ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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洛陽の闘い編がスタートします。


第十四席連合軍、董卓討伐に乗り出すのこと

 ~視点なし~

 

 仗助達の話し合いが行われていた頃、曹操軍の夏候惇、夏候淵、軍師の荀或は独自に動く手筈を相談していた。

夏侯淵

「華琳様、劉備軍先陣を切って動き出す準備を始めたようです」

夏侯惇

「劉備軍が?大丈夫なのか?」

夏侯淵

「劉備の持つ兵は連合の中で最も少ない……かなり厳しいだろうな」

夏侯惇

「それならナゼ先陣を取ったのだ?先陣の誉れに目が眩んだのか?」

曹操

「劉備はともかく……あの東方や藤崎が、そんな単純な考えをするかしら?」

夏侯淵

「何か思惑があると?」

曹操

「もしくは何か事情があるという事でしょうね」

荀彧

「おそらく馬騰の要請を断りきれなかったのでしょう……弱小の悲哀ですね」

曹操

「それは違うわね、劉備軍は決して弱くない。桂花、貴女も彼らがあの化け物を倒すのを見てたでしょう?」

荀彧

「しかし、あれは……」

曹操

「もういいわ。今は論じ合ってる場合じゃないくらい、分かってるでしょう?」

荀彧

「……はい」

夏侯惇

「しかしこの難局を乗り越えなければ、華琳様の好敵手とはなりえんな」

曹操

「あら。春蘭にしては良い事を言うわね」

夏侯惇

「あぅ、華琳様ぁ……してはというのは酷いです」

夏侯淵

「まぁいつもの姉者の発言から考えれば、そう言われるのも仕方なしだな」

夏侯惇

「むぅ……」

曹操

「ふふっ、拗ねないの」

夏侯惇

「拗ねてません……」

荀彧

「はいはい、イチャイチャするのはそこまでにして下さいね。今は出陣前の大切な軍議の最中なんですから」

曹操

「あら。妬いてるのかしら?」

荀彧

「……知りません」目を伏せる荀或。

夏侯淵

「ふっ……我が軍にはアマノジャクが多いですな」

曹操

「可愛くていいじゃない」

夏侯淵

「ええ。眼福至極……では華琳様。我らは出陣の準備に取りかかります」

曹操

「頼むわね……桂花。いつまでも拗ねてないで、作戦計画の立案を急ぎなさい」

荀彧

「むぅ。御意です……」目を伏せたまま答える荀或。

曹操

「良い作戦を立てれば、後で可愛がってあげるからね……」その言葉に顔を赤らめた荀或は途端に顔を上げ

荀彧

「御意です!」上機嫌でその場を去っていく。

夏侯淵

「姉者もいつまでも拗ねてないで。準備に取りかかるぞ」妹に促される夏候惇だが返事をせず、曹操をジーッと見つめ続けている。

曹操

「分かっているわよ。あなたもちゃんと可愛がってあげるから……」

夏侯惇

「はっ!では夏候元譲、職務に戻ります!」こちらも嬉しそうである。

曹操

「はい、頑張ってね」ある意味、目が当てられない曹操軍だった。

 

 更に時を同じくして、独自作戦を計画する一派がいた。江東の虎こと、孫策(そんさく)とその軍師の周瑜(しゅうゆ)である。

周瑜

「孫策、大本営より作戦が届いた。我らはこの指示に従って進軍するのだそうだ」

孫策

「ふ~ん、なるほどねぇ。まあまあの作戦じゃない」額の紋章が印象的な美女、孫策は作戦書に目を通すと

孫策

「これはこれで従いつつ、私達は私達の好きにしましょ。どうせ本気で闘うつもりなんてないんだし」

周瑜

「我らの本意は袁術よりの独立……確かに本気で闘うつもりはないが、それなりの姿勢を見せんと袁術に気取られるやもしれないぞ」アンダーリム眼鏡の、美女だが性格がキツそうな周瑜がこれに意見する。

