ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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孟獲VS七縦七禽です。後半はのんのんびよりのパロディーとなります。


第四十一席詠、幼児退行する?のこと

 それから……。

孟獲

「にゃにゃにゃーっ?!こんなところになんで落とし穴があるにゃーっ!」と、落とし穴に落ちて再度捕まった孟獲の叫びを皮切りに、蒲公英とれんげが仕掛けていた罠が次々と発動する。その次は餌の饅頭に釣られて、雀獲りの環に引っかかったり。

孟獲

「にゃぅー!網が落ちてきたのにゃー!」木の枝に仕掛けた縄に足を取られ、逆さ吊りになったり。

孟獲

「あぅぅ、頭に血が上るのにゃ!たすけてぇ~、た~すけてぇにゃ~!」更に2回目の落とし穴に落ちたり、偽ラブレターに騙されてノコノコとやってきたところを蒲公英に捕獲されたり。

孟獲

「またダマされたにゃー!ひどいにゃひどいにゃ!こいつらは悪魔にゃー!」大声で罵ってくる孟獲は、まだ観念しないので再び解き放つ……すると。

孟獲

「また落ちたのにゃー!もうイヤにゃー!」3回目の落とし穴にしっかりとハマッた。ここまで来ると、そのアホッ娘ぶりに……仗助を除くみんなの頬が、思わず緩んでしまう。そして極めつけは……。

孟獲

「うぇぇぇぇ、もうイヤにゃー、また引っかかったにゃー、みぃはもう帰るにゃぁぁぁ~……」4回目の落とし穴だった。

 

