ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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 汜水関を抜けて、新たな闘いのハズが……


第十六席呂布、鬼に敗れるのこと

 ~視点なし~

 

 汜水関を突破した連合軍。が、鈴々は不満げだ。

鈴々

「にゃー……結局、孫策ってヤツが氾水関を落として一番目立つ手柄を立てちゃったのだ……」

仗助

「まぁそうだな……けど、それもこれも鈴々が華雄を倒したおかげだって、みんな分かってるぜ」

鈴々

「そうなのかな?鈴々が頑張って、役に立ってたのならそれで良いんだけど……」

「闘いはまだまだ続くのよ。いつかきっと、みんなが鈴々ちゃんの事を注目するようになるわ」

桃香

「闘いはまだまだ続く、かぁ~。早く終わらないかなぁ……」

「終わらないか、じゃなくて、あちしらが終わらせるんでしょ?」

桃香

「……そうだよね。私達が頑張らないと」連合軍での諸侯の争いや腹の探り合いを見て、何か思うところがあったのか、桃香はしみじみとした表情で呟く。

仗助

「その為の、まずは第一歩……氾水関突破ができたんだが……」

朱里

「次は虎牢関……最大の難所が待っています」

「難所の次に、また難所か……虎牢関の情報は手に入っているのか?」

朱里

「はい。虎牢関の守将は天下の飛将軍、呂布(りょふ)さんという事です」

愛紗

「呂布……その武、三國無双とまで謳われている、あの呂布か!」

「ええ。それに氾水関の守将だった張遼の( ちょうりょう )姿も、前の闘いでは確認してないのよ。おそらく虎牢関に後退していると思うわ」

「張遼……張文遠(ぶんえん)か。私も旅先で良くその名を聞いたが、どの噂も張遼を讃えるモノばかりだったな」

桃香

「……という事は、次の闘いは、難攻不落の城塞に籠る三國無双の人と、噂になるぐらい強い張遼さんとの闘いなんだね……」次々と不安要素をあげるみんなの言葉に、仗助達も嘆息しか漏らす事が出来ない。

愛紗

「桃香様、何を情けない声をだしているのです。例えどんな困難があろうとも、それを成し遂げる為に全力を尽くせば良いのです」桃香を嗜める愛紗。

仗助

「……確かに愛紗の言う通りなんだけどよぉ」

「全力を尽くしても、結果を得なければ意味がない。そう言いたいのだろう」

仗助

「ああ」努力していればそれで良い……そんな考えは甘ったれでしかない、ここはそういう世界だ。結果を残さないと、例え努力したとしても水泡に帰す。それがこの世界の、現実である。

仗助

「だから……この困難な状況を乗り切る為の知恵を絞りだそうと思ってんだが、中々出なくて。つい情けない声を出しちまうんだよなぁ」

朱里

「今の状況ではそうなるのも仕方がないかと……」

「策が限られる攻城戦で、しかもあちしらの立ち位置は連合の一部隊……というモノでしかないのよね……」

愛紗

「かといって、ただぼんやりと現実を見つめている訳にも行くまい?」

桃香

「そうだね、諦めてても仕方ないよ!今は出来る事を精一杯にやらなくちゃ!」

れ「またウチがC&Cファクトリーで、騙し討ちするん!」

仗助

「イヤ、同じ手が2度も通じる保証はねぇ。忍、悪ぃがまた虫か鳥に変身して虎牢関を探ってきてくれねぇか?」

「ええ。いいわよ、それじゃ失礼するわね」忍は燕に変身して虎牢関の上空を目指し、飛んでいく。

愛紗

「ではその間、我らはしばらく待機だな」

仗助

「オウ、馬騰のオッサンの指示と相手のを動き。その両方を待ってからでも、充分間に合うと思うぜ」

 

 ~その頃、董卓軍~

張遼

「ほおー。奴ら、動きを止めよったな。こっちの出方を窺うつもりか……どうするよ、(れん)」古代中国にも関わらずナゼか関西弁で話すサラシ巻きの美女、張遼が恋という肩の刺青が印象的な美少女に尋ねる。彼女こそ三國無双と呼ばれる呂布その人であり、恋とは真名である。

呂布

「……ちんきゅー」

陳宮

「はいです!」呂布に呼ばれ、鈴々や朱里らと同い年ぐらいの少女、陳宮が返事をする。

呂布

「……どうする?」言葉少なに、陳宮に相談を持ちかける呂布。

陳宮

「敵は虎牢関を出て布陣している我々に対し、驚きと疑念を抱いているでしょう。ならば呂布殿は一気呵成に敵本陣を突き、その混乱に乗じてさっさと逃げるのが得策!」

張遼

「そうも問屋が卸すもんか?先陣らしい劉旗を追い散らして、総大将の馬騰の陣に乱入するて、結構難儀な事やで?」

陳宮

「呂布殿なら無問題(もーまんたい)なのです!」

(ナゼその単語だけ中国語?)

