ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
~仗助視点~
州都・成都を制圧した俺達は、その情報をすぐさま益州全土へと流した。そうする事で、劉璋を中心とする前政権に批判的だったグループを仲間に引き入れ、なおかつ日和見をしていたグループに決断を迫る事が出来る。その結果は……言わずもがなって奴だ。人間ってのは結局、良し悪しじゃなくて力のある奴についてくる……それが現実。小綺麗な言葉ぁ並べたって、そんなのお為ごかしでしかねえ。そう思ったのは俺だけじゃねえらしく……打ち合わせの必要もなく、一致団結して益州の発展に力を注ぎ始めた。それこそが国を強くする事に繋がる、そう信じて。しかし、現実はやはり非情だった。
内政と軍備。細心の注意を払ってバランス良く内政を行っていた俺達の元に、思ってもみない方角から2つも凶報を携えた早馬が到着する。一方は南方……いわゆる南蛮と呼ばれている国。もう一方は五胡と呼ばれている国だ。
2か国共、益州の国境付近に先遣隊らしき連中を繰り出し、町を荒らし回っているらしい。
~成都城、会議室にて~
忍
「……さて、みんなも知っての通り、西方と南方に外敵が侵入しつつあるわ。これに対処しなきゃならないんだけど……」
朱里
「残念な事に、私達には二正面作戦を実行できるほどの軍事力はまだありません」
雛里
「しかしこの件の処理に手間取れば、今まで私達が来たのを歓迎してくれていた人々が、一斉にそっぽを向いてしまいます……」
音々音
「自分達を守って貰う為に、我らを受け入れたのですから、当然でしょうなー」
愛紗
「皆が皆、桃香様の心に触れ、その理想に全てを捧げた訳ではない、か……」
星
「仕方なかろうな。庶人達の希望は、日々平和に暮らせる事だ……そんな細やかな希望を守ってもくれない者など、必要とはされんだろう」
白蓮
「所詮は利、か……まぁそれが現実だな」
紫苑
「利は人を動かす原動力でもあります。自分に利があるのか。自分の周囲に利があるのか……利とはそれほど重要なモノですわ」
桔梗
「しかし利に溺れればガリガリの亡者となる……感心はできんな」
朱里
「それは誇りある
仗助
「志に違いがある、か……とにかく。このまま放って置く事なんざ出来ねえのは事実だ。それを踏まえた上で方策を考えようぜ」
桃香
「そうだね……雛里ちゃん。国境からの早馬にはどんな報告があったのかな?」
雛里
「攻められた状況の他、敵軍の初動を報告してくれてますね」
れんげ
「しょどーって何なん?」
音々音
「最初に起こす行動を言うのです。敵軍の意図がどこにあるのかは、初動を見ればおおよその見当はつきますからな……そんな事も知らないとは、やはりれんげはまだまだお子ちゃまですのー」
れんげ
「そうなんなー。ねねねんは何でも知ってるん、ウチ1つ賢くなったん。ありがとうなのん!」
音々音
「ぐぬっ……べ、別に礼を言われるような事ではありませんぞ。むぅ……れんげ相手では調子が狂うのです……」と、言いつつも真っ赤な顔になり、照れ臭そうにする音々音。
忍
「それで敵の初動はどんな風なの?そこから何か分かるかしら?」
朱里
「南蛮から侵入した軍は、周辺の村を襲った後はすぐに南蛮領に撤退しています。この事から、領土的野心があるのではなく、あくまで一過性のモノである事が読み取れます」
桃香
「被害はどうなっているの……?」
雛里
「兵力差があった為、警備兵は抵抗を諦め、村人達を守って近くの砦に立て籠ったようです。現在のところ、死傷者は皆無。物的被害のみですね」
