ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
仗助
「ねね、出来るだけ急がせろ!」焦りから、つい口調を荒げる仗助。
音々音
「やっておりますぞ!あまりうるさく言うなです!」
恋
「……仗助、落ち着く」
仗助
「あ……恋」
恋
「……まだ大丈夫。敵来ない」
仗助
「来ないって……まだ攻撃してこねえってのか?」
恋
「……(コクッ)敵の事、考える……分かる……兵以外とは闘いたくない」
仗助
「…………あ」
忍
「そうね。曹操だって民間人を戦に巻き込んだって評判を立つのは避けたいハズだわ」
仗助
「……なるほど。桃香を倒したいけど、必要以上に庶人に被害が出れば、曹操の名前に傷が付く。って事ぁ……」
恋
「……長坂橋までは大丈夫」
仗助
「……よし。鈴々!」
鈴々
「聞いていたのだ!じゃあ鈴々達はこのままゆっくり後退するのだ。仗助お兄ちゃんはねねに言って、準備を整えさせておいてー」
仗助
「オウ!ねね、先行して陣を作るぞ!」
音々音
「分かったです!」
~場面転換、夏候惇一行~
コーウェンとスティンガーが仗助達に倒されて全てを失った匠。逃げる場所なぞ当然なく、戦地をウロウロしているところを曹操軍の兵士に発見された。そして縄で拘束されて、とりあえず捕虜として夏候惇達の前に放り出された。
張遼
「……んー」
夏侯淵
「どうした、霞」
張遼
「いや……暇やなーって」
夏侯淵
「ふっ……お前らしいな。しかし暇潰しに攻撃するような事はするなよ?」
張遼
「そんなんするかい!でもなぁ。なんつーか……面白みがないというか。もっとさぁ、大軍対大軍、みたいな感じの闘いの方が華々しくて好きなんやけど」
夏侯淵
「気持ちは分からんでもないがな……こういうのも闘いの一つさ」
張遼
「地味やなぁ」
夏侯淵
「地味であれば地味であるほど良いと思うぞ……それだけ犠牲が少ないという事だからな」
張遼
「あれ?秋蘭ってば案外常識人やな……春蘭の妹やから、よー似たもんやと思ってたけど」
夏侯淵
「実際、良く似たものではあるな。ただ……姉者がああでは、妹の私が補佐するしかあるまい?」
張遼
「……納得……くははっ!」
夏侯惇
「お前ら、いい加減にしろ!敵が目の前に居るというのに!」
張遼
「固い事言いなや。どうせしばらく事態は動かんねんし」
匠
「どういう事です?」拘束されているにも関わらず、匠が口を挟んできた。張遼こと霞はナゼか、律儀に答えてやる。尤も、匠だけでなく仲間達みんなに伝えるつもりでもあったが。
張遼
「この先に長坂橋って橋があるねん。崖の下に川があって、そこに橋がポツーンとあるところ。多分、そこで事態が動くで」
夏侯淵
「ふむ……迎撃にはもってこいの場所だな」
張遼
「そういう事。劉備軍もそれを考えてるんやろ。ただまぁ……それが分かってたかって、ウチらが奴らを急襲する訳にはいかんからな。のんびり与太話するぐらいしかないで」
夏侯惇
「むぅ……それでも少しは気合いを入れろ。惰気が兵に伝染する!」
張遼
「おっ、そりゃそうか……まぁご忠告はありがたーく受け取っておくけど、しばらくはのんびりさせてもらうわ」
夏侯惇
「ふんっ……勝手にしろ!」
~劉備軍に戻る~
忍
「ねねちゃん!民間人の様子はどう?」
音々音
「無事に橋を渡り、距離を稼いでおりますぞ!」
仗助
「ヨッシャ!陣地の構築は?!」
音々音
「バッチリですぞ!」
忍
「アリガト!鈴々ちゃん、恋ちゃん!準備は完了したわ!軍を反転させましょ!」
恋
「……(コクッ)」
鈴々
「了解なのだ!じゃあ全員まわれー右!鈴々と恋の旗を力一杯立てるのだ!後、お兄ちゃん達の旗もついでにあげとくのだ!」
音々音
「ねねの旗も忘れてもらっては困りますぞ!」
鈴々
「……スッカリ忘れてたのだ」
音々音
「酷すぎですぞぉ~!」
鈴々
「にゃはは、ごめんごめん……じゃあねねの旗も揚げて、それで戦闘準備完了なのだ!」
仗助
「よし。この闘い、勝つ為のモンじゃねえ。負けねえように闘う事が重要だ!」
忍
「あちし達の後ろに居る人達が、少しでも遠くに行けるように!何とか持ちこたえるわよ!」
兵士(モブ)
「応っ!」兵士達が揃って返事をする。
