ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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ほぼ原作の文、丸写しが多いです。そのせいか、れんげのセリフが少ない。
もっと喋らせたいのに……
(;_;)


第九席曹操と劉備、手を組むのこと

 曹操に怖じ気づきながらもその問いに、しっかりと答える桃香。

桃香

「……私はこの大陸を、誰しもが笑顔で過ごせる平和な国にしたい」

曹操

「それが貴女の理想なのね」

桃香

「うん……その為には誰にも負けない、負けたくないって。そう思ってる」

曹操「……そう。分かったわ」桃香の言葉に何かしら得心がいったのか、曹操はゆっくりと頷き

曹操

「ならば劉備よ。平和を乱す元凶である黄巾党を殲滅する為、今は私に力を貸しなさい」曹操は傲慢とも少し違う、否応なく感じてしまう威厳に満ち溢れた言葉を続けた。

曹操

「今の貴女には、独力でこの黄巾の乱を鎮める力はないでしょう。だけど今は一刻も早く暴徒を鎮圧する事こそが大事。……違うかしら?」

桃香

「その通りだと思う……」

曹操

「分かっているのなら、私に協力しなさい。……そう言ってるの」

桃香

「え、でも……」不安そうな瞳を浮かべ、桃香は仗助達の方を見る。

 

仗助

「桃香、申し出を受けようぜ。曹操の言う通り、今の俺達には独力でこの乱を鎮めるだけの力はない。ゲッターをだせば別だがな……だけど力を持つ奴と協力すれば、より早くこの乱を治める事ができる」

曹操

「あら、良く分かっているじゃない」

「これでも、計算高いのよ……でも1つだけ分からない事があるわ」 

曹操

「良いでしょう。質問を許します」

「ありがと……貴女と組む事はあちしらにとっては大きな利点があるわ。けどゲッターを必要としていない貴女が、あちしらと組む利点は何?」

曹操

「……何だと思う?」

「……正直、今は分からないわ。だから聞いてるのよ」

曹操

「ふふっ、分からなければ考えなさい。考えて考えて、導きだされた答えが貴方にとっての真実。それだけの話よ」はぐらかすように答えた曹操が、最早長居は無用とばかりに背中を向けた。

曹操

「話は以上よ、共同作戦については軍師同士で話し合いなさい。そして言葉ではなく、その行いによって人の本質を理解しなさい」振り返る事なくそう告げて、桃香達の陣を後にした。

 

