ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
遂に世界の敵、佐慈、于吉、四大天使を倒した仗助達。
万丈
「では僕達は何とかして地球に帰還する方法を模索しようと思う。ゲッターチームはどうする?」
仗助
「三国に合流して五胡と残りの鬼共を叩き潰す。俺達にゃそうする義務がある」
れんげ
「これでホントに最後の闘いなんな」
忍
「後はあちし達だけで充分よ。ご協力感謝するわ万丈さん」
しんのすけ
「オラも行く、オラも~。美人のおねいさん達と闘いたいゾォ」不純な動機満々のしんのすけをレイが諌める。
レイ
「ダメよしんちゃん。危ないから」
しんのすけ
「ホッホ~イ。レイおねいさんが言うなら止めとくぅ~」
仗助
「相変わらず緊張感のねえガキだな(怒)」
忍
「5才にしてこんな色ボケで良いのかしら?」
れんげ
「……やっぱジャガイモなん」
ギャリソン
「では皆様。帰還のメドが立ちましたらご連絡致します」
レイ
「忍君、みんな。ご武運をね」
忍
「ええ」
仗助
「さっ行こうぜ……仲間達んトコヘ」
鬼を引き連れた五胡の大軍と交戦していた三国。しばらくは押されていたが、太平妖術が消え失せた事で、突如鬼達の統制が取れなくなった。ケダモノにも劣る本来の状態に戻った鬼は敵味方関係なく襲いかかる。
五胡兵士(モブ)
「鬼の様子がおかしいぞ!」
五胡兵士(モブ)
「何て事だ!これじゃ戦力にならん!」五胡の兵が喚き散らす。それを見た三国は……
朱里
「皆さん!敵前線が崩れました!今こそ好機です!」ゲッターチームも蜀陣営に戻ってきた。
桃香
「仗助さん!」
仗助
「再会の喜びは一先ず置いとけ……それより、反撃の狼煙をあげようぜ」
全員
「「「「応っ!」」」」国の枠を越え、全員が声を揃える。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
愛紗
「勇者達よ、
孫権
「その心に勇気を燃やせ!」
夏候惇
「友を思い、親を思い!」
黄蓋
「愛しき人を守る為!」
甘寧
「命を尽くして敵を倒せ!」
許緒
「ボク達の力を!」
典韋
「私達の力を!」
翠
「振り絞れば、あたし達は無敵!」
紫苑
「さぁ声を上げましょう!」
呂蒙
「今こそ反撃の刻!」
恋
「……闘え、勇者達よ」
星
「敵は強大!だが我らの力は無限大!」
鈴々
「団結すれば勇気百倍!」
周泰
「気高き誇りを胸に秘め!」
夏候淵
「その手に勝利を掴む為!」
張遼
「ただひたすらに敵を倒し!」
楽進
「祖国の平和を守るのだ!」
李典
「雄叫びを上げろ!」
于禁
「惰弱を振り払え!」
蒲公英
「胸に秘めた切なる想い!」
沙羅
「その想いを剣に乗せて!」
桔梗
「粉砕せよ!
雪蓮
「この国を!この国に住む人々を!」
曹操
「この国を形成する文化を!守る事こそ我ら力ある者の義務!」
桃香
「国を愛する
仗助
「……みんなの命、俺達の想い!」
忍
「……その全てを力に変えて」
れんげ
「反撃開始なーん!」
全員
「「「「応っ!」」」」
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仗助
「愛紗!」
愛紗
「応っ!」
仗助
「鈴々、沙羅、夏候惇、周泰達と共に、西方の敵に当たってくれ!」
愛紗
「分かった!」
仗助
「星!」
星
「応っ!」
仗助
「恋、于禁、李典、甘寧達と共に南方の敵を!」
星
「承知した!」
仗助
「翠!」
翠
「応さ!」
仗助
「蒲公英、張遼、白蓮、楽進、袁紹、文醜、顔良達と機動部隊を結成!各方面の補佐を!」
翠
「任せろ!」
忍
「紫苑さん!」
紫苑
「はっ!」
忍
「桔梗さん、黄蓋、夏候淵、呂蒙と共に南西の敵を撃破して頂戴!」
紫苑
「了解です!」
忍
「朱里ちゃん、雛里ちゃん!」
2人
「「はい!」」
忍
「各軍の軍師達と大本営を形成!状況を逐一分析して、作戦を立案実行よ!」
2人
「「御意!」」
仗助
「桃香、曹操、孫策!」
桃香
「はいっ!」
曹操
「応っ!」
孫策
「応っ!」
仗助
「3人は大本営で各部隊の総指揮を頼む!」
桃香
「了解!」
曹操
「分かった!」
孫策
「任せろ!」
仗助
「忍、れんげ!」
忍
「ええ」
れんげ
