ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
ある日……国境を守っていた兵士の1人が傷ついた身体と共に桃香達の元へ駆け込んできた。
兵士(モブ)
「も、申し上げます!北方の国境に突如、大軍団が出現!関所を突破し、我が国に雪崩れ込んできております!」
桃香
「ええっ?!大軍団って一体どこの?!」
星
「桃香様、それは愚問だ。北方には最早勢力は一つしかない」
桃香
「あっ、そっか」
仗助
「曹操。あいつが動いたって事だな……」
愛紗
「ぬぅ……北方を平定し、治安を維持している曹操の手腕は認めるが、何故更なる闘いを望むのだ」
朱里
「覇王として大陸を統一し、己の理想を現実のモノとする為でしょう」
雛里
「あの人が本腰を入れて動き出せば、大陸は再び戦乱の渦に巻き込まれます……」
鈴々
「だけど攻めてきてる以上、闘うしかないのだ」
星
「鈴々の言う通りだな……して、敵の兵数は分かっているのか?」
兵士(モブ)
「はっ、それが……」言い淀む兵士。
愛紗
「んっ?どうかしたのか?」
兵士(モブ)
「……はい、敵の兵力はおよそ五十万ほどかと。それに……」
桃香
「それに?」
兵士(モブ)
「げ、げったあにソックリな鉄巨人も一緒に」
仗助
「何だと?!」
忍
「嘘でしょ?!」
れんげ
「……いるとしたら、あいつらなん!でもどうやって、こっちに来たんかなー?」
仗助
「その理由はさておき……コーウェンとスティンガーのヤツ、3人目を見つけやがったか」
忍
「連中の相手はあちしらがするとして……ゲッターを除くとこっちの軍の規模は3万程度よね」
朱里
「義勇兵を募るなどをすれば何とか五万人には届きますけど……」
星
「……勝負にならんぞ、これは」
雛里
「敵よりも多くの兵を準備するのが、兵法の基本ですからね……」
愛紗
「しかし、我が国の住民を守る為にも、曹操軍を止めなければ……」
忍
「確かにそうね。でもゲッター同士が闘うとなると、まともにぶつかったところで勝ち目はないのよ。何か考えなくちゃ」これが普段の闘いならゲッターによる本隊の援護も可能だが、今回は敵側にもゲッターがいる。援護は期待出来ないと見て間違いないだろう。
鈴々
「五万人で五十万人に勝てる方法なんて、考えたって見つからないのだ」
仗助
「そりゃそうだが……だからって、諦めたらそこでお終いだろ?」
朱里
「その通りです。何か策を考えないと」
雛里
「策……策……策……策……」
桃香
「うーん……」
愛紗
「五十万の相手とまともに闘えるハズはありません。しかし、せめて一太刀浴びせ、我らの信念を見せるべきかと」
星
「愛紗よ。今の時点で捨て身になってどうする。まだそのように思い詰めるには早いぞ」
愛紗
「しかし!五十万対五万という戦力差があり、向こうにもげったあがある以上、捨て身になるしか方法はないではないか!」
星
「捨て身になるのは最後の最後だ。勝敗さえも決していない今の段階では、勝つ方法を探す事に力を注がねば……」
愛紗
「勝つ方法などと……そんなモノ、どこに存在している?私達に出来る事は、決死の覚悟で曹操に一太刀浴びせるか、国を捨てて逃げるぐらいしか方法は……」
桃香
「なら、逃げちゃおう」
愛紗
「はっ?!と、桃香様?!」
桃香
「今の私達には曹操さんと闘う力はないし、それなら逃げるっていうのも一つの手だと思うよ?」
愛紗
「そんな……!我々が逃げ出せば、この国の人達はどうやって自分の身を守れば良いんです!」
桃香
「どうやってって。曹操さんが守ってくれるよ、きっと~」
星
「……一体、何をお考えなのです。桃香様は」
桃香
「何って……これだけ圧倒的な差じゃ、勝ち目なんてないし、そんな闘いに兵のみんなや住民達を巻き込めないよ」
華雄
「……だから逃げるのか?」
桃香
「うん。悔しいけど……勝ち目のない無謀な闘いに住民達を巻き込みたくないの。勝ち目があるのなら、一緒に闘いたいって思うけど」
