ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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この話はダイジェストにしても良かった気がしなくもないです。


第十二席劉備、趙雲を仲間にするのこと

 ~仗助視点~

 

 曹操と共に各地で黄巾党を撃破し続けて、はや半年が過ぎた―。

 俺達が、黄巾党の備蓄してした兵糧の大半を焼き捨てた事によって、各地で強勢を張っていた黄巾党も、その勢力を徐々に(ダジャレじゃねぇぞ)弱めていった。

 そこへ、戦況を見守っていた各地の諸侯達が参戦し……形勢は一気に黄巾党はほぼ壊滅にまで追い込まれた。

 こうして……大陸には平穏が訪れて、御遣い達は天へ帰っていった……となるなら、物語はハッピーエンドなんだろうけど……。

 だけど残念な事に、黄巾党の乱の勃発は、漢王朝の支配力の低下を白日の下に曝しただけだった。当然、俺達もこの世界に留まったままだ。

 未だ巨大な龍ではあるが、鱗の内側は既に骨と皮しかない……そんな状況で、諸侯に野心の炎を燃やすなと言えるハズもなく、大陸各地に不穏な動きが見え始める。

とは言うものの……弱小の更に下(ピコ小とでも言うべきか)の勢力しかない俺達には、今のところ直接関係があるような話でもなく……

 乱鎮圧の恩賞として平原というところの相(県知事的なモノらしい)に任命された俺達は、初体験の連続に周囲の状況に気を配る余裕さえなかった。

 

 初体験―街を治めるっていう、責任のある仕事の事である─

 

 ~忍視点~

 

桃香

「きょ~うも楽しくみっまわりだぁ~♪」仮にも街の領主となったあちし達は、毎日決まった時間に交代で見回りを担当する事にしたの。今日はあちしと桃香ちゃんで街の様子を検分する事になったわ。

「ご機嫌ね」

桃香

「だってやっと乱も終わったし。みんなが平和そうに暮らしているのを見ると私達、ちゃんと頑張れたんだなぁ~って楽しくなってくるんだもん♪」

「まぁその気持ちは分かるわ」半年もの間、戦場を渡り歩いて……殺伐とした生活を送っていたモンねぃ。

「それが今はこんなにノンビリと過ごせる……平和って良いわね」

桃香

「うん。みんながこうやって平和な時間を大切にすれば、闘いなんて起こらないのにね」

「ん……それはどうかしら?」(いくさ)、闘争、革命……色んな言い方があるけど、そういった争いってのは結局、人それぞれの考え方であり、正義も千差万別だから起こるのよね。人が3人居れば、争いが起こるのは必然と言えるわね。

 まぁ……だからこそ、争いを常に意識しつつ、平和な時間の有り難みをしっかりと噛みしめる事が大切なんだと思うのよね。

「……って、あちしは思うわ」

桃香

「うーん……やっぱりそうなのかなぁ」

「そりゃ桃香ちゃんみたいに天ね……ゲフンゲフン!優しい女の子ばかりなら、争いなんて起こらないと思うわよ」

桃香

「……どうせ私は天然ですよーだ」

「アラ?ゴメンなさいね(笑)」言い直したのがバレたようで、プクッと頬を膨らませた桃香ちゃんに素直に謝る。

 ……と、2人してバカ話(仕事もちゃんとしてたわよ)に華を咲かせていたら

朱里

「忍さーん、桃香様ー」朱里ちゃんが城からあちし達を呼びにきた。

桃香

「朱里ちゃん?何があったの?」

朱里

「えっとですね、すぐにお城に戻ってもらっても良いですか?」

「どうしたの?緊急事態?」

朱里

「実はお城に、お二人を訪ねて来た方が……」

桃香

「お客さん?誰だろ?」

朱里

「お名前は、確か趙雲さんとか……」

「星ちゃんが?……アラ?白蓮ちゃんのところに居たのに」

桃香

「白蓮ちゃんの使者として来たのかな?」

「分からないわ……とにかく城に戻りましょ」

桃香

「ん。そうだね」

朱里

「はわわ。お二人共、待って下さいよぉ~!」そして城に戻ったあちし達は、星ちゃんを出迎える事になったわ。

 

 ~視点なし~

 

