ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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新章です、今回は東方仗助と我らの藤崎忍がゲッターロボに乗って闘います。敵は意外な相手です。


パラレルときメモワールド②真・恋姫無双VSゲッターロボ編
第一席仗助、タイムスリップするのこと


 作られた外史―。

 それは新しい物語の始まり。

 終端を迎えた物語も望まれれば再び突端が開かれて新生する。

 物語は己の世界の中では無限大―

 そして閉じられた外史の行き先は、ひとえに貴方の心次第―。

 さあ。

 外史の突端を開きましょう―。

 

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「ほらぁ~、二人共早く早く~!」薄紅色の髪を持つ少女が急かすように連れを手招きする。

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「お待ち下さい、桃香(とうか)様。お一人で先行されるのは危険です」黒髪の少女が桃香と呼ばれる少女を諌める、もう一人の連れは二人に比べるとかなり幼い。前者の二人が十七、八才くらいなのに対しておそらく十にも満たないだろう。

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「そうなのだ。こんなお日様一杯のお昼に流星が落ちてくるなんて、どう考えてもおかしいのだ」

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「鈴々の言う通りです、もしかすると妖の類かも知れません。慎重に近付くべきです」二人で諌めても桃香はポカンとした表情を見せるだけで警戒心の欠片もない。

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「そうかなぁ~?……関雲長と張翼徳(    かんうんちょう  ちょうよくとく)っていうスッゴい女の子達がそういうなら、そうなのかもだけど……」

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「お姉ちゃん、鈴々達を信じるのだ」

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「そうです。劉玄徳と( りゅうげんとく )もあろうお方が、真っ昼間から妖の類に襲われたとあっては名折れというだけでは済みません」

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「うーん……じゃあさ、みんなで一緒に行けば怖くないでしょ?だから早くいこ♪」

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「はぁ~、分かってないのだぁ~」

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「全く。……鈴々、急ぐぞ」

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「了解なのだ」結局、桃香に押し切られる形で流星が落ちたという場所に三人連れだって出向く事になった。

 

 ~ここから仗助視点~

 

仗助

「あ痛タタタタ…何だったんだ一体?」目を覚ました俺は大の字に倒れていた自分の体を起こす、さっきまで新宿区で鬼と闘っていた俺達は突如発生した奇妙な渦にゲッターロボごと巻き込まれ合体も解除されちまった、渦がようやく治まったと思ったら今度はイーグル号と一緒に地上へまっ逆さまに落っこちて機体から弾き飛ばされた。そして気が付いて目を開けると、そこには華美な服を着た3人の女の子が居た。いや、華美というのか何というか。有り体にいえば……変なカッコだな。

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「……」黒髪の女は怪しい奴とでも言いたげに俺を睨んでいる。

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「……」

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「……」薄紅色をした髪の女とちんまいガキは警戒心より好奇心が勝ったのか、こっちをジ~ッと見つめている。てか、こいつらも気になるがそれ以前に

仗助

(どこだよここ?)今、俺の目の前には見た事もない風景が広がっている。遥か遠く、どこまでも続く見事な地平線。その上に点在するゴツゴツした山脈、どう考えても日本(つーか新宿区)じゃあねぇよな。

自分の置かれた現状が理解できずに頭を抱える俺に

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「あ、あのぉ~……」

仗助

「あ?」

??

「えーっと……だ、大丈夫ですか?」おずおずした様子で薄紅色の女が、心配そうに俺の顔を覗き込む。大きくて真っ直ぐな瞳だ、そんで美人。ともすれば吸い込まれそうになるその瞳に見入りながら

仗助

「だ、大丈夫だ。心配させちまってすまねぇ」とりあえず礼を言っておく。

??

「ホッ、良かったぁ♪」

仗助

「ところで、つかぬ事を聞くが……」

??

「はい?」

仗助

「ここは……どこだ?」

??

「へっ?」

仗助

「イヤ、仲間達とゲッターロボで鬼と闘ってたらデカい渦に巻き上げられて気が付いたらここにいたんだけどよ」

??

