ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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このシリーズ初の閑話です。本編を書くのに少し疲れまして……
残念キャラ2人にスポットを当ててます。扱いはやはり残念ですが。


第三十五、五席益州で、クイズ大会のこと

 ~仗助視点~

れんげ

「謎々大会!兵士の皆さん1万人に聞きましたん!1位を当てちゃいけま10(てん)のん!」……ナゼか俺達は今、クイズ大会の解答者として成都城の大ホール(元の城主が娯楽目的で造ったらしい)に集まっている。ホールにはテレビのクイズ番組さながらのセットが用意され、司会進行のれんげを挟んで2組の解答者チームはそれぞれに向き合ったテーブルにつく。

 

 何でこうなったか……事の始まりは益州平定の闘いが終わり、紫苑と厳顔が仲間になった日まで遡る。

 戦には勝利したものの、兵士達はスッカリ疲弊していて、俺的にはそろそろ誰かが愚痴の1つでも溢すんじゃないか、と危惧していたら

桃香

「……ねえ仗助さん。相談があるんだけど、良いかな?」桃香が少し困ったような顔で俺に訊ねてきた。

仗助

「何だよ?相談って」

桃香

「このところ、闘い続きで兵士さん達、疲れきっているじゃない?このままだと統制が保てなくなりそう……」やっぱ俺と似たような事を考えていたらしい。

仗助

「確かにな。かといって休暇を与えて自宅へ帰す訳にもいかねえし……」この世界じゃ帰宅するのだって命懸けだ。大体、移動手段が徒歩と馬しかねえしな。2人で頭を付き合わせて悩んでいたら、いつの間にか愛紗、鈴々、朱里、雛里、星、白蓮、月、詠、恋、ねね、華雄、袁紹、文醜、顔良、紫苑、璃々、翠、蒲公英……全員に囲まれていた。

 

 話を聞いた愛紗達も一緒に知恵を絞るが良案は出ない。そもそも俺ぁこういう事考えんの、得意じゃねえんだよな。

れんげ

「みんな揃いも揃って、何してるん?」全員が円陣を組んで頭を捻っていると、大量の紙の束を抱えたれんげが現れた。

仗助

「イヤ。戦で疲れてる兵士達を労う方法が何かねえか、悩んでんだ」

れんげ

「そうなんなー。ところでしのぶん見なかったん?」

「忍さんなら例のすたんどで何かを購入して、倉庫に運んでいましたよ」

仗助

「忍に用か?」

れんげ

「兵士さん達にアンケート取るように言われたん。今、色々聞いてきたトコなん」

桃香

「あんけえと?何それ?」

仗助

「……れんげ。あんまこの世界にねえ言葉使うなよ。そういや前に朱里にも頼まれてたな。兵士の意見、質問を投票させて今後の軍事運営の参考に役立てたいって」

朱里

「れんげちゃんなら兵士の皆さんも忌憚なく、発言しやすいですからね」投票なのにナゼ聞き取り調査かと言うと、この大陸もやはり昔の地球同様、識字率が低い。当然文字を書けない兵士も多いので、口答を受けてれんげが記録しているっつー訳だ。

「うむ。これが愛紗では絶対上手く行かないな」

愛紗

「どういう意味だ?」星にジト目を向ける愛紗に鈴々がトドメを刺す。

鈴々

「愛紗だとみんな怖がって、本心が言えないのだ」俺は笑いを堪える。ふと脇を見るとねねと白蓮も俯いたまま、肩をピクピクゆらしていた。

愛紗

「そこの三人!何がおかしい?」

「愛紗。今も怖い顔をしているぞ」

愛紗

「うっ!」

桃香

「怖いと言うか……愛紗ちゃん真面目で、いつも真剣な顔しているから、みんな気を張っちゃうんだよ」……フォローになってねえぞ桃香。それだとれんげの立場がねえだろ。

れんげ

「……ウチ、不真面目じゃないのん」案の定、膨れっ面になるれんげ。

雛里

「と、言うよりれんげちゃんは良い意味で相手が緊張しないんです。これは一種の才能だと思います」雛里が互いの面目を潰さない模範的なフォローをする。

「何をギャイギャイ騒いでいるのよ?」自分の仕事を終わらせたらしく、忍もやって来た。手にした籠には人数分のペットボトルが入っている。

 

