ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
アンジェが飛空都市にやってきて7日が過ぎた。毎回この『土の曜日』には王立研究院から次元回廊を通ってトーキョーの様子を観察するようにディアから言われている、早速王立研究院へ向かいパスハに頼み大陸を移動できる遊星盤を手配してもらう。
次元回廊を出るとトーキョーの上空へ着いた。地上には彼女達女王候補が直接降りて関与するのは禁じられているので代理としてそこから選定された大神官から様子を伺い知る事になる。
「天使様、来てくれたんですね。今トーキョーの民が少しずつ増えてきています」言われてみると小さな家がポツリポツリと大陸のあちこちに点在している。
「この人達はどこからきたんだろう?」この宇宙は新しく創られた、つまり元々生物は存在していないハズ。アンジェは脳内で自分が知っている限りの地球の歴史と照らし合わせて考える、確か脊椎動物が誕生したのが4億年前と言われている。
「飛空都市とは時間の流れが違うのか?それにしたって色々すっ飛ばし過ぎだろ」自分の常識が通用しない大陸を後にしてから自室に帰るアンジェ、まだ日は高い。コンコン、誰かがドアをノックする、クラヴィスだった。
「アンジェリーク、暇なら私と過ごさないか?」
(現守護聖実質NO.2か。仲良くしておいて損はないな)アンジェは作り笑顔を浮かべてクラヴィスをテーブルに座らせると彼の好きなアイリッシュカフェを淹れる、この辺りは前世で得意だった猫かぶりと情報収集能力が活かされている。
「心遣い、感謝する」相変わらず言葉は少ないがその端々に誠実さが見てとれる、アンジェは不思議と胸が熱くなった。
夕方になりクラヴィスは帰っていった。
「クラヴィス様…❤アレ、おかしいな。まさか俺、ときめいてる?」そんなバカなと何度も頭を振る、少女の体を得た事で精神的にも少しずつ女性に近づいてきているのか?
「アンジェリーク、いらっしゃる?」ロザリアがドアをノックしている、何の用だろうか?
「いらっしゃい、ロザリア。フフ、お話したいなって思ってたの(そうだ、俺は彼女とお近づきになりたいんだ。男なんかお断りだぜ)」ロザリアを迎え入れテーブルに座らせるアンジェ、その胸には不純な動機を秘めている。
「それで何かご用かしら?」ニヤケ顔になりそうなのを我慢して平静を装い睡眠薬入りの紅茶を出して会話を始める。
「フェリシアの育成は順調?私も今日、トーキョーの様子を見に行ってきたの」
「まずまずといったところかしら、想像以上に上手く育ってきているわね」
「話は変わるけどロザリアは気になる男性なんているの?」
「な、何をおっしゃるの?生まれながらの女王候補たる私が、そんなハレンチな…」
「そんな事ないよ、むしろ民の気持ちを知るには恋の一つくらい経験しておいた方がいいと思うな」
「なるほど、一理ありるわね」
「でしょ?」
「それでも私、やはり殿方と親しくなるのは苦手だわ」
「私も。散々説いておきながら自分じゃ行動に移せないの」
「まあ、アンジェリークったら」ロザリアは口許を抑え上品に笑顔を見せる、アンジェもはしたなくならない程度に笑う。
「う~ん、今回はこんなモンだろう」ロザリアが帰ってから彼女と百合百合な関係を築く作戦を練るアンジェ。
「どうも男が苦手みたいだし、今度はそっちを上手く誘導して…グフフ」自分以外誰もいない部屋で表情を緩ませニヤニヤしながらロザリアの使ったティーカップを片付けようと手に取るとルージュの蹟がついている、そこに口づけようとしたが
「待て、これじゃ本物の変態だ」と思い直しカップを洗う。
「そうだ、いっそ本気で女王を目指してその暁にロザリアちゃんをそばにおくって手段もあるな」やはり中身は坂城匠のままであるアンジェだった。