ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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新シリーズ開始です。詳しい内容はまだ明かしません、分かる人には分かりそうですが。
今回からキャラの年齢や時代設定は一新します。


パラレルときメモワールド①ひびきの高校ラノベ部編
パワーレンジャー編第1話。誕生、パワーレンジャー!


 ひびきの高校2年生に進学した藤崎忍、穂刈純一郎、高坂賢、陽ノ下光、寿美幸の5人は様々な事情で落ちこぼれクラスに集められていた。

 穂刈純一郎は剣道部のエースとして期待を集めていたが悪友の坂城匠に唆されて、つまらない窃盗騒ぎを起こして選手生命を断たれてしまった。

 陸上部で活躍していた陽ノ下光は見た目の可愛らしさが仇となり他の女子部員からやっかみの対象にされ退部せざるを得なくなった。

 「光ちゃん、なんでここにいるのよ?」幼馴染みの藤崎忍は彼女が落ちこぼれクラスにいる事に驚いた、彼もオネェであるのが学校中に知られて普通クラスから追いやられた形でここに転入していた。

 元野球部員の高坂賢は先輩達が部室で飲酒しているのをたまたま目撃してその罪を押し付けられた。完全な濡れ衣だったが野球部全体を庇う為、敢えて汚名を被りこのクラスに転入してきた。

 最後に寿美幸だが彼女は成績があまりにも悪く、このままでは留年も免れない有り様だった。落ちこぼれクラスなら卒業は保証されると聞いて、普通クラスで留年するよりは遥かにマシだと自らやってきた。

 

 ある日美幸は同じクラスの問題児、青木幹人に絡まれていた。

 「なあ、俺と付き合わねぇか?」

 「にゃ、ヤだよ!」暴力に恐喝、性犯罪等の素行の悪さでこの落ちこぼれクラスに入れられた青木はクズが多いこのクラスでも嫌われ者だった。

 「だったらムリにでも聞かせてやらぁ!」教室内にも関わらず美幸の手首を強引に掴んで押し倒そうとする青木。

 「ちょっとぉ、止しなさいよ」忍が美幸を庇うように2人の間に割って入る。

 「あ~?ジャマすんなよ、カマ野郎が!」忍に拳を向ける青木だったが逆に腕を取られて間接技をキメられた。

 「痛てぇー‼」

 「お生憎様、あちし昔から空手やってんのよ。アンタ程度ならこのまま骨を折る事だって出来るわよ」

 「なんでオカマが武道やってんだよ……」尚も憎まれ口を叩く青木。

 「アラ、武道家には男女両方いるじゃない。オカマにいても不思議はないでしょ」

 「チキショー!放せ‼」

 「ハイハイ、いいわよ。女の腐ったような青カス君」忍に手を放された勢いでつんのめる青木、よろけながら教室の端にあったロッカーに思いきり顔をぶつける。青木は床に唾をペッと吐くと教室を後にした、次の瞬間クラス中に拍手が響く。

 「よくやってくれた、藤崎」

 「あいつ、ホントにウザくてさあ。胸がスッとしたわ」クラスメート達から賞賛される忍、既に担任が教室に来ているのだが誰も気付く様子がない。

 

 その日の放課後、忍は久し振りに光の家へ訪れて彼女の部屋に招かれた。

 「これ、覚えてる?」光は小物入れから指輪を取り出して忍に見せる、台座にピンク色をしたオモチャの宝石が付されたそれは2人が小学生の頃に縁日の露店で売っていたのを忍が光にプレゼントしたモノだった。

 「覚えてるわ、10年くらい前だったかしら?」

 「9年前だよ、小2の時だもん」

 「そうだったわね……」2人が何となく感傷的になっていると指輪が突如、光の手を離れ宙に浮かんでどこへともなく飛んでいった。

 「えっ?」

 「私の指輪!」2人は考えるよりも早く指輪を追って外へ駆け出した。

 

 剣道を辞めてからゲーセンに入り浸っていた純こと穂刈純一郎はうさを晴らすかのように格ゲーに打ち込む。やがてそれにも飽きたのかその内スロットマシンにハマりだした、しかも当たりがよかったらしく大量のメダルをゲットした。

 「ィヤッホーッ‼」ジャラジャラと落とされるメダルに周囲の連中と一緒に盛り上がっていたら純がにぎりしめていた1枚の黒いメダルが急に震えだし、純の体ごとゲーセンの外へ飛び出していった。

 

 帰宅した賢はベッドの上に仰向けに寝転ぶと、おそらく2度と使わない野球のボールを意味もなく弄んでいた。フォークやスライダーの握り方を再現しては天井に投げて落ちてくるのを掴むのを繰り返しているとボールが突然パカッと割れて青い透明な石がでてきた、賢が驚いて起き上がると石は何か言いたげに彼の周りを回転してから庭に転がり落ちてそのまま地中に沈んでいく。咄嗟に石を掴もうと賢が地面に手を伸ばすと、今度は彼自身が地中に呑まれていった。

 

 今日もダンプカーに轢かれたが怪我一つしていない美幸、しかし通学用の鞄はタイヤの下じきになってペシャンコである。

 「あ~美幸の鞄が~(泣)」慌てて拾い上げたら鞄にくっ付けていたお気に入りのストラップがなくなっていた。

 「ニャー!美幸のグレイちゃんが~(慌)」ふと下を見るとストラップの人形が道路脇の側溝に落ちて流されていくのを目にした美幸。

 「オーイ!待ってよぉグレイちゃ~ん」

人形を捕まえようとする美幸はお定まり通りに側溝に落ちて自身も一緒に流される。

 

 光と一緒に指輪を追いかけていた忍は膝に違和感を感じながらもなんとか空を飛び続ける指輪を捕まえると、光の左手を取りその薬指にハメる。

 「やっぱりちょっと小さいわね」

 「エヘヘ、ありがとう忍ちゃん」途端に忍の足が不自然に浮き、空中で逆さ吊り状態になる。

 「ちょっと!ドゥなってんのよぉ?!」

 「忍ちゃん、今助けるよ」忍の体勢を元に戻そうとする光だが力及ばず、さっきまで指輪が向かっていたのと同じ方向へ仲良く飛ばされる事になった。

 

 そして5人はひびきの市から随分離れた洞窟に辿り着いた。

 

 

 




果たして5人はどうなる?

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