ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
前話の鈴々と音々音のセリフを一部入れ換えました。
手負いの黄忠軍兵士が告げる。
兵士(モブ)
「黄忠様!前方一里のところで劉備軍を発見しました!現在、我が城に向かって侵攻中です!」
黄忠
「一難去ってまた一難、ですね。劉備軍と闘う余力は残っていますか?」
兵士(モブ)
「恐れながら……」奇跡的に死者こそ出なかったもの、兵士達は先ほどの戦闘で全員ボロボロ。これ以上闘わせるのはムリと判断した黄忠は
黄忠
「では、いた仕方ありませんね。白旗の用意を」
兵士(モブ)
「はっ!」
黄忠
「あの化け物さえ現れなければ……しかし、死者が出なかっただけでも良しとしましょう。それにしても、あの化け物を倒したのは……?」
星
「城門が開いた!全軍突撃!」
仗助
「いや、その必要はねえよ」
朱里
「?待って下さい!城門の向こうか誰か出てきます!」
桃香
「あれ?中から来た人達、白旗持ってる?」
忍
「やっぱりね。闘う余力が残ってないんだわ」
愛紗
「まだ分からん。桃香様は少し下がっていて下さい」
桃香
「え、でも……」
白蓮
「愛紗の言う通りにした方が良い。大将ってのはまず第一に安全を考えるモノだ」
仗助
「……仕方ねえ。桃香、少し下がっていようぜ」
桃香
「う、うん」
星
「では白旗を持つ人物とは、私と愛紗で対応しよう」
忍
「ええ。お願いね。翠ちゃん達は周辺を警戒しておいて」
翠
「任せとけ」
愛紗
「頼む……では行こうか」
星
「うむ」
傷を負った黄忠と対峙した愛紗。まずは相手の意思を確認する。
愛紗
「我が名は関羽。そしてこちらが趙雲……軍使殿が白旗を掲げているという事は、我らに降参するという事でよろしいか?」
黄忠
「まだ決めた訳ではありません。白旗を揚げているのは、この行軍を一時中断して頂き、あなた方に話を聞こうと思ったがため」
星
「話か……それは別に構わんが、今更我らの話を聞いてどうするのだ?」
黄忠
「誇りの為に死すか。大義の為に生きるか……それを決める為です」
愛紗
「……分かった。心して承ろう」
黄忠
「ありがとう……尋ねたい事は一つ。劉備さんは益州を平定し、一体何を目指そうというのか。その返答によっては……命尽きるまで、あなた達に抵抗するでしょう」
仗助
「そういうのは、俺達の口から言わなきゃならねえな」
忍
「そうね。ゲッターを見せれば信憑性も増すかしら?」
れんげ
「ウチもやるーん」仗助と忍がいつの間にか現れて、れんげも桃香と手を繋いで、すぐそばにいた。
愛紗
「桃香様っ?!それに仗助達まで!」
星
「ふっ……まぁ、素直に後ろに下がった時から、来るとは思っていたが……」
桃香
「ごめんね、星ちゃん」
星
「構いません。お好きなようにすれば良い」
愛紗
「はぁ……仕方ありませんね、もう」
桃香
「えへへ、ありがと……えーっと、黄忠さん、ですよね?」
黄忠
「貴女が劉備?」
桃香
「そうだよ。そしてこの子が……」
れんげ
「にゃんぱすー。ウチらが天のみつかいなーん」
黄忠
「こんな小さい子が?……」
仗助
「ああ、一応な。俺達もだが……」
忍
「世間一般ではあちし達3人はそう呼ばれてるわね」
黄忠
「天の遣い……管輅により、この戦乱を治める為に舞い降りた天の御遣いと言われたあなた方が、どうして益州に攻め入るのです?ナゼ戦乱を巻き起こすような闘いを始めるのです?」険しい顔で尋ねる黄忠に、仗助達は穏やかに告げる。
仗助
「痛えトコ突くなぁ……正直に言やあ、それしか方法がねえから、かな」
黄忠
「方法がない?」
忍
「ええ……黄巾党の乱から始まったこの乱世。それを治める為に必要なモノは何?人を思いやる心?それとも闘いを
黄忠
「それは……」
仗助
