ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
新夜城にて、曹操はある人物と言い争いを繰り広げていた。
曹操
「この国を覆う暗雲を取り払う事こそ、庶人の夢。そして高貴なる者の役目。私はその為にこれまで全力で闘ってきた。ナゼ今になって兵を退けと?」
??
「その志は買うがね。しかしその為に何人死んだ?どれだけの血が流された?ここからは僕に任せて、君らは平和になった後の事を考えれば良いと言っている」慇懃無礼な青年の態度に夏候惇がキレて、
夏侯惇
「貴様!華琳様に対して、何たる無礼な!そこに直れ!」剣を突き付けるが、側に控えていた女に弾かれる。
夏侯惇
「くっ……!」
??
「お生憎様。大切な人がいるのは貴女だけじゃないの」女性にしては長身の、後ろで一まとめにした長い髪の女、伊集院レイは夏候惇を睨み付ける。曹操は夏候惇を下がらせ、青年はレイを宥めると舌戦の続きを始めた。
曹操
「この国が一つになる事こそ急務。一つになればこそ平和を永続させる事が出来るからだ。その大義も分からないのか?」
??
「それこそ傲慢というモノだよ。その覇業を実現させようとすればするほど、この国は戦火に巻き込まれる。君らは本来の目的を見失っているんじゃないか」
曹操
「国を一つにしなければ、真の平和など訪れるハズがない!それは歴史が証明している!大陸に複数の国がある限り、権謀巻き起こり、術数吹き荒れ、その結果として大乱が起きる。その乱は秦の始皇帝による統一によってしか収められなかった。その後もそうだ!秦が没落し、割拠となった時に吹き荒れた大乱は庶人の暮らしを奪い、夢を粉砕した。その長きにわたる悪夢も、太祖によって国が統一されてこそ、晴れ渡った。複数の国家による平和など幻想。痴人の夢でしかないと言うのがナゼ分からん!」
??
「君には残念な話だけどね。生憎僕は大陸にある複数の国が、互いに協定を結んで平和を保っている例を幾つも知っている。確かに……君の言う事にも一理ある。だが今、その覇業を実現させようとして巻き起こっている闘いでも、力なき人々は涙を堪え、唇を噛みしめて耐えているんだ。曹操。君が行っているのは、そんな人達を大義の為と言って斬り捨てているようなモノだ!そんなモノを僕は認めない!蜀の劉備も呉の孫策だって、庶人を苦しめる政治はしないだろう。ならば制度としての統一など無意味だ。人々一人一人の中にある、他者への易しさ。この国をかけがえのない物と思える心!それだけでも平和を実現する事は不可能じゃない!」
曹操
「人の心など変化するモノ。そんな虚ろな善意にすがっていて平和など実現出来るものか!」
??
「たった一人を頂点として平和を実現しても、その誰かに何かあれば、その平和は簡単に崩れ去る。それでは意味がない。君はさっき秦の始皇帝を例にあげたが、その始皇帝も晩年は暴君と化した。つまり君自身もまた然り、だ。だから今すぐ軍を退き、覇業を捨てるべきだ」
曹操
「私に覇業をすてろだと?……曹孟徳に天下を見る者が居るからこそ、私は覇道を征くのだ。それこそが我が覇業の───」曹操が言いかけたところに一人の老人が話を制する。
??
