ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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投稿した内の18話のれんげのセリフと30話の月のセリフの一部を変更、21話のあとがきを書き足しました。良かったらチェックしてみて下さい。


第三十一席劉備軍、益州平定に向かうのこと

桃香

「ここから成都まで、幾つくらいお城があるのかなぁ?」不安そうな桃香に朱里もまた、辛そうな表情で答える。

朱里

「新しい本城である諷陵は、益州でも端の端にありますから、成都までは後二十個ぐらいお城を落とさないとたどり着けないです」

桃香

「二十っ?!うへぇ~……多すぎだよぉ」

仗助

「そりゃまぁ。益州っつたら、大陸の約1/4ぐらいある広い地方だからな。城も多くて当たり前だろ」

れんげ

「おっちゃん、しのぶん。どうするん?」

仗助

「……そうだな。正直、あまり時間かけたくはねえな」

桃香

「もうげったあで攻めちゃう?」

「ダメよ。民間人にまで被害が及ぶわ」

桃香

「そうだよねぇ……」

愛紗

「となれば、内乱を続けている現在、我らの進軍を阻む城が、果たして幾つあるのか。そこが重要になってくるでしょうね」

「ふむ……我らの事は気にかけず、好きにやっておいてくれれば良いのだがな」

「それにしても……他人が家の中に入っているのに、それを無視して内輪で揉めてるって。劉璋ってバカなのかな?」

音々音

「バカは翠の事ですなー。今のこの状況こそ、我ら軍師の策があったればこそですぞ」

「バカで悪かったな……っつーか、それってどういう事だよ?」

雛里

「諷陵に入城した後、すぐに劉璋さんに使者を出して諷陵入城の正統性を伝えておいたんです」これに異を唱えるのは白蓮。

白蓮

「正統性~?……ぶっちゃけ、どう考えても正統性なんてないんじゃないか?」

朱里

「そこをどうにかするのが、軍師である私達の役目ですから」

鈴々

「口先三寸で丸め込んだって事なのだ」

「その言い方は酷すぎるわよ……けどまぁ、騙される方も騙される方よねぇ」

仗助

「自分が所有する城を、人の言葉を信じて渡しちまうんだから、お人好しにもほどがあるな」

愛紗

「それ故に無能と言われているのだな」

「極めつけは、その評価を下しているのが将ではなく民だという事だな」

音々音

「民あっての国であって、国あっての民ではないですからのー」

朱里

「学もなく、闘う力を持たない人達が殿上人とも言える太守を無能扱いするという、この一事だけでも、劉璋さんに人を治める資格はないかと」

れんげ

「……みんな難しい話してるん。ウチ、ついていけないのん……」

「……油断できない……兵は多い」

雛里

「恋さんの仰る通りですね。例え太守が無能でも、益州は人工多く、豊かな土地です……それを守る軍の数もかなり多く、油断は出来ないかと」

仗助

「数は力か。今の俺達には厳しい現実だな」

桃香

「数の暴力に負けない為にも、素早く成都を制圧しないとね」

「そうね。だからこそ、最短距離で成都に迫らなきゃいけないんだけど……」

朱里

「最短距離だからこそ、そこに配置されている兵はかなりの数になり、そして有能な武将が配置されています」

愛紗

「我らが向かっている城にも、有能な武将が詰めていると?」

朱里

「はい。今から向かうお城の城主は、黄忠さんと仰る方です」

「黄忠……聞かん名だな。一体どんな人物だ?」

雛里

「将として有能であり、なおかつ仁慈に満ち、徳望厚い方ですね」

仗助

「かつての華雄みたいに、いわゆる良将ってやつだな」

華雄

「え?え、私か?」誉められる事に慣れてないのか、しどろもどろになる華雄。仗助は華雄に頷きを返すと忍とヒソヒソ話を始める。

仗助

