう」
「はい」彼はディアからアンジェに視線を移すとにこやかに自己紹介した。
「
「はい、リュミエール様」
「では私達はここで失礼します、行きましょう。アンジェリーク」湖を引き上げて王立研究院へ足を伸ばした二人。そこには耳が魚のヒレのようになっている大男が待っていた、200cm.はゆうに越える姿にビビるアンジェ。
「この王立研究院の責任者のパスハだ」いかつい感じの男が名乗る、その後ろのドアからも守護聖が出てきた。
「パスハ、借りていた本は元の棚に戻しておいたぞ」剣を携えた豪気そうな男だ。
「おっ、ディアとそっちは…女王候補のお嬢ちゃんか」こちらに気づいたらしい。
「俺は強さを与える『炎の守護聖』オスカーだ、これからよろしくな。お嬢ちゃん」ウィンクされた。
(気色悪っ!)背筋が凍る。
「おや、お嬢ちゃんには刺激が強過ぎたのかな?」
(違う意味でなっ!)その様子をみていたディアが間に入る。
「オスカー、あなたを否定する訳ではありませんが程々になさった方がよろしいですよ」嗜められたオスカーは
「そんじゃ、失礼しよう。またな」
「ゴメンなさいね。彼、悪い人じゃないんですが…アンジェリーク、次の場所へ行きましょうか」
「ここは占いの館です」やってきたのは館というより、テントだった。
(占いかぁ。確か白雪さんが得意だったよな)なんて考えていたら、驚くほど背の高い女性がそこにいた。180cm.はあるだろう、よくみるとパスハと同じく耳が魚のヒレ状になっている。
「私はサラです、ここで占いをしています。何かあったら気軽に訪ねてきてね」
「は、はい。よろしくお願いします(長身の美女か。いいなぁ)」思わずニヤけるアンジェはここにもいた守護聖に気づいていない。
「アンジェリーク、どうしましたか?」ディアに話しかけられてハッとする、そこにいた守護聖を紹介された。
「ええと、私は知恵を与える『地の守護聖』ルヴァといいます、女王試験についてはですね…」
「それは私から説明します、アンジェリーク、一度貴女のお部屋に戻りましょう」
寮に帰ってきたアンジェとディア、誰かが窓から部屋の中を覗いている。
「二人共、何をしているのですか?」若干お怒り気味のディア、対してアンジェは
(そっか、守護聖って男ばっかりだし、女子に餓えてんだな。分かる!分かるよぉ!君達の気持ち)思わぬところで同士に出会い感激するが
「全く、アンジェリークがショックを受けてるじゃありませんか」勘違いするディア、そこにアンジェは助け船を出す。
「あの、ディア様。こちらは…」
「あ。ええ、そうでしたね」ディアは一つ咳払いをする。
「僕は豊かさを司る『緑の守護聖』マルセルだよ、よろしくね。アンジェリーク」部屋を覗いていた事に悪気はなかったのか天真爛漫な笑顔で挨拶するマルセル。一見すると女子にも見える愛らしい顔とかはアンジェの前世、坂城匠を彷彿とさせる。
「俺は器用さを与える『鋼の守護聖』ゼフェルだ、これでいいだろっ!」ぶっきらぼうに答える地黒の少年はいかにも思春期真っ只中といった印象だ。
「はい、また試験の時にお会いしましょう。マルセル様、ゼフェル様」アンジェはあくまで愛想笑いを見せたつもりだったのだが二人は顔を赤くして去っていった。
その後、アンジェの部屋で試験の概要などを色々教えてから陽が落ちる頃に聖殿に帰るディア、道すがらこんな事を考える。
「女王候補に限らず、今まで様々な少女や女性がこの飛空都市には訪れましたが…あの娘、アンジェリークはこれまでとはタイプが違いますね。まるで中身は男の子…ってそんなハズないですね」結構勘の鋭いディアであった。果たしてこの女王試験はどうなるのか?