ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
(ー。ー;)
朱里
「桃香様ー!仗助さーん!」曹操達の動向をコッソリ窺っていた朱里が桃香達と合流した。
桃香
「朱里ちゃん、お帰りー!後方の様子、どうだった?」
朱里
「国境の拠点を落として以降、曹操さんの軍は破竹の勢いで進軍してますね」
仗助
「流石っつーか何つーか……敵軍の進路はどうなってる?」
朱里
「東方から彭城に向かう一隊と、西方から彭城に向かう一隊。そして、そのまま南下している曹操さんの本隊。後は……」
愛紗
「後は?」
朱里
「先行し、私達の動きの偵知を目的とした部隊が、他の部隊と連携を取りつつ動いています」
星
「偵察を目的とする一隊?……という事は、奴らはまだ我らの動きに気付いていないという事か」
朱里
「まだ気付いていないとは思いますが、バレるのは時間の問題だと思います」
愛紗
「先行している部隊が居るのならば、それも当然か……」
白蓮
「後退して先行してくる部隊を叩くか?」
桃香
「それはダメだよ。折角引っ越しする事に決めたのに、意味がなくなっちゃう」
忍
「桃香ちゃんの言う通りね……あちし達が出来る事はとにかく全力で逃げるって事でしょ」
雛里
「今の段階ではそれしか方法はないかと……」
愛紗
「うーむ……しかし」言いながら愛紗が後方に視線を向ける。
愛紗
「兵と輜重隊だけでも動きが鈍重になるのに、これほどまでに民達がついて来ているのですから……」
星
「これ以上、速度は上げられんな」
仗助
「そうだなぁ……」溜め息混じりに呟きながら、愛紗の視線の先を追った仗助。そこに居るのは、家財道具を抱え、彼らと運命を共にする覚悟を決めた人民の姿だった。その全員が、自分達の主人として曹操ではなく、桃香を選んだ人達だ。
今までの暮らしを捨て、桃香を慕い、ついていく事を宣言した人達。そういった人達の信頼こそ、彼らにとって最大の幸せであり、財産なのだ。
仗助
(こいつらを守る事が、今の俺達には最重要な事だろう……だからこそ、追いかけてくる曹操軍を防ぎ、インベーダー共を倒さねえと)
愛紗
「部隊を二つに分けましょう。先導し、先行して益州の城を落とす部隊。それと共に、後方にて曹操軍の攻撃を防ぐ部隊を用意しましょう」
星
「それしか方法はないか……後方の部隊に三万。前方に二万を割り振り、残りを民達の護衛に廻す、というのでどうだろう?」
忍
「あちし達も後方に廻るわ。曹操んトコには例の奴らもいるハズでしょ?」
朱里
「問題はないかと。では先鋒に愛紗さんを。護衛部隊は星さんが指揮を執って下さい。恋さんと音々ちゃんは桃香様の護衛をお願いします。あと、殿ですが……」
桃香
「殿は私が受け持つよ」
白蓮
「桃香っ?!そんな事させられるハズないだろう!」
愛紗
「そうです!そんな危険な役目は我らに任せて……」
桃香
「でも!私についてきてくれるこの人達を、私自身の手で守りたいの……!」
仗助
「落ち着け、桃香。お前の気持ちは、みんなも充分に分かってるんだから」
桃香
「仗助さん……」
仗助
「でもな。皆を導いて行くって事と、皆を守るって事は同じじゃねえ」
桃香
「……どういう事?」
仗助
「人の先頭に立って、手を引いて歩いていく……これって誰にでも出来る事じゃねえ。それと同じで、歩いている人の背中を押したり、守ったりするのも、誰にでも出来る事じゃねえ」
忍