「必要なのは力だ。誰にも負けねえ、大きな力。それを、力なき人々の幸せの為に使う。それが桃香の理想であり、俺達の理想なんだ」
れんげ
「ウチらその為に闘ってるん。そんでこれからも闘うつもりなん」
忍
「決して私利私欲の為じゃないわ……まぁ理想を実現させる事が私欲じゃないのかって言われれば、そうとしか言い返せないのよね」
黄忠
「……ナゼ益州を攻めるのです?」
仗助
「人々に求められたからってのが、一番でけぇ理由かもな」
桃香
「重税が掛けられ、その税が内乱を続ける軍資金にされている……それっておかしいと思うんです。私達は内輪揉めに熱中し、庶人の事を考えもしない人達をやっつけたい。でないと、この国の人達は、より大きな戦火に巻き込まれて、悲しい思いをすると思うんです」
忍
「あちし達が来なければ、闘いに巻き込まれる事もなかった。それも正しくはあるのよ?でも……あちし達は少なくとも、今、この国を治める太守よりは有能だと思うわ」
仗助
「内乱を収め、外敵から人々を守る……その最低限の事も出来てねえ今の太守を、住民達は欲してんのか。違うだろ?」
黄忠
「それは……」
れんげ
「だからウチらここに来たのん」
黄忠
「……お話は分かりました。御遣いの方々や劉備さんの言葉は多くの真実を含んでいるでしょう。しかし私達には城を守り、民達を守るという責務がある」
愛紗
「だから鬼と闘ったという訳だな……その心意気には心からの尊敬を覚える」
星
「うむ。将として城主としてあなたの行動は正しく、そして誇り高いモノだ」
朱里
「だからこそ……私達に降って欲しいのです。決して悪いようにはしませんから」朱里も黄忠を説得しようと、やってきた。
黄忠
「……」そこに黄忠軍兵士が伝令に駆け付ける。
兵士(モブ)
「こ、黄忠様!城壁上に住民達が続々と集まっております!」
黄忠
「えっ?!」
仗助
「ちょっと待て!城壁は確か……」
忍
「さっきの鬼との闘いで崩れやすくなっているハズよ!」
れんげ
「大変なん!」大急ぎで城壁に向かうゲッターチーム。
そんな事とはつゆ知らず、城壁に集まっている住民達。
一般人(モブ)
「劉備様ぁ~!よくお越し下さいましたー!」
一般人(モブ)
「住民一同、大歓迎ですぜ!」
一般人(モブ)
「劉備さまぁ~!」
一般人(モブ)
「劉備さまぁ~!いらっしゃいー!」中にはれんげと同い年ぐらいの子供も混じっている。
一般人(モブ)
「黄忠様!もう良いんです!闘わないで!」
一般人(モブ)
「劉備様!黄忠様を助けてあげておくんなまし!」
一般人(モブ)
「そうですぜ!黄忠様ほど素晴らしい城主様はいません!だから黄忠様だけはお助けを!」みんな、黄忠の助命を嘆願する為に集まって来ていた。そこへ城壁がピキッと小さい音を立てると次の瞬間、ガラガラッ!と崩れ、住民達にのしかかろうとしていた。
ドズゥーン!崩れ出した城壁の破片と住民達の間にゲッター1が割って入り、被害を未然に防ぐ。仗助のクレイジー・ダイヤモンドで城壁を元に戻した後、駆け付けた桃香達はホッと胸を撫で下ろす。対して黄忠は
黄忠
「……あれは!化け物を倒し、私達を救ってくれた鋼の巨人!そういう事でしたか……」
桃香
「大丈夫だよぉー!黄忠さんに乱暴な事はしないからねー!」城壁の跡から離れながらも声を届ける住民達に、桃香は身体全体を動かして答える。
黄忠
「……ふふっ、民は正直なようですね」黄忠はそう呟くと、ゲッターチームに向き直り、頭を下げる。
黄忠
「あなた方のお陰で、兵士が一人も死なずにすみました。感謝致します」
仗助
「別に。単に成り行きだ」黄忠から顔を背けて答える仗助。
忍
「仗助ぇ~。アンタ顔赤いわよ」ニヤニヤしながら突っ込む忍。
れんげ
「おっちゃん、こんな感じの人が好きなんなー」れんげも忍と一緒になって仗助
仗助
「ウッセエ!それよりも、だ。あれだけの人間があんたの助命を嘆願してるってのも、スゴい事じゃねえか?」
黄忠
