ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
第1話乙女達の隠し事、のこと(其の一)
~忍視点~
忍
「良い天気ねぇ……」あちしは空を見上げて、思わず呟いちゃう。蜀で行った三国持ち回りの祭も大盛況のまま、一週間前に終わったわ。その翌日はまだ資材の撤去やら何やらでバタバタしていたけど、それも1日で片付いて、それからはずっと暇。今日もやる事が何もないの。魏や呉を始め、その他の周辺国は何の動きも見せてないから、軍やゲッターを動かしたりする必要はないし。蜀国内も大きな問題は今のところ起きてないの。強いて言うならこの間、黄巾党の残党が出たって報告はあったけど、守備隊を置いて警備に当たらせて、事態は沈静化。その報告があったのが昨日。という訳で、あちしが今日すべき仕事は何にもないのよね。この世界に来てからの慌ただしさを考えると、まるで台風の目に入ったかのような静けさだわ。
忍
「でも、たまにはこんな日があっても良いわよね」忙しいという字は心を亡くすって書くじゃない。いつも忙しいままじゃ、心もすり減るってモンだわ。だからこうやってノンビリするのも、大事よね。
忍
「それにしても……ふあああぁぁぁ~(欠伸)、流石にこう暇だと、時間を持て余しちゃうわ」う~ん、あちしってそんなに仕事人間だったかしら?というより、忙しいのが身に染み付いちゃったのかもしれないわね。そして、こんな時に限って誰にも会わないのよ。仗助やれんちょんにすらね。誰か居たら、遊ぼうと思ってたのに。一体、みんなどこ行ったのかしら?城下にでも遊びに行っちゃった?だとしたら、ちょっと冷たくない?
それはともかく。
忍
「どうやって暇を潰そうかしら……」今の問題はどうやって*1
忍
「アラ?」庭の片隅に作られている東屋が目に入る。天気の良い日なんかには、みんなでお茶をしたりする場所なんだけど。みんなそこに集まってたわ。そっか、こんなに良い天気なんだから、ここにみんなが居るのは当たり前なのよね。あ~んもうっ!最初からここを探せば良かったんじゃない。
忍
「ちょっと良いかしら?」軽く挨拶しながら、みんなの輪の中に入っていく。
愛紗
「忍」
桃香
「忍さんも来たんだ」
仗助
「なんだ来たのかよ?」
れんげ
「来なくても良かったんに」揃いも揃ってご挨拶ねアンタら……
仗助
「みんなどこ行ったのかと思ってたら、こんなトコに居たのね」
翠
「やる事なくてさ、なんとなくブラブラしてたら、ここに集まっちゃったんだ」
忍
「なんだ、あちしと同じじゃない」翠ちゃんに答えながら、空いていた席に座る。偶然だけどれんちょんの隣よ。その反対側に仗助が座っていて、2人でれんちょんを挟む形になってるわ。
蒲公英
「なんだ、忍さんも暇してたんだ」
忍
「まあね。だってやる事ないモン」
星
「だな。昨日までは、あれほど忙しかったというのに」
朱里
「仕事って、一度にまとめてくるモノですからね」
雛里
「でも、おかげで今日はゆっくり出来ます……」
れんげ
「そうなんな……でも、いきなり時間が出来ても、どうして良いか分かんないん」
鈴々
「そーいう時はお昼寝なのだっ」
仗助
「ははっ、鈴々らしいな」うん、確かにこんなに天気が良きゃ、昼寝するのも気持ち良さそうよね。なーんてぼんやり思ってたら、月ちゃんがコーヒーを淹れてきてくれて仗助にブラック、あちしに砂糖抜きのカプチーノ、れんちょんにカフェオレと、順に目の前へカップを置く。
~仗助視点~
月
「はい、皆さん。どうぞ」月の差し出してくれたコーヒーを飲もうとしたら、カップが俺の目の前から消えた。
詠
「……ゴクゴク……ウェッ、苦っ!」
仗助
「あっ!オイ詠!テメェ、何俺のコーヒー飲んでんだよ!?」
詠
「うっさい!なに当たり前に月にお茶、淹れさせてんのよっ!?しかも何!?この苦いのっ!」
忍
