ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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2部構成にするハズだったのに……おかしいなぁ。


第2話乙女達の隠し事、のこと(其の二)

~仗助視点~

 

「バレンタインデーってのは……元を辿れば長い歴史よ。それでも聞きたい?」忍のウンチクが始まるぞ。こいつ、喋りだしたらマジ止まんねえからなぁ……。

 

「……という事で、いつしか愛の証しに女性から男性へチョコレートを贈るようになったのよ。まぁ好きな人への本命チョコに限らず、男女関係なく日頃お世話になってる人への義理チョコ、女子同士で贈り合う友チョコ、男から女性に贈る逆チョコなんてのもあるわね。流石に男同士のやり取りはないけど……」ようやく終わったか。しかし俺以外は興味津々で、忍のウンチクを聞いてたな……

桃香

「何か可愛い祭事だね♪」

蒲公英

「告白するのに日にちが決まってるの?」

鈴々

「そんなのヘンなのだ。いつだって良いのだ」

「別に強制じゃないわよ。でも普段は中々告白出来ない子もいるでしょ?そういう子の為にバレンタインデーがあるのよ」

愛紗

「ばれんたいんでー……」一言呟いた愛紗が呆けてる。珍しい光景だな。

れんげ

「その皇帝ってアホだったん?」相変わらず、れんげは目の付け所が違う。

「……気になるのそこ?」

「そうだな。結婚を禁止したら当然、人口が減る。そしたら戦にも勝てないのは一目瞭然……」

音々音

「そんな単純な事に失念していたとは……なんとも情けない皇帝ですのー」なるほど正論だ。でもよ、それを言ったらバレンタインデーも存在しねえぜ。そんな事を考えていた俺は、忍とれんげ以外の目が異様に輝いているのに気付く由もなかった……

 

~翌日~

 

仗助

「あー腹減った……」昨日の暇さが嘘のように、今日は忙しい。大事件って訳じゃねえけど、細々とした仕事が一斉にやって来たって感じだ。

仗助

「明日に持ち越すと、明日はもっと忙しくなりやがるしなぁ」おかげで昼飯も食い損ねちまった。普段なら桃香や愛紗と交代で休憩を取るんだけど、ナゼか今日は俺か忍じゃねえと判断出来ない仕事が多くて、身動きが取れなかった。その忍にも次々と仕事が押し寄せ、こっちのフォローどころじゃなかったしな。いい加減、空腹に耐えかねて執務室を抜け出してきたんだが……

仗助

「厨房に行きゃあ、何かあるだろ」もう昼時を過ぎちまってるから、食堂に行っても何もないのは分かってる。となれば、厨房に直接行って、何か食い物を恵んでもらうしかねえ。

仗助

「恵んでもらうってのも情けねぇけど……他の国の王はどうなんだ?雪蓮(孫策)とかあり得そうだが……あ、もう隠居したっつってたな。生真面目な蓮華(孫権)はンな事しねえだろうし。華琳(曹操)もプライド高そうだから……ねぇな。ま、それよか……」とにかく、今は空腹を満たす事が最優先だ。俺は再び厨房へ向かう。

 

仗助

「すんませんッス……」

「じじじっ、仗助っ!?」厨房にナゼか翠が居た。

仗助

「翠?こんなトコで何してんだ?」

「なな、何でもないっ!それより、何で仗助がこんなトコに居るんだよっ!?」

仗助

「昼飯食えなかったからよぉ、なんか食い物貰おうと思って」大慌てする翠に声をかける奴が居た。

蒲公英

「お姉様、なにを……って、仗助さん!?」蒲公英だった。この2人を厨房で見るのも不思議な感じがするな……

仗助

「蒲公英も居たのか」

蒲公英

「居たのかじゃないよっ!何で仗助さんがこんなトコにいるのっ!?」

仗助

「だから、食い物を貰おうと思ってよ」俺が厨房に足を踏み入れようとすると

「わーっわーっわーっ!ダメだっ!」いきなり翠に押し戻された。

仗助

「翠?」

「今、厨房は立ち入り禁止だっ!仗助もダメだからなっ!」

仗助

「おっおいっ、翠っ!どういう事なんだよっ。蒲公英もっ」

蒲公英

「いいから、仗助さんは入っちゃダメなの!」

 

 つー事でマジで追い出されちまった。

仗助

「おーい、ホントに腹減ってんだって」

「うるさい、うるさい、うるさーい!」……参ったぜ。今日は昼飯、抜きって事か?

「何シケた面してんのよ。仗助」厨房の出入口で忍と鉢合わせた。

仗助

「し~の~ぶ~。何か食い物くれ~」俺は昼飯を食い損ねた話をする。我ながら情けない声出しちまった。

「ガーハッハッハ!ダッサいわね。菓子パンぐらいならあげるわよ」忍はジャックバウアーからパンを2、3個受け取り、俺に手渡した。

仗助

「……恩に着る」こうして俺はどうにか、食い物にありつけた。

 

 その翌日。今日は街の代表との会合。商人達に要望を出してもらい、それをこちらで検討する手筈になっている。勿論、俺1人で決められる訳ねえから、後で朱里や雛里、忍に見てもらわなきゃならねえが。

仗助

「あんまりムリな要望はなかったし、問題なく通りそうだけどな」さて、急いで帰る事もないし、久し振りにあの屋台へ行ってみるとすっか。あそこの親父の作る拉麺がウメーんだよなぁ。いや、それとも、あっちの点心に行くべきか?クソッ、これは悩みどころだ。

 俺がそんな事を考えながらフラフラと歩いていると

??

「ごっそさん。それじゃお代はここに置いていくよー」

??

