ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第6話戸惑い

 トーキョーの育成は順調に進んで守護聖を讃える建造物も何軒か立ち並んだ、そして28日目の土の曜日をむかえた朝にロザリアがアンジェの元を訪ねてきた。

 「あなた、知らないの?今日は28日に一度の監査の日よ。女王陛下のいらっしゃる謁見の間に行くわよ、さっさと支度なさい!」それだけ伝えるとロザリアは先に聖殿へ向かった。

 「口調は荒いけどわざわざ知らせに来てくれるとは、根はいい娘なんだな❤」後を追いかけるアンジェ。

 

 謁見の間では試験の中間報告が行われた、その結果は僅かながらアンジェがリードしている、ロザリアには不服な結果だったがアンジェは満足してその日も天使としてトーキョーを訪れた。

 「天使様、今日も来て下さったのですね。トーキョーはどんどん発展しています。どうぞご覧になって下さい」大神官に言われるまま上空からトーキョーを検分するアンジェ、地上には守護聖を象徴する建物がチラホラ造られていた。

 

 日の曜日、ロザリアを誘って公園にでも行こうと彼女の部屋を訪ねるが既に出掛けたらしく部屋は空だった。仕方ないので自分の部屋に戻ると誰かがアンジェを訪ねてきた、ルヴァだ。

 「アンジェリーク、お忙しくなければ私とお過ごし頂けますか?」別に予定もないので申し出を受け入れた。

 「今日は森の湖に行きませんか?」アンジェ自ら提案する。

 「森の湖ですか。あ~あそこには素敵な別名があるんですよ、では参りましょう」

 

 湖に着くとそこにはロザリアがリュミエールと一緒にいた。

 「アラ?アンジェリーク、あなたも来たの?私はもう帰るところよ」

 (あ~マズい時に居合わせちゃったな)と思ったが気にも留めてないふりをした。

 「ごきげんよう、リュミエール様」すっとぼけて挨拶するアンジェにいつもと変わらぬ笑顔を向けるリュミエール。

 「ごきげんよう、アンジェリーク。トーキョーの育成は進んでますか?私も協力を惜しみませんから執務室にいらして下さいね」嫌みなく伝えるとロザリアと連れだって去っていった。

 

 アンジェは湖でルヴァと二人っきりになる、滝の流れる音の他には何も聞こえず回りは心地よい静寂に包まれている。

 「こういう静かな場所もいいですねぇ、それにしてもこの飛空都市はいつもいい天気ですよね。私の生まれた星は砂の惑星と呼ばれてまして、年中砂嵐が舞っていたものですから。だから天気がいいだけで気持ちも晴れやかになるといいますか…これって変ですかね?」いつになく長々と語るルヴァにアンジェは

 (そっかあ?別に普通だと思うけど)と軽く思っただけだったが

 「そんな事ないです」愛想を込めて返事をした。

 「そうですよね、人の気持ちって天気に左右される事ありますよね。『人間の精神は周囲の影響により形成される』と昔読んだ書物にも書いてありましたがこういう日常の中でも確認できるんですね。うーん実感…」

 (この人が変なのって天気が云々以前の問題なんじゃ…)時間も遅くなったので、ルヴァに部屋まで送ってもらった。元はヘタレ男子だった上にこの飛空都市には外灯がないので流石に夜は怖い。

 「わざわざ送っていただきありがとうございます」ここは素直に例を述べる。

 「私は話すのがあまり得意じゃありませんから、退屈じゃないか心配だったんですよ。大丈夫でしたか?つまらなくなかったですか?」不安そうに尋ねるルヴァに

 「そんな事なかったです」単なる社交辞令のつもりで答えたが

 「そう言っていただけると私も次の機会には何を話そうか前向きに考える事ができます、いやー嬉しいですね」ルヴァはそう言い残し自分の執務室へ戻っていった。

 「フゥ、どうにかご機嫌はとれたかな」一安心するアンジェ。

 「でもルヴァ様ってとても優しい方、それに博識だし」ふと頬に違和感を感じて触ってみると熱を帯びている、化粧室ある鏡に姿を写すとそこには顔を真っ赤に染めた自分がいた。

 「お、俺は体だけじゃなくてひょっとして心まで女の子になりかけてるのか?」その晩、複雑な心境を抱えたままアンジェは眠れない夜を過ごした。

 

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