陳宮

「誰なのです?!」

張遼

「何や?気のせいやろ陳宮。ここにはウチと恋、アンタしかおらんで」

呂布

「……後、燕が一羽」呂布が上空を指し示し、張遼と陳宮も空を見上げる。

陳宮

「確かに……やはり気のせいだったようです」

張遼

「まさか燕が喋る訳あらへんしな」

(危なかった~(焦)、つい突っ込み入れちゃったわ……)実際はそのまさかで、燕に変身していた忍が喋ったのだが。

張遼

「本題に戻るで。それより、もっと現実的な手はあらへんのかいな?」

呂布

(しあ)。恋、頑張る」張遼を真名で呼び、小さく語る呂布。

張遼

「……が、頑張るて。うーん……まっ、ええか!恋が突っ込んだ後、ウチの部隊で更に強襲をかけたる。どや?そうすりゃ敵は大混乱間違いなしやで!」

呂布

「……良い作戦」

張遼

「せやろ!ほんならそれを基本方針にして、後は臨機応変ってのでどうや?」

陳宮

「何とも行き当たりばったりな策ですなー。まるで作者の文体なのです」

張遼

「お前が言うなっちゅーねん!それと、作者の事を責めるんは止めたれ!」

呂布

「……じゃあそれで闘う」

張遼

「応っ……頼りにしてるで、恋」

呂布

「……《コクッ》」張遼の言葉に無言で頷く呂布。

張遼

「よし……ほんなら恋。皆に一発、盛大な檄、飛ばしたれ!」

呂布

「……?」意味が分からないのか、?顔になる呂布に、張遼は半ば呆れつつも

張遼

「あらら。檄って分かるか?みんなに気合い入れたれって事やで?」

呂布

「……恋、頑張る。みんなも頑張る」兵達に淡々と告げる呂布。

張遼

「……ははっ?まぁ恋ならそんなモンか」苦笑する張遼に

呂布

「……《コクッ》」頷きで返す呂布。

張遼

「よっしゃ。ほんならウチが一発、皆に気合い入れたるわ!ええかっ!敵は連合軍とか言うてるが、そんなん名ばかりの烏合の衆や!ウチらに勝てるハズがあらへん!怖がる必要はないで!訓練とおんなじように、派手に一発ぶちかましたれ!気合い入れぃ!あいつらしばきまわしてから堂々と退却すんで!ええなぁ!」張遼の激に董卓軍兵士が鬨の声を上げる。

兵士達(モブ)

「「「「応ーっ!」」」」 

張遼

「ええ返事や!ほんなら呂布隊、先陣切って連合軍をぶち殺したれ!」

兵士達(モブ)

「「「「うぉぉぉぉ────っ!」」」」

張遼

「張遼隊は連合軍の横っ面ブッ叩いて、その後呂布隊と合流や!無様な姿見せたら死なすでぇ!」

兵士達(モブ)

「「「「応っ!」」」」

張遼

「全軍抜刀じゃー!……恋、ええな?」

呂布

「……《コクッ》」

張遼

「よっしゃ……全軍突撃!ボケ共全員、いてこましたれ―!」

 

 ~劉備軍、再び~

 

朱里

「敵軍突撃を開始しました!」

仗助

「馬騰のオッサンの指示は?!」

朱里

「えーっとですね……あ、本陣からの伝令さんが来ましたよ!」

「ん?」星は己の目を疑った。そこには上半身が人とも獣ともつかず、下半身が蛇の尾を持つ、今まで見た事のない怪物が虎牢関の真上の宙に浮かんでいる。

朱里

「お、お、お……」言い切らない内に朱里は気絶してしまった。

れんげ

「鬼出たん!」

仗助

「けっ!また出やがったか!れんげ、忍と合流してゲッターで迎え討つぞ!」

れんげ

「O.K.なのん!」

桃香

「二人共、気を付けてね!絶対、三人で無事に戻ってこなくちゃダメだよ!」桃香の言葉に仗助とれんげは頷くと、イーグル号とベアー号で虎牢関にすっ飛んでいく。忍も変身の解除と同時にジャガー号を召喚していた。

