ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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洛陽の闘い、完結。新展開へ向かいます。冒頭部分はアニメ3期11話を基にしてます。


第二十席張讓、悪の報いを受けるのこと

 『劉備軍が董卓を捕らえた』という噂はあっという間に連合軍中に広まり、董卓本人は仗助らの制止を振り切って、馬騰や曹操のいる大本陣へ赴き、諸侯に謁見した。

 総大将を目の前に平伏する董卓に対し、

馬騰

「董卓殿。面を上げられよ、儂は例え敗軍の将であっても、それなりの礼を尽くすつもりである」と告げる。膝をついたまま頭を上げた董卓は各将の顔を見渡し

董卓

「連合軍の諸侯の皆様、是非お願い申し上げます。今回の一件、民を苦しめ、世を乱したる事、正に万死に値します。連合軍の諸侯の皆様、私へ相応の罰をお与え下さい」

馬騰

「ふむ。よい覚悟だな」

孫策

「確かに。今回の一件、官位を剥ぐぐらいで済ましては民も納得しないわね……」

賈駆

「待って月!どうしてボクに黙ってこんな……」謁見の場に血相を変えた賈駆が飛び込んできた。

董卓

「私、さっき話を聞くまで何にも知らなくて……こんな事なら捕まった時、自害していた方が……」跪いたまま、涙を流す董卓を庇うようにその肩を抱くと諸侯に向き直り

賈駆

「馬騰殿!……悪いのは実際に悪政を指揮したボクです!罰するならボクを!」

董卓

「詠ちゃん。臣下の罪は主君の罪、今回の事では私が責を負わねばいけないの」2人共、自分を罰しろと互いに譲らない。

曹操

「……馬騰殿。いかがなさいます?」

馬騰

「うーむ……どうしたモノかな?」と、そこへ……

夏侯惇

「申し上げます!」夏候惇が勢いよく戸を開けて現れた。

曹操

「どうしたの?」

夏侯惇

「はっ。実は例の御遣い達が、董卓を捕らえたと……」その言葉に諸侯が一斉にざわめく、そこに董卓(ホントは張讓)を羽交い締めにした、仗助と忍が入ってきた。

仗助

「こいつが本物の董卓(・・・・・)だ!」

馬騰

「御遣い殿!では、ここにいるのは一体どこの誰ですかな?」

「恐らく影武者ね。金で雇われたか、脅されてやむなく引き受けたかは知らないけど。昔っから為政者がよく使う手よ」

仗助

「つー訳だオッサン。こいつの首、さっさと跳ねちまえよ」張讓は羽交い締めから逃れようと必死に暴れ、喚き散らす。

張讓

「違う!私は董卓などではない!」

「見苦しいわよ。董卓(・・)

仗助

「いい加減観念しろよ。董卓(・・)」わざとらしく何度も張讓を董卓と呼び続ける仗助と忍。その時、張讓の懐から何かが転がり落ちた。

仗助

「ん。何だこりゃ?印鑑か?」それは董卓へ朝廷から下賜された玉璽だった。

「連合軍のみんな!ご覧なさい。この玉璽は本人しか所持する事が出来ないのはご存じでしょう。これを持っていたという事は、この者こそ董卓である何よりの証拠よ!さ、馬騰殿。お改めを」実は張讓、己の罪が発覚したら全てを董卓に擦り付けようと企み、本人しか手に出来ない玉璽を無理やりぶんどって、各書類に判を押していたのだ。董卓を陥れる策だったが、トンデモない裏目に出てしまった。馬騰は忍から渡された玉璽を見つめると

馬騰

「うむ、確かに『董』と彫られている。これぞ間違いなく董卓の玉璽。御遣い殿、罪人は儂らの手で始末させて頂こう」

曹操

「春蘭。その董卓(・・)を処刑するわ、馬騰殿にそいつを引き渡してくれるかしら?」

夏侯惇

「はっ!」

孫策

「……それで馬騰殿、この董卓の影武者とかいう娘の処遇はどうなさるおつもり?」

馬騰

「そうさな……御遣い殿!」

仗助

「あ?」

「はい?」

馬騰

「これも何かの縁。その娘はそなた達に預けましょう、下働きでもなんでも好きに使ってやってやるとよい」シタリ顔になる仗助と忍。しかしすぐに神妙な表情を作ると、馬騰達の前で膝を折り

