ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
~視点なし~
汜水関を抜けようとする仗助達の前に、華雄軍が立ちはだかる。当初の予定通り、軽く挑発してからわざと後退する。案の定彼らの策に乗ってきた華雄軍、猪突猛進の勢いで向かってくる、しかし仗助達はとっくに戦線を離脱している。ヤツらが相手にしているのはれんげの『C&Cファクトリー』が作り出した虚空、つまり一種のホログラムだ。
華雄
「ええい!一度尻尾を巻いて逃げ出した部隊が調子に乗ってジャレついてくる!邪魔な!」読者には言わなくても分かるだろうが、ホログラムというモノは決して自分の方から接触する事はない。むしろジャレついているのは華雄軍側だが、猪将軍の華雄に気がつくハズはない。
兵士(モブ)
「華雄様!」一人の兵士が華雄に駆け寄ってくる、かなり疲弊しているようだ。
華雄
「何だ!」
兵士(モブ)
「前線の兵士達が劉備軍に気を取られ、陣が崩れかけております!ご指示を!」
華雄
「指示だと?!そんなモノ副官に聞け!」
兵士(モブ)
「は、はっ。しかし既に副官殿の通達も兵には届かず、完全に浮き足だっておりますが……」
華雄
「……っち。分かった、ならば私が出る!」
兵士(モブ)
「はっ!」
華雄
「全く……我が軍の質も落ちたものだ。このように無様な有り様を曝すとは……」
??
「それは兵隊のたいしょーに責任があるのだ!」
華雄
「誰だ?!」
鈴々
「平原の相、劉備が一の家臣、張翼徳とは鈴々の事なのだ!」
華雄
「劉備の家臣だと……っ?!貴様、どうやってここまで!」
鈴々
「んとねー、華雄の部隊が、れんちょんの作ったほろ何とか……蜃気楼みたいなのを相手にしている隙に、鈴々がここまでやってきたのだ」
華雄
「何だと……!あれが蜃気楼?それよりも貴様、ここまで単騎で来たのか……!」
鈴々
「そういう事なのだ……さぁ華雄のお姉ちゃん、鈴々と勝負するのだ!」
華雄
「……ふっ。はーっはっはっはっ!」
鈴々
「にゃ?何がおかしいのだ?」
華雄
「子供がこの私と勝負をするだと?これが笑わずに居られるか」
鈴々
「鈴々は子供じゃないのだ!」
華雄
「子供でなくとも、そんな小さな身体で、どうやってそのデカい得物を振り回す?……ガキが。怪我をする前にこの場より立ち去れぃ」
鈴々
「闘わないのか?」
華雄
「くどい!私と闘うには十年早いわ!」
鈴々
「……じゃあ早いかどうか、確かめればいいのだ!」そう言うなり、自分の身長の倍はある
華雄
「なに……っ?!」寸で受けるが、その豪腕にさっきまでの余裕の表情が歪む。
華「ぐっ……なんて重い一撃を放つんだ、こいつ!」
鈴々
「ふふんっ、どうだーっ!鈴々と闘う気になったかーっ!」
華雄
「……良いだろう。その武、しかと認めよう。我が戦斧の血錆にしてくれる!」
鈴々
「へーんだ!そっちこそ、鈴々の蛇矛でぶっ飛ばしてやるのだ!」
華雄
「ほざくな、
鈴々
「またガキって言ったなーっ!」言い合いながらも互いの得物をかち合わせる2人だが、実力は伯仲、中々決着がつかない。
華雄
「くっ!……こんな童っぱ相手に、使うのは癪だが……勝つ為には
華雄
「はーっはっはっ!これぞ殷周の闘いにおいての英傑、黄天化の『
忍
「なっ……!まさか華雄もスタンド使いだったの?!」虻に変身して念の為にと、2人の様子を見に行った忍。因みに彼自身はスタンド使いではないので、目にする事は出来ないが、これまでかなりのスタンドと対峙してきたせいか、感覚で分かるようになっている。仗助達のいる本陣へ急いで踵を返し、鈴々VS華雄の闘いについて説明すると本陣がざわめく。
仗助
「……マジかよ?!」
れんげ
「ウチ、助太刀するーん!」鈴々の元へ駆け寄ろうとするれんげ、『C&Cファクトリー』なら誰の目にもスタンドが見えるようになる。