「あの化け物と互角に闘えるのは彼らしかいない。伝令兵よ、我ら劉備隊は即撤退する。馬騰殿に伝えてくれ」

愛紗

「くれぐれも助勢などもせんよう、忠告しておけ。足手まといになるだけ、とな」

兵士(モブ)

「はっ?し、しかし……」伝令兵は戸惑っているが、

桃香

「私達の目的は、あいつらにやられる事じゃないでしょ?」桃香までが珍しき語気を強めて言う。伝令兵はやむなくといった様子で

兵士(モブ)

「それでは、本陣の馬騰様には待機を進言させて頂きます」桃香達に一礼して、本陣に戻っていった。

 

 ~そして、虎牢関~

 

張遼

「何やねんな?!この化けモンは!」呂布、張遼隊の前に突如現れた鬼は大鎌を振り回し両部隊を圧倒する。人数的には上とはいえ、当然ながら勝てるハズがない。

呂布

「……倒す」呂布も武器をかち合わせるものの、鬼の鎌でアッサリ折られてしまい、なす術がない。鬼はその目を陳宮に向けると掴みかかろうと手を伸ばす。

陳宮

「ギャーッ!こっちに来るなですぅ!」

呂布

「音々っ!」咄嗟に陳宮を庇い、大鎌の刃に( やいば )引っ掛かれて背中から多量の血を流す呂布。一瞬の出来事だったが、既に虫の息となっている。

陳宮

「れ、恋殿ぉ!な、なんで音々なんか庇ったのです?!そんな事したって何の得にもならないのに……」呂布を横たえ、涙を流す陳宮、その答えをいつも以上にか細い声で息を乱しながら告げる呂布。

呂布

「恋は……音々に死んでほしくない……音々は生きた方がいい……だから……恋は……助ける」

陳宮

「音々だって……音々だって恋殿に死なれたくないのです!恋殿だって……」そこまで告げると呂布は目を閉じる。

陳宮

「恋殿?恋殿、目を開けて下さい!音々を置いて逝かないでほしいのです!」涙声で叫ぶ陳宮、呂布には届いていない。

陳宮

「恋殿ぉ───!う、うわぁぁぁん!」大声で泣く陳宮、誰かに怒鳴り散らされる。

 

??

「うっせーんだよ!そいつの傷ならもうクレイジー・ダイヤモンドで直してあらぁ!」空の上から、ガラの悪そうな男の声がする。見上げると、巨大な鉄の塊が空を飛んでいる。

陳宮

「へっ?」呂布の顔に耳を当てる陳宮、静かに寝息を立てているのが聞こえる。更に抉られたハズの背中の傷も塞がっていた。

??

「張遼!全軍を虎牢関内に避難させなさい。こいつの相手はあちし達がするわ!」さっきとは別人の、女口調の男の声が張遼に撤退を促す。

張遼

「ちょお待て!アンタら何モンや?」上空に向かって声を張り上げて尋ねる張遼。

??

「ウチら、ゲッターチームなーん!」幼い少女の声が答える。

張遼

「訳が分からん。でもアレはウチらの勝てる化けモンやないのは、確かやな。みんな!撤退するで。誰ぞ恋……呂布を担いだったれ、陳宮のチンチクリンにはムリやさかいな」

陳宮

「チンチクリンは余計なのです!でも呂布殿が無事で良かったのです……」未だ涙を目に貯め、鼻を啜る陳宮だが一先ずは安心したようで、張遼にくっついて虎牢関の中へと急いだ。

 

仗助

「手前ぇ!性懲りもなくまた出やがったな!」

「命を捨てる覚悟は出来てるんでしょうね?」

れんげ

「何度現れたってウチらが全部退治するーん!」ゲッターロボVS鬼、虎牢関の闘いが今、始まる。

 

 

 

 

 




本城様へ
先日の送らせて頂いた感想の続きですが、イギーと宮内ひかげも中の人が、同じ福圓美里さんでしたね
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