ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
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海老名姫菜との騒ぎがあった翌日、ラノベ部一同が部室に来ると既にれんげがひかげに連れられて一足先にやってきていた。
「約束通り書いてきたのん」
「そうですか、じゃ早速発表して下さい」ドヤ顔のれんげに美緒は優しく話しかける、れんげはひかげの隣に椅子を用意してもらった。
全員が暗黙の了解で決まっているそれぞれの指定席に座るとれんげは立ち上がる。
「座ったままでいいんだよ」ひかげに注意されるも
「せっかくだから立って読むん」こうなると意外に頑固なれんげであった。
「ま、ご自由に」琴子はあまり興味なさそうに呟く。
「タイトル、新・桃太郎。始まり始まりーん」相手が子供なので気遣って拍手するラノベ部一同。
「むかーし、昔。あるところに……」れんげが自作の小説を読み始めた。
(アラ、意外にまともな出だしね)
(小学生だからな、こんなモンだろ)と思っていた時期が忍とほむらにもあった。
「
ほ「待てまてまてまてぇーっ!何でジジイがロボットになってんだ?!」
忍「後、オーヴァン=サンって誰?」堪らず突っ込む2人にれんげは
「OZ-3型は偏屈で人嫌いな科学者、オーヴァン=サンが作った女型アンドロイドなん。それよりまだ最初の方なん、2人共黙って聞くん!」ひかげは忍達に手を合わせ口パクですいませんと詫びる、そんな姉に気づく事なく続きを読むれんげ。
「ある日OG-3型に買い物を言いつけたオーヴァン=サンが1人で家にいると川上が訪ねてきました」
「ちょっと!川上から桃が流れてくるんじゃなくて人の名字だったの?」琴子も突っ込む、れんげは不服そうに
「そんな突っ込んでばっかじゃちっともお話が進まないのん、ちゃんと説明するから大人しく聞いてるん!」
~以下れんげの小説の文面~
「川上か、大学以来だな……で、一体何の用だ?」川上はオーヴァンに布に包まれた何かを手渡す。
「何も聞かずにこいつを頼む、じゃあな」逃げるようにその場を去っていく川上、手渡されたのは人間の赤ん坊だった。
「オーヴァンサマ、タダイマカエリマシタ。オヤ?アカチャン。マサカオーヴァンサマノ……」
「違う!大学時代の同期が一方的に押し付けていったんだ」
「ソレナラケイサツニトドケテ、ウケイレサキヲサガシテモライマショウ」
「そうだな……いや、ちょっと待て。やはり私の元で育てよう、将来利用価値があるかもしれん」
「カシコマリマシタ、デハミノマワリノオセワハワタシニオマカセクダサイ」
「ああ、任せたぞOZ-3型」そして15年が過ぎて赤ん坊はすくすくと成長すると桃太郎になりました、やがて桃太郎は鬼退治に行きたいと相談してきたのでオーヴァンは許可を出して鬼ヶ島へ送り出しました。
鬼ヶ島へ向かう途中で冥界を通りがかった桃太郎はケルベロスを、天界に立ち寄ってかつて三蔵法師のお供を務め上げた功績として
鬼ヶ島の鬼達を一掃した桃太郎は宝物をコンコルドに積んで帰り道を進んでいきます、途中で綺麗な湖を見つけて一休みしていると湖上を泳いでいた白鳥が美しい娘に姿を変えました。
「お嬢さん、貴女は?」
「この国の王女、オデットと言います。悪い魔法使いの呪いで今日みたいな満月の夜以外は白鳥の姿になってしまうのです、私の夫となる人と教会へ赴きその方が神様に永遠の愛を誓って下さらない限り呪いは解けません」オデットに一目惚れした桃太郎は
「ならば私が永遠の愛を誓いましょう」この話を聞いていた悪い魔法使いことロッドバルドは自分の娘をオデットに化けさせて、桃太郎をそそのかして教会へ連れてくるよう命じます。
ロッドバルドの娘が化けた偽オデットと教会にやってきた桃太郎が神像の前で愛を誓おうとしたその時、闘戦勝仏が如意棒で神像を叩き壊した。
「ワシが言うのもナンだが猿芝居はそこまでにしときな!」隠れていたロッドバルドは怒りを露にするも地獄の番犬と、かの斉天大聖に敵うハズもなく一瞬で殺されて正体のバレた娘は自害した。
こうしてオデットと無事結ばれた桃太郎は彼女の国の王子となりオーヴァンとOZ-3型を呼び寄せて一生幸せに暮らしました、そしてロボットなので人間よりずっと長生きしたOZ-3型は桃太郎とオデットの子孫に末代まで仕えたという事です。終わり
「何で『白鳥の湖』に桃太郎出てくんのよ?……」脱力する忍。
緒「バレエでは定番ですからね」
ほ「あ~そっか、藤崎習ってたんだっけ」
矢「おまけに『西遊記』まで混ざってますしね」
「悪モン以外みんな幸せにしたみたのーん」自慢気なドヤ顔になるれんげだが
「こんな話聞かされた私が不幸になったわよ(怒)!」琴子が額に青筋を浮かべていた。
「何で?悪モンなん?」琴子から、ブチッという音が鳴る。
「水無月さん、落ち着いて下さい!」
「子供相手に怒っても仕方ないですよ」美緒と美帆が必死に宥める、そこに部室のドアがノックされた。
「あの~ラノベ部ってのはこちらですかねぇ?」ドアの先には眠たそうな顔をした20代くらいの女性がいた、見知らぬ人の前でキレる訳にもいかず溜飲を下げる琴子。
「姉ちゃん、助かった!」ひかげに抱きつかれて頭から?が出ているこの女性がひかげとれんげの姉、宮内一穂だった。
「さあ、皆さん下校時間です。今日は解散しましょう」美緒部長が締めて本日の部活は終了した。れんげは今夜、一穂と一緒に田舎に帰るそうだ。
ほ「じゃーなぁ、れんげ!」
帆「れんげちゃん、また来て下さいね」
忍「今度は夏休みにねぃ、れんちょん」
れ「またお話作って遊びに来るーん!」爽やかに別れるラノベ部一同とれんげ。そんな中、琴子だけは
(2度と来ないでよねっ!)最後までご機嫌斜めだった。
琴子がイヤな娘になっちゃいましたね、いつかフォローするつもりです。