「黄忠って言やあ、元の三國志じゃ文武両道の武将として有名だよな」

「ええ。ただ……老黄忠って言葉もあるし、ひょっとしてお婆さんかしら?」

仗助

「それにしても……順調に五虎将軍や、劉備の下で活躍した将軍達が集まって来てんな」

「って事は、黄忠も仲間になるかもしれないわね」

仗助

「まぁ……あっちじゃ既に死んでるハズの公孫賛や袁紹達がここだと生きてるし、それは分かんねえな」

「この世界が過去の地球と同じ歴史を歩んでる……ある得ない話じゃないわね」

れんげ

「……2人まで、何ないしょ話してるん?ウチさっきからおいてけぼりなん!」会話に交ざれないれんげが唇を尖らせて、怒り出した。

「(焦)そ、そういえば袁紹達はどうしてるの?」流石にれんげに悪いと思って、話題を変えるべく、白蓮に尋ねる忍。

白蓮

「後ろで寝てるよ。天蓋付きの馬車に乗って、のんびり観光気分を楽しんでる」呆れた様子でため息を吐く白蓮。

鈴々

「それで良いのだ。下手に戦に口を出されると、スッゴく迷惑なのだ」

「迷惑かしら?」

愛紗

「迷惑だ」ハッキリ言う愛紗。

朱里

「迷惑ですね」

「迷惑過ぎる」

れんげ

「……みんな酷いんなー」

仗助

「その通りだけどよ……」

「とりあえず袁紹達はそっとしておきましょ」

れんげ

「えんしょーはくる○る○ーだからやる気出しても困るだけなん」

白蓮「お前が一番酷い事言ってるぞ、れんげ(呆)」

仗助

「それより雛里。ここからその黄忠の居る城まで、後どれぐらいだ?」

雛里

「後一日ほどですね……状況が状況ですから、既に黄忠さんの放った斥候に、捕捉されていると考えるのが妥当かと」

白蓮

「……という事は、夜襲を警戒しておかなくちゃいけないな」

「そうね……じゃあみんな、もうちょっと進んだ後で野営の準備をしましょ!」

 

 こちらは、黄忠の治める城。斥候兵の1人が、劉備軍が近づいている事を伝える。

兵士(モブ)

「黄忠様!劉備軍を確認しました。到達は明日になりそうです」これに答える黄忠。早世した夫の後を継いで城主となった、三十路に手が届くかどうかの妖艶な美女であり、幼い娘を持つ一児の母である。

黄忠

「そう。了解しました……ご苦労様」兵を労う黄忠だったが

兵士(モブ)

「はっ……」何かを言い淀む兵に

黄忠

「……あら、どうかしたのかしら?」

兵士(モブ)

「はっ。黄忠様は、まだ劉備と闘う事を迷っていらっしゃっているのですか?」

黄忠

「迷いがないと言えば嘘になるでしょうね」端から見れば、ムダにも思える闘いを仕掛けようというのだから、当然である。

兵士(モブ)

「そうですよね……既に街には劉備を待ち望む声が上がっております」

黄忠

「国の内情を理解しているからこそ、劉璋殿に見切りをつける民も出てくる。当然の事でしょうね」

兵士(モブ)

「はっ……しかし、この城を守ってきた我らは、その職務を簡単に投げ出したくはないのです」彼らとて人間、意地というモノがある。

黄忠

「ええ、分かっています。その誇りは賞賛に値するモノです。だからこそ、劉備と一戦を交え、我らの誇りを示しましょう」

 「はい!」

黄忠

「明日はいよいよ決戦です……しっかりと睡眠を取り、明日に備えなさい」

兵士(モブ)

 「はっ。では。お休みなさいませ」

黄忠

「お休みなさい」兵が下がっていくと黄忠はひとりごちる。

黄忠

「しかし……勝てるかどうか。皆の命を無駄にしないように……私は私の役目を果たす。ただそれだけね……」実はこの後、劉備軍との闘いどころではなくなる、とんでもない事態が起きようとしていたのだが彼女はまだ知るよしもなかった。

 

仗助

「準備はいいか?」翌日、野営の後片付けを終えた仗助達。今から黄忠の城へ向かおうというところだ。

朱里

「はい♪」

仗助

「オウ、じゃあ出発だ!」進軍を始める劉備軍だった。

 