『また来るぞ』

料理屋店主

「毎度アリー。次回も頼んますよ」聞き覚えのある声がする方へ向かうと、向田さんとその従魔達が一軒の屋台を後にするトコだった。これが蓮華や穏なら政治的な目的で訪ねてきたと思えるけど、この連中が蜀に一体何の用だ?

仗助

「ちっす。向田さん」

向田

「仗助君か。今日は仕事かい?」

仗助

「ええ、街の会合の帰りッス。向田さん達は何で蜀にいるんスか?」

向田

「交易だよ。フェル達が獲った魔物肉やらを売りにきててね。穏と亞莎(あーしぇ)も一緒だよ」亞莎って……確か最近忍と良い感じの……ま、今は仕事か。

向田

「そのついでに屋台巡りしてるんだけど、何せ大喰らいが3名も居るモンだから交易の方がついでみたいになっちゃって……」苦笑する向田さんだったが

フェル

『オイ。こんな座椅子頭なんぞ放っといて早く他の屋台に行くぞ』ブチッ‼この言い種にブチ切れる俺。

仗助

「……待てや犬っころ」

フェル

『ムッ。我を犬っころだと!?たかの知れた人間が!』

仗助

「るせぇ!テメェ今、俺の頭の事何つったぁ~、ああ!?」

 

~忍視点~

 

 折しも現在2月の半ば。元の世界じゃ、ちょうどバレンタインデーの季節だわ。折しも2日前、流れでその話をしたらみんなして食い入るように聞いていたわね。

そして今日、桃香ちゃんがコッソリあちしの部屋に訪ねてきたわ。相談したい事があるらしいけど何かしら?

桃香

「……あのね忍さん。この前の話なんだけど……」

「バレンタインデーの事?」

桃香

「……うん、そう。それでね、私……」次の瞬間、あちしの部屋のドアが音を立てて壊されたわ。

 

 ガラガラドッシャーン!!

 

「ちょっとアンタ達何してんのよ!?」

朱里

「はわわわわっ!」

雛里

「あわわわわっ!」自分達でドアを壊しといて、何で焦ってんのよ……?

「……ハァー」呆れて溜め息しか吐けないあちし。

「で……2人共、何でここに居るの?今日は仗助と街で会合のハズでしょ?」

朱里

「あ、あのですね……仗助さんには一人で会合に行ってもらったんでしゅ!」

雛里

「今日は忍さんにお願いがありましゅ!」そんな……2人してカミカミで話されても困るわよ。

「それでお願いって?言っとくけど、引き受けるとは限らないわよ?」そして2人のお願いを聞いたあちしは引き受ける事にしたわ。ま、断る理由もないし。

兵士(モブ)

「失礼します!」アラ?兵士さんが慌てて部屋に入ってきたわ。緊急事態かしら?

桃香

「どうしたの!?」

兵士(モブ)

「そ、それが……仗助様と、孫呉の御使いである向田殿の従魔が街中で喧嘩を!」

「ぬぁんですぅってぇ!?」あちしは桃香ちゃん達と急いで街へ向かうハメになったわ……全く何やってんのよ。あのバカ!

 

~向田視点~

 

 髪型を貶されて、烈火の如く怒る仗助君。フェルってば何してんだよ?彼はお前相手にビビる人じゃないんだから~。

フェル

「ほう。我と一戦を交える気か、面白い」

仗助

「……テメェはブチのめす」次の瞬間!

C・D

「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァーッ‼」フェルに見えない拳を振りかざす仗助君。対してフェルはまず距離を置き、爪斬撃を喰らわせようとするも見事にかわされ、側にあった一軒の商店がその餌食となった。あーもう、後で弁償だな……と俺が落ち込んでいると

フェル

『ムッ、何だアレは!?』壊れた商店の家屋が、忽ち元の姿を取り戻す。一体どうなってるんだ!?

スイ

『あるじ~。止めなくて良いのぉ?』

ドラちゃん

『良いぞーッ!もっと()れー!』心配するスイと2人を煽るドラちゃん。とはいえ、あんな激バトルの中に、俺が割って入れる訳ないだろ?こういうのを手に余る光景って言うんだな……困惑する俺だったが

「2人共止めなさい!」どこからか騒ぎを聞き付けた忍君が仗助君とフェルの間に入り、仲裁する。一瞬後ゴ○ラに変身してフェルを凪ぎ払い、仗助君をつまみ上げると地面に下ろしてその場に正座させる。周りを劉備、関羽、張飛(真名は忘れた)忍君に囲まれると、さっきまでの迫力が一転、シュンとなる仗助君。なんとも情けない格好だな。

向田

「フェル、ちったあ頭冷えたか?」俺は吹っ飛ばされたフェルの元へ駆け寄り、呆れたように声をかける。

フェル

『うぅ……何だ今のは……?』

向田

「全く……さあ、建業へ帰るぞ」

ドラちゃん

『え~?もう帰んのかよ。まだ屋台全部食い尽くしてねぇのによ~』

スイ

『もっと食べたい~』ブー垂れる2人だけど、俺にはこんな時のとっておきパワーワードがある。

向田

「それ以上ボヤくなら冥琳に叱ってもらうけど?」

フェル

『そ、それは……』

スイ

『え~!スイやだ~』

ドラちゃん

『勘弁してくれよ。あの姉ちゃん、怒ると超怖ぇーんだぜ……』そりゃ俺だって怖ぇよ……けど何かあってからじゃそれこそシャレにならんからな……諦めたように項垂れるフェルとスイとドラちゃんを連れて、俺達は建業への帰途についた。それにしても、あの壊れた建物は何で元に戻ったんだろう?あれから聞いた話では、仗助君は蜀陣営(主に忍君と関羽に)コッテリと絞られたらしい。俺、孫呉に拾われて良かったかもな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




隠し事編、次回こそ完結?目指します。
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