「あい!」
仗助
「俺達は残りの鬼を殲滅するぞ!」
忍
「了解よ!」
れんげ
「鬼やっつけるん!」
仗助
「行くぜ!この国を守る為に!」
号令一下、三国が一斉に動く。それは大きなうねりとなり、五胡の軍勢を飲み込んでいく。
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愛紗
「ふっ……お前に背中を預ける事になるとは」
夏候惇
「それはこちらの台詞だ。だが……悪くはない♪悪くはないぞ。関羽!」
星
「于禁、李典。お前達は後ろに下がって我らの補佐を頼む!……甘寧!」
甘寧
「ああ。私とお前で前に出よう……呂布」
恋
「ん。恋が道を切り開く。星達はその道を広げてくれれば良い」
星
「うむ。お主の武、しかと見届けよう」
恋
「……征く!」
紫苑
「では皆さん、参りましょうか」
黄蓋
「くくっ、腕が鳴るのぉ……やはり喧嘩は大きいに限るな」
桔梗
「応さ!」
袁紹
「おーーーっほっほっほっほ!猪々子、斗詩。やぁっておしまい!」
文醜・顔良
「「アラホラサッサー」」
翠
「ちょっ……!あたし達オチかよ?」
白蓮
「麗羽達と一緒になったのが運の尽きだな……」
蒲公英・楽進
「「はぁ……」」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
鬼A
「Grrrr!」
忍
「……邪魔よ!ドリルミサイル&バレエ拳法!あの冬の空のメモワールッ!」
鬼B
「GyaGyaGya!」
仗助
「ウゼェんだよ!ゲッタービーム!そんでクレイジー・ダイヤモンド!ドラドラドラドラドラーッ!」
鬼C
「GowGowGow!」
れんげ
「あっち行くん!大雪山おろしとC&Cファクトリーのコンボなん!のののののぉーん!」ゲッターチームも、スタンド等の合体技で、鬼達を次々と駆逐していく。
周瑜
「あれが……!げったあの力なのか?」
呂蒙
「……鬼達がいとも簡単に倒されていきます」
詠
「鬼はげったあに任せておいて……僕達は蛮族に集中するわよ。朱里、五胡の様子はどう?」
朱里
「五胡は全力で侵攻しているようですね」
周瑜
「ならばこの闘いに勝利すれば、五胡の戦力は激減するな」
雛里
「はい。三国とげったあが力を合わせた今、私達の前に敵はいません……!」
荀彧
「でも情報は確実に手に入れないと」
郭嘉
「当然だな。全方位に斥候を放とう」
朱里
「よろしくです……みんなで力を合わせて、この国を守りましょう!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そして……鬼は完全に滅び、残るは闘う牙を抜かれた五胡の兵士達のみとなった。
曹操
「さあ……いよいよ敵本隊との闘いよ」
孫策
「徹底的に殺ってあげるわ。二度と逆らえないようにね」
桃香
「行こう!私達の国を守る為に!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
桃香
「仗助さん!敵が撤退していくよ!」桃香はぴょんぴょん飛び跳ねながら、ゲッターのコクピットにいる仗助に声を送る。
仗助
「ああ。見えてる」曹操はそんな2人を尻目に、自軍の兵達に指示を出す。
曹操
「退却する敵を完膚なきまでに叩き潰す!全軍追撃せよ!」孫策も兵に檄を飛ばす。
孫策
「逃げる者とて容赦はするな!その慈悲はいつか仇となって返ってくると心得よ!」蜀軍兵士には桃香に代わり、愛紗が気合を入れる。
愛紗
「勇者達よ!我らが旗に続けーっ!」各軍の兵士達の雄叫びが大気を振るわせ、その足音が地面を揺らす。退却の姿勢を見せた敵軍に、更なる痛撃を喰らわせる為に。
れんげ
「これで……勝ち……なん?」
曹操
「そうね。私達の勝ちよ」
孫策
「ん。まぁこれだけ痛手を被った上、鬼も使えないとなったら、五胡の奴らもすぐには手出しは出来ないでしょうね」
桃香
「その間に付け入られる隙をなくさなくちゃダメですね」
孫策
「そうね」
桃香
「……曹操さん」
曹操
「……何かしら?」
桃香
「まだ……闘う気、ありますか?」
曹操
「……」
桃香
「私達は協力してこの国の敵を退ける事が出来ました……それでもまだ闘いますか?五胡と闘っている時、私達の心は一つにななれたって思う。ならこれからも、その想いを共有する事だって難しい事じゃない。だから……だから皆の力を合わせて、この国の未来を守りませんか?」
