ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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前回書き漏れましたが、貂蝉の声(OVA及び全年齢版)は若本規夫さんです。原作との違いは
・貂蝉は三國のどこの仲間でもない→ナゼか曹操の部下になっている。
・馬騰は曹操との闘いで戦死。一族は散り散りに→病死した為、一族内に次代当主争いが勃発。馬超は敗北して逃げた




第三十席月とれんげ、買い物に行くのこと

 話は桃香達が新たな拠点と定めた益州の城に、馬超と馬岱の従姉妹がやってきたところへ戻る。

馬岱

「みなさんよっろしくー♪」馬超とは対照的で妙にハイテンションな娘である。

仗助

「ははっ、よろしくな(苦笑)」

桃香

「よろしくー♪」

馬岱

「それでお姉様?仲間になるって決めたのー?」従姉でも、かなり仲の良い内に入るのだろう。馬超を姉と呼び、慕う馬岱。

馬超

「まだ分からんって。先走った事言うな」

馬岱

「えー。でもたんぽぽ、もうお腹減らして歩き回るのイヤだよぉ~……」

馬超

「耐えろ。それが西涼の武将の心意気だろ!」

馬岱

「そんな熱血体育会系には付き合いたくなぁ~い」

馬超

「何弱気な事言ってんだ。それぐらい気合いで我慢だ」

馬岱

「ぶーぶー」膨れっ面の馬岱に桃香は笑顔を浮かべ

桃香

「あははっ、馬岱ちゃん、お腹減ってるんだ?じゃあすぐにご飯の用意するね」

「良かったらあちしが出すわよ。最近は買えるモノも増えているし」

馬岱

「ホントっ?!わーい♪」

馬超

「こら、たんぽぽっ!勝手な行動するなって言ったろ!」

馬岱

「……そうは言ってもさぁ。お姉様だってこの先、どうなるか分からないんでしょ?」

馬超

「そりゃ……そうだけど」

馬岱

「だったら、ここにお世話になっても良いなーって、たんぽぽ思うんだけどー」

馬超

「んー……」

愛紗

「家臣という訳ではない。ただ仲間として、私達の理想に手を貸して欲しいんだ」

馬超

「……理想?」

桃香

「みんな仲良く、平和に暮らせる世の中を作る事!それが私達の理想だよ♪」

鈴々

「今の世の中、どっかおかしいのだ。力があればどんな事でもまかり通るなら、力のない人達には地獄でしかないのだ」仗助に初めて会った時と似たような言葉を鈴々が語る。

「だからこそ、圧政に苦しみ、日々の暮らしの中で笑顔を浮かべる事さえ忘れてしまった人々を助け……そして共に笑って暮らしたい。私達はその為に闘っているのだよ」

馬超

「……話は分かる。けど、力でその理想を実現しようとするあんたらだって、傍から見れば、他の奴らと一緒じゃないのか?」

「それは重々承知しているわ。だけど、一緒に見えるからといって何もしないなんて、おかしいでしょ?」

仗助

「俺達は俺達のやり方が力尽くだって、そんな事ぁ理解している。けどな、自分達の目指しているところが、きっとみんなの為になるんだって、そう信じてる」

「……それは結局、独りよがりでしかないのかもしれないわ。でも今の世の中がおかしいと思うから、傍観せずに行動しているのよ」

仗助

「世の中が変わらない……って嘆くだけじゃ、何も前進しねえからな」

馬超

「……そんな事して、あんたらに何の得があるっていうんだよ?」

仗助

「……満足、じゃね?」

「そうね……」

れんげ

「そん時は『やったー!』ってなるん」れんげが両腕を高く伸ばして、2人の後に続ける。

桃香

「後はね、笑顔!みんなの笑顔!それさえあれば他に何もいらないよ♪」

愛紗

「そうですね……皆が笑って食事をし、仕事をし、そして満足して眠れる日が来る事こそ、私達にとっては何よりの褒美です」

鈴々

「みんな楽しそうなら、鈴々だって楽しいのだ♪」

「まぁ……無欲過ぎるとは思うがな。広大な天の下にこういう人間達が居ても、それはそれで面白いのではないかな?」