「了解よ」

仗助

「そうさせてもらうぜ」安堵に満ちた表情で見つめ合う董卓と賈駆。こうして連合軍と董卓軍による洛陽の闘いは、終焉を迎えたのだった。

 

 ~仗助視点~

 

 洛陽の闘いが終わり、連合軍は解散となった。今後はそれぞれが己の野望に向かって動き始める。つまり、また敵同士として対峙する事もありうる……俺には、今の状況がそうとしか見えねえ。

 「闘いが終わり、また闘いが始まるのか……」そうも思うけど、それは決してなネガティブなモンじゃない。降りかかる火の粉は払ってやる、その覚悟は充分にある。そして、この大陸を統一……それを為す事こそ俺達ゲッターチームの使命で、俺達がこの世界に招かれた理由でもあるだろう。洛陽から平原に戻る道すがら、そんな風に思っていた俺だった。

 

 ~れんげ視点~

 

 結局行く宛のないとーたく達は平原で働く事になったのん、帰り際に恋ちんやねねねんとまた会えたとーたくはスッゴく喜んでたのん。それでみんなウチらのトコに来る前と同じ仕事して貰うって桃香姉が言ってたん。とーたくはそれまでの名前とか全部捨てて、ゲッターチーム付きの侍女(要するにメイドさんなんなー)になるらしいのん。だから今度からゆーたんって呼ぶ事にしたらかくが怒ってたん、意味が分からないん。

 

 ~忍視点~

 

 それから1ヶ月。平原の仕事に追われる毎日だったあちし達の下に、朝廷からの使者が現れたわ。そいつは厳かに一編の書簡を提示してきたの。

使者(モブ)

「平原の相、劉備。先の董卓討伐において多大なる功績をあげた事を認め、徐州の州牧を命ずる。かしこみて帝のご仁慈をお受けするように」そんな偉そうな言葉を告げると、使者は桃香ちゃんに書簡と一編の印を手渡した。

 

 ~視点なし~

 

桃香

「徐州の州牧だって……でも州牧って何?」

朱里

「以前は刺史と言われていたモノですね。霊帝の時代に州牧という名に変更され、権限なども刺史や相よりも大きなモノになっています」

雛里

「太守みたいなモノだと考えて良いかと……」

桃香

「太守……私、太守様なんだ……」

仗助

「おめでとう……と言いてぇトコなんだけど、この街はどうすんだ?」

朱里

「おそらく朝廷より後任の方が来られるかと」

雛里

「折角、頑張って内政したのにね……」

「全くだな。なじみの酒屋や拉麺屋が出来たというのに」

愛紗

「そうは言うが、これは大きな前進となる……すぐに徐州に移りましょう」

仗助

「そうだな……この街はみんなの頑張りのお陰で、安心して暮らせるようになった。ここで学んだ事を次に活かそう」

桃香

「うん……じゃあみんな、早速お引っ越ししましょ♪」

鈴々

「引っ越~し~、引っ越~し~♪さっさと引っ越~し~♪新しい街はどんなところになるのかな?」

雛里

「徐州は、東は黄海に連なり、西は中原と隣接する……と、古くから五省に通ずる地として知られているところですね」

朱里

「高祖劉邦の故郷でもあります……桃香様にとっては、ある意味お里帰りに近いのかもしれませんね」

桃香

「中山靖王劉勝の末裔だもんね、私♪……ウソかホントか分からないけど」

「自分で言ってどうすんのよ?」

桃香

「だって、昔の事なんて知らないし。唯一、それっぽいって言ったら、私が持ってる剣だけだもん」

「靖王伝家。桃香様の持つ剣の名でしたな」

桃香

「うん。だけれどね、この剣を持ってれば誰でも中山靖王劉勝の末裔って名乗れるんだから、あまり意味はないと思う」

仗助

「大切なのは、そいつが何をするかっていう事と、その結果だな」

桃香

「うん……という事で~。この街は後任の人にお任せしよう……名残惜しいけどね」

愛紗

「色々ありましたからね……」

「黄巾党の乱で功を立て、この街に赴任して……街の治安維持や、初めて内政をしたり。色々あったわね」

「うむ。しかしこの経験を基にして、徐州で更なる善政を()けば良い」

鈴々

「過去は過去。未来は未来なのだ!」

朱里

「ですね。じゃあ私と雛里ちゃんは、事務書類などの輸送準備をしますね」

愛紗

「我らは兵の移動準備をしようか」

「了解だ……桃香様は家財などをまとめておいて下され」

れんげ

「ウチらナニするん?」

仗助

「一足先に徐州に行ってるか。ゲットマシンならすぐだしな」

桃香

「アレってどのくらい速いの?」

「最速で一刻(約30分)あれば150里(約600Km)ぐらいね」

桃香

「スッゴーい!今度、私も乗せて♪」

朱里

「はわ……桃香様……」

雛里

「あわ……止めた方がいいです……」初めてれんげと会ったあの日を思い出して青い顔になる朱里と雛里。そして、各自がそれぞれの持ち場へと駆け出していった。

 