「事情は分かったわ。とりあえずこれ飲んで一息つきなさい」忍はみんなにペットボトルを配ると、左手で頬杖をついて目だけを右斜め上に向ける。これは考え事をする時のこいつの癖だ。

「そうだわ。面白い事閃いちゃった♪れんちょん、明日もう1度アンケートをとってきて貰えるかしら?」

れんげ

「今度は何聞いたら良いのん?」

「項目は書き出しておくわ。その後、何人か手伝って貰うわね」

 

 ……それから数日経った今日、こうしていわゆるランキング当てクイズ大会が開催された訳だ。ホールの入り口側に長椅子を置いて客席として、兵士達はそこに座ってこのこっ恥ずかしい見せ物を楽しむ仕組みになっている。因みに解答者のチーム分けは……俺、愛紗、白蓮、朱里の4人に対して、桃香、星、華雄、雛里の同じく4人。このバランスは何となく絶妙な気がするが忍曰く、『大将に武将2人と軍師で構成してあるの』だそうだ。

 

れんげ

「それでは第1問ですん!個人戦なので各団体、代表を選んで下さいん!」れんげがハイテンションで進行し出した。

華雄

「私から行こう」桃香チームからは華雄が先陣を切る。俺達のチームは朱里を出す事にした。

れんげ

「兵士さん1万人に『もし、将、軍師の中で恋人になれるとしたら?』と聞いてみたん。名前が上がったのは8名。票数が2番目から8番目に多かった人を当てて下さいん。1番多かった人を当てたら敗けですん」……これ確か昔、昼間のバラエティ番組で見たぞ。

朱里

「すいません。質問良いですか?」

れんげ

「あいっ」

朱里

「今、我が軍には将と軍師合わせて十五名居ます。九番目以降の人は入ってないのですか?」

れんげ

「良い質問なのん。この問題に関しては8名しか名前が上がらなかったん……9番目の人はみんな1票も入らなかったんよ。勿論、答えても安全圏内なのん」内訳を知ると朱里も納得したらしい。

れんげ

「それでは改めて第1問なん!まずはおっちゃん組から答えて下さいん」

朱里

「はわわ……え、えっと……星さん!」

れんげ

「あい!果たして星姉は……4位なん」へえ。星、健闘したな。

「ほう。私も中々モテる女だな」

れんげ

「……自分で言ってりゃ世話ないのん」

「アラ、星ちゃんが圏内に入ったわね。解説のねねちゃん、どう思う?」

「まぁ星も見た目は良いですからなー。実際恋人になったら、相手は苦労するでしょうが……」

仗助

「何でクイズに実況と解説が居んだよ?」

「あちしは問題を作ったし、ねねちゃんには集計を手伝って貰ったのよ」

音々音

「答えを知ってるから解答者にはなれないのです。だから、この会に参加するにはこれしかないのです」

「……ねね、頑張る」客席から小声で音々音にエールを贈る恋に対し、手を振って答える音々音。

音々音

「恋殿ぉー!見ていてほしいのですぅ!ねねは頑張りますぞー!」

仗助

「イヤ、お前解説だろ!何をどう頑張んだよ?」

れんげ

「突っ込みはいらないん。では桃香姉組のかゆーどん、解答をどうぞなん!」

華雄

「オイちょっと待て!華雄どんって何だ!」

朱里

「はわわ……だ、ダメですよ。れんげちゃん」

雛里

「あわわ……ご本人が嫌がってます」

「華雄どん……意外に良いな」

華雄

「良い訳ないだろっ!」

白蓮

「諦めろ。華雄(呆)」

愛紗

「……れんげはたまに変な呼び名をつけるからな……」客席からも

「ウプププ……華雄どんだって……」

「詠ちゃん。笑ったら気の毒だよ……」

紫苑

「あらあら。じゃあこれからは華雄どんと呼ぶ事にしましょうか」兵士達が寛ぐ席からもチラホラと、かゆーどんコールが聞こえてくる。

兵士達(モブ)

