ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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今回は原作ゲームに、コミックと私のオリ展開のミックスでお届けします。


第十三席公孫賛、亡命してくるのこと

 ~忍視点~

 

 星ちゃんが仲間になってあちしらが初めての内政にあたふたしている頃―漢王朝の皇帝が身罷るという、大事件が起きたの。これに乗じて、朝廷内に燻っていた権力争いが本格化し始めたわ。具体的にいうと、朝廷を事実上牛耳る十常侍(じゅうじょうじ)と、軍部を握る大将軍可進がそれぞれ互いの息のかかった皇太子と皇子を即位させんと、血で血を洗う内乱を起こしたの。

 この皇位争い、一時はすぐに決着がついたと思われたわ。可進大将軍が軍という実行部隊を使い、その力で自分の妹と前皇帝の間に生まれた弁太子を即位させたのよ。

けど、十常侍も黙ってなかった。可進とその妹である妃を暗殺すると、残された軍はその報復に十常侍数名を排除したわ。難を逃れた十常侍のトップである張譲(ちょうじょう)はある程度これを予想していたみたいで、弁太子と前皇帝の母に擁立されていたもう1人の跡継ぎ候補、劉協を連れて逃亡。その時涼州に駐屯していた董卓を味方に付けて意気揚々と都に凱旋、けど所詮は皇帝に経面ってる宦官、すぐに董卓に殺されてしまったそうだから只の間抜けとしか言いようがないわね。その後、董卓は弁太子を廃位して前皇帝の次男だった劉協を玉座につけたのよ。劉協は献帝を名乗るも傀儡とされ、実権は自ら相国(つまり総理大臣)となった董卓が握り、朝廷内を好き勝手に牛耳っているらしいわ。

 これを良く思わなかった可進の元配下達は大陸各地で割拠の動きを見せ始めた、そして第2次権力争いがスタートする……反董卓連合結成の檄文が、各地の諸侯に飛ばされたそうよ。

 

 ……とここまでが、昨日まであちし達が集めた情報をまとめた結果よ。それが今日になって正に大どんでん返し(古いって言うのは誰よ?)が起きたのよ……

 

 話は今朝にまで遡るわ……その時あちしは、仗助とれんちょんと3人で新しく平原の領へ移民してきた人達と一緒に畑を開墾していたの。

仗助

「クゥーッ!田畑の開墾も楽じゃねぇな、毎日ゲッター2で土起こし、ゲッター3で地均し、ゲッター1で上空から水撒きして、その後は農夫達と鍬持って種まきしながら土耕して……体中が痛いぜ」仗助は日頃運動不足気味なせいか、筋肉痛に悩まされているわね。対して子供にしてはかなりのハイペースで鍬を振るうれんちょん、お家が農家だから、ゲッターチームでは唯一百姓仕事の経験者なのよね。

れんげ

「情けないんなー、ウチ全然平気なん。おっちゃんは毎日やってないからそんなへなちょこになるん!」

仗助

「んな事言われてもよぉ、普段農作業する機会とかねぇし……」

「農作業以外でも体を動かす機会は幾らでもあったハズよ。あちしは中学まで空手とバレエを、高校から陸上の長距離走ってるからそれなりに鍛えられてるわ」

仗助

「それは認めっけど、何でオカマがそんな鍛えてんだよ?」

「アラ、オカマが貧弱な時代はとっくに終わったのよ。これからのオカマはタフじゃないと♪それにあちしは女の子の方が好きだし❤」

れんげ

「ムダな話してないで、ドンドン仕事するーん!」

「ハイハイ……」

仗助

「分ーったよ……」そこに朱里ちゃんが血相変えて飛んできたの。

朱里

「皆さん大変です!」

仗助

「朱里、どうしたー?」

朱里

「それが……公孫賛さんが亡命してきたんです!」白蓮ちゃんが!なにがあったのかしら?

「仗助とれんちょんは城に戻ってて。あちしは農作業班の皆さんに指示をだしてから合流するわ」

仗助

「オ、オウ!」

れんげ

「分かったのーん」

 

 ~仗助視点~

 

 ボッロボロに疲れ果て幾らかやつれた白蓮から事情を聞いた俺達は開いた口が塞がらなかった。何と董卓討伐に出たハズの袁紹、袁術の部隊に城を落とされたと言う。

白蓮

「ヤツらとの兵力差は五倍。二国に組まれては私も成す術がなく……」

仗助

「イヤイヤ。ちょっと待て」朝廷に歯向かった訳でもない白蓮がナンでだ?

白蓮

「多少なりとも私は、董卓の人となりは知っている。今、噂で聞くような悪党ではない。むしろ温厚で慈悲深く、そこをつけこまれ濡れ衣を着せられたと私は見る」ン?待て、今はお前の話だぞ?