馬超

「……ははっ。そんな夢物語を、この乱世の時代に思い描いている奴らがいるとはね」馬超は苦笑いしか出来なかった。

「乱世だからこそ、夢を忘れる訳にはいかないって事よ」忍の言葉がストンと胸に落ちたのか、馬超の苦笑いは穏やかな微笑みに変わった。

馬超

「……確かにね」

愛紗

「その夢を実現させる為に……錦馬超。貴女の力を貸して欲しいのだ」

馬超

「……」

馬岱

「……お姉様ぁ」

馬超

「分かってるよ……自分達の勢力を広げる為だけに、あたしの事を誘っているんだと思ってたけど……違うんだな」

仗助

「勢力を広げる事に関しちゃ、否定は出来ねえ。力がなければ俺達の夢を実現出来ねえってのも、矛盾を抱えてっけど現実なんだ」

馬超

「分かってるよ。だけど、矛盾を抱えながら、そうやって理想に向かうっての、アタシは好きだな……ちょっと変とは思うけど」

「変、かしら?」

桃香

「変でも変じゃなくても、どっちでもいいや。もう慣れちゃったよ」

れんげ

「そうなんなー」

馬超

「変は変でも……あたしは好きだよ」

愛紗

「あ、じゃあ……」

馬超

「ああ。あたしで良ければ力を貸すよ……あんた達の部下になる」

「部下というか……」

鈴々

「仲間になって欲しいのだ!ってお兄ちゃん達の台詞を取るのだ♪」

「取られちゃったわね。けど、言いたい事はその通りだから問題ないけど」

桃香

「そうそう。部下とか家臣なんて関係ないよ。みーんな仲間だもん♪」

愛紗

「……だそうだ」

「まぁ、その辺りについては、追々桃香様とこの連中の変な考え方について説明しよう」

仗助

「変じゃねえよ」

桃香

「ねー?酷いよね、みんな。プンプン!」

れんげ

「プンプンとか口で言うからなん。だから変とか言われるん」

馬超

「はははっ!まぁ変でも良いじゃん。そういうの、あたしは好きだよ」

馬岱

「たんぽぽも好きー♪」

鈴々

「鈴々も好きなのだ♪」

「ふっ……我らの陣営にまともな人間は私一人という事か」

愛紗

「お前が言うな!」愛紗の的確なツッコミに笑いの渦が巻き起こる。

桃香

「あははっ、星ちゃん自身が変なの筆頭だもんね」

れんげ

「天下一変な人大会とかあったら、絶対優勝するん」

「心外ですなぁ。私こそ常識人の中の常識人」

仗助

「そいつぁ聞き捨てならねえな?」

「……ないと思う」

「れ、恋?!いつの間に……」

「ほれご覧なさい」

「むぅ……恋に言われては、認めるしかない。無念だ……」

「そういうところが変だって言われるのよね……まぁいいわ」

仗助

「んじゃ改めて自己紹介する。俺の名前は東方仗助。世間では天の御遣いって言われてる。鬼って化け物と闘うゲッター1を駆けている。よろしく」

「同じくゲッター2を駆ける藤崎忍よ」

れんげ

「ゲッター3の宮内れんげですん」

馬超

「う、うん。よろしく」仗助と忍が名乗ると、再び顔を赤くする馬超。やはり男に免疫がないらしい。

桃香

「私は劉備、字は玄徳、真名は桃香!桃香って呼んでね、馬超ちゃん♪」

馬超

「ああ。私は馬孟起(ばもうき)。真名は(すい)ってんだ。みんな、よろしく」

馬岱

「たんぽぽはね、馬岱!真名はたんぽぽ!よろしくね、桃香様♪」

れんげ

「ウチと一緒でお花の名前付いてるん♪よろしくなんなー」馬岱ことたんぽぽに自分と共通点を見つけて喜ぶれんげ。

蒲公英

「……えーと、ひが……ふじ……何だっけ?」

「相手の名前ぐらいすぐに覚えろ!」忍が馬超改め翠を宥めたところで、仗助がこう言い添える。

仗助

「メンド臭けりゃ3人まとめてゲッターチームで良いぜ」

「よろしく、翠ちゃん。たんぽぽちゃん」

桃香

「よろしくね♪」ゲッターチームと桃香が自己紹介をした後、それを皮切りにみんなそれぞれの真名を交換し合う。新しい仲間が出来た。その嬉しさは、困難を乗り越えた充実感と共に、じんわりと心の中に染み込んでいく。