「「「かゆーどぉーん!」」」

華雄

「や、止めろぉ~。勘弁してくれ~」

音々音

「まぁれんげに目をつけられたのが、運のつきですのー」

「別に良いんじゃないかしら。真名って訳じゃないんでしょうし」

桃香

「ねえ華雄さん、私達に真名を預けてくれないかな?そうすれば華雄どんとは呼ばれないハズだよ」

華雄

「……桃香様。今はご勘弁を」

仗助

「話が逸れてるぞ……とっとと本筋に戻れ!」

華雄

「そうだ!私を辱しめてどうする?」

れんげ

「可愛いんに……」

「まさか司会者が進行を中断するなんて……予想外だったわ」

音々音

「しかし、どうやら本筋に戻るようですな」

華雄

「私は……桃香様は絶対入っていると思う」

れんげ

「あい!桃香姉は……堂々の第2位なん!」会場が大きくどよめく。しっかし桃香が2位か……俺は1位だと予想していたんだがな。

れんげ

「それでは問題続行なん。次はおっちゃん組の番ですん!」

愛紗

「私はこういうのは苦手なのだが……意外に袁紹とか?」

袁紹

「意外ってどういう意味ですの?」

文醜

(……麗羽様に票を入れた物好きな奴、居たのか?)

顔良

(一票でも入ってれば奇跡だよねぇ……)

れんげ

「愛紗姉お見事なん!えんしょーには1票も入ってなかったん」

文醜

(……やっぱりな)

顔良

(居る訳ないよ……)

袁紹

「ナゼですの?!……まぁ、兵士達にわたくしと釣り合う殿方が居るとも思えませんけど」

音々音

「負け惜しみですのー」

「ホントは泣きたいのよ、きっと。けど矜持が邪魔してるんだわ」

れんげ

「実況と解説。ありがとなん。それじゃ解答権は桃香姉組に移るん」

桃香

「う~ん。兵士さん達の年齢を考えると、割りと大人の女性が1位な気がするんだよねえ~。だから逆に……蒲公英ちゃんとかは?」

れ「ぽぽたん、なんなー。それじゃ発表するん……第8位なん!」

兵士達(モブ)

「「「「おおぉぉー」」」」兵士達から再びどよめきが起きた。でもこれ……答えたの、お前らだからな。

れんげ

「さあ、盛り上がってきましたん!続いておっちゃん組。答えて下さいん!」

白蓮

「では私が。3位狙いで……紫苑!」

れんげ

「それで良いんな。今ならまだ変更出来るんよ?」急にマジな顔つきになって白蓮に確認するれんげ。まぁ白蓮だからな……地雷踏んだのかもしれん。

仗助

(白蓮、取り消せ。ここは無難に翠辺りにしとけって)俺は小声で白蓮に伝えるが

白蓮

「何を言う?それでは私が外れの1位を当てるみたいじゃないか」イヤ、お前絶対外れ引いてるぜ。俺と愛紗と朱里は顔を見合わせて、互いに頷きを返す。

れんげ

「紫苑のおばちゃんは果たして何位か?発表するん!」オイ、紫苑におばさん呼ばわりはヤバいぞ?

音々音

「……これはマズいのです!紫苑が切れますぞー!」

「アラ?そうでもないみたいよ」

紫苑

「れんげちゃんの年齢なら仕方ありませんわ。でも……分かりますわね?」暗におばさん呼ばわりするなと、俺達を軽く脅す紫苑。心得ておこう……。

れんげ

「……パイパイはやっぱり残念な人なんなー。紫苑おばちゃんが1位なのん」

白蓮

「ガーンッ!」

れんげ

「と、言う訳で1回戦は桃香姉組のしょうりなのーん!」

桃香

「やったあ♪」戦で勝利した時以上に喜ぶ桃香。そんなに嬉しいか?客席の兵士達も拍手で盛り上げるが。一方の俺達だが

仗助

「……やっぱ白蓮は白蓮だったか」

愛紗

「仗助。その言い草は……」

朱里

「そうですよ。確かに予想の範疇内でしたけど……」

愛紗

「朱里まで……それ以上言ってやるな。あれを見ろ!」愛紗が目を向けた方向には、踞って人差し指で床にのの字を書いている白蓮がいた。

 

れんげ「続いて、第2回戦。始めるのん!」俺の思惑に反比例するように、このクイズ大会。ボルテージが上がっていく……。

 

 

 

 

 




因みに華雄は原作でも真名がありません。
次回は本編に戻りますので、あしからず。
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