ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
愛紗と
仗助
「よっ。お疲れ」
忍
「これで少しは時間稼ぎが出来るかしら?」
朱里
「先ほど、卑弥呼さん達別動隊から伝令が来て、輜重隊の撃破に成功したとの事でした……時間は充分に稼げたかと」
仗助
「そっか……じゃその時間をむだにしねえ為にも、急いで桃香達に合流しようぜ」
愛紗
「ああ。では出発しよう」
桔梗
「全軍前進!急いで蜀に戻るぞ!強行軍になるが耐えてみせぃ!」
兵士達(モブ)
「「「「応っ!」」」」こうして……魏軍を突破した蜀軍一行は、休む間も無く、桃香達の待つ国境の城に向かって軍を走らせる。時間こそが、この闘いの鍵を握っているのだ。時は金なり。それを肝に銘じながら彼らは走る。いよいよ決戦の幕が上がる、そんな緊張と共に。
呉と同盟を結んだゲッターチームと劉備軍は、その足で曹魏の軍勢の後ろを急襲し、補給路の攪乱を計った。作戦は見事的中して、後方でゲリラ活動をされた曹魏の進軍速度は目に見えて落ちた。また、その後を引き継ぐように呉の部隊が活躍し、曹魏の補給路を次々に遮断していった。
しかし……流石曹魏というべきか。補給の覚束ない軍勢のハズなのに、対曹魏戦で防波堤役割をしていた江陵を、見事に突破していった。
元々、作戦として江陵の城を捨てるという選択はしていた蜀呉だが……落城するのが予想以上の早かった。幸い、江陵を制圧した曹魏の軍勢は、態勢を整える為か進軍を停止した。
半月後、曹魏が籠もる江陵の城の動きが慌ただしくなったとの報告が入る。その報告と同時に、桃香は皆に出陣を告げた。
曹魏VS蜀呉同盟。
激戦の幕がいよいよ上がる……。
蜀一行とゲッターチームは合流場所の夏口にたどり着いた。
忍
「この夏口って、確か長江の流れに沿って発展している地域よね?流石に周瑜が指定するだけあって、広いし、交通の便も良いし、言う事なしだわ」
雛里
「そうですね。兵員の移動、兵糧の輸送……全て長江を使えば、陸路を行くよりも十分の一の速さで移動出来ますから」
桃香
「でも、それは曹操さんも同じだよね?」
朱里
「そうです。陸路は私達が行っていた小規模奇襲のお陰で、現在、曹魏の補給路はもっぱら長江を使ったモノになっています」
愛紗
「流石曹操と言うべきか。しかし……先の動きが読めないな。曹操はどう動く……」
星
「江陵から大きく動いてない以上、先の事はまだ分からんな」
蒲公英
「ならしばらく待機かなー?」
紫苑
「そうね。作戦が決まるまでは大人しくしておくしかないでしょう」
桔梗
「うむ。相手はあの曹操だ。下手に動いて出足を挫かれては後事に関わる」
卑弥呼
「待機か……なら一稽古するかのう。誰ぞワシと手合わせする者はおらぬか?」
蒲公英
「ここにいるぞー!」
卑弥呼
「よし……参る!」
蒲公英
「応っ!」剣を抜いた卑弥呼と槍を構える蒲公英が打ち合う。その間を、豪天砲の弾が掠める。
桔梗
「卑弥呼よ。良い年齢をしてナニをしておる……蒲公英も時と場合を弁えろ」呆れながらも、叱責する桔梗。
翠
「それより、呉の連中はどうしたんだよ?軍議の席だってのに姿を現さないじゃないか」
