ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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改めて考えて見ると、これ本編よりずっと長くなってます。話数は34だけど、1話辺りの文字数が倍ぐらいありますからね。


第3三十四席厳顔、一騎討ちを望むのこと

 兵士が伝令に来る。

兵士(モブ)

「申し上げます!前方に敵軍を発見!その数、約八万前後!旗標には厳の文字!」

愛紗

「ご苦労。下がって休め」

兵士(モブ)

「はっ!」

愛紗

「敵は城を出て、野戦で決着をつけようと言うのか」

「解せんな。籠城を捨てて野戦を挑むとは……敵は何を考えている……」

「籠城してれば味方の援軍だって来るになぁ。あ……逆に考えれば、援軍が来ないって事かな」

雛里

「その可能性もありますが、可能性を判断する為の情報が不足しています……もうちょっと情報を集めないと」

桃香

「情報といえば紫苑さんでしょ!……あ、でもイヤだったら言わなくても大丈夫だよ?」

紫苑

「ふふっ、お気遣いありがとうございます……お優しいのですね」

桃香

「そういうのじゃないよ?でも……言いたくない事ってあると思うし……」

紫苑

「イエ、大丈夫です」

朱里

「では紫苑さんが知っている限りの情報を、教えて貰っても良いですか?」

紫苑

「ええ……厳顔は心から戦を愛する生粋の武人。それに元々、劉璋様を頂点とする現政権を口やかましく批判してましたから。援軍を要請したところで、今の成都が対応するハズがないでしょう……それ以上にあの人は成都に援軍を要請すらしてないでしょうけどね」

蒲公英

「うわー。体育会系~……闘う事が楽しいって人なんだね~」

紫苑

「そうね。あの人は根っからのいくさ人。酒と喧嘩と大戦(おおいくさ)を愛する武人よ」

音々音

「それで野戦を挑むと?……何とも迷惑な人ですなー」

「しかしその信念は良く分かる。同じ武の世界に住む者にはな」

白蓮

「うーん……だけどさ、いくら援軍が来ないからって籠城じゃなくて野戦を選ぶのはなぁ。戦術的には下策だろう?」

「……白蓮、違う」

白蓮

「え、違う?えーっと……忍。翻訳してくれ」

「多分、戦術がどうとかって考えてないって、そういう事を言いたいじゃないかしら?でしょ?恋ちゃん」

「……(コクッ)誇り。それだけ」

愛紗

「戦術など考えず、誇りを示す為だけに野戦で堂々と決着を望む、か……分かるな、その気持ちは」

鈴々

「潔い奴なのだ」

雛里

「それだけじゃなく、多分籠城していても、いつかは城内に混乱が起こる……そう考えているのでは?」

「あ、そっか。紫苑と闘った時だって、後で住民のみんなに大歓迎されたもんな」

紫苑

「その動きが籠城中に起これば、闘う事さえ出来なかったでしょうね」

音々音

「紫苑は良く住民を抑える事が出来ましたなー」

朱里

「そこは紫苑さんのご人徳だと思いますが、籠城する側として、中で混乱が起こる事は避けたい……そういう思いから野戦を選択する事は、充分考えられる事かと」

紫苑

「はい。桔梗……厳顔も、戦狂いの将ではない。住民の幸せを常に考えている誇り高き真の武将です。説得すれば必ずや味方になるでしょう。しかし、その為には……」

桃香

「闘って、勝って。私達の強さをみせつけなくちゃいけないって事だね」

紫苑

「その通りですわ」

「ふむ。事態は見えた。勝つ。それだけだな」

雛里

「そのようですね……では部隊を配置した後、進軍を再開しましょう」

桃香

「了解♪それじゃ先鋒は紫苑さん、鈴々ちゃん、翠ちゃんにお願いするね。その三人の補佐は雛里ちゃん、白蓮ちゃん、蒲公英(たんぽぽ)ちゃんがお願い」

雛里

「はいっ」

白蓮

「了解」

蒲公英

「は~い♪」

桃香

「愛紗ちゃんと星ちゃんは左右についてね」

愛紗

「はっ!」

「うむ」

桃香

「恋ちゃんは予備隊として本隊で待機。朱里ちゃん音々ちゃんも同じく、私の傍にいてね」

朱里

「はいっ♪」

音々音

「了解ですぞー」

「……《コクッ》」

仗「俺達は……」

桃香

「げったあちいむは私と一緒に本隊待機だよ。適材適所でしょ?」

れんげ

「了解なのーん」

仗助

「分ぁった……みんな。朱里達の指示に従って部隊の編成を頼む」

 

 ~厳顔軍~

 

兵士(モブ)

「厳顔様。劉備軍を捉えました。前方、約二里。兵数は約五万と言ったところでしょうか」

厳顔

「ほお。結構な数だな。各地から志願兵が集まっているようだ、その兵をうまく組み込んでいるのだな。ふむ……天の時も人の和も劉備に集まっておるか……こちらには地の利のみとは、中々愉快な状況になっとるな。ならばこの厳顔、存分に華を咲かせようぞ!」