星
「闘えば人民にも犠牲が出る……それを憂慮しておいでなのか?」
桃香
「闘って勝てるなら、私は私達のやり方が正しいんだって信じて、闘う事だって出来る……でも今回は違うでしょう?」
朱里
「軍備も諜報も、全て曹操さんの後塵を拝してますからね……」
雛里
「これだけ先手先手を打たれていたら、五分の闘いに持って行く事も出来ません」
桃香
「なら逃げるが勝ちだよ!兵のみんなを引き上げておけば、曹操さんが村や街に住んでる人達に乱暴するって事、ないと思うし」
白蓮
「曹操軍の軍律の厳しさは有名だからなぁ~」
仗助
「問題はコーウェン共だな」
れんげ
「あいつら、弱いもの虐めしか脳がないのん。理由もないのにみんなに酷い事するに決まってるん!」れんげは破壊と殺戮にのみ、喜びを見いだす奴らを思い出してプリプリしている。
愛紗
「金とか権力が目的ではなくか?」
仗助
「ああ。ただ純粋に、自分以外の誰かを苦しめて殺すのが嬉しい……そういうクズ共だ」
忍
「後1人は知らないけどねぃ。という訳で、あちしらが下衆共を引き受けるわ。桃香ちゃん達は逃げる仕度を始めて」
愛紗
「本当に……それで良いのでしょうか?折角、この国を発展させてきたのに……」
仗助
「その気持ちはよく分かっけどな、今、俺達がこの国にいる事こそ、この国の人達にとって迷惑になる可能性が出てきたんだ。だったら無理に闘うよか、再起を図る為に逃げるってのも、良い案だと思うぜ」
愛紗
「再起を図る為の退場、か」
忍
「そういう事よ」
鈴々
「でも、北には曹操、南には孫策が居て、再起を図る場所なんてあるのかなぁ?」
仗助
「それは……朱里。何か良い案はあるか?」
朱里
「そうですね……ならば南西に向かうのがよろしいかと」
桃香
「南西って言うと……荊州とかの方?」
朱里
「はい。荊州より更に西に
雛里
「その隙をついて入蜀するのがよろしいかと」
桃香
「うーん……でも、何だか気が進まないなぁ……」
雛里
「しかし、内戦が起これば血で血を洗う凄惨な闘いになるでしょう。その隙をついて本城を制圧すれば、結果的に流れる血は少なくて済みます」
朱里
「それに太守の劉璋さんの評判、あまり良いモノではありませんから」
愛紗
「例えば?」
朱里
「税高く、
星
「ふむ……それならば、攻め入る事に何の躊躇いも必要ないな」
愛紗
「……桃香様。納得されましたか?」
桃香
「……ん。状況が状況だもん。そんな贅沢を言ってる場合じゃないし、身勝手かもしれないけど……劉璋さんのところに押し掛けちゃおう」
仗助
「よし。方針は決まった。すぐに全土に伝令を出して、兵の引き上げを開始しようぜ」
忍
「各所に詰めている警備兵達は本城に集合よ。その際、詰め所や関所に備蓄している食料や資金等は、住民達に分け与えておくように命令しておいて」
朱里
「村人達に施すのですか?」
忍
「それもあるわ。けど、関所とかに備蓄したままだったら、曹操に接収されちゃうでしょ?でも住民に配っておけば、それを徴収される事もないかなって」
雛里
「あ……スゴいです。そんなところにまで気が回るなんて」
忍
「朱里ちゃんと雛里ちゃんに色々と鍛えられたもん……後は兵達の帰還を待ってここを出ましょ」
桃香
「それまでに長老さん達にも事情を説明しておかないとね」
仗助
「そうだな。それは桃香と朱里に任せる。愛紗と星は兵をまとめてくれ。雛里と鈴々は書類をまとめて持ち出せるようにしておけ」
雛里
「御意です♪」
仗助
「後、白蓮には袁紹達のお守りを。華雄は月と賈駆の護衛を頼む」
華雄
「任せろ!」
白蓮
「うっそ……マジか?」
仗助
「悪ィ。みんなの手ぇ、埋まっちまってるからよ……色々と思うところもあんだろうけど、よろしく頼まぁ」
白蓮
「ううっ……貧乏くじだなぁ……」情けない表情を浮かべる白蓮。
鈴々
「白蓮お姉ちゃんだけで大丈夫かなぁ?」
れんげ