鈴々
「そういえばそうなのだ……お兄ちゃん達、何か知ってるー?」
仗助
「イヤ何も聞いてねえぞ……まぁのんびり待ってりゃ良いんじゃね?」
桃香
「お気楽だなぁ」
忍
「焦ってみても始まらないわよ」
孫策
「何が始まらないって?」孫策と周瑜が姿を見せた。
仗助
「お。噂をすりゃ……軍議が始まんねえから、のんびりしようぜってな」
孫策
「お気楽ねぇ」
忍
「うわっ……孫策にまで言われたわ……」
孫策
「あら。私にまでって事は、他の誰かにも言われてたの?」
仗助
「桃香にちょっとな……」
桃香
「初めまして、孫策さん!私の名前は劉備、字は玄徳って言います!よろしくお願いしますね♪」
孫策
「……う、うん」
桃香
「??どうかされました?」
孫策
「イヤイヤ……若いなぁって。元気いっぱい過ぎて思わず仰け反っちゃったわ」そう苦笑しながら、孫策が手を差し出す。
孫策
「私は孫策。字は伯符……よろしくね、劉備」
桃香
「はいっ♪」
忍
「……これで正式に蜀呉同盟成立、かしら?」
周瑜
「そうだな。呉蜀同盟成立だ」
忍
「蜀呉よ」
周瑜
「呉蜀だ」
忍
「むぅ……」
桃香
「どっちでも良いよ、そんなの♪」
忍
「……ま、それもそうね」桃香の言葉に肩を竦める忍。
仗助
「さて、んじゃ軍議に移ろうぜ……孫策、状況の説明をしてくれねえか?」仗助は孫策と周瑜に発言を促す。
孫策
「私より周瑜の方が詳しいわよ……って訳でお願いね、冥琳♪」
周瑜
「はぁ……面倒なのね」
孫策
「そ♪」
周瑜
「まぁ良いわ……では今の状況を蜀の面子に説明しよう」
朱里
「よろしくお願いします」
周瑜
「ああ……現在、曹魏の軍勢は江陵に留まり、態勢を整えている。しかしそれもあと少しだろう。兵員、兵糧……進軍に必要な物資がしきりと搬送されている。その搬送規模はかなり大きい」
白蓮
「……って事は部隊が大規模に動くって事か」
周瑜
「そういう事だ。そこで問題になってくるのが、曹魏がどう動くかだが……」
朱里
「前の闘いによって、私達蜀と孫策さん達呉が手を組んだ事は、曹魏の陣営に間違いなく伝わっているでしょう」
雛里
「そして私達蜀の軍勢が、既に呉と合流した事も、曹操さんは知っているハズです」
桃香
「うーん……曹操さんなら、きっと知ってるだろうねぇ……」
鈴々
「あのチビっ子は抜け目がないのだ」
忍
「ええ……こっちの情報は全て曹操に漏れてると思っておく方が良いわね」
朱里
「そうですね……恐らく今この時の軍議も、どこかで聞き耳を立てている人が居ると思います」
白蓮
「うへぇ~……やり手と言えばやり手だけど、なんか怖いな」
紫苑
「戦の勝敗は、剣と剣の闘い、知恵と知恵の闘いだけでつくモノではないですからね……」
仗助
「情報戦を制する奴が闘いを制す、か」
孫策
「ま、心理よねぇ、それ」
愛紗
「しかし……我らの間諜はどうなっているんだ?」
朱里
「残念ながら……」
桃香
「あぅ……一歩出遅れちゃってるねぇ……」
雛里
「潜入は出来るのですが、我が軍の斥候は一人も帰ってきてないのが現状です……」
周瑜
「ふむ……それなら大丈夫だ。我が軍には優秀な将がいるからな……周泰!」
??