仗助

「なんつーか、取っ付きにくい奴だな」

桃香

「何かすごかったねー……」

朱里

「自信の塊のような方でしたね」

鈴々

「鈴々にはあいつの言ってる事が殆ど分からなかったのだぁ~」

雛里

「あの言葉は、曹操さんの哲学のようなモノかもしれません」

愛紗

「言葉ではなく、行いによって人の本質を理解せよ、か……あの(げん)を、果たして信じて良いのやら」

「あちしは信じても良いと思えるわ……話してみてつまらない嘘は言わないように感じたしねぃ」

桃香

「信じられる人って事?」

仗助

「ああ、少なくとも現時点ではな。ただ1つだけ気になるところがある」

愛紗

「それは?」

仗助

「あいつ……今は協力しろっつってたろ。その言葉の意味は……」

れんげ

「いつかは敵になるん?」さっきまで黙っていたれんげが鋭いところを突く。

「おそらく。あちしらにはあちしらの理想があるわ、じゃあ曹操にも目指す理想があるハズよ」

仗助

「そいつがどんなモンか知らねぇが……俺達の持ってるモンとは違うだろ」

愛紗

「目指す理想が違うなら、闘いになるという事か……」

「ええ。後は……目指す理想が同じでもそこに至る方法が違えば闘いになるのは、必須だとも思うわ」

仗助

「本気でこの国に住む人々の事を考えてるなら、な」

桃香

「その時にも今回のように協力する事は、出来ないモノなのかな……」

仗助

「そいつは状況次第、だろうな」

朱里

「そうでしょうね。そして……他者の力が必要になるという、そんな状況が来るような行動を、曹操さんはしないように思えます」

雛里

「先の先を見据えた上で、その時最善の方法をとる……そんな人のように思えました」

鈴々

「ホントに完璧超人なのだなー……」

「アラ、あちしらだって負けてないわよ……ね、桃香ちゃん」

桃香

「うん!どんなスゴい人だろうと、私達の理想を邪魔するなら立ち向かってやるんだから!」力強く宣言する桃香に、仲間達は皆一様に頷きを返した。

れんげ

「ところでそーそーは、鬼をどうするつもりなん?」

仗助

「あ……」

「そういえば……」

桃香

「聞いてないね……」

愛紗

「しかし、あれ以来出現していないだろう?」

朱里

「おそらく驚異は去った……というのを前提にしているんでしょう」

仗助

「だから俺達を取り込もうと?」

「考えすぎよ。あの女、それははっきり否定していたし。それに……」

鈴々

「それに……なんなのだ?」

れんげ

「鬼はウチらが倒すん!他に闘える奴なんていないんからなー」

 

 ~その頃、曹操の陣~

 

夏候惇

「劉備軍と共同戦線を張る、ですか?」曹操の部下の1人、夏候惇(かこうとん)が眉に皺を寄せて訪ねる。

曹操

「そうよ。劉備が率いる部隊と協力し、このまま一気に黄巾党の本隊を叩くの」

夏侯淵

 「黄巾党を?件の化け物ではなくて、ですか?」もう1人の部下、夏候淵(かこうえん)も怪訝な表情を見せる。

曹操

「もし化け物が出たら例の奴らに相手をさせれば良いの。本命はあくまで黄巾党よ、こんなところで我が軍の精兵を損耗する訳にはいかないわ。劉備の兵達には生きた的になってもらいましょう」

夏候惇

「なるほど!流石華琳様。そこまで考えての共同戦線なのですな」

夏候淵

「……本当にそれだけで?」

曹操

「ふふっ……英雄となれる人物を見つけて、育ててみたいと思った。私の心の中に、そういった成分が含まれているのかもしれないわね」

夏候淵

「華琳様の好敵手となり得ますかな。劉備は」

曹操

「なれば良し。我が覇業に華を添える、素晴らしき脇役となるでしょう。ならぬならばそれも良し……所詮、一時の戯れなのだから……」

夏候淵

「御意。では華琳様、部隊の指揮は我らにお任せあれ」

夏候惇

「我らの力、存分に天下に示してご覧にいれましょう!」

曹操

「ふふ、期待してるわよ……桂花(けいふぁ)

荀彧

「お側に」曹操は軍師、荀彧(じゅんいく)を呼び出して命じる。

曹操

「劉備との事務的なやり取りは貴女に一任するわ、良きようにしなさい」

荀彧

「御意」

曹操

「部隊の準備が整い次第、出陣する。……さぁ、狩りの時間を始めましょう」

 

 ~仗助視点~

 