「ええ……素直に嬉しく思います」
忍
「……それで黄忠さん。恩を着せるつもりはないけど、あちし達の仲間になって貰えないかしら?」
黄忠
「……分かりました。この身、あなた方にお預けしましょう」
桃香
「ホントに?!」声を弾ませる桃香。
黄忠
「それが民達の望む事ですから……」
愛紗
「貴女自身、納得して降るのではないと?」
黄忠
「いいえ。劉備さん達の話を聞いて、納得はしています。その器の大きさと志。そして志に溺れない……自分達を客観視出来る冷静さ。それがあるからこそ、私はあなた達を信用出来る。理想だけを騙る愚か者ならば、我が命に代えても討ち取ろうと思ってましたけど」言いながら、黄忠は懐から取り出した短剣を地面に捨てた。
翠
「うわっ……油断も隙もない女だな」
黄忠
「ふふっ……女には棘があるモノよ」
仗助
「肝に銘じておく……そういや名乗ってなかったな。俺は東方仗助。よろしく」
桃「劉備玄徳真名は桃香!黄忠さん、これからは仲間としてよろしくお願いね♪」
忍
「桃香ちゃんを挟んじゃったけど……あちしは藤崎忍よ。アラ?れんちょんは?」さっきまで側にいたれんげがいつの間にかいなくなっていた。だがすぐそこで、自分よりも幼い黄忠の娘、璃々と遊んでいるのを見つけた。
黄忠
「璃々、ご挨拶なさい」
漓々
「こんにちは」年の頃は4才ほどか、そのわりには利発そうな子供である。
黄忠
「では改めて……我が名は黄忠。字は漢升。真名は
その夜、厳顔の耳には黄忠の守る城が劉備に落とされたと連絡が入った。
厳顔
「何っ?いつだ?」厳顔の問いに、
兵士(モブ)
「斥候の話では、本日の昼頃には既に城門が開かれていたようです」
厳顔
「半日足らずか……紫苑ほどの者が守る城を、こうも易々と落とすとはな。劉備軍の評判は、伊達ではないという事か……斥候は戻っておるのか?」
兵士(モブ)
「はっ!」
厳顔
「ではここに呼べ。直接聞くとしよう」
兵士(モブ)
「ではすぐに」
厳顔
「それにしても……何を考えておるのじゃ、あの未亡人殿は。降伏したのか……?確か紫苑は現体制には否定的じゃったな。それについては儂も同意見ではあったが、うーむ……読めんな。状況が……」やがて斥候兵が厳顔と下へやってきた。
厳顔
「ご苦労……城が落ちた時の状況を、もそっと詳細に報告せい」
兵士(モブ)
「はっ。黄忠将軍の城ですが、突如謎の巨躯を持つ化け物に襲われ、全滅寸前に陥りました。そこへ鋼の巨人が助太刀に入り、化け物は死亡。しかし劉備軍が現れた際には既に闘う余力はなく、白旗と共に黄忠将軍が軍使として劉備軍に近づき、何やら話をしていたようです。それと同時に街の住民の多くが城壁に上がり、劉備を歓迎する声をあげ始めました。その城壁が崩れ出したところに、再び鋼の巨人が住民達を救助。その後しばらくして、黄忠殿は劉備軍を先導する形で入城し……」
厳顔
「なるほどの。よぉ分かった。報告ご苦労。少し休んでおれ」
兵士(モブ)
「はっ!」
厳顔
「……恐らく、民達が劉備を求める姿を見て、降伏を決めたんじゃろうな……紫苑は優しげに見えて、中々骨のある女。例え民達が求めようとも易々とは降伏せん……逆に言えば、劉備というのはそれほどの人物なのだろうな。尤も劉璋のボウズに比べ、劉備が優れている事なんぞ、誰でも分かるか。それに鋼の巨人とやらも気になるのう……そやつも劉備が引き連れておるのか?ここも住民達が劉備を歓迎するのならば、それは致し方のない事じゃ……民が幸せを求めるのを止める事は出来ん。じゃが……くくっ、儂のようないくさ
という訳で、結局魏延は存在自体をなくしました。史実や本来の三國志での人となりはよく知りませんが、恋姫無双の魏延はあまり書きたくないので……魏延ファンの方々、すいません
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