桃香

「星ちゃんっ!」

「これは桃香殿。久方振りですな」

桃香

「ホント、久しぶりだねー♪」

愛紗

「我らの旗揚げ以来……となると、半年振りという事になりますね」

鈴々

「久しぶりなのだ。星、元気だったかー?」

「ふふっ、お陰様でな。息災だった……そちらの方も中々の活躍振りだったな。各地の街で偉く評判になっていたぞ」

桃香

「本当?へへ、頑張った甲斐があったね~♪」

仗助

「ホントだな……ところで星。各地の街でっ、つー事はもしかして……」

「ふふっ、相変わらず鋭いな……黄巾党の乱が収束に向かいだした頃に公孫賛殿から暇を貰い、各地を放浪していた」

愛紗

「放浪?お主程の人物が何故そのような真似を。探せば幾らでも仕官先はあるだろうに」

「私は安くないのでな。我が剣を預ける人物は、我が眼で見、我が耳で聞いてから判断したかったのだ」

鈴々

「それで見つかったのかー?」

「ふむ、それが中々難しくてな。主となる人物の器量と徳、そしてその周囲にいる人間の質。その三つを兼ね備える勢力は少なかった」

桃香

「少なかったという事は、幾つかは見つけたって事?」

「一応は……ただどの陣営に於いても、どこか肌に合わぬところがあったのです……だからこうして放浪していたという訳で」

愛紗

「ふむ……それにしても気になる。星程の人物が認めた勢力と言うのは、どこになるのだ?」

「まずは曹操だな。兵力、財力、そして人材。全てを兼ね備えた勢力であり、なおかつ当主である曹操は器量、才能豊かな、まさに英雄だ」

鈴々

「おー。あのチビッ子スゴかったモンなー」

「だろう?しかしなぁ……」

仗助

「何か不満な点でもあったか?」

「……あの陣営の中に漂う、百合百合しぃ雰囲気がどうも好きではないのだ」

鈴々

「百合百合しぃってどういう事なのだぁ~?」

「何というか……曹操を支える忠臣達の瞳が、桃色というか何というか……」

愛紗

「そ、それは……!どういう事だろう?」

「簡単に言えば女同士で仲が良すぎる、という事だな。その道も耽美ではあるが、あの国の将達は少し排他的でな。正直つまらん」

「つまらん、ねぇ。他にはないの?」

「もう一つは孫策殿のところだ」

愛紗

「孫策……江東の麒麟児か」

れんげ

「キリン?!首長いん?ベロでろーんってしてるん?」

仗助

「そのキリンじゃねぇよ!才能溢れる将来有望な人間の事だ!」

れんげ

「そうなん?つまんないんなー」

「話を戻しましょ。それで星が孫家に仕官しなかった理由は?」

「ああ。性勇猛、知略にも通じ、従える将はそれぞれ一騎当千……なのだが」

桃香

「だが?」

「完璧な布陣過ぎてつまらんのだ。私の活躍できる場所がない」

仗助

「そっか……なるほどな」

桃香

「あとは?」

「その他は有象無象ですな」

仗助

「有象無象って、お前ぇ……」

(一応は歴史に残る英雄と同じ名を持ってるハズなのに星ちゃんから見れば路傍の石って感じかしら?)

仗助

(豪毅っつーか何つーか)

愛紗

「そうなのか?河北(かほく)の袁紹、( えんしょう )(けい)の袁術、( えんじゅつ ) 西涼の(せいりょう )馬騰(ばとう)董卓(とうたく)……と、大勢力は他に幾つもあると思うのだが……」

「勢力が大きくとも、志が天下に向かい、またそれを実現する力があるとなると、先に挙げた二名の他は有象無象」

桃香

「それで放浪を続けてきたんだ……スゴいなぁ」

鈴々

「でもどうして鈴々達のところに来たのだー?ちょっと休憩なのか?」

「ふっ……休憩ではない。私自身の闘いを始める為に来たのだ」

仗助

「ウン?じゃあ……」

「うむ。貴殿らさえ良ければ、私も共に闘わせて頂きたい。貴殿らの理想の実現の為に……私の理想を形にする為に」力強い瞳で仗助達を見つめる星の言葉から、その志の高さが伝わってくる。