 ―また新しい一歩を踏み出せる―。その喜びを噛み締めながら、彼らは再会を祝したささやかな宴に酔いしれた。

 

 それからしばらく経ったある日、月とれんげは一緒に街へ買い物に出掛けた。そこには呼んでもいないのに、賈駆改め詠もついてきている。

「……はぁっ」

「詠ちゃん、またため息吐いてる」

「そりゃため息も吐きたくなるわよ。日用品の買い出しなんて、誰でも出来るじゃない。何で月が……」

「仕方ないよ、詠ちゃん。私は皆さんのおかげで死罪を免れたんだから。その分しっかりご奉仕しないと」れんげは詠に相変わらずのジト目を向けて

れんげ

「イヤならついて来なければいいんに」正論を突きつける。

「そういう問題じゃないの!」

れんげ

「それじゃどういう問題なん?」

「うっ!」言葉に詰まる詠。これが仗助か忍だったら突っかかって暴言の1つでも飛ばしているが、れんげが相手は流石に毒づく訳にもいかない。

れんげ

「それより早く買い物するん」れんげは月の手を取り、目的のモノを売っている店へ足を早める。

「あ、あんた、月に触るんじゃないわよ!汚らわしい!ほら月、手を洗わないと腐るわよ」つい、普段仗助や忍に吐くような暴言が口から出てしまった。

れんげ

「……ウチ……ウチ……汚くないのん」涙こそ流してないが、目を潤ませながら声を震わせている。道行く人々も詠を見ながらヒソヒソ声で話している。

街の人(モブ)

「やーねあの女……」

街の人(モブ)

「……あんな小さい子を泣かせるなんて」

街の人(モブ)

「ったく……何考えてんだか」どんどん立場が悪くなる詠に月が悲しげな表情で一言。

「詠ちゃん……今のは酷すぎるよ。れんげちゃん可哀想……見損なったよ」見損なったの一言が詠の頭の中で、何度もフラッシュバックする。トドメを刺された詠の心は奈落の底へ堕ちていく……。

 その頃仗助と忍は桃香といつものメンバーの頭脳担当班と、益州のこれまでの財政や軍備をあれこれチェックしていた。コンコン、扉をノックする音に返事をする忍。

「開いてるわ」

「失礼します。今帰りました」

れんげ

「ただいまなーん」買い物を終えた月とれんげが戻ってきた。その後ろには、真っ白に燃え尽きた詠がいる。

「アラ?詠ちゃん、どうしちゃったの?」

れんげ

「知らないのん!」珍しく機嫌の悪そうなれんげはぶっきらぼうに言い捨て、自室へ踵を返す。入れ替わりに部屋に入ってかた鈴々、翠、たんぽぽの肉体労働班が

蒲公英

「れんちょん、どうしたのー?」

「なんか様子が変だったな」

鈴々

「あんな膨れっ面のれんちょん、見た事ないのだー?」

「実はですね……」街であった事を月が話して聞かせる。結果、『詠が悪い』と全員の意見が一致した。

 

 更に数日後。益州と荊州の国境沿いにある城の1つ、諷陵(ふうりょう)に入城した桃香達の下に、住民達のまとめ役の長老が謁見を申し出てくる。その話によると、益州の内部は既にボロボロ状態で、国民達は大乱に巻き込まれるのではないかと日々恐々としているらしい。

 この乱世の時代に無能な太守に治められていれば、国中が戦火に巻き込まれる。ならばこそ、有能な人間に太守になってもらい、安心して暮らしたい……

 長老達が彼らに要求してきたのは、新たな太守となって益州をまとめてほしいという事だった。話を聞くにつれ、益州を治める劉璋一族の、手前勝手な振る舞いの酷さが桃香達にも分かってくる。このままじゃいけない……そんな思いから、桃香達とゲッターチームは益州平定に乗り出そうと、出陣準備を開始する。目指すは益州の州都、成都。そして益州全土の平定。その目標を合い言葉に、新しい仲間を迎えた一行は諷陵を出陣した。

 




今回の原作との違い
・メイドになった月と詠が買い物に出る→本作でメイドになっているのは月だけなので詠は勝手についてくる。尚、原作ではこの買い物イベントはもっと前に発生。
・後から買い物に加わった一刀を詠が散々罵倒する。→ついれんげに毒づいて泣かせてしまい分が悪くなり、最後は○日の○ョーみたいになる。
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