 ~徐州に越してきて、1ヶ月が経過した頃~

 

朱里

「ようやく徐州の生産高や産業の状況などが纏め終わりましたー」

仗助

「おおっ!ご苦労さん……大変だったろ?」

朱里

「平原とは規模が違いますから、それは大変だったですぅ……」

仗助

「そっか。それでも頑張ってくれたんだな……ありがとな」

朱里

「えへへ……」

桃香

「二人だけで和まないでよぉ~。私も仲間に入れてぇ~」

愛紗

「はぁ……和むのは後にして、報告を先にして頂けると助かるのですが」

「愛紗。ヤキモチも度が過ぎると嫌われるぞ?」

愛紗

「だ、誰がヤキモチを焼いている!私は別に、そんなつもりで言ったワケでは……嫌ったりしないよな、仗助……」

仗「オ、オウ。そりゃまぁな……(照)」

「と、あちこちで桃色な空気が流れているが、今は朱里の報告を聞こうではないか」

「……アンタが話振ったんじゃないの(呆)」

桃香

「あ、あはは(苦笑)じゃあ朱里ちゃんお願い」

朱里

「はいっ!えっとですね、この国……つまり徐州の生産力ですが、平原よりも大幅に高く、また鉄や銅などを産出する事も可能です。人口も多く、交通の便も良い事から商業も盛んですし……力を蓄えるには良い土地かと思われます」

桃香

「おおー。平原から比べると、何だかスゴーく豊かなところだねぇ」

雛里

「しかし、それだけ治政が難しいと言っても過言ではないと思います……」

「豊かだからこそ、ね……漢王朝という箍が外れようとしている今、その豊かさを目当てに諸侯が攻めてくる可能性が高いわね……」

愛紗

「となれば、速急に軍備の拡張を行わなくてはいかんな」

「だが拙速な徴兵は民が不満を抱く元となる……上手く舵を取らんと、すぐに沈没する事になるだろう」

仗助

「う~ん……朱里、雛里。何か策はねえか?」

朱里

「概ね、愛紗さんや星さんと同じ意見ですね」

雛里

「げったあで周りを牽制しつつ、内政をして国力を充実させながら、軍備の増強を図るしかないかと」

鈴々

「でもその二つを同時にするって、スッゴく難しそうなのだ」

朱里

「それはそうです。背反する二つの命題を達成させなければいけませんから」

雛里

「軍備とは即ち兵。兵というモノは基本的には非生産階級ですから、兵を充実させれば、生産力が落ちるのは当然です」

れんげ

「バランスが悪いん?」れんげがこの世界にない単語を使って尋ねる、?顔の朱里と雛里に忍が通訳する。

「均衡がとれないって事」

朱里

「そうですね。つまり両者の天秤を平らに保つ事こそ、富国強兵の理想かと」

仗助

「そいつは分かるがな……それってマジに難しそうな事だよなぁ」

愛紗

「難しくても、達成させなければこの時代を生き抜く事は出来ないだろう」

「うむ……皆で力を合わせれば、理想を実現させる事が出来る……私達はそう信じて、ここに居るのだからな」

「……そうよね。ウン、難しいとかムリとか、予想で物を語っても意味ないわね。悩むよりも先に行動を起こしましょ!」

桃香

「おー!」

仗助

「それじゃ、朱里と桃香と俺は内政の方に。雛里と愛紗と星と鈴々は軍備の方に力を注ごうぜ、忍とれんげは両方面のサポート……助成を頼む」

「5日毎に進捗を確認しあって、目的に向けてやり方を微調整していく……って感じでどうかしら?」

朱里

「問題ないかと」

仗助

「おし!じゃあみんな、今のを基本方針に……」そこに1人の兵が慌てた様子で駆け込んできた。

兵士(モブ)

「申し上げます!」

 

 

 

 

 

 




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