ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
もっと喋らせたいのに……
(;_;)
曹操に怖じ気づきながらもその問いに、しっかりと答える桃香。
桃香
「……私はこの大陸を、誰しもが笑顔で過ごせる平和な国にしたい」
曹操
「それが貴女の理想なのね」
桃香
「うん……その為には誰にも負けない、負けたくないって。そう思ってる」
曹操「……そう。分かったわ」桃香の言葉に何かしら得心がいったのか、曹操はゆっくりと頷き
曹操
「ならば劉備よ。平和を乱す元凶である黄巾党を殲滅する為、今は私に力を貸しなさい」曹操は傲慢とも少し違う、否応なく感じてしまう威厳に満ち溢れた言葉を続けた。
曹操
「今の貴女には、独力でこの黄巾の乱を鎮める力はないでしょう。だけど今は一刻も早く暴徒を鎮圧する事こそが大事。……違うかしら?」
桃香
「その通りだと思う……」
曹操
「分かっているのなら、私に協力しなさい。……そう言ってるの」
桃香
「え、でも……」不安そうな瞳を浮かべ、桃香は仗助達の方を見る。
仗助
「桃香、申し出を受けようぜ。曹操の言う通り、今の俺達には独力でこの乱を鎮めるだけの力はない。ゲッターをだせば別だがな……だけど力を持つ奴と協力すれば、より早くこの乱を治める事ができる」
曹操
「あら、良く分かっているじゃない」
忍
「これでも、計算高いのよ……でも1つだけ分からない事があるわ」
曹操
「良いでしょう。質問を許します」
忍
「ありがと……貴女と組む事はあちしらにとっては大きな利点があるわ。けどゲッターを必要としていない貴女が、あちしらと組む利点は何?」
曹操
「……何だと思う?」
忍
「……正直、今は分からないわ。だから聞いてるのよ」
曹操
「ふふっ、分からなければ考えなさい。考えて考えて、導きだされた答えが貴方にとっての真実。それだけの話よ」はぐらかすように答えた曹操が、最早長居は無用とばかりに背中を向けた。
曹操
「話は以上よ、共同作戦については軍師同士で話し合いなさい。そして言葉ではなく、その行いによって人の本質を理解しなさい」振り返る事なくそう告げて、桃香達の陣を後にした。
仗助
「なんつーか、取っ付きにくい奴だな」
桃香
「何かすごかったねー……」
朱里
「自信の塊のような方でしたね」
鈴々
「鈴々にはあいつの言ってる事が殆ど分からなかったのだぁ~」
雛里
「あの言葉は、曹操さんの哲学のようなモノかもしれません」
愛紗
「言葉ではなく、行いによって人の本質を理解せよ、か……あの
忍
「あちしは信じても良いと思えるわ……話してみてつまらない嘘は言わないように感じたしねぃ」
桃香
「信じられる人って事?」
仗助
「ああ、少なくとも現時点ではな。ただ1つだけ気になるところがある」
愛紗
「それは?」
仗助
「あいつ……今は協力しろっつってたろ。その言葉の意味は……」
れんげ
「いつかは敵になるん?」さっきまで黙っていたれんげが鋭いところを突く。
忍
「おそらく。あちしらにはあちしらの理想があるわ、じゃあ曹操にも目指す理想があるハズよ」
仗助
「そいつがどんなモンか知らねぇが……俺達の持ってるモンとは違うだろ」
愛紗
「目指す理想が違うなら、闘いになるという事か……」
忍
「ええ。後は……目指す理想が同じでもそこに至る方法が違えば闘いになるのは、必須だとも思うわ」
仗助
「本気でこの国に住む人々の事を考えてるなら、な」
桃香
「その時にも今回のように協力する事は、出来ないモノなのかな……」
仗助
「そいつは状況次第、だろうな」
朱里
「そうでしょうね。そして……他者の力が必要になるという、そんな状況が来るような行動を、曹操さんはしないように思えます」
雛里
「先の先を見据えた上で、その時最善の方法をとる……そんな人のように思えました」
鈴々
「ホントに完璧超人なのだなー……」
忍
「アラ、あちしらだって負けてないわよ……ね、桃香ちゃん」
桃香
「うん!どんなスゴい人だろうと、私達の理想を邪魔するなら立ち向かってやるんだから!」力強く宣言する桃香に、仲間達は皆一様に頷きを返した。
れんげ
「ところでそーそーは、鬼をどうするつもりなん?」
仗助
「あ……」
忍
「そういえば……」
桃香
「聞いてないね……」
愛紗
「しかし、あれ以来出現していないだろう?」
朱里
「おそらく驚異は去った……というのを前提にしているんでしょう」
仗助
「だから俺達を取り込もうと?」
忍
「考えすぎよ。あの女、それははっきり否定していたし。それに……」
鈴々
「それに……なんなのだ?」
れんげ
「鬼はウチらが倒すん!他に闘える奴なんていないんからなー」
~その頃、曹操の陣~
夏候惇
「劉備軍と共同戦線を張る、ですか?」曹操の部下の1人、
曹操
「そうよ。劉備が率いる部隊と協力し、このまま一気に黄巾党の本隊を叩くの」
夏侯淵
「黄巾党を?件の化け物ではなくて、ですか?」もう1人の部下、
曹操