雛里

「現在、敵城からの出撃は確認されていません。黄忠さんは籠城を選んだ可能性が高いです」

桃香

「籠城?援軍が来るアテがあるのかな?」

朱里

「アテはないでしょうけど、黄忠さんの選択は理に敵ったモノですよ」

「うむ。兵も将も揃っている我が軍の唯一の弱点は兵站だ。我らの兵糧が尽きた頃に逆撃するつもりだろう」

愛紗

「我らの弱点を的確に見抜いているという事か……油断出来んな」

鈴々

「攻城戦はつまらないからイヤなのだぁ~……」

「贅沢言ってんなぁ」

白蓮

「しかし鈴々の言う事にも一理あるな……どう攻めるんだ?桃香」

桃香

「頑張って攻める!それしかないよ♪」

白蓮

「……そりゃそうだ。ははっ!」

「出来るだけ早く。出来るだけ損害を少なく。それが基本方針になるわね」

朱里

「そうですね。後は……相手の出方次第かと」

「黄忠を説得するってのはムリなのかな?」

仗助

「出来んじゃね?出来るとは思うけど……いきなり説得しても意味ねえと思うぜ」

「まずは我らの力を示してみせる……説得はそれからと言う事だな」

仗助

「そういうこった……口でどう言っても、実力を示さねえと人は分かってくれねえからな」

愛紗

「お前達は黄忠を説得するつもりなのか?」愛紗が仗助と忍を交互に見て問う。

「ええ。話せば分かってくれるわ、きっと」

鈴々

「相変わらず甘いのだ」

「自分でもそう思うわ。でも……黄忠相手なら、必ず説得出来るハズよ」

桃香

「どういう事?」

仗助

「単なる勘だ」

音々音

「アテにならない勘ですのー」

仗助

「……返す言葉もねえ」まさか地球の『三國志』に、倣っているとは言えない仗助は肩をすくめる。

桃香

「あ、斥候さんが戻ってきた」

愛紗

「酷い表情ですね」

桃香

「何かあったのかな?」

「……ひょっとして。いやまさか……」

兵士(モブ)

「そのまさかです!」青く染まった顔の斥候が、歯をガタガタかち鳴らしながら報告する。

れんげ

「鬼なん?!」

仗助

「しぶてえ野郎共だ……」

「大至急、黄忠の城に向かうわ!桃香ちゃん達は待機していて!」

桃香

「わ、分かった!愛紗ちゃん、全軍に待機命令をお願い!」

愛紗

「御意!……では各員、行軍を停止!指示あるまで全軍待機!」

 

 斥候が知らせた通り、ここにも鬼の魔の手が伸びていた。

兵士(モブ)

「黄忠様!ご息女とご一緒にお逃げ下さい!」兵士の1人が黄忠を逃がそうとするも、彼女は首を横に振る。

黄忠

「いえ、私は最後までこの城で闘い抜きます。璃々の事、宜しくお願いしますね」弓術の達人である黄忠は、鬼の眼を射ぬいて隙を作り、その間に我が子と兵士達に逃げるように急き立てる。

黄忠

「さあ早く!」鬼は呻き声をあげながらやられた方の眼を押さえつつ、黄忠に襲いかかる。その時……

??

「ゲッターァァッ!トマホォォクッ!」巨大な斧が黄忠へ伸ばされた鬼の腕を切断する。ゲッターロボが駆け付けていた。

仗助

「オープン・ゲット!」

れんげ

「チェンジ、ゲッター3!これでも食らうん!そすんすグレートマンパーンチ!ののののののののぉぉーん!」連打される拳に押し返される鬼。

れんげ

「オープン・ゲット!」

「チェンジ、ゲッター2!これで終わりよ!ゲッタービジョン!」高速移動で残像を発生させる、端から見れば、まるで数体のゲッター2に鬼が囲まれたようだ。

「チェーンナックル!」その数体のゲッター2が、右手のペンチを分銅にした鎖を腕から飛ばす。やがて残像は消えたが、鬼は全身を鎖で縛られて、完全に動きを封じられていた。鎖は引き戻されると同時に鬼の体を切り刻んで、爆音と共に消滅した。

「ふぅーっ。ギリギリ間に合ったわね」

仗助

「斥候兵から『鬼が出た』って聞いた時は流石に焦ったぜ……」

れんげ

「鬼やっつけたん♪この後どうするん?」

仗助

「1度退散して、桃香達と合流すっか」

「そうね。交渉はそれからだわ」

れんげ

「みんな遅いんなー」

仗助

「……騎馬と徒歩じゃゲッターに追い付けねえよ。それに今は待機の指示が出ている」

「オープン・ゲット!それじゃ撤退しましょ」黄忠以下、城に残っていた兵士一同がポカーンとして、3体のゲットマシンが去っていった方角を見つめていた。そんな中、黄忠の愛娘の璃々だけは

璃々

「おかぁ~さぁ~ん」ガバッ!母親の腰にすがり付き、鬼の恐怖が去ったのと、母親が無事な事に安堵して泣きじゃくっていた。

 

 

 

 




原作との違い
・桃香達は籠城戦を仕掛ける黄忠と闘う→城に鬼が現れ、ゲッターで救助に向かう。
次回は厳顔と魏延が登場予定。でも私、魏延あんまり好きじゃないんですよね。σ(^_^;)存在消すか、登場と同時に死んでもらうか、悩みどころです……
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