「それぞれがそれぞれで、適任の人間が居る……それが桃香ちゃんであって、愛紗ちゃん達なのよ」
星
「忍の言う通り……桃香様は導き手だ。それは桃香様にしか出来ない事」
朱里
「そして私達は守り手なんです……だからこそ桃香様はみんなの先頭に居て貰わないと」
華雄
「桃香様。殿なら私が受け持つ」
鈴々
「鈴々も行くのだ。大丈夫、ちゃんと守ってあげるから!」
桃香
「鈴々ちゃん……」
華雄
「こら!私のセリフを取るな!」
仗助
「そうだ鈴々。只でさえ華雄は出番が少ないんだぜ」
れんげ
「……それは作者次第なん」
忍
「メタ話は禁止って言ったでしょ?それはともかく、桃香ちゃん。そういう事よ……分かってくれた?」忍の言葉に
桃香
「……(コクッ)」無言で頷く桃香。
忍
「アリガト……じゃあ、みんな。配置につきましょ。桃香ちゃん達は前方に。あちし達は後方に」
桃香
「仗助さん!絶対……絶対に無事に戻ってきてくれなくちゃイヤだよ」桃香は今まで幾度となく繰り返した言葉を仗助に伝える。対して親指を立ててサムズアップで宣言する仗助、今では桃香達もその意味を理解している。こうして曹操対策を整えた劉備軍。一方曹操の命で先行していた夏候惇達は……
夏侯淵
「おかしいな……」
夏侯惇
「ん?何がだ?秋蘭」
夏侯淵
「本隊よりもかなり先行しているのに、劉備軍の姿が全く見えない」
夏侯惇
「我らにまだ気付いていないのか。それとも恐れをなして震えているのか。どちらかではないのか?」
夏侯淵
「そこまで劉備が無能な輩とは思えんな……仮に劉備が無能であったとしても、周囲の者も無能と言うのはあり得ん」
夏侯惇
「ふむ……劉備の周囲には関羽や張飛が居る、か」
夏侯淵
「それにげったあちいむも居る」
夏侯惇
「あんな奴らに何が出来る、げったあなら、こっちにもある」
夏侯淵
「華琳様に認められた奴らだぞ……甘く見るのは危険だ」
夏侯惇
「むぅ……買いかぶり過ぎだと思うがな」
夏侯淵
「まぁ油断しないでいよう……匠、前方に放った斥候はまだ戻らんか?」
匠
「まだっぽいですねー。僕、先行して見てきましょうか?ゲットマシンならすぐだし……」
夏侯淵
「……いや、止めておこう。只でさえ少数で突出しているんだ。策にハメられれば全滅する……慎重且つ迅速に部隊を動かそう」
匠
「了解でーす♪」
夏侯惇
「では行くか!」
夏侯淵
「ああ」
そして劉備軍の後方では鈴々とゲッターチームが曹操軍を待ち構えている。
鈴々
「はっやくこいこいてっきのやつー♪」
忍
「何言ってるの。出来るだけ遅く来てくれる方が良いって事、忘れてるわよ?」
鈴々
「にゃはは!そうだったのだー!」
仗助
「ったく。お気楽な奴だ」
鈴々
「緊張したって、来るものは来るのだ。だったら緊張するだけ無駄なのだ」
れんげ
「……それもそうなんなー」蛇矛を担ぎ、お気楽そうな鈴々の姿が、ゲッターチームの緊張を解す。
忍
「頼りにしてるわよ、鈴々ちゃん」
鈴々
「任せるのだ。ついてきてくれた人達、ぜーんぶ鈴々が守ってみせるのだ♪」
仗助
「……ああ。守ろうぜ。みんなを」
鈴々
「応なのだっ!」
一方、曹操は、桃香が達どう動くか、2通りを想定していたが、その内の1つに賭けようと決めた。
曹操
「ふむ……そういう事か」
荀彧
「と言いますと?」
曹操
「拠点には兵が殆どおらず、備蓄されているハズの物資が一切ない……桂花。春蘭に早馬を出しなさい。すぐに彭城へ向かえ、とね」
荀彧
「彭城にですか?」
曹操