兵士(モブ)

「作戦は如何ように?」兵士の質問に厳顔は笑みすら浮かべ

厳顔

「作戦など要らん。誇りと共に進み、奴らの喉笛を食いちぎってやれば良い……だが退き際を見誤るなよ」

兵士(モブ)

「え?は、はあ……」

厳顔

「さてさて。劉備とやらがどれほどの強さを見せてくれるのか……戦場(いくさば)で、じっくりと楽しませてもらおうか……」

 

 ~再び劉備軍~

雛里

「敵軍捕捉!皆さん、作戦通り部隊を展開して下さーい!」

愛紗

「よし!鈴々達は前方で部隊を展開させろ!」

鈴々

「分かっているのだ!みんな行くのだ!」

「へへっ、張り切りすぎてヘマすんなよ!」

鈴々

「翠に言われたくないのだ。ねー、紫苑」

紫苑

「うふふ。二人共気を付けなさいね」

「当然!蒲公英、行くぞ!」

蒲公英

「ほーい!」

白蓮

「……よし、私も久し振りに派手に暴れさせてもらおうかな……白馬の勇士達よ!張飛隊、馬超隊に負けるなよ!」

兵士達(モブ)

「「「応っ!」」」

雛里

「私と紫苑さんは先鋒中央で相手の出方を待ちましょう。説得の方はお願いします」

紫苑

「了解ですわ、可愛い軍師殿」

愛紗

「関羽隊、趙雲隊は左右より敵を迎撃する!攻撃ばかりに気を取られるなよ!」

「押せば退き、退かば押す!柔軟な動きこそ我らの真骨頂と思え!」

兵士達(モブ)

「「「応っ!」」」

朱里

「本隊は先鋒の後ろで魚鱗の陣を布いて下さい!戦況によってはそのまま前に出ますからねー!」

桃香

「了解♪じゃあ仗助さん、忍さん、れんげちゃん!」

仗助

「オウ!」

「行くわよ!」

れんげ

「攻撃開始なーん!」

 

 そして対峙する両軍。

厳顔

「ふははっ!楽しい喧嘩をしようじゃないか!」

「敵が来るぞ……!」

鈴々

「鈴々はあのおばさんと闘うのだ!」

厳顔

「来い!童っぱ!」

仗助

「……今回、俺達は出番なさそうだな」

「そうね……」

 

 厳顔との闘いには苦戦を強いられた。まるで、こちらの手の内が予め分かっているかのように、常に先手を打たれてしまっている。

桃香

「このままじゃあ全滅だよぉ~(困)」

朱里

「一旦退却しましょう!」

厳顔

「逃がさんぞ!ククッ、どうしてもと言うのなら、鋼の巨人を出したらどうだ?」桃香を挑発する厳顔。

れんげ

「……いいのん?」

厳顔

「勿論」

仗助

「後悔するぜ」

「しょうがないわね。ちょっと脅かす程度よ」3人はゲットマシンを展開して、ゲッター1に合体する。当然、形勢は逆転。蜘蛛の子を散らすように逃げ出す厳顔軍の兵士達。

厳顔

「……これが!何という事じゃ!精々七、八尺程度(約210cm~240cm)と思っておったが、十丈(1丈は約3メートル)は越えておるではないか!」

仗助

「降参するか?」

厳顔

「……仕方あるまい。調子に乗って、下手な挑発をした儂の失態じゃ。軍の大将として、潔く負けを認めよう。だが、儂個人は白兵戦を挑みたい。誰ぞ儂と一騎討ちで闘おうという者はおらぬか!」