この様子を見ていた魏軍兵士が夏候惇達に伝える。
兵士(モブ)
「前方、劉備軍が橋の向こうで方向を転換しております!」これを聞いた張遼は
張遼
「よっしゃキターっ!奴らようやく闘う気になったで!」
夏侯淵
「そのようだ……敵の旗は!」夏候淵に問われ、兵士が確認すると
兵士(モブ)
「はっ、牙門旗には……途中で切れた円に丁の字?」
匠
「それは『じー』と読みます。ゲッターチームの旗です」
夏侯淵
「なるほど。で、他は?」匠の話を軽く流して、再度兵士に問う夏候淵。
兵士(モブ)
「その横に、張、陳と続いています!そして……呂?!」
夏侯惇
「呂だとぉーっ!旗は何色だっ?!」
兵士(モブ)
「色は深紅!あれは飛将軍呂布の大将旗です!」
夏侯淵
「呂布は確か、劉備に討ち取られたと聞いていたが?……まんまと一杯食わされたという事だろうな……張飛に呂布、そしてげったあちいむに陳宮か」
張遼
「おおー……恋の奴、無事やったんや。良かったなぁ……」
夏侯惇
「良い訳あるか!呂布が敵に居るという事は、それだけこちらの損害も増えるという事だぞ!」
張遼
「まぁそうかもしれんけど。仲良しさんやったからちょっと嬉しいねん」
夏侯淵
「……手心は加えるなよ、霞?」
張遼
「当然。仲良かったけど、それ以上に一度本気で手合わせしたかってん……くくっ、腕が鳴るわい」
夏侯惇
「なら良い……霞、秋蘭。奴らを突破してそのまま劉備の頸をあげるぞ」
夏侯淵
「ああ……行こうか、姉者」
夏侯惇
「応っ!全軍抜刀せよ」夏候惇の声に魏軍兵士達が鬨の叫びをあげる。
兵士(モブ)
「「「応っ!」」」
夏侯惇
「曹孟徳の覇道を邪魔する劉備軍を、我らの剣で粉砕する!各員、命を惜しむな!名を惜しめ!奴らの血でもって、曹孟徳の覇道を美しく染め上げるのだ!我らの力、天へと示す!全軍、突撃せよ!」
兵士(モブ)
「うぉぉぉ――っ!」
恋
「……来た」
鈴々
「来たのだ!」
仗助
「そんじゃ鈴々。今回は俺も近くにいるから、すぐに治してやる。多少の怪我は覚悟の上で、思いっきり行け!」
鈴々
「応なのだっ!」
恋
「……」無言で見つめる恋に仗助は言い添える。
仗助
「勿論、恋も治してやる」
恋
「……(コクッ)」迫ってきた魏軍に対して、忍は夏候惇に化けて曹操軍を引っ掻き回す作戦に出た。尚、味方には見分けが付くようにタトゥーシールで右腕に×印を張っている。言うまでもなく、ジャック・バウアーで取り寄せたモノだ。
ニセ夏侯惇(忍)
「張飛!今日こそはその頸、貰い受ける!」
鈴々
「そうはいかないのだ!鈴々の後ろには闘う事の出来ない人達が居るのだ。その人達を、鈴々は守ってみせるのだ!(忍お兄ちゃん……迫真の芝居なのだ……)」
ニセ夏侯惇
「ならば堂々と雌雄を決しようではないか!」
夏侯淵
「各部隊、展開せよ!」まさか鈴々と対峙している姉が偽者とは夢にも思っていない夏候淵は兵士達を指揮するが、
夏侯惇(こっちは本物)
「秋蘭!何を独断で動いている!」
夏侯淵
「姉者?ナゼそこに?……するとあれは?」
音々音
「夏候惇が二人ですとー?!」わざとらしく声を上げる音々音に魏軍兵士達は
兵士(モブ)
「一体どうなってる?」
兵士(モブ)
「どっちが本物の夏候惇将軍なんだ?」作戦は成功し、魏軍の統率は乱れ、やがて総崩れとなる。その隙をついて、鈴々と恋は敵の兵士達をなぎ倒す。
仗助
「よし!敵を押し返した!鈴々、後退するなら今だ!」
鈴々
「分かったのだ!じゃあれんちょんとねねは先に後退するのだ。恋と鈴々とお兄ちゃん達で殿の殿をするのだ」
恋
「……ん。分かった」元の姿に戻った忍も鈴々達に合流した。
れんげ
「大丈夫なん?危なくなったらすぐに逃げてくるのん」
鈴々
「大丈夫。その辺りは心得てるのだ」
恋
「……逃げるの二回目。慣れてる」
れんげ
「……分かったのん。じゃあ頼むん!」音々音は本物の民間人を、れんげは偽物を率いて後退する。万が一鈴々達が突破されたら2手に分かれて逃げる事で、追撃する敵を釣る作戦だ。
れんげ
「ねねねん、行くのん!」
音々音
「行くです!」そして鈴々と恋、仗助と忍が4人だけで橋の手前に残る。
仗助
「後は俺達だけだな」
恋
「……どうする?」