「……」女は言葉に詰まったのか急に黙り込んだ、あれ?俺、頭のイカれた奴だと思われてる?

??

「ここは幽州啄郡、五台山の麓だ」代わりに黒髪の女が答える。

仗助

(ゆーしゅーたくぐん?音の響きからして中国っぽいな)

??

「お兄ちゃん、変なかっこなのだ。真ん丸い兜で服が繋がってるー」ちんまいガキがメットに戦闘スーツを着た俺のカッコを小バカにする、そっちこそと言いかけたが下手に口出したら、尚更頭おかしい奴と思われかねんと思い直して言葉を飲み込む。

仗助

「これは戦闘用のスーツとヘルメットだ。ホレ、そこに転がってるイーグル号に乗る時に必要でな」俺はメットを外すと幸か不幸か、倒れていたすぐ横に不時着していたイーグル号を指しながら俺のカッコを物珍しそうにみる3人へ簡単に説明したトコでハッとした。

仗助

「おいおい、壊れてねぇだろうな」慌ててエンジンや計器類をチェックする俺を呆然として眺めている3人。

 

 イーグル号に異常がないのに一安心した俺。これならクレイジー・ダイヤモンドを使う必要もなさそうだ。それから俺はこの3人に自分の名を名乗った、とにかく情報を得るにはこっちもそれなりの態度を示さなきゃな。

仗助

「俺は東方仗助。イーグル号兼ゲッター(ワン)のパイロットだ、普段はぶどうヶ丘高校の1年生なんだけど……」なんて話し出すと3人共、頭の上に?が浮かぶ勢いで不思議そうな顔をしている。

劉備

「私は劉備、(あざな)は玄徳!」今度は俺の頭に?が浮かびそうになった、何で《三国志》の英雄が女になってんだ?

張飛

「鈴々は張飛なのだ!」

関羽

「関雲長とは私の事だ」ガキと黒髪も順に名を名乗る。

仗助

「ちょっと待て、流石に冗談だろ?」

関羽

「冗談などではない!」黒髪が苛立った様子で怒号する、……って事ぁ、俺がいるのはマジで約1800年前の中国なのかぁ?

仗助

「ハァーッ」俺は嘆息してこいつらに話の続き、というよりこれまでのやり取りで導きだした結果を伝える事にした。

仗助

「スマン……どうやら俺は、タイムスリップしちまったらしい」

張飛

「お兄ちゃん、もう少し鈴々達に分かる言葉を使ってほしいのだ」張飛だったか……ガキが困ったような表情で訴えてくる。

関羽

「そのたいむすりっぷ、というのはどういう意味なのです?」

仗助

「つまり、時というか時代を越えて来たというか、何て説明したら……」何かいい加減疲れてきた、現代の事情を過去の人間に伝えるのがこんなに大変だとは。

劉備

「やっぱり……。思った通りだよ、愛紗ちゃん!鈴々ちゃん!この人、きっと天の御遣い(みつかい)だよ!この乱世の大陸を平和にする為に舞い降りた、愛の天使様なんだよきっと!」劉備が目を輝かせて、俺へ身を乗り出してきた。つーか俺が天使ぃ?自分でいうのもアレだけどガラじゃねぇぞ!

関羽

管輅(かんろ)が言っていた天の御遣い。……あれはエセ占い師の戯言では?」

張飛

「うんうん、鈴々もそう思うのだ」関羽と張飛も同意見らしいが、他人からそう言われると地味にショックだな……。

劉備

「この国の事を全然知らないし、私達の知らない言葉を使ってるし。それにそれに何といっても髪型が変!」ブチッ!俺の中で何かがキレた、この髪型をバカにする奴ァ何人たりとも生かしちゃおかねぇ!