孫策

「それを見抜ける目を持っていてくれれば、少しは張り合いが出るってモノなんだけどね」

周瑜

「油断は禁物よ、雪蓮(しぇれん)……我らの本願を叶える為にもね」孫策を真名で呼ぶ周瑜、真剣な目とその事からも本気が窺われた。

孫策

「了解。全くもう、マジメなんだから」一方の孫策はからかうような態度を崩さない。

周瑜

「我が主が驚く程ずぼらな方でしてね」

孫策

「むー。マジメなのに厭味だけは忘れないのね」

周瑜

「ふふっ……愛ゆえに、というやつよ」

孫策

「歪んだ愛ですこと」

周瑜

「真摯な愛と言ってほしいな」

孫策

「愛されてるのね、私ってば……で、冥琳(めいりん)。私達はどう動けば良いのかしら」孫策も周瑜を真名で呼ぶ。この2人、王と忠臣の関係であると同時に、よき親友でもあるようだ。

周瑜

「方針については特に変更はないわ、最小限の損害で最大限の風評を得る。この一点よ」

孫策

「それが一番難しくない?」

周瑜

「この戦を上手く利用すれば特に難しくはない。それに曹操も我らと同じ考えのように見える」

孫策

「うまく連携してくれるかしら?」

周瑜

「向こうにとっても、他者を利用して楽が出来るならそれに越した事はないだろう……それに曹操の目的の一つとして―」

孫策

「諸侯の実力を量るつもりって事でしょ?」

周瑜

「なんだ。知っていたの?」

孫策

「私だってそうするモノ……今後、邪魔になるのはどの勢力かってね」

周瑜

「分かってるなら特に言う事はないわ。曹操の動きに注意を払い、うまく利用しましょう」

孫策

「うまうまと利用させてくれるかしら?」

周瑜

「利用させてもらう分、利用される事になるだろうがな……その辺りは私達の采配次第で結果は変わるだろう」

孫策

「……ふふっ、何だか楽しそうじゃない」

周瑜

「楽しんでいる余裕があるのも結構だけど、戦に熱中するあまり、本義を忘れないでね」

孫策

「約束は出来ないかなー?……もし私が暴走しちゃったら冥琳が止めてね♪」

周瑜

「止まってくれないくせに、良く言うわね」

孫策

「うふふっ、冥琳が泣いてくれたら、いつでも止まってあげるわよ」

周瑜

「……変態」

孫策

「そんな私の事が好きなくせに~♪」

周瑜

「……何の事かしらね。さぁ与太話はお終いよ、私は軍の編成に戻るわ」

孫策

「うふふ、了解。じゃあまた後でね」

周瑜

「ええ」

 

 ~仗助視点~

 

 朱里が放った斥候の報告だと、汜水関に立て籠る董卓軍は、約5万。その内強敵たり得るのは、猛将として名高い華雄(かゆう)将軍が率いる籠城軍の主力部隊で、約3万。いずれも装備の質、兵の質共に高く、士気も大いに騰がっているらしい。自ら先陣を切ると豪語した俺達だが……