「はいっ!」ハキハキとした返事聞こえると同時に、仗助達の後ろに女の子が一人、忽然と姿を現した。
忍
「え……に、忍者?!」
仗助
「おわっ?!どっから沸いてでた?!」
れんげ
「カッコ良ぃーん!」
周泰
「呼ばれれば飛び出す、それが私です!」
仗助
「呼ばれて飛び出て……」
れんげ
「じゃじゃじゃじゃーんっ!」
桃香
「なに言ってるの、二人共?」
仗助
「イヤ、ついノリで……」
忍
「それ、あちししか分かんないわよ……」呼ばれて飛び出て。このフレーズを聞けば、日本人ならつい言ってしまうモノである。
翠
「へぇ~、こんな小っこいのが優秀な将なんだ?」
周泰
「小さい方が良いのです!大きければ良いという問題ではありません。胸も身長もです!」
鈴々
「同士なのだ!」
朱里
「同士です!」
雛里
「同士です!」
忍
「……まぁそれは置いといて」
れんげ
「みんな何言ってるん?」
仗助
「どこに食いついてんだか……」
忍
「それより、優秀ってどういう事?」
周瑜
「情報収集に長けていてな……既に曹魏の動きを掴んでいる」
桃香
「おおっ!すごーい!」
孫策
「スゴいでしょー……で、曹操の動きはどう?」
周泰
「はっ。曹魏の軍勢はまだ江陵に留まってますが、近くの軍港には、既に多数の船を用意しているようです」
星
「船?陸路を捨て、長江を使うのか……」
周泰
「恐らく」
白蓮
「まぁ考えられる事だろうなぁ。大部隊の移動で一番厄介なのは、間断なく小部隊にちょっかいかけられる事だし」
卑弥呼
「一々反応するのも疲れるが、放置するのもウザい……という事じゃな」
朱里
「まぁそういう事でしょうね……しかし船を使うとなると、予定していた戦地を変更しなくてはいけませんね」
雛里
「……周瑜さん。曹魏の軍勢が長江を下ってきた際に決戦出来そうな場所はありますか?」
周瑜
「赤壁だな」
朱里
「ならばそこを予定戦場としましょう」
周瑜
「賛成だ」
愛紗
「しかし曹操の軍勢は巨大だぞ…
星
「うむ。呉の連中はともかく、我々には船戦の経験はない……勝てるかどうか分からんぞ」
白蓮
「うーん……陸地なら、私の部隊も活躍出来るんだけどなぁ」
翠
「白蓮と一緒かな。あたしの部隊も船戦じゃ役に立てない」
紫苑
「私と桔梗の部隊が中核になるでしょうね」
桔梗
「うむ」
忍
「いざとなったらあちしが出るわよ……ゲッターマーメイドで、ね」
れんげ
「あれなら、水の上も水の中も自在に動けるんなー」
仗助
「しかし曹操の事だ。それも視野に入れてる可能性も充分あるぜ」もしゲッターが戦線に立てば、当然相手は離脱する。その後、いつ終わるか分からない長い膠着状態が続けば、却って民達の不安を煽る。仗助も忍もそれを考慮して、これまで鬼と闘う時以外、ゲッターを出撃させなかった。
仗助
「……まぁ、そうするにしても、敵を懐に誘い込まねえとダメだぜ。何か作戦を考えねえとな」
孫策
「懐に誘い込む、ねぇ……船戦でそういうの、結構難しいんだけど?」
れんげ
「そうなん?」
孫策
「水の上に自分達の足で立ってる訳じゃないしね。全ては風のみぞ知る、よ」
周瑜
「風を如何に掴むか。風上を如何に取るか……船戦の勝敗はそこに全てが掛かっている」
忍
「うーん……じゃあ接近戦で決着をつけるのって、逆にあちし達に不利よね。呉はともかくあちし達は船戦なんてした事なんてないし」
朱里
「接近戦で決着をつけるのがムリならば、一計を案じるしかありませんね」
孫策
「一計ってどんなのよ?」
雛里
「例えば……曹操さんの船団に一当てした後、整然と退却するとか……」
桃香
「整然と?計略って言うのなら、そこは混乱した振りをして退却した方が良くないかな?」
