ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
あちし達陸上部は夏休み初日に行われる次の試合に向けて特訓中よ。光ちゃんをはじめ部員がみんな一生懸命だからあちしも練習に熱が入るわ、これに入賞すればインターハイ出場に一歩近づけるしね。
「「「「お疲れっした!」」」」今日で一学期最後の練習が終了して明日から夏休みよ。その間部活は合宿以外基本的に自由参加なの、あちしはバイトもあるし今年はサボりがちになりそうね。
試合当日、競技場に着いたあちしは思わぬ人と再会した。
「虹野さん?」
「藤崎君!そっか陸上部の試合もこの競技場でやるのね」確かにここは大きな競技場だから幾つもの試合が同時に行われても不思議じゃないわね。別のエリアでサッカーの大会があるって事かしら?
「ヨウ!」いらん奴がきたわね。
「一応、見にきたよ。ホントはお前じゃなくて陽ノ下さんを…でもなくて、初めまして坂城匠です」こいついきなり虹野さんに自己アピールしてきたーっ!マズいわ、こんな人が多いトコじゃぶっ飛ばす訳にも行かないし。
「忍!」
「Hi!藤崎君、応援にきたわよ~」純と片桐さんだ、剣道部の試合は明日で会場もここじゃないにワザワザきてくれたのね。ありがたいわ、合掌。
「何だ、匠も来てたのか」純が話しかけるが虹野さんに見入っている匠の耳には届かない。アラ、伊集院妹も来てるわね。匠に何の用かしら?
「陸上の試合を見ただけでは別に速く走れるようにはならないのだ」あちしはズッこけ、純は脱力して片桐さんは大笑い。
「足遅いの?」思わず聞き返す虹野さんに伊集院妹が答える。
「お○ゃる○ばりに遅いのだ!」ナゼか楽しそうに言い放つ伊集院妹に虹野さんも苦笑い。そりゃそうよね、事実だけど。
「クッ…」恥をかかされた匠はその場を走り去っていく、勿論鈍足で。
「It's beyond help!ホントに足遅いわ」片桐さん?どっかで使おうと予め辞書引いてたでしょ、それ絶対素で出た英語じゃないわよね。因みに訳すと『駄目だこりゃ』になるのよね、そもそもい○りや○介の英語版っておかしくない?
試合が終わりあちしと光ちゃんを始め我がひびきの勢は今夏も入賞ならず、インターハイへは届かなかったわ。
「惜しかったな」
「Don't mind」純達は励ましてくれたおかげであちしはそこまで落ち込まなかったけど光ちゃんが心配ね。控え室に様子を見に行ったらドアがうっすら開いている、誰かいるのかしら?
「光、大丈夫よ。まだ来年があるわ」水無月さんだわ、彼女も光ちゃんの応援に来てたのね。こういう時は女同士にしておくべきね、あちしは退散しましょ。
それから一夜明けて今日から本格的に夏休み。とはいってもあちしは翌日早々バイトなのよ、バイト先はあの『洋食のねこや』またの名を『異世界食堂』。
「夏休みの土曜日はボクもバイト入るから、藤崎君は無理しないでね」茜ちゃんはそう言ってくれたけど別にあちしは無理しちゃいないわよ、むしろ茜ちゃんと一緒にバイトできるのが嬉しスィーわん。
「忍君、最近一文字さんと仲良いよね」光ちゃんが膨れっ面であちしにせまってきた。マズいわ、何とか誤魔化さないと。
「別に。バイト先が一緒なだけだって」
「ぶぅ~」あ、久々に聞いた、機嫌悪い時の口癖。
「それなら今度水無月さんや純達と一緒にメシ食いに来いよ、奢らないけどさ」
「え~?忍君のケチンボぉ(笑)」
「そう言うなって。だったら別の日に2人で海行こうぜ」
「ホント?約束だよっ!」ようやく機嫌直ったみたいね、今年の夏休みは