仗助

「それとお前が追われたのと何の関係があんだ?」

白蓮

「各所の領主が董卓を討たんとヤツのいる洛陽へ乗り込んだのだが、事前に情報を得た董卓が……城から逃げていた。しかし袁紹と袁術は手ぶらで引き上げたくなかったのだろう、『公孫賛は董卓と結託して逃げた』として我が城を襲ってきたんだ」何だそりゃ!?

仗助

「ひでぇ……」

朱里

「完全に濡れ衣ですね」

白蓮

「そんな訳で私は城を捨てここに……すまない、他に頼るところもなくてな」

仗助

「そりゃ構わねぇよ、好きなだけいりゃいいさ」俺の言葉に全員頷く、白蓮は董卓騒ぎが治まるまで、ここに匿う事に決まった。忍にゃまだ話してねぇが、あいつも賛成するだろう。

白蓮

「ありがとう。恩に着る」トントン、戸をノックする音がした、忍だ。

「白蓮ちゃん、話は聞いたわ。董卓はあちしが探してくるから、それまでゆっくりしていってちょうだい♪」

仗助

「探すってお前ぇ……当てはあんのかよ?」

「ね、白蓮ちゃん。董卓の顔は知ってるの?」

白蓮

「ああ。しかし、生憎人相書きは手元になくてな……」人相書きか、この時代に写真がある訳ないもんな。ン?忍のヤツ、何か思い付いたみてぇだな。

桃香

「どうかしたの仗助さん?」

仗助

「忍、お前ぇまた露伴に化けるつもりだろ?」

「ご名答。白蓮ちゃん、ちょっとだけ我慢してね」忍は露伴に変身すると、『ヘブンズ・ドアー』で白蓮を本にしてその記憶にある董卓の特徴を、ページを捲りながら探し始めた。

桃香

「え、ええっ?白蓮ちゃんが書物になっちゃった!」

愛紗

「仗助!あんな目に遭って白蓮殿は大丈夫なんだろうな?」愛紗が怖い顔で俺に聞いてくる、それは忍に言えよ!まあ死ぬ事はないのは確かだが。

「(露伴の声で)あったわ、この娘が董卓ちゃんね。へぇ結構可愛いじゃない」白蓮を元に戻して、その記憶から見つけた董卓の顔をスゲぇハイペースで書き上げた。

白蓮

「な、何と……まるで生き写しだ……」

「ま、ザッとこんなモンよ」

愛紗

「忍は絵心もあるのか?」

仗助

「つーか、忍が今、化けてるヤツがな。忍は変身した相手の能力や特技も真似る事が出来んだ」

桃香

「スゴーい!」

鈴々

「それで、その人相書きをどうするのだー?」

「まずはみんな、この顔を覚えていてちょうだい。後は情報を手に入れる為、連合軍に加わりましょ」

愛紗

「我らも討伐に参加しようというのか?」そういや、董卓が逃げたのを知ってるのは俺ら以外は白蓮と袁紹、袁術だけなんだよな。他の諸侯は未だに反董卓連合軍を洛陽に向けて進軍させているようだ。

「ええ。あくまで表向きはね」なるほどな。こうして俺達は城に白蓮と雛里を残して、董卓討伐の連合軍に参加する為、他勢力との合流地点へ旅立った。

 

 陣地の中は至る所に天幕が張られ、その周辺には諸侯の旗が所狭しと並び、色とりどりの軍装に身を固めた兵士達がたむらしていた。

仗助

「壮大だな、こりゃ……」

桃香

「ほわー……沢山兵隊さんが居るねぇ~」

朱里

「流石諸侯連合……といったところでしょうか。こうやって一同に会すると壮観ですね」

「ふむ……陣地中央の大天幕の位置になびく旗が、西涼の雄、馬騰の旗か」

愛紗

「その横に荊州・南陽の太守にして、袁紹の従妹にあたる袁術の旗……」その名を聞いて腹が煮えそうになった俺だが、

「白蓮ちゃんの仇は後よ。今はあちし達を連合に売り込んで先陣を切らせてもらいましょ」

仗助

「オウ」

桃香

「へ、先陣を?どうして?」

「桃香殿、我らの真の目的は董卓の保護でしょう。他に先陣を取られては……」

愛紗

「発見された董卓はほぼ間違いなく処刑されるでしょう、世間的にはそれで済みますが……」

鈴々

「白蓮お姉ちゃんはずっとあのまま隠れてなくちゃならないのだ」その為にも董卓を探し出して、事の真相をハッキリさせなくちゃならねぇしな。俺は改めて天幕をパノラマ視点で眺める、そこにはあの因縁浅からぬ曹操の旗と……奥の旗はどこのモンだろうな?