「むぅ……可哀想だけど、頑張って貰うしかないんなー」
忍
「緊急事態だもの。袁紹達だって我が儘ばかり言っては居られないわよ……多分」
白蓮
「まあ……頑張ってみせるさ」
仗助
「頼む」
桃香
「これで方針決定だね……じゃあ朱里ちゃん。長老達のところへ向かおっか」
朱里
「はいっ!」
愛紗
「我らは軍をまとめよう。私は兵を纏める」
星
「ならば私は兵站を担当しよう」
愛紗
「頼む……ではな仗助、忍、れんげ」
仗助
「オウ!」
忍
「ええ!」
れんげ
「みんな……よろしくなーん!」
一方、曹操軍は匠、スティンガー&コーウェンを伴って徐州へと軍を進めていた。
夏侯惇
「華琳様。全軍徐州に入り終えました。後は道々の関所を落とし、彭城に向かうだけです」
曹操
「ご苦労様……それにしても劉備軍の動き、あまりにも鈍重ね」
夏侯淵
「我らの動きが素早いだけではないのですか?」
コーウェン
(ふむ……奴らてっきり待ち構えていると思っていたが……)
荀彧
「やけに反応が鈍い……何かあったのかもしれませんね」
曹操
「劉備軍の内部で?……考えにくいわね」
スティンガー
(さては再起を図る為、逃げたね。しかし、それしきの事に気付かないとは……こいつらも愚かな連中だ)コーウェンとスティンガーは腹の中で曹操達を嘲笑う、尤も曹操だってそのぐらいは予想しているが。
夏侯淵
「……先行して威力偵察を行いましょうか?」
曹操
「そうね。春蘭。秋蘭と匠を連れて、先行して彭城に向かいなさい」
夏侯惇
「はっ!」
夏侯淵
「道々の拠点の排除は、華琳様にお任せしてよろしいですか?」
曹操
「当然よ。後事は私達に任せ、あなた達は劉備軍の動向を探る事に専念しなさい」
夏侯淵
「御意……匠!」
匠
「はーい!宜しくお願いしまーす♪」美女に同行出来るとあってヘラヘラと笑顔を浮かべる匠。
夏侯淵
「何だ、その間抜け面は……まあいい、半刻で出る。部隊を纏めておいてくれ」
匠
「了解でーす!」夏候淵に冷やかな目を向けられたが、匠にはむしろご褒美になったみたいだ。
夏侯惇
「うむ。曹操様、劉備軍を発見した場合はどうしましょうか?」
曹操
「本隊と遭遇したのなら距離を置いて追尾しなさい。……支隊ならば粉砕すればよい」
スティンガー
(まどろっこしい!相手国なんぞ、さっさと焼き払ってしまえばよいものを)
コーウェン
(まあまあスティンガー君。今はまだ、時期尚早だよ。しかし匠は……蔑まされて何が嬉しいのだ?)
スティンガー
(人間とは解せないね。コーウェン君)
夏侯惇
「御意……ふふふっ、劉備軍とは一度闘いたかったのです。腕が鳴る」
夏侯淵
「姉者。本隊とは闘うな、と華琳様は仰ったのだぞ?分かっているか?」
夏侯惇
「わ、分かっているぞ、それぐらい!」
夏侯淵
「なら良い……あまり暴走しないでくれよ?」
夏侯惇
「暴走など今までした事ないだろう。全く……秋蘭はいつもそうやって人をバカにする」
荀彧
「……バカにされるような事、やってきたからでしょ……」
夏侯惇
「なにぃ!」
曹操
「はい、どうどう……落ち着きなさい。この闘いで一番重要なのは、どれだけ早く劉備軍の動向を掴み、大軍をもって当たれるか、よ。そこのところを良く理解し、秋蘭と共に行動しなさい。良いわね?」
夏侯惇
「分かっております。お任せを!」
夏侯淵
「ふっ……姉者の手綱は離しませんよ。ご安心を」
曹操
「よろしくね……こおうぇんとすてぃんがーは軍の最後尾に回りなさい、桂花は私と共にこのまま南下。彭城までの城を一気に抜くわよ」
荀彧
「御意」
曹操
「では各自、行動を開始しなさい。望むのは勝利。ただそれだけよ」
曹操以外全員
「「「「はっ!」」」」曹操の配下一同が力強く返事をする。コーウェンとスティンガーも一応は合わせるが、考えているのはやはり、この世界を滅亡させる事。その一点のみであった。
話作りに悩む日々です。イヤ、イメージはできてるんですが、上手く文章にならなくて(´Д`)。