ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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あ~~~3部構成にしても終わらない……


第3話乙女達の隠し事、のこと(其の三)

~れんげ視点~

 

 しのぶんがバレンタインデーの事を話したら、みんなスッゴく盛り上がってたん。しのぶんはバレンタインの始まりの話とかもしてたけど、ウチも知らなかったエピソードとかもあったん。それにしても……ローマ皇帝ってアホだったんなー。そんなだから敵に負けて滅ぼされたん。そういうのじごーじとくって言うんよ。星姉やねねねんも呆れてたんな。

 次の日はみんな急に忙しくなって、ドタバタしていたん。ウチは難しいお仕事とか出来ないから、やっぱり忙しい紫苑おばちゃんの代わりに璃々ちゃんと遊んであげてたん。そんな感じでその日は終わったん。

 その次の日はおっちゃんが、1人で街へ仕事に出掛けたん。本当は朱里りんと雛りんも一緒に行くハズだったんに、おっちゃん1人になっちゃったんよ。その後、門番の人と何かお話ししてたしのぶんと桃香姉と愛紗姉と鈴々も、慌てて外へ出ていったん。んで帰ってきたらしのぶんはナゼかプンプン怒ってて、おっちゃんはショボくれていたん。何があったか気になるのん。

 

 そんで次の日は毎月やってる定例会議の日だったん。自分が担当してるトコで何があったかをみんなに話して聞かせたり、直すトコを話し合ったりする日なん。でも話し合いは最近、全然していないんよ。しのぶんが『良い傾向にあるわ』って言ってたからきっと大丈夫なんなー。

 

~再び仗助視点~

 

朱里

「こちらからの報告は以上になります」

仗助

「了解。じゃその件は朱里の方で処理をしておいてくれ」

朱里

「かしこまりました」今日は毎月恒例の定例会議の日だ。各部門の担当者が近況を報告して、何か問題があればミーティングとなる訳だが……最近じゃみんな仕事に慣れてきて、デケぇトラブルも起きねえし、報告を聞くだけで終わっちまうな。悪い報告は聞かねえし、大した問題も起きてなさそうだ。国家の運営ってのは本来それが当たり前なんだけどよ。

仗助

「それじゃ次は雛里だったか?」

雛里

「はい。新田開墾の件ですが……」しかしこうしてると、退屈してくるのもまた事実だ。鈴々なんか、コックリコックリと船を漕いでるし。蒲公英も居眠りとまではいかねえまでも、欠伸をしている。他人(ひと)の事ぁ言えねえけどな。俺も油断してると船を漕ぎ出しちまいそうだ。その点、愛紗は大したモンだ。俺達が睡魔と闘っている時でも、シャキッと背筋を伸ばして報告を聞いている。ホント、こいつの姿勢は綺麗だよなぁ。何かこっちまで気持ちがシャキッとした気になる。あれ……?

雛里

「私からの報告は以上になります」

仗助

「ご苦労さん。その件は、引き続き頼む」

雛里

「了解しました」

仗助

「……ところでよ」俺は愛紗に顔を向けて尋ねてみた。

仗助

「愛紗。その手、どうしたんだ?」愛紗がビクッとした表情になる。愛紗の指は細くて白い。偃月刀を振り回してるのが信じられねえほどだ。『白魚のような』ってのがまさにピッタリなんだよな。その手が傷だらけになっている。切り傷や火傷のような痕もある。元が綺麗な手だけに余計、痛々しい。

愛紗

「こ、これは何でもない!」言うなり手を後ろに隠しちまう。

仗助

「何でもないって、傷だらけじゃねえか」

愛紗

「そんな事はない!」誤魔化せると思ってんのか?まぁこういうアドリブの利かなさが愛紗らしいっちゃあらしいけど。

仗助

「じゃあ見せてみろよ」

愛紗

「は?」

仗助

「手を見せてみろって」

愛紗

「そ、それは……あの……」途端に言葉に詰まっている愛紗。挙動不審過ぎるだろ。ん?もしかして桃香の手も傷だらけか?

仗助

「桃香」

桃香

「え、な、何かな?」

仗助

「桃香も手を見せてみろ」

桃香

「え!?な、何で手なんて見たいのかなぁ」

仗助

「桃香の手も傷だらけじゃねえのか。直してやんよ」

桃香

「だ、大丈夫だよ。傷なんてないから……」

仗助

「じゃ、見せてみろ」

桃香

「あ、愛紗ちゃ~ん(困)」

愛紗

……私に振らないで下さい

桃香

私だってあんなお菓子作った事ないんだから、しょうがないよぉ」2人してコソコソ話し出したと思ったら、

「仗助、会議中に何をやっておる」

紫苑

「仗助さん。女の子には、色々と秘密があるモノですわ」

桔梗

「左様。それを根掘り葉掘り聞き出そうなど、野暮というモノじゃ」何だよ、みんなして俺を除け者にしやがって……しかし紫苑も桔梗もやけにニヤニヤしてんな。それに引き換え、桃香や愛紗は真っ赤になって俯いちまっている。この様子を見てる忍までニヤニヤしてやがるし。うーん……

 

~その夜~

 

 おかしい、ここ何日か、みんながおかし過ぎる。翠や蒲公英が厨房で何かやってたのもそうだし、朱里や雛里が急に会合に出られなくなったのも良く考えりゃ変だ。桃香と愛紗が手を傷だらけにしていたのだって、普通じゃねえ。いやそれだけじゃねえんだ。最近、れんげと璃々以外のみんなが俺を避けてるような気がする。俺の姿を見ると、コソコソと何処かへ行っちまったり。あるいは俺の居ない場所で内緒話をしていたり。一体何が起こってやがる?