仗助

「どうやって汜水関を落とすか……それが悩みどころだな」

朱里

「確かに作戦もなしに、突破するのは難しいと思います。でも、こと攻城戦に限って言えば、作戦や策らしきモノは必要ではないです」

桃香

「そうなの?」

「ええ。攻城戦はどう頑張っても、籠城側が圧倒的に有利よ。だから野戦みたいに、策なんてのは調略方面でしか活躍できないわ」

「それに今回は董卓一人を相手に、複数の諸侯が連合を組んでの闘いだから、挟撃される心配も少ないだろう」

愛紗

「つまり……作戦なしで闘えという事か」馬騰のオッサン。指示された作戦、無視させてもらうぜ……俺は心の中で詫びを入れておく。

朱里

「戦況を見て、その都度即応する……という事しか言えません……ごめんなさい」

鈴々

「朱里が謝る事じゃないのだ。董卓を保護するには仕方ないのだ」まぁ、とにかく今はこの先陣を乗り切る為の方策を考えなくちゃならねぇな。

桃香

(せき)に籠っているのって確か……」

朱里

「華雄将軍ですね。董卓軍の中でも猛将で知られ、兵士達の人気も高い方です……かなりの強敵だといって良いと思います」

「猛将にして良将か……難儀なモノだな」全くだ、弱点とか何かねぇかな……。

朱里

「……弱点かどうか分かりませんが、華雄将軍は己の武に誇りを持っているそうです。その辺りを攻めてみると良いかもです……」

愛紗

「ふむ。自らの武に誇りを持っている人間ならば、それを穢される事を嫌うハズ……彼奴を罵って関より引き出す、というのもアリかもしれんな」

「しかし一軍の将となっている者が、見え透いた挑発に乗るだろうか?」

愛紗

「乗るさ……なぁ鈴々」

鈴々

「にゃ?何で二人して鈴々をみるのだ?」

「ふっ……なるほど。案外、図に当たるかもしれないな」鈴々に挑発する役をヤラセようって訳か。2人共酷ぇな……まあ、適任だが。苦笑しながら、まだ頭上に?が浮いてそうな鈴々の頭を撫でつける。

仗助

「朱里、愛紗の作戦は効果ありそうか?」

朱里

「そうですね……単純な策ですが、案外イケるかもしれません。ただ……」

桃香

「ただ?」

朱里

「……作戦が成功して華雄将軍が関を出たとしても、それを受け止めるのは私達の役目ですから……」

「全軍火の玉になって攻め立ててくる華雄を、どういなすか……それが問題だわ」あー、ごもっともだな。バカにされ、罵られて怒りが有頂天!……もとい怒髪天を衝く勢いで向かってくる軍を相手にして、俺達は一体、どこまで耐えられるのか……

桃香

「でもでも、関に籠っていられるよりは、やりようがあるんじゃないかな?」

朱里

「それはそうですね……城や砦に籠っている敵には普通、その三倍の兵力を持ってして当たらなければ勝てないと言われてますから」

愛紗

「ふむ……ならばやはりこの手しかないな」

「相手が出てきた時の対処法はどうする?」

鈴々

「突撃、粉砕、勝利なのだ!」そう簡単に行きゃ楽なんだがな……そうもいかんだろうし。

仗助

「何か良い案、ねぇか?」

れんげ

「ふっふっふ……ここはウチに任せるーん!」れんげが何か思い付いたようだな、思いっきりドヤ顔だし。ま、聞くだけ聞いてみっか。

 

 ~視点なし~

 

兵士(モブ)

「華雄将軍。連合の先陣が進軍を開始しました」部下の報告を受けた、露出の高い鎧を纏った女傑、華雄は

華雄

「ああ。しかし小勢のようだな……将は誰だ?」

兵士(モブ)

「斥候の報告では、平原の相、劉備と名乗る者だそうです」

華雄

「劉備……聞いた事のない名だ」

兵士(モブ)

「最近売り出し中の人間のようですが、百戦錬磨たる我らの敵ではないかと」

華雄

「そうか。ならば鎧袖(がいしゅう)一触、敵の総大将に目にもの見せてやろうではないか」

兵士(モブ)

「了解です!」

華雄

「全軍、出撃準備!先陣の劉備なる者を粉砕し、敵軍中央にそびえる馬家の牙門旗を堕とすぞ!」

兵士(モブ)

「はっ!」洛陽第一の闘い、汜水関での戦が始まろうとしている……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




原作との主な違い
・桃香達は挑発作戦に乗ってきた華雄の兵を袁紹らに押し付ける→れんげが秘策を考えている。(詳しくは次回以降)
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