「ああ……何かしら?胸の中に沸き上がってくる、この温かな感情は……」

愛紗

「保護欲とでも言うのだろうか……」

れんげ

「きっとそうなん……」珍しく、愛紗とれんげの気持ちが同調している。引き出されたアホッ娘、いや孟獲を前にしながら、3人はホゥと溜息。

「三人して何を惚けている」

桃香

「そうだよ。忍さん、孟獲ちゃんの扱い、どうするの?また逃がすの?」

「どうしようかしら?何度も何度も再挑戦してくるのは良いんだけど、そろそろ付き合うのも限界よね」

仗助

「おいクソ猫……どうすんだ?まだ闘うか?」

孟獲

「猫じゃないにゃ……うー……うー……うー」

れんげ

「まだ闘うんなら付き合うのん。でも何度やっても結果は変わらないと思うん」

孟獲

「……う、うぇぇぇぇ~……もう刃向かうのはやめにするのにゃぁ~……」

桃香

「ホント?約束してくれる?」

孟獲

「約束するにゃぁ~……桃香は優しそうにゃ。変な頭みたいにボコボコ殴ったりしなそうにゃ……みぃはもう桃香に逆らう事はしないにゃ!」

仗助

「オイ待てやゴラァァッ!」変な頭呼ばわりに切れる仗助を忍が羽交い締めにするのをよそに、孟獲と桃香は握手を交わす。

桃香

「ホント?じゃあ私達、もうお友達だよね?」

孟獲

「トモダチにゃ!」

桃香

「良かった。じゃあね、今から私達のお城に来て、一緒にご飯を食べよう!それで仲直りして、本当の友達になろうね♪」

孟獲

「なるにゃ!」

仗助

「ああいうところ……桃香には敵わねぇなぁッて思うな……」

「人徳というやつだな」

「でも仗助や忍だってあんな感じだろ?いつも」

仗助

「そうかぁ?」

「そうかしら?」

愛紗

「呆れた。自分達で気がついてなかったのか」

仗助

「いや、自分で自分の事を分かってる奴って、そんなに居ねえと思うけど?」

「そうよねえ……」

蒲公英

「相変わらずだねぇ、二人共……でもそんな変に抜けてるところが良いんだけど♪」

桔梗

「まぁそこはご愛嬌という事で、だな」

「何か全然誉められてる気がしないわね……」

仗助

「……同感だ」

紫苑

「愛されてるという事ですよ」

仗助

「複雑だな……」女性陣の品評会?状態に仗助と忍が辟易していると、孟獲を連れた桃香がやってきた。

桃香

「……??何話してたの、みんなで」

「桃香ちゃんは良い君主よねーって話」

桃香

「えへへ、そっかなぁ?」照れ笑いを浮かべる桃香の横で、忍を見上げては、れんげを見下ろすのを交互に何度か繰り返した孟獲が、

孟獲

「おいおまえら、みぃはもうおまえらと闘うのはやめにするにゃ」

「そうね。これからは仲良くしましょ」

孟獲

「するにゃ!だから握手にゃ!」

れんげ

「握手するーん!」孟獲と握手を交わすれんげはプニプニの肉球の感触に、ほわわ……と蕩けた吐息を吐く。

れんげ

「気持ちいいのん~。肉球は正義な~ん」

仗助

「何訳分かんねえ事言ってんだ……ったく……」多数決には勝てず、仗助だけが未だ不貞腐れていた。

孟獲

「みぃはみぃにゃ!よろしくにゃ!」

「こちらこそ」

れんげ

「よろしくなーん!」れんげが更に肉球を揉んで、その感触を堪能していると、

桃香

「これで南蛮国とは仲良しになれたかな?」2人を優しげな微笑みを浮かべて見守っていた桃香が、肩の荷が下りたようにホッと吐息を漏らす。

孟獲

「仲良しにゃ!」満面の笑顔で頷いた美以の姿に、

「これにて、七縦七禽を完了するわ!」闘いの終結を宣言した忍。

(地球の歴史に沿うって案外気持ちいいわね……)誰にも聞こえないように1人、そうボソッと呟いた。

 

 その後……桃香の薦めに応じて成都までやってきた孟獲改め美以は、街の物珍しさと食べ物の美味しさ、更に忍がジャック・バウアーで取り寄せる便利グッズを気に入り、そのまま居着いてしまった。活躍するかどうかは分からないけど、癒してくれるからいいか。というのが、蜀軍の見解である。仗助とは未だにつまらない喧嘩が絶えないが……こうして蜀は新たな仲間を手に入れた。

 

 それからしばらくは穏やかで、平和な日常が続いた。ある日の事、璃々とれんげが一緒に庭で遊んでいると仗助と忍が駆け寄ってきた。

「れんちょん!巴東県が鬼に襲撃されてるそうよ!」

仗助

「早く準備しろ!先に行ってるぜ!」

れんげ

「了解なのん!」大急ぎで支度を整えると、セントール号で巴東県へ飛ぶれんげ。

璃々

「あ~あ、つまんない」遊び相手を失ってしばらくガッカリしていた璃々だったが、気を取り直して城内を探検する。台所にやって来ると、月が皿洗いをしていた。

(忍さんが用意してくれたこの洗剤、汚れが綺麗に落ちるなぁ。やっぱり天の国はスゴいよね……)

璃々

「月お姉ちゃん」

「あ。璃々ちゃん」

璃々

「遊ぼ~」

「ゴメンね。私まだ、お仕事があるから……」

「月ぇ~っ」詠が月を呼びに、2人の下へやってきた。

「詠ちゃん。今日はお仕事終わり?」

「そうよ。だから一緒に……」

「丁度良かった!私、ここの後片付けしないといけないから、璃々ちゃんと遊んであげてね」そう言って詠達に庭へ戻るように促す月。考えて見ると、璃々と2人っきりになった事など今まで1度もない詠。どうしたら良いか悩んでいると

璃々

「詠お姉ちゃん。遊ぼ~」璃々にキラキラした目で頼まれて、断れきれなくなった詠は

「(まぁ、しょうがないか)良いわよ。それで、何して遊ぶの?」

璃々

「お人形さんごっこ~。さっきまで、れんげちゃんとしてたの~」

「……何となく嫌な予感がする」

璃々

「まず、これがお母さんね♪」璃々が差し出した手にはガン○ムっぽいフィギュアが握られていた。

「何よ。そのげったあの出来損ないみたいなのは……」別に出来損ないではないのだが、当然ながらガ○ダムを知らない詠にはそう見えたのだろう。

璃々

「そしてこれが赤ちゃん♪」璃々は自分より大きなふ○っ○ーっぽい不細工なぬいぐるみを、ズズッと前に押し出した。勿論、両方忍が用意して璃々にプレゼントしたモノである。