「万丈様。やはり件の連中がやって来て参りますぞ」曹操を舌戦を繰り広げていた青年、破嵐万丈はそれを聞くと一つ頷いて席を立つ。
曹操
「ちょっと待ちなさい!まだ話は……」
万丈
「この決着は後回しにしよう。緊急事態が起きた」
合戦予定地に来た蜀呉連合軍。未だ曹魏の軍が現れる様子はない。
朱里
「はわわ~……」
雛里
「懐かしいの?」
朱里
「うん……」
れんげ
「??二人共どうしたん?」
朱里
「あ、れんげちゃん……」
雛里
「朱里ちゃん、この辺りが出身なの。だから懐かしいなって」
れんげ
「そうなんなー」
朱里
「私、ここから少し西に行った辺りの村で生まれたの。そこから水鏡先生の私塾に入って、後は寮生活だったから……」
れんげ
「久し振りの故郷なんな」
朱里
「うん。出来れば平和な時に来たかったけど……えへへ」
れんげ
「それは残念なん。そんなら今日、絶対にそーそーに勝つのん!そんで平和になったらまた来るん!」
朱里
「そうだね。この闘いを最後の闘いにする為に……私達は頑張らないとね」
雛里
「……頑張ろうね、朱里ちゃん」
朱里
「うん!」大きく頷いた朱里の姿は、れんげに並々ならぬ決意を感じさせた。
れんげ
「ウチも頑張るん!」そんな話をしていると、蒲公英が3人を呼びに来た。
蒲公英
「そろそろ出陣するって……みんなを呼んでくるようにって桃香様が」
れんげ
「もう時間なんな」
朱里
「了解です」
雛里
「すぐに行きます」蒲公英と一緒に、3人は桃香達の待つ大本営に向かって行く。
桃香
「さぁみんな!これが最後の闘いだよ!張り切っていこうね!」
愛紗
「全軍前進!堂々と行進し、曹魏の軍勢の前方にて陣形を整えよ!」
兵士達(モブ)
「「「「応ぉーっ!」」」」
鈴々
「号令と一緒に突撃、粉砕、勝利なのだ!」
兵士達(モブ)
「「「「応ぉーっ!」」」」
星
「敵は強大なれど、我らは無敵!胸に抱いた勇気と共に、歩もうではないか!勝利への道を!」
兵士達(モブ)
「「「「応ぉーっ!」」」」愛紗達の言葉に応える兵士達の声が、仗助の腹の中心にまで響いてきた。
仗助
「……行こうぜ。この国の未来の為に」
兵士達(モブ)
「「「「応ぉーっ!」」」」そして前々回のラストに繋がる訳だが……
愛紗
「何だアレは!」
朱里
「げったあと同じぐらいの大きさです!」
周瑜
「……まさか曹魏もあんなモノを手に入れていたのか?」
仗助
「イヤ、あれは……」
忍
「仗助。連邦の通信回線は使える?」
仗助
「よし。やってみるか。アー、モシモシ?万丈さん。聞こえますか?」
万丈
『仗助君。それはゲッターか?イヤ、今はそれより君達に伝える事がある……鬼の黒幕が判明した!もうすぐ全戦力でこちらに向かってくるだろう!』仲間内同士の通信機で仗助達に声を送る万丈。
仗助
『マジっスか?!』
忍
『となれば……やる事は1つね』
れんげ
『みんな、やっつけるーん!』
万丈
『ああ。僕と君達なら殲滅するのは充分可能だ』
曹操
「鬼の黒幕?」万丈が去った会議室で、彼の専属執事であるギャリソン時田が曹魏の面々に説明していた。
ギャリソン
「左様で。こちらに来る前に私共がおりました西方の大陸にて、于吉と佐慈なる人物と出会いまして。何でも[太平妖術の書]なるモノを使い、鬼を作り上げたとの事です。しかし敵である我々にそんな情報を与えるとは……余程の自信家、或いは愚か者のどちらかでしょうな」
曹操
「……いずれにしても、その二人を始末したければならないわね」
兵士(モブ)
「申し上げます!」
曹操
「分かっているわ。五胡の奴らが鬼と一緒にこちらへ攻めてきたんでしょう?闘いは休戦とし、五胡を殲滅する!」曹操は得物を手に一閃振るい、将及び兵士に号令をかける。
曹操
「曹魏の勇者達よ。出陣せよ!」
兵士達(モブ)
「「「「御意!」」」」
兵士達(モブ)
「「「「応ぉーっ!」」」」
ギャリソン
「皆様、ご武運を。私は万丈様と共にダイターンにて出撃致します。レイ様、参りましょうか」
レイ
「ええ。全て終わらせて元の世界に帰りましょう」
予定戦場で陣を布いた蜀呉の前方に、湧き上がるような砂塵が舞い上がる。
翠
「いよいよ来やがったな……」翠の言葉と共に、皆の視線が前方に集まる。緊迫した雰囲気に支配される中、曹操の軍勢が整然とした様子で陣を敷く。風にたなびく軍旗。林立と表現できるほど、多くの旗が立ち並ぶ敵陣の中から、5才くらいの男の子が歩み出てきた。ポカンとする桃香達に、男の子は体をクネクネさせながら言った。
??
