ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
側溝から美幸を呑み込んだ水は濁流となり洞窟の前で彼女を放り出す、ようやく解放された美幸はスッカリずぶ濡れになっていた。
「ニャ~、ビショビショだよぉ。あ、グレイちゃんどこ?」美幸が水に浮かぶお気に入りの人形を手に取ろうとしたら(水溶性の素材ではないハズなのに)中にあった黄色い石を残して溶けてなくなってしまった。
その直後、地面の中を突っ切って来た為に土と砂にまみれた賢が突き上げられるように地上へ舞い上がった。
「コーチン!」
「寿か。ここはどこだ?って、お前も理解してないようだな」美幸に話しかけながらも賢は口に入った砂を吐く。その時、別々の方向から純と忍&光が上空から落ちてきた。忍は光を庇うように抱きとめると地面に背を向けてそのまま落下、自分がクッションになり光への衝撃を最低限に押さえた。
「何なのよぉ一体?!光ちゃん大丈夫?」
「ア痛タタタ……平気、怪我はしてないみたい。忍ちゃんのおかげだよ」
「よかったわ。アラ、純も飛ばされてきたのね」純に気付いたものの大して気遣わない忍、リムが曲がって壊れた眼鏡を拾う純はとりあえずかけ直す。
「どうやらここに集まったのは俺達5人だけか」純がボソッと呟きながら手の中を確認するとずっと握っていたハズのメダルがいつの間にか、黒い透明な石に変わっていた。
それから10分くらい5人は休息して各自この状況を頭の中で整理する、忍が洞窟の中を見つめて疑問を口にした。
「ところであちしらは何でここに集まったのかしら?」
「確かに妙だな、まるでこの洞窟に呼ばれたみたいだ」賢も同意する。
「う~ん?美幸にはよく分からんなぁ」
「だとしてもナゼ俺達を?何か共通点がある訳でもないし」苛立っていた純はそう言った途端、ハッとする。
「5人共ひびきの高校落ちこぼれクラスの生徒だけど」光が自嘲気味に笑った。
「あのクラスとここが関係あるとは思えないわね、入ってみましょ」忍が率先して洞窟に足を進め、指をクイッと曲げるジェスチャーで他の4人を誘い込む。
「ウン、一緒に行こ」洞窟の中は真っ暗で怖くはあったが、光は忍と手を繋ぎ仲良く先陣を切る。
「忍の奴、意外に度胸あるな……」純と賢は唖然としたが他に選択肢はなかろうと後を追う事にした、美幸は最後尾について5人は暗い洞窟へ突入していった。
洞窟に入ると光が突然パニック状態に陥った。
「キャ~‼」
「もうヤダ~‼」
「煩え!ちったぁ黙ってろ!」苛立ちのあまり、光を怒鳴り付ける賢。
「ちょっと何よ、その言い草は?」賢の胸ぐらを掴み睨みつける忍。
「止せよお前ら‼」喧嘩腰の2人を仲裁する純。
「お前は怖くないのか?」純の問いに美幸は笑顔でこう返す。
「美幸、暗いのは平気だよぉ。トラックに轢かれたり屋根が頭に落ちてきたりいっつも酷い目には遭ってるから慣れっこだしねぇ」
「そ、そうか(こいつよく今まで生きてこれたな)」距離は思いの外短くて、300mも歩いてると目の前が明るくなってきた。
明かりの先で彼らが見たのは全面銀色の金属に覆われた近未来的な部屋だった。
「ここは一体……」5人が首を捻っていると来たところから逆方向の壁に穴が開いて人影がでてきた。
正確には人影ではない、青い色をしたソレは二足歩行であるが完全な2頭身で頭部、胴体、手首、踝から下は分かりやすい程に球体だった。
「やあ、パワーレンジャーの皆さん‼」
5人を『パワーレンジャー』と呼ぶ球体でできたソレに彼らは開いた口が塞がらないでいた、どうにか正気を取り戻した忍が球体2頭身に問う。
「パワーレンジャーって何の事?つーかそれ以前にアンタ何者よ?」するとソレは咳払いを1つして
「コホン、失礼しました。では改めまして」
「ボクドラえもんです!」
ドラえもんの文字はロゴと同じにしたかったな……