朱里
「逆ですね。整然と退却して、そこに何かあると思い込ませる事の方が重要です」
愛紗
「曹操ほどの将ならば策を見抜く。見抜かせて動きを止める方が良い……という事か」
雛里
「その通りです」
鈴々
「でも曹操の動きを止めたからって、戦況がどうなるモノでもないのだ」
周瑜
「止めるだけならばな。それに応じて、何かしらの策を打つ必要がある」
翠
「何かしらの策ねぇ……何があるよ?」
鈴々
「鈴々に聞くななのだ」
仗助
「まぁ妥当なトコで言やぁ……小舟を使った奇襲とか……?」
忍
「崖の上に兵を伏せておいて、弓で攻撃とかよね」
孫策
「あら。そんな誰でも思い付く策が、あの曹操に通用すると思ってるの?」
音々音
「通用するハズないですなー」
仗助
「……やっぱムリか」
孫策
「まぁムリでしょうね……崖の上は虚兵にしておくのが妥当かな」
周瑜
「うむ。伏兵の存在を匂わせる事が重要だな……そうやって曹操を疑心暗鬼に追い込む」
朱里
「追い込んだ後、その疑心暗鬼を逆手にとって本命の策を行うんです」
桃香
「なるほどー!蒲公英ちゃんは分かった?」
蒲公英
「分かったような分かんないような……」
桃香
「……私もなんだよねぇ。そもそもあの曹操さんが思惑通り策にハマッてくれるのかなぁ?」
雛里
「普通の人がこの策を
朱里
「私達の虚名と周瑜さんの名声なんです」
周瑜
「謙遜するな。世に
孫策
「はわわ軍師とあわわ軍師としてね♪」
仗助
「酷ぇ言い草だな。否定はしねえが……」
れんげ
「おっちゃん。そこは嘘でも、違うって言ってあげるべきなのん」
忍
「嘘でも……って。余計酷いわよ」
朱里
「はわわ……」
雛里
「あわわ……」当の朱里と雛理は仲良くシュンとなっている。
忍
「それはさておき、じゃあさっきのを基本方針としましょ……どうかしら、孫策?」忍が話を振ると、急に真面目な顔になった孫策は、目だけを部下の甘寧に向けるとこちらに言葉を返す。
孫策
「異議はないわ……興覇。天幕の後ろに居る奴、捕らえておいてね」
甘寧
「御意!」
仗助
「……やっぱ気付いていたか」
桃香
「えっ?誰か居たんですか?」
孫策
「うん、ネズミ。処理するから安心して」
仗助
(……間諜は処理、か)
忍
(孫策って案外怖い女ね……)
れんげ
「何でネズミなん?ふつーに間ちょ%&#¢§@*グフゥー!」孫策が桃香の性格を踏んでか、敢えて言葉に含みを持たせたにも関わらず、ストレートに言おうとしたれんげ。慌てて口を押さえる仗助と忍。
れんげ
「何するん!」
仗助
「ハッキリ言うんじゃねえよ!」
忍
「そこは曖昧にしておきなさい!」
桃香
「……??」
孫策
「天の御遣いってのも大変なのね(苦笑)……安心しなさい。味方の内はあなた達には優しくするわよ」
仗助
「そう願うぜ……で、だ。方針は決まったけど、俺ぁ決定的な何かが足りねえって思うんだがよ」
愛紗
「そうだな。今までの話で、曹魏の軍を足止めするところまでは何とかなりそうだが……」
星
「トドメを刺す為の策がない、か」
白蓮
「まぁ……足止めばっかしてても、意味ないしな」
周瑜
「策、か……孔明。お前に策は?」
朱里
「……一つあります。周瑜さんは?」
周瑜
「私も一つある」
朱里
「そうですか……なら、その策をいっせーのーせーで見せ合いっこしませんか?」
周瑜
「うむ。良いだろう」蜀呉それぞれの軍師のトップ2人の策とは?
中々赤壁の闘いに進めない……。後、幾つかフラグも未回収だし……。
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