関羽

「桃香様、それは流石に失礼です。天の世界では流行ってるんでしょう」関羽がフォローに回ったので俺も溜飲を下げる。

劉備

「でも管輅ちゃん言ってたよ。天より飛来する流星は、乱世を治める使者の乗り物だーって」

仗助

「まあ、確かにイーグル号で空から落ちたって意味ではそうかもだけどよ。その天の御遣いって何なんだ?」これに答えたのは関羽だ。

関羽

「この乱世に平和を誘う天の使者。……自称大陸一の占い師、管輅の言葉です」

仗助

「乱世?」

張飛

「今の世の中の事なのだ。漢王朝が腐敗して弱い人達から沢山税金を取って、好き放題してるのだ。それに盗賊達もいっぱいいて、弱い人達を苛めているのだ!」張飛が続くと劉備も

劉備

「私達はそんな力ない人達を守ろうって立ち上がったの。だけど……三人だけじゃ何も出来なくて……」

関羽

「万策尽きたところで管輅と出会い……」

張飛

「その占いを信じて、鈴々達がここに来たってすんぽーなのだ!」寸法ねぇ。で、天の御遣いとやらが居るハズのこの場所に、俺が居たと……でも俺、魔法とか仙術が使える訳じゃねぇし。あ、スタンドがあるか。問題はどのタイミングで披露するかだな、なんて考えながらイーグル号を粒子化して腕のガントレットにしまう。ん?

劉備

「な、何であんな大きな鳥みたいのが消えちゃったの?」

張飛

「お兄ちゃんスゴいのだ!」

関羽

「これは如何なる妖術で?」ヤベえ、いつものノリで普通に片付けちまった!こいつらへ科学について、どう説明しようか?焦る俺の腹が盛大に鳴る。

仗助

「あースマン、腹減っちまった」今は大体昼の10時くらいか、鬼共がでてきたのはほぼ同じ頃だったから丸1日何も食ってねぇ勘定になるな。

張飛

「鈴々もお腹減ったのだ~!」

劉備

「私達も朝ごはんまだだったよねー」

関羽

「近くの街に移動しますか」詳しい話はメシを食いながらにしようという訳で、俺達は街に入った。そこで時代がかった建物や行き交う人々を見ると、改めてタイムスリップしちまったのを実感した。その後食事を摂りつつ互いの事情を話し合い、そこでも一悶着あったのだがそれは割愛する。

 

 メシを食い終わると俺達の話を聞いていたという女将が餞別にと1瓶の陶器に入った酒を持たせてくれた。俺は元の時代に帰る手立てを何とか捜しつつこいつらに手を貸す約束をした、どれだけ役に立つか分かんねぇけどな。

張飛

「お兄ちゃんも仲間になったから、鈴々達を真名で呼んでほしいのだ!」張飛がそう言ってきたが、真名って何だ?

関羽

「我らの持つ本当の名前だ。家族や親しき者にしか呼ぶ事を許さない、神聖な名前……」関羽が教えてくれた、この世界ならではの流儀ってヤツか。そういやこいつら、お互いに最初俺に名乗ったのとは違う名前で呼び合ってたな。

劉備

「私は桃香」

関羽

「我が真名は愛紗」

張飛

「鈴々は鈴々なのだ!」これは改めて聞かなくても分かるが、それを突っ込むのは不粋ってモンだろう。

桃香

「じゃあ、結盟だね!」嬉しそうな桃香にああ、と短く返事をする俺。愛紗が盃を空に掲げて宣誓して、俺達もそれに倣う。

愛紗

「我ら四人っ!」

桃香

「姓は違えども、姉妹の契りを結びしからは!」

鈴々

「心を同じくして助け合い、皆で力なき人々を救うのだ!」

愛紗

「同年、同月、同日に生まれる事を得ずとも!」

桃香

「願わくば同年、同月、同日に死せん事を!」世に有名な桃園の誓い、それが目の前で繰り広げられている。それ(・・)の意味を胸に刻みながら俺は戦乱に満ちた歴史の中に1歩、足を踏み出した。それにしてもまさかあの有名なワンシーンに俺が加わるとは思わなかったぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 




かなり原作をいじくったので違いをここで。
ゲッター1のパイロットに《ジョジョ第4部》の東方仗助。
ゲッターの粒子化は本作オリ設定。
仗助は《クレイジー・ダイヤモンド》を持っているが本作では未登場。
仗助は高校1年生だが元いた時代は2010年代頃。
恋姫無双サイドの変更点は後程。


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