桃香

「ウン!一緒に闘おう星ちゃん!みんなが笑顔を浮かべて、平和に暮らせるその日の為に!」

鈴々

「星が来れば百人力なのだー♪」

愛紗

「ふふっ、そうだな……星。お主の力、当てにさせてもらうぞ」

「ふっ、任せておけ。では……早速だが私の初任務を命じてもらおうか」

「そうね……今、やらなきゃならん仕事って何かあったかしら?」

朱里

「はい。えーっと……色々とありますけど、やはり募集に応じてやってきた兵隊さん達の訓練が急務かと……」

「ふむ。ならばその仕事、私に任せて貰おう……お嬢さん」

仗助

「そういえば、星は朱里と雛里、れんげに会うのは初めてだったよな」

「うむ。中々利発そうなお嬢さんだな」

朱里

「あ、あの、その……私、諸葛亮って言います。字は孔明で真名は朱里です、朱里って呼んで下さい」

仗助

「朱里と雛里は主に軍師として、俺達と桃香を補佐してくれてんだ」

「ふむ……朱里とは美しい名だ。……では我が真名、星をお主に預けよう。軍師殿、宜しく頼む」

朱里

「こ、こちらこそでしゅ!」初対面の緊張からか、朱里は軽く噛みながら勢いよく頭を下げた。

「それでこちらのお嬢ちゃんが……」

雛里

「あわわ、ほ、鳳統でし!」

「……」

仗助

「二人共、緊張すると舌を噛むクセがあってな……可愛いだろ?」

れんげ

「それってウチが可愛くないみたいなん!おっちゃん失礼なん!(膨)」

「大丈夫よ、れんちょんも可愛いわ。仗助はアホだから気にしちゃダメよ」

れんげ

「そうなんな、それじゃ仕方ないのん」

仗助

「……(怒)手前ぇーらァァァ‼」

愛紗

「はぁ……何をバカな喧嘩をしてるんだお前達は。星もさっさと自己紹介を済ませろ」

「おお、怖い怖い……では鳳統殿、れんげ殿。我が名は趙雲、字は子龍。真名は星、星と呼んでくれて構わないのだが……」

雛里

「あわわっ、わ、私もあの、ひ、雛里って言いますから、えと、宜しくです!」

れんげ

「にゃんぱすー。ウチ、宮内れんげって言うん。宜しくなんなー」れんげだけは、星の態度に一切物怖じしていなかった。

「雛里殿か。こちらも良い名だな、その可憐な姿にはピッタリだ。勿論れんげ殿も素敵な名だ」

雛里

「あぅ……」まっすぐに雛里の目を見つめ、まるで男が女を口説くような言い方をする星の姿に

鈴々

「桃色が合わないって、どこら辺が合わないのだ?」鈴々の的確な突っ込みが入った。

愛紗

「全く。貴様がこのように不埒な性格だとは思わなかったぞ……」

「良いではないか。美味い食事に極上の酒、美しい少女に素晴らしき仲間……闘いだけの日々では身が持たんというモノだ」

桃香

「ウンウン。星ちゃんの言う通り、仲間がいるって素晴らしい事だよね♪」

愛紗

「少し違うような気もしますが」

鈴々

「愛紗、もう諦めるのだ」

愛紗

「むぅ……」

朱里

「そ、それより仗助さん、忍さん。お仕事の配分はどうしましょうか?」

仗助

「そうだな……愛紗と星には新兵の訓練をしてもらおうぜ。んで鈴々と桃香には街の警邏を任せる」

「朱里ちゃんは市の、雛里ちゃんは兵站の管理……ってトコでどうかしら?」

雛里

「ええと……適材適所かと」

鈴々

「仗助お兄ちゃん達はどうするのだ?」

仗助

「俺らは農地に出向いてゲッターで百姓達の田畑の開墾を手伝う」

桃香

「げったあで?くれ何とかは?」

仗助

「アレはあくまで修復(しゅうふく)する能力だ、手付かずの土地は1から耕すしかねぇよ」

「ゲッターで田畑の開墾……司令官様が知ったらどんな顔するかしらね」

れんげ

「元の世界に戻れたら教えてあげるん♪」

仗助

「よせ!お前ぇはまだしも、俺と忍はぶん殴られかねん」

「それを思うと……帰りたくないわね」

仗助

「じゃ、一旦解散して、それぞれ仕事に向かおうぜ」

「夜には星ちゃんの歓迎会を開くわよ、みんなそのつもりでねぃ」

鈴々

「やた!鈴々、今日はお仕事頑張るのだ!」

愛紗

「今日は、ではなくいつも頑張って欲しいモノだ」

鈴々

「うーっ、イタイところを付かれたのだぁ……」

 

 こうして新たな仲間を加えた桃香一行とゲッターチーム。本来の三国志ではイケメンヒーローとされている趙子龍だ。この世界の趙雲こと星がヒーローになるかどうかは甚だ疑問だが……三国志自体をよく知らないれんげはともかく、仗助と忍は複雑な思いを胸に秘めながら、農地へと足を運んでいった―

 

 

 

 




次回から新たなるバトル始まる?
・原作との違い
主人公は書類整理くらいしか出来る仕事がない→重機代わりになるゲッターがあるので3人で田畑の開墾をサポート。
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