鈴々
「んーとね、橋を上手く利用するのだ」
恋
「……あとは」
鈴々
「鈴々達が本気を出して終了なのだ」
恋
「……本気、出して良い?」
忍
「当然よ。敵は大勢だから、本気を出してぶっ飛ばしちゃいなさい」
恋
「……(コクッ)」
仗助
「よし。じゃあ各自持ち場につこうぜ」
忍
「ええ」
長坂橋手前。遂に鈴々達を追い詰めた夏候惇一行。
夏侯惇
「あれは……張飛っ!それにげったあちいむ!」
鈴々
「おー!お前は!……って、お姉ちゃん、誰だったっけ?」
夏侯惇
「なにぃ!私の事を知らぬと言うのか!」
鈴々
「んとねー、どっかで見た事あるんだけど、今イチ良く覚えてないのだ……」
夏侯惇
「くっ、バカにしおって!この夏候元譲を忘れるとはふてぶてしい奴!」
鈴々
「あー!そういえば曹操と一緒にいたお姉ちゃんなのだ」
仗助
「ところでお前ぇ、左目はどうしたんだ?」反董卓連合戦の後、夏候惇は左目に蝶を型どった眼帯をしている。
仗助
「そういや忍。お前もこいつに変身した時は眼帯つけてたな」
忍
「そりゃ直前に見てきたからよ。インベーダー共を始末した後、隼に化けてリサーチしておいたのよ」
鈴々
「あんな短い間に……忍お兄ちゃん、流石なのだ!」
夏侯惇
「お前ら!私を無視してないか!」
忍
「アラご免なさい。で、その左目はどうしたの?」
夏侯惇
「食った」
鈴々
「食ったのかー……食ったのかー?!」
忍
「マジで?!」
仗助
「スゲェな……」
夏侯惇
「それほどでもないがな!」
夏侯淵
「何を相手の呼吸に巻き込まれているのだ、姉者」
鈴々
「あ、バレたのだ」
夏侯惇
「おおっ?!そうだった、危ない危ない。危うく貴様らの口車に乗せられるところだった!」
仗助
「……チッ」
忍
「惜しかったわね」このやり取りに呆れ返った張遼が突っ込む。
張遼
「そういう問題やないとおもうけどなぁ~」
夏侯惇
「ええい、うるさい!別に相手に乗せられた訳ではない!」
張遼
「さっき自分で言ってたやん」
夏侯惇
「気のせいだ!それよりも、だ!張飛、ここで会ったが百年目!尋常に勝負しろ!」
鈴々
「鈴々百歳じゃないのだ」
忍
「何で100年目なのかしら?」
仗助
「そうだな。10年目でも13年目でもいいと思うよな」
夏侯惇
「百年目の方が語呂が良いからだろう?十三とか半端な数よりは……」
夏侯淵
「姉者!また乗せられているぞ!」
夏侯惇
「おおっと!危ない危ない……貴様ら、中々の弁舌だな。しかし最早騙されはせんぞ!」
仗助
「……面白え奴だなー」
夏侯淵
「面目ない。しかし武の力は一流だ……尋常に闘おうではないか」
鈴々
「応!闘うのだ!そっちは全員で来れば良いのだ。鈴々達は四人で闘ってあげるのだ」
夏侯惇
「四人だとぉ!」
恋
「……こんにちは」
夏侯惇
「こんにちは……って、何を言わせる!」
張遼
「恋っ?!」
恋
「……霞」
張遼
「……久し振りやな。無事で何よりや。……あんた、劉備んトコおったんやな」
恋
「……(コクッ)」
張遼
「いつか恋とも闘ってみたい……そう思っててん。これが丁度良い機会や。あんたの本気、存分にみせてもらうでぇ!」
恋
「これ以上先には行かせない。だから恋は霞を倒す……来い、霞。恋の力、見せてやる」
鈴々
「おおっ、恋がいっぱい喋っているのだ!」
張遼
「くははっ!それだけ本気って事やな!ええやんええやん!ゾクゾクするわ!」
夏侯淵
「霞、油断するなよ!相手はあの呂奉先だぞ!」
張遼
「うっさい、黙れ秋蘭!ウチはウチのやりたいようにやる!くくっ、この感じや……頭が沸騰しそうやわ!……いくで!飛将軍、呂奉先!張遼が神速の槍、たっぷり味わえぃ!うらぁぁぁぁーっ!」かつて寝食を共にした仲間である張遼と呂布が互いの得物を手に、壮絶な打ち合いが始まった。
原作との違い
・長坂橋で夏候惇一行を押し返した後、主人公と音々音は2手に分かれて逃げて鈴々と恋だけ残る→主人公の一刀は仗助、忍、れんげに置き換えているので、音々音とれんげが逃げて仗助と忍、鈴々と恋の4人が残る。
・鈴々が夏候惇をからかう→鈴々と一緒に、仗助と忍も夏候惇をからかう……こんなトコですかね?
次回、長坂橋の闘いに決着!今度こそ新メンバー出します。