桃香
「そう。良かったぁ~……」
仗助
「西の方はどうなんだ?」
朱里
「村の一つを占拠した後、そこを拠点として周辺に被害を及ぼしています……優先すべきはこちらかもしれません」
仗助
「う~ん……」
愛紗
「朱里の報告が正しいのであれば、早急に西に向かうべきでは?」
白蓮
「しかし南方も放っておいて良いという訳じゃないだろう?この際、部隊を二つに分けるべきだ」
星
「白蓮殿は朱里の説明を聞いていなかったのか?今の我らに軍を二つに分ける余裕はない。強行すれば虻蜂取らずになるだろう」
翠
「んー。ならさ、南方の警備兵達が立て籠っている砦に、将一人と兵五千を派遣して、防衛に徹するってのは?」
雛里
「その手しかないでしょうね」
鈴々
「うわめずらしいー!翠の意見が通ったのだ」
翠
「へへんっ。あたしだってやる時はやるんだよ」
鈴々
「たまたまのくせに」
翠
「うっせいやい」
蒲公英
「でもさー。南方には誰を派遣するのー?……蒲公英はやだよ。暑いし」蒲公英が愚痴ると、頭に翠の拳が落ちる。
蒲公英
「きゃうん?!」
翠「わがまま言うな。方針を決めるのは桃香様とげったあちいむなんだ。それぐらい分かっとけ、バカ」
蒲公英
「ううー……お姉様がぶったぁ~」
星
「おお、よしよし。翠は乱暴者だな」
蒲公英
「へへー、星お姉様、やっさしぃ~♪」
翠
「うぉい、あたし一人悪者かよっ!」キャイキャイと騒ぐ3人に、忍が手を打ちながら静かにするように促す。
忍
「ハイハイ、じゃ翠ちゃんの意見を採用しましょ。守将には……誰が良いかしら」
紫苑
「私が赴きましょう。守りの闘いは若い人には向きませんわ」
桔梗
「うむ。紫苑なら粘りある戦が出来るだろう。儂が保証するぞ」
仗助
「桔梗が言うなら大丈夫か。じゃ紫苑に任せるとしよう。副将は……」
恋
「……恋が行く」
仗助
「はぁっ?!」
忍
「アンタどんだけビックリしてんのよ」
桔梗
「うむ。それも適任だな」
れんげ
「……そうなん?」れんげまで首をかしげている。あの呂布に防衛戦が出来るとは思えねえが……まぁ地球の呂布と恋とじゃ全然違うのは知ってるが。俺の疑問を察したのか厳顔が言い添える。
桔梗
「仗助よ。将を将単体で見てどうする。将とは兵を率いるものぞ?」
仗助
「そりゃそうだが……」
桔梗
「守りの戦は、将への忠誠心によって大きく変わる……紫苑の指揮ならば大きな問題はないが、そこに武を極めた勇士が加われば、兵達の士気は大きく上がるだろう」
紫苑
「守りに徹するだけでは、人はいつか現状を否定的に理解してしまうようになります……でもそこに敵を圧倒するほどの将が居れば、兵達は自分達の現状に明るい未来を描く事が出来る」
仗助
「……なるほどな。現状維持だけじゃ、悪りぃ方、悪りぃ方へ考えちまうのは、確かに良くあるな。じゃあ恋……よろしく頼んだぜ」
恋
「……(コクッ)」
音々音
「恋殿が行かれるのならば、ねねも行きますぞ!」
仗助
「オウ。じゃあねねは2人を助けてやってくれ」
音々音
「任せるのです!」
恋
「……恋、頑張る。げったあちいむも頑張る」
忍
「ええ。恋ちゃん達の分まで頑張るわ……じゃあ桃香ちゃん。人の手配はこんな感じでどうかしら?」
桃香
「問題なーし♪それじゃ愛紗ちゃん、星ちゃん。出陣の準備、よろしくね」
愛紗・星
「「御意」」
仗助
「紫苑と恋、ねねもよろしくな……出来るだけ素早く事態を収拾して、すぐに応援に駆け付けっから。それまで待っててくれ」
紫苑
「ふふっ、お待ちしておりますわ」
恋
「……待ってる」