「敵は本城での決戦を望んでいるようよ。春蘭をすぐに彭城に向かわせ、敵情を確認するように伝えておきなさい」
荀彧
「はっ!」早馬を駆けて来た伝令兵から曹操の指示を聞かされた夏候惇一行は彭城へ向かったが辺りは静まり返り、虫の声すらしない。
兵士(モブ)
「申し上げます!」彭城に潜入中の工作員より緊急報告!劉備軍の影なし!」魏軍兵士から伝えられる。
夏侯惇
「何ぃ?!それはどういう事だ?!」兵士は続ける。
兵士(モブ)
「城内及び詰め所、城壁にさえ一切、劉備軍の兵がいないとの事です!」
夏侯惇
「そんな訳あるか!ここは劉備の本城だぞ?!もう一度くまなく探せ!」
夏侯淵
「姉者、待て……探すも何も、我らが目鼻の先にまで現れているのに、劉備軍は行動を起こしていない。それが答えではないか?」
夏侯惇
「……どういう事だ?」
夏侯淵
「つまり城には最早劉備は居ない、と。そういう事だ」
匠
「えっ?城に居ないって、劉備って逃げちゃったんですか?」
夏侯淵
「恐らくな」
夏侯惇
「ちょっと待て秋蘭。仮に劉備が逃げたとして、一体どこへ逃げると言うのだ?奴が以前、赴任していた平原は既に我らの領土……他に逃げる場所などないハズだ」
夏侯淵
「ふむ……孫策を頼って落ち延びたという事は考えられんか?」
匠
「……目の上のコブの劉備を孫策が受け入れますかねぇ?」
夏侯惇
「匠の言う通り。孫策とて華琳様に認められた英傑なのだ。天下を窺う野心があるのなら、強敵となり得る劉備を保護するとは思えん」
夏侯淵
「ならば劉備はどこへ行った?」
夏侯惇
「それは……分からん!私に聞くな!」
匠
「……惇将軍、開き直ってる場合じゃないと思いますけど……」
夏侯惇
「うるさいぞ、匠!」夏候惇のゲンコツを喰らう匠だが、やはりどこか嬉しそうだった。
匠
「エヘヘヘ……」
夏侯淵
「……姉者。一度華琳様と合流しよう。今の状況、我らでは対応できん」
夏侯惇
「ふむ……分かった。匠、華琳様はどこまでいらっしゃっている?」
匠
「ここから約4Km……一里ぐらい後ろにいらっしゃるらしいですよ」
夏侯淵
「ならば我らも合流しよう」
夏侯惇
「そうだな……では一部の兵を監視に置き、残りは華琳様に合流する!全軍急げよ!」
兵士(モブ)
「応っ!」
しばらくして、夏候惇達が戻ってきたのを知った曹操は目を丸くしていた。
曹操
「春蘭達が戻ってきた?何があったのかしら?」
コーウェン
「夏侯淵様の進言で部隊を後退させたようです……何らかの異常事態が発生したと考えるべきでしょうな。ねえスティンガー君」
スティンガー
「そうだねコーウェン君」
曹操
「ふむ……で、秋蘭達は?」
夏侯淵
「ここに」
夏侯惇
「ただ今帰りました!ご報告します!」
曹操
「あら、いつの間に……お帰りなさい、二人共。で、報告というのは?」匠だけ無視された。
夏侯淵
「はっ。彭城に工作員を潜入させ、内部の事情を探ったところ、どうやら劉備は城を捨て、どこかへ逃亡しているです」
曹操
「ふむ……(逃げる方を選んだのね。賭けは外したわ)城の様子は?」
夏侯淵
「至って平穏。ですが一点、気になる事が……」言い淀む夏候淵に
曹操
「……続けなさい」
夏侯淵
「本城であるハズなのに、人がやけに少ない……まるで田舎町のような有様でして」
曹操
「人が少ない、か……ふむ。周辺への聞き込みはしたのかしら?」
夏侯惇
「現在、彭城を監視する為に一部の部隊を残しております。聞き込みも命じているので、我らが合流する頃には状況が判明するかと」
曹操