「もし化け物が出たら例の奴らに相手をさせれば良いの。本命はあくまで黄巾党よ、こんなところで我が軍の精兵を損耗する訳にはいかないわ。劉備の兵達には生きた的になってもらいましょう」
夏候惇
「なるほど!流石華琳様。そこまで考えての共同戦線なのですな」
夏候淵
「……本当にそれだけで?」
曹操
「ふふっ……英雄となれる人物を見つけて、育ててみたいと思った。私の心の中に、そういった成分が含まれているのかもしれないわね」
夏候淵
「華琳様の好敵手となり得ますかな。劉備は」
曹操
「なれば良し。我が覇業に華を添える、素晴らしき脇役となるでしょう。ならぬならばそれも良し……所詮、一時の戯れなのだから……」
夏候淵
「御意。では華琳様、部隊の指揮は我らにお任せあれ」
夏候惇
「我らの力、存分に天下に示してご覧にいれましょう!」
曹操
「ふふ、期待してるわよ……
荀彧
「お側に」曹操は軍師、
曹操
「劉備との事務的なやり取りは貴女に一任するわ、良きようにしなさい」
荀彧
「御意」
曹操
「部隊の準備が整い次第、出陣する。……さぁ、狩りの時間を始めましょう」
~仗助視点~
俺達は近くの邑から義勇兵を募ったり、曹操軍の補充兵を宛てがってもらったりして兵力を増強させた。それまで占拠していた陣地を放棄して、新たな目的地へと出発する。
曹操の軍に所属する軍師、荀或と俺らの軍師の朱里&雛里の3人で作戦が決められ
それに従って、黄巾党の本隊が
仗助
(やっぱ、このまま曹操の言いなりで使われんのは納得いかねぇ。アイツらを、ちょいとゲッターで揺さぶってやろうぜ)俺はそう忍に話を持ちかけるが断られた。
忍
(ダメよ、今は我慢なさい。曹操もいずれ、鬼共に襲われるわ。その時で良いじゃない?)なんて会話してる間に、目的地へ到着した。
桃香
「ううー、いよいよ決戦かぁ~……緊張するね~、仗助さん」
仗助
「オ、オウ。ヘヘッ……」忍と内緒話していたとは言えるハズもなく、慌てて誤魔化す。
愛紗
「それにしても、流石と言うべきかな。曹操の兵の動き、見事という他ありませんね」
鈴々
「隊長の号令一つで動いたり、止まったり。スゴいのだー」
雛里
「ホントですね。良く調練されていて……これだけ見ても、曹操さんが只者じゃないっていうのが良く分かりますね」
忍
「向こうは生粋の軍人でしょうしね。でもあちしらの兵隊さんだって、勇気に関しては負けてないわよ」
愛紗
「気概一つで戦場に身を投じ、我らに力を貸してくれているのですからね」
鈴々
「武器では負けるけど、勇気では負けないのだ!」
桃香
「鈴々ちゃんの言う通り!武器や軍装がら
仗助
「朱里、状況の説明を頼む」
朱里
「はい!荀或さんから提供された情報によると、今から対峙する相手は黄巾党の中心部隊だそうです。しかしながら兵数はそれ程多くありません」ウン?
仗助
「中心部隊なのに少ねぇのか?どういう事だ?」
雛里
「今、あそこには黄巾党の中心人物である張角、張宝、張梁の三人がいないみたいなんです」
愛紗
「ふむ。主力部隊は出陣中で、本拠地の防衛兵力は多くない……という事か」
朱里
「そういう事です」
れんげ
「下っ端しかいないのん?そんなところを攻撃しても意味がない気がするん」
雛里
「ううん、そんな事ないです。あの場所には黄巾党の兵糧の約半分が備蓄されていますから」……なるほど。兵力を削るんじゃなくて、食料を奪って自滅させるって訳か。
朱里
「幾ら諸侯が討伐に乗り出しているからといって、数では黄巾党の方が上です。兵力のみを考えて戦争をしていては、負けは自明の理ってやつです」
雛里
「極力兵力を減らさず、黄巾党に痛恨の一撃を与えられるには補給を断つ事が一番です……それを知っていた曹操さんってやっぱり只者じゃありません」
愛紗
「ふむ……しかし曹操はどのようにして、主力の不在を偵知できたのだろう?」
仗助
「そりゃお前ぇ、黄巾党も一枚岩じゃねぇって事だろ」
忍
「奴らの中にも、誇り高い人間もいれば下衆な人間もいるのね」
愛紗
「つまり……買収、か」
仗助
「多分な」
鈴々
「お金で情報を漏らすなんてサイテーなのだ」まあそのお蔭で、こうして隙を突く事ができるんだがな。
仗助
「そう言うな鈴々。俺らにとっちゃ有利な情報を得たんだからよ」
桃香
「それもそうだね……釈然としないけど」
仗助
「今は清濁併せ呑もうぜ。敵の生き方にケチ付けられる程、俺らは強くない」
愛紗
「現実を見ろという事か……」
仗助
「ああ。その方が建設的だろ……戦争をすっのに観念に取り付かれちまえば、どうにもなんねぇ」
桃香
「それもそっか……じゃあ、サイテーな人のお蔭で出来た千載一隅の好機、存分に利用させてもらお」―とそれぞれがこれからの闘いに思いを馳せていた時……。
原作との違い
主人公は目的地に向かう間、別の三国志ゲームの事を考えている→仗助はゲッターで曹操をビビらせようと提案して、忍に諌められる。
※荀或の字は本来、{或}に斜めの線が3本入りますが正しい漢字が出せなかったので省略しました。
3/21から荀彧の文字のみ、書き直します。修正洩れあればご指摘下さい。