れんげ
「ベアー号、発進なん!」リボンの上から髪に留めているシュシュからベアー号を出現させて飛び乗ると、自らと共に透明化させて鈴々と華雄が闘う場所へ向かっていった。
『莫邪の宝剣』と名付けられた華雄のスタンドを相手に追い詰められた鈴々、意識も朦朧としてきた。そこにベアー号が駆けつけ、れんげのスタンドの手が華雄に伸びる。
れんげ
「色付けるーん!」莫邪の宝剣がその姿を現し、鈴々の目にもハッキリと見えた。
鈴々
「それが正体なのかーっ!」目に見えさえすればこっちのモノ、生気を取り戻した鈴々は敵スタンドに思いっきり蛇矛を振り回す。
華雄
「なっ……?!」
鈴々
「これで……最後だぁ──っ!」満身創痍でありながらも、渾身の一撃を振り落とした。
華雄
「ぐ……」力尽き倒れる華雄、同時にスタンドも消え失せた。
鈴々
「はぁ、はぁ、はぁ……汜水関の猛将華雄、劉備が一の家臣、張翼徳が討ち取ったのだー!」高らかに勝利宣言する鈴々に兵達から大歓声が起こった。
れんげ
「鈴々、勝ったーん!」ベアー号で上空から窺ってたれんげも両方の拳を天に伸ばし、勝鬨の声を上げる。
一方、鈴々の事が心配で堪らなかった愛紗はこの大歓声を聞いた途端に
愛紗
「星!前方で鬨の声が上がった!そちらで状況は把握しているか?!」
星
「……慌てるな、姉バカ殿よ。お主と同じ場所にいる私が、状況を把握できるハズがなかろう」
愛紗
「そ、それはそうだが……鈴々は、鈴々は無事なのだろうか……」
忍
「安心なさい。れんちょんも助太刀に行ったし……一応あちしがまた虻か蝿に化けて様子を見てくるわ」
星
「あの張翼徳ともあろう者が、そう簡単にやられはせんよ」
愛紗
「……そうかもしれんが。だが!」
仗助
「落ち着けって。れんげがベアー号で側にいる、動けねぇにしても、乗せて帰ってくんだろ」
愛紗
「う、うむ……」
星
「全く、強いのか弱いのか分からんな。お主は」からかうような態度の星にイラついたのか、ぶっきらぼうに返す愛紗。
愛紗
「放っておけ」
星
「ふふっ、そうはいかん。二人の百合百合しぃ関係を妄想し、ハァハァさせて頂こう」
愛紗
「ぐぬっ……相変わらず、おかしな奴だ」
星
「お褒めに預かり、光栄至極」星の頭に忍のオカマチョップが落ちる。
忍
「誰も褒めてないわよ、誰も!」
仗助
「しっかし、華雄もスタンド使いだったとはな……呼び名は違うだろうが」
星
「その、すたんどとやらは、敵に回すと厄介な代物のようだな……」
仗「ああ。何たって同じスタンド使いの俺とれんげ以外、目にすら見えねぇからな。尤も視認できても、勝てるって訳でもねえが……」仗助が改めて、星にスタンドについて解説していると、こちら側の兵士が申し訳なさそうに声をかけてきた。
兵士(モブ)
「あ、あのぉ~……」
愛紗
「なんだっ?!」
兵士(モブ)
「あ、いえ、その……張飛将軍がお戻りになられましたので、その報告を……」
星
「うむ。ご苦労……して、鈴々は?」
鈴々
「ここなのだ!」
愛紗
「鈴々っ!無事か?怪我はないか?怖くはなかったか?」
鈴々
「へへー、全然大丈夫なのだ♪ただいま、愛紗」
愛紗
「ああ、お帰り……無事でよかった」笑顔で戻ってきた義妹の頭を、サッと抱き締める愛紗。
星
「ふむふむ、良いぞ。実に良い」
愛紗
「くっ……要らぬ茶々を入れるな、星」
星
「茶々などと、そんな無粋なモノを入れるか。私は正直に、心の中から萌えいずる感覚を口にしているだけだ」
れんげ
「何の話なん?」鈴々と一緒に帰ってきたれんげがジト目を星達に向けている。
愛紗
「見ろ!れんげが呆れてるではないか!」
仗助
(俺はともかく、れんげは別に呆れちゃいねぇと思うが……)
忍
(れんちょんのジト目は生まれつきなのよね……)声には出さずに愛紗に突っ込む仗助と忍。