「そう……貴方達はどう思って?」不意に曹操から尋ねられたコーウェンとスティンガーは
コーウェン
「ふむ……劉備が逃げて、どこへ向かうか。北は曹操様の領土。東は海。ならば西しかなかろう」
曹操
「西……?」
スティンガー
「荊州辺りが無難かな?とも思ったが、あそこではすぐに我らと国境を接する、一時しのぎにしかならない、ならば益州辺りが条件に合う土地だろうねぇ~」
曹操
「……そうか!確か益州で、内乱が起こる可能性を示唆する報告があった。その後、兵力と謀略によって益州平定……素晴らしい未来予想図ね。しかし住民が減っている事に関しては?」
匠
「ついていったのでしょうね。好きな人から離れたくないという気持ちは、よーく分かりますよ。僕だって曹操様のお側を離れなくは……」
曹操
「なるほどね……春蘭、秋蘭!」再び匠は無視された。
夏侯惇・夏侯淵
「「はっ!」」
曹操
「霞を連れて劉備を追いなさい。兵だけならばともかく、人民を率いているのならば、まだそう遠くへは行っていないハズ。追いつくと同時に足止めをしておきなさい。私達は彭城占拠後、すぐに後を追うわ」
夏侯惇
「御意!……足止めと言わず、撃破してしまってもよろしいのでしょうか?」
曹操
「当然よ。覇道を歩み出した今、敵となるモノは全て排除なさい」
夏侯惇
「御意!(喜)秋蘭、霞!行くぞ!この私についてこい!」暴れ馬の如く、駆け出していく夏候惇に嘆息する霞。
張遼
「いきなり元気になりよるんやからなぁ~。ああいう体育会系についていくんはしんどいで、ホンマ」
夏侯惇
「グダグダ言ってないで早く来い!」
張遼
「へいへい……んじゃちょっくらいってきまー」
コーウェン
「ではスティンガー君。我らも劉備の元へに向かおうじゃないか」
スティンガー
「良いね。奴らを血祭りに上げてやろうよ、コーウェン君」
コーウェン
「匠君、そういう訳だからついてきたまえ」
匠
「えっ?オイ、ちょっと!話が違う……」
スティンガー
「今更気付いても遅いのだよ!」
曹操
「待ちなさい!そんな勝手な……」しかし、曹操が止めるのも聞かず、ゲットマシンを展開して軍からはみ出すコーウェンとスティンガー。
コーウェン
「フフッ。もう曹操に用はない、人間を皆殺しにしよう。スティンガー君」
スティンガー
「そうしたら、後はこの世界を破壊するだけだね。コーウェン君」
匠
「あぁ~っ(泣)、俺のハーレム計画がぁ~」
荀彧
「華琳様。あいつら……!」
曹操
「まんまと一杯食わされたようね。いいわ、どうせそんな事だと思っていたし……とにかく作戦は続行する。二人共よろしく頼むわね……秋蘭。後は任せるわ」
夏侯淵
「御意。御者の役割、しかと果たしましょう……では」姉の手綱を執るべくこの場を後にする夏候淵。
曹操
「桂花。急ぎ彭城に向かい、城を占拠。事後処理を行いなさい」
荀彧
「御意」仗助、忍、れんげのゲッターチーム&劉備軍とインベーダー、曹操軍の三つ巴の闘いが始まろうとしている。
久し振りに原作との違いをば。
曹操軍にいるハズの郭嘉と許緒と程イク→郭嘉と許緒は作者の趣味で(許緒のポジションが本作では匠に)、程イクは漢字が出てこない為、本作には未登場。以上3名のセリフはコーウェンとスティンガーと匠、または曹操が喋っている。
主人公が囮になるのに朱里は反対する→仗助達は敵サイドのゲッターを待ち構えるのが目的なのでこの辺りの描写は全カット。
・程昱の漢字が見つかったので、6/20現在少しずつ修正しています。