「ああ。これ、以前南方の大陸へ鬼退治行った時に売ってたから買ってきたのよ」そうだった。三国の争いが終結してしばらくしたある日、ゲッターが奇妙な反応を見せたから慌てて搭乗したら、勝手に飛び出したんだよな。
辿り着いたそこはアフリカっぽいトコで、そこでも鬼が暴れまわっていた。まぁ鬼はサクッと退治して、後は3人でほぼ観光していたんだが……その時忍が、コーヒー豆を売る店を見つけて購入したんだっけか。因みに鬼の遺体から取れる角やら牙、手にしてた武器が売り物になるとの事で、その代金は丸々俺達に支払われた。コーヒー豆はその金で買ったって訳だ。『ジャック・バウアー』で購入すりゃあ簡単だけどな、そこが地産地消をポリシーとする忍らしいと思うぜ。
れんげ
「おっちゃんはブラック派なんなー……ウチはお砂糖とミルク、たっぷりなんに」そう言いながらカフェオレを美味そうに啜るれんげ……詠も流石に子供から取り上げる事はしないな。てか、以前れんげを街中で泣かせて大恥かいてるし、結果的にその仕返しになったバブバブ事件(本章第30、41話参照)を城下に広められたら堪ったもんじゃねぇだろうしな。
月
「新しいの淹れてきますね」
詠
「月~、こんな奴、そこらの水溜まりの水でも飲ませとけばいいのよ」随分な言い種だなオイ。こいつの俺に対する風当たりは中々にキツい。
忍
「淹れ直しの原因はアンタでしょ?」忍にそう言われると、急にしおらしくなる詠。ハハーン、さては……忍には嫌われたくないし、れんげは前述の事がある。だから消去法で俺に突っかかる訳か……って、とんだとばっちりだぜ。俺も仕返しする手段はないか、頭を捻っていると
恋
「………」すすすっと、恋が俺とれんげの間にやってきた。
恋
「……ん」そのまま俺にピタッとくっついてしまう。
仗助
「どうした?恋」
恋
「……仗助と一緒」
仗助
「そっか、一緒か……うん、一緒は良いよなー」
忍
「○村け○のコントにそんなの居たわね」
れんげ
「何だチミはってかん!?」……れんげ。他のキャラとごちゃ混ぜになってるぞ。
音々音
「ちーんーきゅーきっ……」俺に跳び蹴りをカマそうとした音々音だが、咄嗟にクレイジーダイヤモンドで足を掴んで宙吊りにしてやる。喚く音々音を恋が制した。
恋
「ねね。『ちんきゅーきっく』、ダメ」
音々音
「しかしっ、恋殿ぉ~。こやつが……」あのなぁ、俺は何もしてねえぞ。
仗助
「……一旦この机を壊すか」俺はテーブルをチラ見してから音々音に向き合う。
音々音
「ちょっと待つのです!ねねをその机に練り込むつもりですか!?」
忍
「良いんじゃない?机になれば、千年ぐらい生きられるわよ」
音々音
「ひぃっ!」忍……それじゃアンジェロ岩だぜ……俺が突っ込むのも変な話だけどよ。ま、それよりもそろそろ音々音を助けてやるか。
仗助
「ほれ、暴れんなって」下ろしてから音々音の頭に手を乗せ、ポンポンと叩く。
音々音
「子供扱いするなですーっ!」あー、平和だなぁ……ん?何か、妙に静かじゃね?ん~。何かが足りねえ気がするんだが、何が足りねえんだ?アッ、そうか。麗羽達が居ねーじゃねえか。
れんげ
「クル○ル○ー達どこ行ったん?」どうやられんげは麗羽をクル○ル○ーと呼ぶ事に決めたらしいな。合ってるけどよ……
愛紗
「麗羽なら、なんでも新しい洋服屋が出来たとかで」
忍
「見に行った訳ね」
桃香
「一応、白蓮ちゃんに付いていってもらったから、大丈夫だと思うよ」白蓮、またも貧乏くじか……まぁあいつが一緒なら、事件は起こさねえか。
忍
「……服ならあちしが作るなり、取り寄せるなりしたのに」
仗助
「とか言って、どうせコスプレとかさせるつもりだろ?」
忍
「アラ、バレた?」2人でバカトークをしてるといつの間にかれんげが姿を消していたが、すぐに戻ってきた。ナゼか璃々の手を引いている。
れんげ
「紫苑おばちゃんと桔梗おばちゃんはどこ行ったん?ウチ、璃々ちゃんを預かってって頼まれたん」
星