孫策
「ふふっ……どうする、曹操?」
曹操
「……劉備よ」
桃香
「はい……」
曹操
「この国の未来。貴女はどう思い描く?」
桃香
「三人がそれぞれの国を大切にしながら、残り二つの国を尊重する……それが私の思い描く、この国の平和な未来」
曹操
「そんな平和が続くとでも?」
桃香
「続きます。ううん、続かせるんです。みんなで力を合わせて……!」
孫策
「ま、私達より更に後の世代の事を考えなくちゃいけないけど……何とかなるんじゃない?今のこの気持ちをしっかりと後継者達に伝えていけばね」
桃香
「永遠の平和なんて望めないし、そんなの実現不可能だって思う。だけど百年、二百年の平和なら、皆の努力次第で可能だって思うんです。だから───」
曹操
「……そうね。一人の力で支えられなくても、三人よれば支える事は出来る、か。分かったわ……劉備。貴女の提案を受け入れましょう」
桃香
「曹操さん……!」
曹操
「例え道が違ったとしても、同じ頂に至るならばそれで良い……この闘いでそれが良く分かったわ」
孫策
「ふふっ……そうね。たった一人の天然な女の子のお陰でね」
曹操
「ホントにね……」
桃香
「え?え?」
忍
「みんな桃香ちゃんのお陰だなって……感謝してくれてるのよ」
桃香
「ち、違うよ、違いますって!私なんかなーんもしてないですよ!曹操さんとか雪蓮さんとか、そういう偉い人達のお陰だよ!」
仗助
「だってよ(笑)」
孫策
「まぁそういうところも桃香らしいけどね」
曹操
「昔から天然だったわね、劉備は」
仗助
「ああ。びっくりするぐらいな」
桃香
「うー、もう!天然なんかじゃないもん!」周囲に響き渡る無数の笑い声が蒼い空に染み込んでいく。しかし……
桃香
「何だろう。あの渦?」雲1つない抜けるような空にナゼか、1巻きの渦が発生していた。
仗助
「あれは俺達が元の世界へ戻る為に必要な帰り道だ」
忍
「とうとう繋がったわね。万丈さん達上手くいったみたいね。それとも、これもゲッターの導きかしら……?」
れんげ
「それじゃみんなサヨナラなのん」
曹操
「……あなた達ならこの世界を手に入れるのも可能でしょうに。残念ね」
忍
「いらないわ……結局あちし達、元の世界が性に合ってるのよ」
孫策
「さよなら。でもあなた達にはまたいつか会いそうな気がするわ。すたんどがそう言ってる」
れんげ
「そうなん?じゃ今度は遊びに来るん」
桃香
「あの……仗助さん、私……」
仗助
「その先は言うな。お互いの為だ」
忍
「さ、帰りましょ。仗助」
れんげ
「早くしないと帰れなくなる~ん」
仗助
「応っ!」渦に飛び込むゲッターチーム。そして、その姿が完全に消える。残された三国の王、武将、軍師は勿論、一般兵に至るまで回りを憚る事もなく、声をあげて泣き続けた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
何年か振りに帰ってきた地球では、鬼も宇宙からの侵略者も倒されていて、ゲッターの出番は不要だった。その為3人は本来の日常生活に戻っていった。仗助はぶどうヶ丘高校に、忍はひびきの高校にそれぞれ復学したのだが、ナゼか、この世界は彼らが三国世界に旅立った日から1日しか経過しておらず、当時の友人、クラスメートにも何1つとして変化がなかった。イヤ、正確には一点のみ……あのコーウェンとスティンガーと手を組んだ坂城匠だけは、ひびきの高校に帰って来なかった。恐らく、貂蝉の愛人にでもなったのだろう。
仗助と忍が高校に復学した頃、れんげは故郷に帰ると、自分の家の玄関前に立っていた。ゲッターのパイロットに選ばれてから1度も潜っていない玄関。その戸を開けて、元気良く言った。
れんげ
「ただいまなのーん!」
長い間続けたこのシリーズですが、ここで一旦最終回とします。またいつの日か、続きを書くかもしれないので、その時は宜しくお願いします。感想、お気に入り登録して下さった皆様、ありがとうございました。
2020/5/12.にもう1つの最終回っぽい話を書きました。そして、その続きやこれまで書けずじまいだったエピを思い付き次第、掲載しようと思います。