鈴々

「先刻の宣言通り鈴々がやるのだ!」

仗助

「イヤ。鈴々、ここは俺に譲れ」

鈴々

「お兄ちゃん……本気なのかー?」

仗助

「ったりめぇーだろ」

鈴々

「じゃあ任せるのだ」仗助はゲッター1から下りると兵を下がらせ、厳顔と1対1で向き合う

厳顔

「して孺子(こぞう)。名は何という」

仗助

「俺ぁ姓は東方、名は仗助。字はねえ。一部の知り合いにゃジョジョとも呼ばれてっけどな。決着つけようぜ、おばさんよ」

厳顔

「おばさっ?!……ガキめ。目上の人間に対しての礼儀を知らんのか」

仗助

「あ゛?敵に礼儀なんぞいらねえだろ?」

厳顔

「ふふっ、違いない。しかしな、仗助とやら。この厳顔、老いたりと言えど、我が武に些かの曇りなし。侮っていては大怪我のもとぞ」

仗助

「侮っちゃいねえ……それだけのデケえ得物担いでる時点で、あんたが強ぇのは一目瞭然だ。でも俺は負けねえけどな……来い!厳顔!」

厳顔

「ふっ……良い見得を切る。では参るぞ仗助!我が必殺の豪天砲を喰らえ!」

仗助

「うわっ!危ねっ!何だ?ハンマーの類いかと思ったらバズーカかよ!」

厳顔

「ほお。避けたか、だがまだまだ。これで終わりとは思うなよ」

仗助

「……やってみろ。じゃあ俺は全部避けて見せっからよ」

厳顔

「ほお、我が豪天砲の一撃、受けて立つか。豪毅な奴だ……気に入った。では貴様がどこまで持つのか試させてもらおう」

仗助

「来やがれ!」

厳顔

「参るっ!うぉぉぉぉーっ!」豪天砲の弾が連射される度に身を躱す仗助。

仗助

「うわっ!よっ!ほっ!とぁ!んっ!よいしょ!は!」

厳顔

「やるな!だがまだまだーっ!はぁぁーっ!」

仗助

「見えんだよ!はぁーっ!」

厳顔

「くっ……全弾避けたか」

仗助

「はぁ、はぁ……と、当然だろうが!けど、それだけじゃないぜ……」発射されたハズの豪天砲の弾が舞い戻ってきて厳顔を狙う。

厳顔

「何……!?弾が返ってきただとぉ!?貴様、何をした!?」

仗助

「これは俺のスタンド、『クレイジーダイヤモンド』の[破壊された物を直す能力]だ。そいつから弾が発射されて形状が変わっただろ?つまり、破壊されたのと同じ状態だと見なしたんだろうぜ」

厳顔

「ふむ……ならば接近戦で勝負をつけるのみ!」

仗助

「(ニタァ)それこそ望むところだぜ!けどそっちからすりゃあ、見えねえ攻撃だ。そう簡単には受け止められるとは思うなよ!」

厳顔

「力とは示すモノだ!言葉を尽くすよりも、その一撃に魂を賭けぃ!」

仗助

「オウ!行くぜぇ!」

厳顔

「来いやーっ!」

仗助

「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァァーッ!」咄嗟に豪天砲を盾にするも、クレイジー・ダイヤモンドの攻撃はその砲身をベッコベコに凹ませていく。

厳顔

「ぬぅっ?!(こやつ、拳だけで?!)重い……何たる重さだ!」

仗助

「俺とクレイジー・ダイヤモンドの拳にはみんなの夢と希望と、平和を願う心がこもってんだ!重てえのは当然だ!力のある(もん)が力のない人々を守る!そんな単純な事も分かんねえ奴が多いから、俺達がみんなを背負って闘うんだ!俺は……その為に闘い続ける!それが俺の生き様だぁっ!」会話しながらも、仗助はクレイジー・ダイヤモンドの猛攻を止めようとしない。

厳顔

「……重いな。貴様の生き様も」

仗助

「重いっちゃあ重い。軽ぃっつったら、簡単に背負えるくらい軽い……それはそれで辛えけど……それでも俺は……俺達は背負っていく!ずっとずっと!この命が尽きるその日までな!」

??

「そう。その重さを背負う覚悟。私はその決意に心を打たれたのよ」

厳顔

「紫苑!この裏切り者め!良くも儂の前に顔をだせたな!」

紫苑

「その言葉は本心でいっているのかしら?」

厳顔

「……ふんっ。そうでも言わんと儂の気が済まんわい」

紫苑

「そう。じゃあもう気が済んだ?」

厳顔

「……ああ。この小僧の拳など効かんかったがな。真っ直ぐな言葉の刃で魂を討ち取られた」

仗助

「ん?って事ぁ……」

紫苑

「もう闘う気はないという事よ、仗助さん」

仗助

「……そっか」

厳顔

「もののふに二言はない……良い言葉だったぞ、小僧」

仗助

「じゃあ……降参するって事でいいんだな?」

厳顔

「ああ。降参しよう……最早我が魂から酔いは抜けたよ」

仗助

「フゥーッ!」張り詰めていた緊張の糸が切れたらしく、腰が抜けてその場にへたり込む仗助。

厳顔「なんじゃ……さっきまで格好つけておったわりに、情けないのう」

仗助

「んな事言われても、あんなの当たったら死んじまうだろ!?俺にゃ忍やれんげみてぇな芸当、出来ねーっつーの!」

紫苑

「うふふふ……」

厳顔

「あははは……」

仗助

「いひひひ……」大の字に寝転がってボヤく仗助とそれを見下ろす紫苑と厳顔。ナゼか、しばらく顔を合わせて笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 




原作との違い
・魏延が登場しないので彼女の出番は全部カット。代わりに厳顔がゲッターチームを挑発する。
・厳顔と鈴々が一騎討ちする→鈴々は厳顔の相手を仗助に譲り、厳顔VS仗助の一騎討ちになる。
次回は益州平定、桃香が蜀の王となる?
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