 俺達は近くの邑から義勇兵を募ったり、曹操軍の補充兵を宛てがってもらったりして兵力を増強させた。それまで占拠していた陣地を放棄して、新たな目的地へと出発する。

 曹操の軍に所属する軍師、荀或と俺らの軍師の朱里&雛里の3人で作戦が決められ

それに従って、黄巾党の本隊が蟠踞(ばんきょ)するという冀州(きしゅう)に向かって進軍していた。

仗助

(やっぱ、このまま曹操の言いなりで使われんのは納得いかねぇ。アイツらを、ちょいとゲッターで揺さぶってやろうぜ)俺はそう忍に話を持ちかけるが断られた。

(ダメよ、今は我慢なさい。曹操もいずれ、鬼共に襲われるわ。その時で良いじゃない?)なんて会話してる間に、目的地へ到着した。

桃香

「ううー、いよいよ決戦かぁ~……緊張するね~、仗助さん」

仗助

「オ、オウ。ヘヘッ……」忍と内緒話していたとは言えるハズもなく、慌てて誤魔化す。

愛紗

「それにしても、流石と言うべきかな。曹操の兵の動き、見事という他ありませんね」

鈴々

「隊長の号令一つで動いたり、止まったり。スゴいのだー」

雛里

「ホントですね。良く調練されていて……これだけ見ても、曹操さんが只者じゃないっていうのが良く分かりますね」

「向こうは生粋の軍人でしょうしね。でもあちしらの兵隊さんだって、勇気に関しては負けてないわよ」

愛紗

「気概一つで戦場に身を投じ、我らに力を貸してくれているのですからね」

鈴々

「武器では負けるけど、勇気では負けないのだ!」

桃香

「鈴々ちゃんの言う通り!武器や軍装がら見窄(みすぼ)らしくたって、目指す場所は同じなんだから。胸を張って堂々としてれば良いの♪」だな……なら俺らは俺らなりに、ガチで()るだけだ。

仗助

「朱里、状況の説明を頼む」

朱里

「はい!荀或さんから提供された情報によると、今から対峙する相手は黄巾党の中心部隊だそうです。しかしながら兵数はそれ程多くありません」ウン?

仗助

「中心部隊なのに少ねぇのか?どういう事だ?」

雛里

「今、あそこには黄巾党の中心人物である張角、張宝、張梁の三人がいないみたいなんです」

愛紗

「ふむ。主力部隊は出陣中で、本拠地の防衛兵力は多くない……という事か」

朱里

「そういう事です」

れんげ

「下っ端しかいないのん?そんなところを攻撃しても意味がない気がするん」

雛里

「ううん、そんな事ないです。あの場所には黄巾党の兵糧の約半分が備蓄されていますから」……なるほど。兵力を削るんじゃなくて、食料を奪って自滅させるって訳か。

朱里

「幾ら諸侯が討伐に乗り出しているからといって、数では黄巾党の方が上です。兵力のみを考えて戦争をしていては、負けは自明の理ってやつです」

雛里

「極力兵力を減らさず、黄巾党に痛恨の一撃を与えられるには補給を断つ事が一番です……それを知っていた曹操さんってやっぱり只者じゃありません」

愛紗

「ふむ……しかし曹操はどのようにして、主力の不在を偵知できたのだろう?」

仗助

「そりゃお前ぇ、黄巾党も一枚岩じゃねぇって事だろ」

「奴らの中にも、誇り高い人間もいれば下衆な人間もいるのね」

愛紗

「つまり……買収、か」

仗助

「多分な」

鈴々

「お金で情報を漏らすなんてサイテーなのだ」まあそのお蔭で、こうして隙を突く事ができるんだがな。

仗助

「そう言うな鈴々。俺らにとっちゃ有利な情報を得たんだからよ」

桃香

「それもそうだね……釈然としないけど」

仗助

「今は清濁併せ呑もうぜ。敵の生き方にケチ付けられる程、俺らは強くない」

愛紗

「現実を見ろという事か……」

仗助

「ああ。その方が建設的だろ……戦争をすっのに観念に取り付かれちまえば、どうにもなんねぇ」

桃香

「それもそっか……じゃあ、サイテーな人のお蔭で出来た千載一隅の好機、存分に利用させてもらお」―とそれぞれがこれからの闘いに思いを馳せていた時……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




原作との違い
主人公は目的地に向かう間、別の三国志ゲームの事を考えている→仗助はゲッターで曹操をビビらせようと提案して、忍に諌められる。
※荀或の字は本来、{或}に斜めの線が3本入りますが正しい漢字が出せなかったので省略しました。
3/21から荀彧の文字のみ、書き直します。修正洩れあればご指摘下さい。
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