ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
2学期も終わりが近づき街がクリスマスカラーに染まり出す。2学期も残り少なくない中、部活の最中に美緒は何やらボーッとしている。
「今年のクリスマスこそは素敵な彼氏をと思ってたんですが……こればかりは努力でどうにかなるモノじゃありませんよね」やはり美緒も年頃の女子、恋の1つや2つしてみたいらしい。それも当然といえるが
「ちょっと美緒ちゃん、聞いてる?……美緒部長‼」忍に話しかけられてようやく我に返ると全員にジト目で見られて、恥ずかしさで鼻の頭が真っ赤になる美緒。
「す、すみません。考え事をしてまして(恥)じ、じゃ今日は解散とします。皆さんまた明日」という事でこの日の部活は終了となる。
帰り道でも仲睦まじい恋人同士と何度もすれ違う。制服姿のカップルは自分と同世代であろう、胸の奥にモヤモヤを抱えたまま家に着くと2階にある自分の部屋に籠り着替えもしないでベッドにダイブしてため息を吐く。
「あーっもう!クリスマスも近いのにぃーっ‼」家にいるので気兼ねなく大声で不満を吐き出す。が、すぐに起き出して机に向かう。
「愚痴っても仕方ありませんね、明日披露する小説を書き上げてしまいましょう」と鞄を開けて書きかけの原稿のデータを取りだそうとするが
「アレ?ない!」幾ら鞄を漁っても見つからない、どうやら部室か帰宅途中に落としてしまったらしい。
「困りました(焦)あれがないと続きが書けません。イエ、それよりもし他人に拾われて中身を見られたら恥ずかしくて生きていけない!」ショックで真っ白になる美緒の耳に母の呼ぶ声が聞こえた。
「あらまあ、わざわざありがとうね。せっかくだからお茶でも飲んでって、美緒ー、藤崎君よぉ!アンタの忘れ物を届けにきてくれたって」ヘッ?!心臓が跳ね上がりそうになる美緒、次の忍の言葉がなかったら病院行きになっていたかもしれない。
「イエ、お誘いはありがたいですが僕これからバイトなんで失礼します」忍は美緒の母に頭を下げると踵を返して如月家を後にした、ホッとしたと同時に少しだけ残念に思う美緒。
「藤崎君って素敵ですね。オネエ口調はともかくイケメンだし、頼りになるし……って!ダメです!彼には陽ノ下さんという歴としたお相手が……」再びため息を吐き、心臓の鼓動が治まってから階段を下りて母から小説のデータを受けとる、データの中身についてやたら知りたがる母を受け流すと部屋に戻りパソコンと対面した。
~ここから劇中小説~
その年の12月、リッキーは仕事で訪れたある会社でハイスクール時代の1学年上だったドレークと再会した。彼から
「Hi!リッキー、久し振りだね」
「ええ、元気そうねドレーク」何事もなかったような態度でリッキーと会話するドレークに対して当時を思い出してギクシャクしてしまうリッキー。
ハイスクール時代のリッキーはレンズの厚いメガネをかけて服装もお洒落とは無縁で目立たない、いわゆる"ショボい"女子高生だった。一方ドレークは容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能な上に大企業のご令息で女子は勿論、男子の間でも人気者。そんな彼がナゼ彼女を好きになったのかとあの頃は生徒の誰もが首をかしげていた、その質問にドレークは必ずこう返した。
「リッキーは美人だよ、僕からすればそれが解らない君達が不思議だね」
それから7年が経った
「リッキー、この後予定はあるかな?」7年前と同じく端正な顔立ちに大人の男の魅力が加わり、更にイケメン度が増したドレークから誘われる。
「アラ、勤務中にナンパなんて感心しないわね」軽い愛想笑いでやり返すリッキーだったがドレークは急に真剣な表情を見せると
「あれから僕はズッと考えていたんだ、決して自惚れた訳じゃないが振られた理由が分からなくてね」
「貴方は悪くないわ。あの頃の私は貴方の気持ちに答えられる程、自分に自信がなかったの」
「今は?」
「え?」
「今なら僕の思いに答えてくれるのか?」彼女の見つめたまま目を離さないドレークに心揺れるリッキー、この後の2人かどうなったかというと……。
「ここで区切るの?続きが気になるわね」読み終えた忍の感想に美緒は
「プロットはあるんですが細かいストーリーで悩んでるんです。もし藤崎君さえよろしければリレー形式で続き、書いてみますか?」
「遠慮するわ、あちしが書いたらどっちか死ぬし」ガッハッハと笑いながら自嘲する忍。
「海外映画の王道にありそうな話っすね」
(だから何で設定が外国なのよ……)高評価なひかげに対し、琴子は1人小さくボヤく。
「これ、お芝居にして私達で演じてみませんか?きっと評判になりますよ」
「そうか?それならあたしのパワーレンジャーの方がいいぜ」美帆の意外な発言にほむらが待ったをかける。
「話は変わりますが今年のイブって皆さんはどう過ごしますか」2学期の終業式は12月23日、その翌日がクリスマスイブである。美緒がこの話題を切り出すと
ほ「あたしは家でじいちゃんと一緒」
ひ「終業式の日に実家へ帰るんで」
琴「いつも通りよ、何もしないわ」
帆「ひびきのタワーに行きます……妹と」
忍「丸一日バイトが入ってるわ」
矢「ゲーム仲間とオフ会ですね」琴子以外全員予定があるようだ。美緒はスックと立ち上がると
「水無月さん!」
「何よ?」
「今年のクリスマスイブ、お暇なら2人で出掛けませんか?」
「え?まあ確かに暇だから別にいいけど」こうして如月美緒と水無月琴子の旧月コンビはクリスマスイブを共に過ごす事となった、果たしてどうなる?
劇中小説の続き、実際どなたか書いてみる気はございませんか?(私、多分続きは書けないと思います)