「紫苑と桔梗なら、良い酒家を見つけたとかで、出かけて行ったぞ」あー、なるほど。酒好きの2人らしいな……しかし子供を別の子供に預けていくってのはちょっといただけないな。ま、れんげは実年齢よりしっかりしてるし、ここには大人も大勢居るから大丈夫か。
~忍視点~
それにしても。あちしは周りを見渡す。改めて見るとスゴいわね。みんなタイプは違えど、すこぶる付きの美女&美少女揃い。今この場には居ないけど、麗羽達だって見た目は文句なしの美少女だし……中身はダボだけど。紫苑さんと桔梗さんは美女つーか、美魔女ってトコかしら。本人達にこんな事言ったら怖い事になりそうね……クワバラクワバラ。
桃香
「どしたの?忍さん。みんなの顔、じっと見て」
仗助
「いや、別になんでもないわ。それより、みんな揃って何の話してたの?」
朱里
「それがですね、街に美味しい甘味屋さんが出来たらしいんです」
仗助
「へぇ」
雛里
「それで、今度みんなで食べに行こうかと……」
忍
「なるほどね。それにしても、女の子って甘い物好きよね」あちしも仗助も甘い物は嫌いじゃないけど、大好きってほどでもないのよね。とはいえ、そう言われると興味が出てくるわね。
忍
「そんなに美味しいの?」
月
「出入りの業者さんから聞いたんですけど、東方の珍しいお菓子が揃ってるそうなんです」
仗助
「東方のなぁ……」
??
『因みに
詠
「なによ、あんたも行きたいとか言い出すんじゃないでしょうね」
仗助
「そんな冷てぇ事言わなくていいだろ?俺も連れてってくれよ」
れんげ
「ウチも行きたいん!」
桃香
「それじゃ今度のお休みにみんなで行こっか。紫苑さん達も誘って」
忍
「良いわね。璃々ちゃんも喜ぶでしょうし」
璃々
「わ~い、お菓子ぃー」
恋
「…………恋も行く」
仗助
「ああ。勿論恋も一緒だ」
音々音
「お前は、ねねを仲間外れにするつもりですかーっ!」
仗助
「そんなつもりはねぇって。音々音も恋と一緒だぜ」
音々音
「それなら良いですが……」
翠
「ところでさ、仗助達の国には、どんなお菓子があったんだ?」
朱里
「あっ、私もそれ気になります」
桃香
「天の国だもんねぇ。なんかスッゴいのがありそう」……天の国って事は現代世界のお菓子って事よね。
仗助
「忍。あとは任せる」仗助ったらあちしに説明丸投げしたわね?……まぁ確かに、食べるのはそうでもないけど作るのは結構好きなのよね。だから知識もそれなりにあるわ。
忍
「そうね。伝統的なお菓子だと和菓子かしら?」
雛里
「わがし?」
忍
「ええ。小豆を使ったあんこっていうのを使うのよ」
星
「あんこ……か」
忍
「小豆を甘く煮詰めて、練ったモノだけど……」
蒲公英
「なんとなく、味の想像がつく気がするね」
星
「まあ、意外性がないと言えばないな」そりゃそうよね、小豆も砂糖もこの世界に普通にあるもの。
忍
「こっちで見た事ないお菓子だったら、チョコレートやプリン、クリームかしら?あちしら世代だと、和菓子よりそっちの方が馴染みがあるわね」
愛紗
「ちょこれいと……とは、どんなモノなんだ?」
忍
「そうねぇ……どう言ったら良いかしら。ちょっと苦味があって、甘くて、口溶けが良くて……」
桃香
「……??」
蒲公英
「何だか良く分かんないね」
忍
「それなら、論より証拠。『ジャック・バウアー』板チョコを1枚お願い」あちしは数枚の硬貨をジャック・バウアーに渡して、チョコレートを取り寄せる。
桃香
「甘~い!でもやっぱり苦味もあるね」
愛紗
「確かに甘くて苦い」
星
「これは酒にも合いそうだな」星ちゃんはやっぱりそうくるのね。まぁ洋酒のアテにチョコレートは割りと一般的だけど。
詠
「さっきのお茶とはまた違う苦さね」
仗助
「……スッゲェ久し振りに食ったな」
れんげ
「チョコ美味しいーん」
忍
「チョコと言えば……バレンタインデーなんてのもあったわね」
桃香
「ばれん……たいんでー、って何?」
もしかしたら、今後はサザエさん時空になるかもしれません
\(〇□〇;)/