「曹操おねいさんが闘いは中止だって。だから~、おねいさん達ぃ。オラと平和について語り合わない~?」蜀呉の全員が脱力する。その脇には顔をひきつらせた曹魏の斥候がいた。何とか平静を取り戻して桃香達に伝える。
兵士(モブ)
「曹操様からの伝令です!西方の国境が鬼共と五胡の大軍団によって突破されました!その数、およそ百万!」時を待たずして、蜀呉それぞれの斥候も戻ってきた。
兵士(モブ)
「南西も同様に、五胡の軍勢が……!こちらも約百万!」
兵士(モブ)
「南方も同様!鬼と百万規模の五胡の軍勢は国境を突破し、破竹の勢いで北上を開始しております!」
桃香
「ええっ?!」
雪蓮
「なにっ?!」
万丈
『……来たか!』破嵐万丈は男の子を回収する。
万丈
「しんのすけ君!これが奴らとの最終決戦だ!佐慈と于吉を倒すぞ!」
しんのすけ
「ほっほ~い」しんのすけはダイターンに乗り込む。
兵士(モブ)
「これは完全に領土侵攻!五胡は魏、呉、蜀、三国全ての領土を手中にすべく侵攻中!」
兵士(モブ)
「このままでは我らの国の未来は……!王よ、ご決断を!」
雪蓮
「……?!」
桃香
「……?!」
曹操
「こんな闘い、やってる場合じゃないって言いたいのでしょう?その通りよ!今、私達の国は危機に瀕している!闘いを止め、今は一丸となって外敵からこの国を守らなくちゃならないわ!それこそ!上に立つ人間の役目……いいえ、この国に住み、この国を愛している者全ての役目よ!」
桃香
「私、行きます!この国を守る為に!この国に住む、全ての人々を守る為に!」
仗助
「愛紗、鈴々は南西の国境へ!翠と蒲公英は騎馬隊を率いて西方国境へ先行!」
忍
「星ちゃんと白蓮ちゃんは南方へ!何としても敵の侵攻を止めるのよ!そうしないとこの国の未来はないわ!」
愛紗
「御意!」
鈴々
「応なのだ!」
翠
「任せろ!」
蒲公英
「はーい!」
星
「うむ!」
白蓮
「よっしゃ!」蜀の将が指示に返事をする中、
曹操
「……待ちなさい」
桃香
「えっ?」
曹操
「焦る気持ちは分かるけど……劉備軍だけで三百万の敵を防げるハズがないでしょう。春蘭、秋蘭!」
夏侯惇・夏侯淵
「「はっ!」」
曹操
「関羽、張飛と共に南西へ赴きなさい」
桃香
「曹操さん……!」
夏侯惇
「え……でも西方を放っておく訳には……」
曹操
「我が軍の主力だからこそ、他領の防衛に向かわせるのよ……それが誠意というモノでしょう」
夏侯淵
「覇王の衣を脱ぎ捨てるのですね」
曹操
「秋蘭の言葉と……癪だけどあの男によって鎖は断ち切れた……私は私として振る舞うわ……この国の未来の為に」
夏侯淵
「御意……それでこそ我らが愛しき主のお姿。この命に代えても貴女を支えましょう」
曹操
「ありがとう……孫策」
雪蓮
「何?」
曹操
「……貴女はどうするのかしら?」
雪蓮
「呉を守る。それが私の使命……ま、ついでに呉の友人を守ってみせるのは、私の、誇りかな?」
桃香
「曹操さん……雪蓮さん……」
忍
「ありがとう、2人共……」
曹操
「礼を言うのは早いわよ、藤崎」
雪蓮
「そうね。まずは五胡の奴らを殲滅しましょう……私達の国に手を出して、ただでは済まさないんだから」
仗助
「ああ……この国の人々の為……この国の未来を守る為に!俺達は鬼を倒す。五胡は頼む!」仗助、忍、れんげはコスモゲッターに乗り込む。
仗助
『行こうぜ、万丈さん』
万丈
『ああ。僕らは西を。君達は南へ向かってくれ!』遂に三国と2体のスーパーロボットVS五胡と于吉&佐慈が作り上げた鬼軍団が激突する。
さて、次回。ゲッターチームと万丈一行は地球に帰る事が出来るのか?
原作との違い
・曹操と桃香が戦場で舌戦を繰り広げる→曹操が舌戦を繰り広げるのは合戦前の新夜城で相手は破嵐万丈。
・故郷を懐かしむ朱里に話しかけたのは主人公→れんげ
・呉蜀同盟軍の前に姿を現す曹操→登場したのは野原しんのすけ。
・五胡と三国の闘い→更に鬼軍団VSダイターン3&コスモゲッターロボ。