「あれは江東の麒麟児、孫策の旗だな」ほぉ、あれがねぇ。

朱里

「官軍に所属していた方の旗も、幾つか見受けられますねー」まさに諸侯が集まる武の競演……って感じだなー。なんて感心していると

兵士(モブ)

「長の行軍、お疲れ様でございました!貴殿のお名前と兵数をお聞かせ下さいますでしょうか」軍装に身を包んだ如何にも真面目そうな兵士が、筆記用具を持ちながら声を掛けてきた。

桃香

「平原の相、劉備です。兵を率いてただ今参陣しましたー、連合軍の大将さんへ、お取り次ぎ願えませんか?」

兵士(モブ)

「了解しました!総大将の馬騰様があちらの天幕でお待ちしております、私の後をついていらして下さい」

 

 兵士の案内で馬騰に謁見した俺達。意外というか、むしろ当たり前というか、馬騰はオッサンだった。

馬騰

「劉備殿、よくぞ参られた。それに天の御遣いのお三方、お噂はかねがね。戦地でなければ一献差し上げたいところですな」随分と剛毅なオッサンだな、悪人じゃなさそうだが。

 オッサンに連れられて軍議に参加した俺達は、自ら先陣に立候補した。他に先陣を切りたい将はいなかったらしく、俺達の申し出にざわめきが起こるが反対意見もなかったので、馬騰から洛陽東の汜水関(しすいかん)とその先にある虎牢関を落とすよう命令、というか頼まれた。

 

 汜水関と虎牢関―三国志演義では、難攻不落の要塞として名高い。

仗助

「つまり選択の余地はなく、虎牢関を抜けるしかねぇって事か……ちなみに、虎牢関はどんなトコか分かるか?」朱里に確認を取って見たが……

朱里

「両脇に崖がそびえ立ち、洛陽に向かう一本道に、幾つかの関が存在する……此これほど防衛に向いた土地は他にないと言っても良い程の場所ですね」聞けば聞くほど、闘うのがヤんなってくる……。

朱里

「それにしても……この人数で連合軍の先陣を切るとなると、かなり厳しいですね」

「伝え聞くところによると董卓の軍勢は約二十万。連合軍総勢で約十五万……我らが全ての敵軍を受け止めるという訳ではないが、はてさて……」確かに。幾ら董卓を保護する為とはいえ、2つの関は実際落とさねぇと。一芝居打ってんのがバレたら、元も子もない。

「兵法の基本は敵よりも多くの兵を集めて、敵よりも多くの兵で対峙する事。この2点を、連合は守ってないのよね……」

鈴々

「忍お兄ちゃんは連合軍が負けると思ってるのかー?」

「負けるとは思わないわ……でも、朱里ちゃんの言う通り、苦戦するでしょうね」

桃香

「絶対苦戦するだろうね。だからこそ、私達の軍が生き残る為に全力を尽くさないと」

れんげ

「ウチ、今回はゲッターを出しても良いと思うん」俺はため息を1つ吐いて、れんげを諭す。

仗助

「あのなれんげ。人間同士の闘いにゲッターを出すってのは、互いの面目を潰す事になるんだぜ。それじゃ済まねぇから、こんなに悩んでんだ」

れ「そうなんなー、大人は大変なのんな」れんげも納得したので俺達は最終的な打ち合わせを始めた。

愛紗

「朱里、敵軍の配備状況等は分かるのか?」

朱里

「軍議の最中、前線に向けて斥候を放っておきましたから、おっつけ情報が集まるかと」

桃香

「おー!流石朱里ちゃん♪頼りになるぅ♪」

朱里

「えへへ……とにかく今は出来る限り情報を集めるのが肝要かと思います」桃香に褒められ頬を染めつつも、まんざらでもなさそうな朱里が、そんな言葉と共に説明を締めた。

「うむ。情報がなければ作戦は決まらんからな……ならば仗助殿、今は勇を鼓して出陣しようではありませんか。いつまでも暗い顔をしていては、全軍の士気に影響するぞ?」……そうだな。今は、状況を最大限に活かし、どんだけ損害を抑え、どうやって生き残るかを考えねぇと。

 

 

 

 

 

 

 

 




原作との違い
董卓は洛陽から逃げていない→逃げていて今のところ行方知れず
白蓮は連合軍に参加している→袁紹らに追われて平原に亡命、この2点はコミック版の設定です。
連合軍総大将には袁紹が着く→連合軍とは別行動を取っているので総大将は馬騰。
雛里も連合軍に参加している→白蓮と一緒に平原でお留守番、彼女のセリフはカット又は他のキャラが喋っている。
『氾』は本来氵に巳と書きますが、出てこないので別の漢字を当てました。4/28に改正しました。
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