「デカっ!せめて逆にしなさいよ」

璃々

「ダメなの!一度決めたのは変更しちゃいけないの!」

「(呆)……ハァ……分かったわよ」

璃々

「じゃあ璃々がお母さん役だから、お姉ちゃんは赤ちゃんの役ね」デカいぬいぐるみを受け取った詠。メンド臭いと思いつつも、人形ごっこに付き合う。

「……母ちゃん、オレ科挙の試験受けたくねぇよ……」

璃々

「ぶぅ~っ!」思いっきり頬を膨らませる璃々。

璃々

「赤ちゃんだって言ったでしょ!なんでそんなにいっぱい喋るの?!もっと赤ちゃんらしくバブバブって言うの!」

「(え?えぇ~?)そ、そんな~。バ……バブバブ

璃々

「そんなんじゃダメッ!もっと真面目にバブバブって言って!」

「(何よ?真面目にバブバブって)バ……バブバブ(恥ずかしいぃー!)」

璃々

「そうだ。璃々、赤ちゃんに産着持ってくるね」お母さん役のガ○ダムフィギュアを手にしたまま、その場を離れる璃々。1人取り残された詠は時間をもて余して、

「璃々ちゃん遅いバブ~。もうやめて良いバブか~?早く戻ってくるバブ~」とひとりごちていると……

??

「……あっ」たまたま通りがかった蒲公英にその様子を思いっきり見られてしまった……。

「……(カァーッ!)」詠は顔を真っ赤にしながら、慌てて取り繕おうとしたが

蒲公英

「言いふらしてこよっ♪」

「待ちなさいよ!」全速力で走り去る蒲公英。追いかけようとした詠だが、デスクワーク中心の軍師と前線に立つ将とでは、そもそも鍛え方が違う。瞬く間に距離を引き離されてしまった。

 

 その後、城内のみんなに散々からかわれるハメになった詠。

鈴々

「あ、詠。バブバブなのだ♪」

「何の挨拶よ!」

「今日は絶好のバブバブ日和だな。詠」

「どんな日よ?!」

美以

「バブバブにゃ!バブバブにゃ!」美以も参加しだした。

「うっさい!あんた、その口にネズミ放り込むわよ!」

桔梗

「まぁ儂から見れば、お主は赤子も同然だしのう。バブバブ言っててもおかしくはあるまいて」

「おかしいわよ!」自分を弄り倒そうとする仲間達にその都度突っ込みを入れていると、鬼退治を終えたゲッターチームが帰還してきた。

 

 事情を知った仗助は腹を抱えて大爆笑して、他のみんなと一緒に詠を弄り倒す。一方で璃々の母親の紫苑やぬいぐるみをプレゼントした忍と、蒲公英の保護者的立場の翠は一応詠に謝ろうともしたが、

れんげ

「思わぬ形で仕返しする事が出来てしまったのん」そう聞いて、以前詠が行ったれんげへの仕打ちを思うと苦笑するしかなかった。そうして乱世の中、束の間の安らかな一日が流れていった。

 

 何日か過ぎて、北に放っていた細作から急報が届いた。どうやら北方の曹操が、大規模な軍事行動を起こすべく、各地方に総動員令を発したらしい。蜀の中にも緊張が走る。緊急事態に備え、朱里達は蜀全土に緊急召集を掛ける中、曹操の軍が動き始める。目指しているのは東。孫策の居る領土らしいが、曹操なら、孫策と事を構える……と見せかけて油断させてから、急転して蜀の国境を突破する事もあり得る。

 油断大敵。その言葉を己に言い聞かせながら、桃香達とゲッターチームは来るべき決戦の日に備え、日々、内政の充実を図る。天王山を制するには力が必要。それがこの乱世で学んだ、たった1つの真実。兵の徴募、新兵の訓練、兵糧の蓄積、軍資金の調達と、やらなければならない事は多々ある。彼らは北方と東方の動きに全神経を注ぎながら、自分達のやれる事をコツコツとこなし続ける。

 ―来るべき決戦に備えて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




のんのんびより原作との違い
・れんげの人形ごっこに次姉ひかげが付き合う→璃々に詠が付き合う。
・ひかげの台詞が「もう受験したくない」→「科挙の試験受けたくない」※実際の三國志の時代には科挙制度はありません。作者のオリ設定。
れんげは哺乳瓶を取りに行く→璃々は産着を取りに行く。
・ひかげが赤ちゃん言葉でひとりごちているところをれんげの友達、蛍(未来編等に登場した忍の娘とは別人)に見られて気まずい雰囲気に→詠が蒲公英に見られ、ついでにみんなにバレる。
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