仗助
「ああ。待ってろよ……よしみんな解散!出陣準備、頼むぜ!」
全員
「「「応っ!」」」
城を出た仗助達は、各方面に斥候を放ちながら現場へと急行していた。
仗助
「そういや……西方にある五胡って、どんな国なんだ?」
桃香
「五胡っていうのは
朱里
「五胡は後漢王朝の西部に接する国で、最近は国境線でその存在を散見されてます」
雛里
「各地方は警戒し、内情を探るべく斥候を放っていたようですが、情報を得る事もなく消されてしまっているようですね」
忍
「……え?何人斥候を放ったのかは知らないけど、全員が情報を手に入れるどころか、帰って来てさえいないの?」
雛里
「はい……」
仗助
「……なんちゅー恐え国だ」
忍
「日本……あちしらがいたトコも、遥か昔は薩摩飛脚とかって言葉があったけど。それ以上だわ」
愛紗
「大陸の東方にいた私達にとっては、初めて見える敵となる……心して掛からないと」
星
「うむ……しかし曹操や孫策との闘いが控えている今、この状況は厄介だな」
桔梗
「星。状況などを考えるな。ただ、全てを守る……それだけを考えていれば良い」
鈴々
「そうそう。桔梗の言う通りなのだ。後の事は後で考えれば良いのだ」
翠
「まぁ……後事を考えて動きが鈍くなっちゃ本末転倒だしな」
星
「それもそうだな……しかし」
翠
「何だよ?」
星
「……我が軍の喧嘩大好き特攻大将殿共に、正論混じりの説教をされるとは思わんかったな」
鈴々
「星。翠と一緒にするななのだ」
桔梗
「うむうむ」
翠
「ちょっ!何だよそれ!自分達だけ澄ました顔してさぁ!それってちょっと酷すぎないか?」
桃香
「あははっ、翠ちゃんはいつも、みんなにからかわれる役回りだねぇ~」
愛紗
「それだけ皆に好かれているという事でしょう」愛紗まで表情が緩む。
翠
「そ、そんな好かれ方、イヤだなぁ」
忍
「それも愛情表現の1つよ……それより敵との距離はどう?」
雛里
「襲われた村はここより西方四里にあります……そろそろですね」
桃香
「了解。じゃあみんな、戦闘体勢を取ろう!朱里ちゃん、斥候の指示、よろしくね」
朱里
「はいっ!」
仗助
「敵は正体不明の兵士達だ……心して掛かろうぜ!」俺の言葉に、兵士達は鬨の声を上げる。敵の五胡という、内情の分からない不気味な国。それでも俺達は、こんなところで負けちゃいられねえ。
そして五胡の奴らが拠点としていた村に辿り着いた俺達が見たのは
桃香
「嘘っ?!何これっ……!」
鈴々
「鬼なのだ!」
愛紗
「それも一匹や二匹じゃないぞ!」五湖の兵士達が引き連れている鬼はどう見ても50体はいる。
忍
「ちょっと待って!何で鬼が五湖の連中と一緒に?」
仗助
「どうなってやがる?!」
れんげ
「それより闘うん!」
仗助・忍・れんげ
「「「展開‼」」」ゲットマシンを召還してゲッター1に合体する。
??
(……フフフッ。やはりこの世界にいたか、ゲッターチーム)
??
(ここがお前達の墓場だ)
??
(精々派手に闘って死ぬが良い。無駄な努力だがな……)
??
(行け!鬼共よ!)果たしてこの連中は何者なのか?そして劉備軍とゲッターチームの運命は?
最後に語っているのは?奴らが鬼を操っている黒幕なのか?
次回、謎?の助っ人が登場予定。恋姫無双ファンなら予測しているかも……。
原作との違い
・南方へ行くのを拒む蒲公英が魏延と喧嘩して、翠にゲンコツを食らい、2人揃って桔梗に叱られる→魏延は登場しない為、蒲公英は翠にゲンコツを食らうのみ。
・五胡の軍勢と闘う→五胡はナゼか鬼と共闘、ゲッターのピンチ?