鈴々
「そうだ!こんな事してる場合じゃなかったのだ。愛紗、星。すぐに追撃をしなきゃダメなのだ!」
星
「応。すぐに部隊を集めよう……損害はっ?」それまでおちゃらけていた星が、真面目な顔で兵士に確認する。
兵士(モブ)
「はっ。激戦の為、負傷兵も多いですが……やれます。やってみせます!」
愛紗
「良い気合いだ……では行くぞ!我らが主に勝利を捧げる為に!」
星
「勇者達よ!我らが旗の下に集え!」
鈴々
「敵は浮き足だっているのだ!もう一押しして、鈴々達の強さを見せつけてやるのだ!」
愛紗
星
「目前の敵を粉砕し、その勢いのまま氾水関を落とすぞ!各員、奮励努力せよ!」
仗助
「野郎共ォーーーっ‼」
忍
「行っくわよぉーーー‼」
れんげ
「突撃するぅーん‼」劉備軍は最早大将を失った汜水関に、雄々しくなだれ込んでいった。
~その頃、曹操軍~
兵士(モブ)
「夏侯惇将軍!どうやら敵本陣で混乱が起こっているようです!」魏軍の兵士が夏候惇に報告する。
夏侯惇
「混乱?ナゼそんな事になっているのだ」
兵士(モブ)
「はっ、現在のところ状況はまだ把握出来ておりません。ですが敵陣に斥候を放っておりますので、おっつけ判明するかと」
夏侯惇
「そうか。ご苦労……どう思う、秋蘭」
夏侯淵
「ふむ……馬騰軍と対峙しているとはいえ、あの華雄がそうも簡単に軍の統率を失うとは考えにくい。ならば導き出される答えは一つしかないだろう」
夏侯惇
「華雄に何かあった、という事か」
夏侯淵
「おそらく……この状況に至る前、劉備軍が何かしら動いていたからな」
夏侯惇
「まさか劉備軍の将が華雄を討ち取ったとでも?」
夏侯淵
「その可能性は高い……良い将を揃えているようだったからな」
夏侯惇
「くっ、奴らに先を越されたというのかっ!……華琳様へのお土産がなくなってしまった……」
夏侯淵
「ふっ、まだ落ち込むのは早いさ。今はとにかく、状況の把握に努めよう」
~時同じく、孫策軍~
周瑜
「ん……華雄軍の動きが鈍ったか」
孫策
「そうみたいね……劉備配下の誰かが華雄を討ち取ったんでしょ」
周瑜
「ふむ?……華雄が討ち取られたとナゼ分かる」
孫策
「何となく……勘かな?」
周瑜
「勘、ねぇ……誰かある!」周瑜は手の空いていそうな兵を呼び寄せる。
兵士(モブ)
「はっ!」
周瑜
「華雄軍本陣に斥候を潜り込ませろ。敵の状況を把握したい」
兵士(モブ)
「はっ!」周瑜の命に従う兵士。
孫策
「あー。私の言った事、信じないんだ?」
周瑜
「勘なんてモノを簡単に信じるようじゃ、軍師は失格でしょう?私は現実主義者なのよ」
孫策
「絶対当たっているのに……」
周瑜
「確かに、あなたの勘は外れた事ないけどね……天に愛されてる人間の発言を凡人が納得するには、それなりの理由が必要なの」
孫策
「めんどくさいなぁ、もう……」
周瑜
「そう言わずに。凡人達に合わせてちょうだい」
孫策
「はいはい……で?情報が手に入るまでここで待機してるって訳じゃないんでしょ?」
周瑜
「当然よ。混乱で生じた隙をついて、一気に汜水関を落とすわ」
孫策
「そう来なくっちゃ!じゃあ私は前に行ってるからね!」
周瑜
「そうね。ただし、あまり無理はしないでよ?」
孫策
「考えとく……じゃあね♪」喜び勇んで全線へ急ぐ孫策に、周瑜はため息を1つ吐くと再び兵を呼び
周瑜
「……全く。考えてなんてくれないくせに……誰かある!」
「はっ!」
周瑜
「全線の黄蓋殿に伝令。孫策の手綱をしっかり絞って下さいと伝えてくれ」
兵士(モブ)
「はっ!」苦労性の周瑜、どうやら頭痛のタネは今後も尽きる事がないようだ、こうして氾水関を落とすという名誉は、孫策軍が手に入れる事になった。
と、いう訳で何と華雄もスタンド使いでした……(勿論、越後屋のオリ設定)この下りが一番悩みました。