 もしかして……みんな俺に愛想を尽かしたのか?もしそうだったら……ゲッターはどうなる?イヤ、それ以前に俺はどうしたら良いんだ……?

 

~翌日~

 

「仗助」

仗助

「お、おう。どうした?」

「……新田の開墾の件は朱里ちゃんの提案通りで良いの?」

仗助

「あ、ああ。異存はねえ」

「……??」今日も昨日の会議の続き。しかし俺の心情的にはかなりの違いがある。もしもみんなが俺に愛想を尽かしてたら。そう考えると思い当たる節はあるし、何よりみんなの態度がおかしすぎる。とにかく今はみんなの期限を損ねないように。頑張るしか……

紫苑

「ふぅ……」

仗助

「紫苑?」

紫苑

「ねえ、みんなもう良いんじゃない?このままじゃ仗助さんが可哀想よ」

愛紗

「し、しかし……紫苑」

紫苑

「愛紗ちゃんだって、もう準備は出来たんでしょ?」

愛紗

「そ、それはそうだが……」……?紫苑は何を言ってるんだ?準備って、何の準備だよ?も、もしかして……俺に三行半を突き付ける為の準備なのか?

仗助

「し、紫苑?」

紫苑

「大丈夫ですよ……」紫苑は笑顔で答えてくれた。どういう事だ?

「そうね。もうちょっと誂ってやりたかったけど」

仗助

「……忍。やっぱテメェ何か知ってやがったな!」俺は忍に駆け寄り胸ぐらを掴もうとしたが、一瞬早く蚊に化けた忍はまんまと逃げ仰せた。

桔梗

「ま、頃合いだろう。皆、準備は良いな?」桔梗の声に全員が頷く。

紫苑

「それじゃみんな用意をしてね」紫苑の言葉をきっかけにみんなが走り去っていく。残ったのは紫苑と桔梗、元の姿に戻った忍だけで……

仗助

「あの……一体何が起こってんだ?」

桔梗

「ま、そう急くでない」

紫苑

「すぐに分かりますわ、仗助さん」

「悪い事にはならないから安心しなさい」紫苑と桔梗と忍の顔を見ている限り、三行半って事はなさそうだけど、そうなるとますます訳が分からない。そうこうしていると、バタバタとみんなが戻ってくる。ん?何かみんなラッピングされた包みを手に持ってるけど……

 

愛紗

「あ、あの……仗助」

桃香

「あんまり上手に出来なかったけど……」

鈴々

「これならお腹いっぱいになるのだ!」

朱里

「あ、あのっ。雛里ちゃんと一緒に、一生懸命作ったんですっ」

雛里

「……(テレテレ)」

「とっとと受け取りやがれっ、この野郎」

蒲公英

「お姉様ったら……そんなんじゃ仗助さんに伝わらないよ?はいっ、仗助さん、蒲公英からねっ♪」

璃々

「あのね、仗助お兄ちゃん。璃々からもあげるの」

れんげ

「ウチもあげるーん」璃々やれんげもか?

仗助

「え、え、どういう事だ?」

紫苑

「仗助さん。前に忍さんが、天の国にあるばれんたいんでーというモノの話をしたでしょう?」

仗助

「ああ……」

「みんなその話に影響されちゃったのよ。で、あちしが材料の提供と作り方をレクチャーしたってワケ」

仗助

「じゃ、もしかして……?」そこにけたたましい声が響く。

麗羽

「ちょーーっとぅ、お待ちなさい!」

仗助

「れ、麗羽か?」

れんげ

「クル○ル○ー来たん!」

麗羽

「このわたくしを除け者にしても、そうはいきませんわよ」

「この趙子龍秘蔵のメンマ入りちょこれいと。味わうが良い」

「仗助さん……一生懸命作りました……へぅ……」

「……ま、まーあれよ……ボクだって、少しはあんたの事認めても良いかなって……」

「……仗助、食べる」

音々音

「恋殿から貰えるからっていい気になるなですー」

麗羽

「おーほっほっほっ!このわたくしから贈り物を貰える事、深く感謝するが良いですわ」

斗詩

「麗羽様……それじゃ気持ちが伝わりませんよぉ」

猪々子

「まぁ、麗羽様だし、こんなもんっしょ」

れんげ

「ウチだったらクル○ル○ーからなら要らないって断るん……」イヤれんげよ……男としちゃあ、こればっかはどんな女子からでも嬉しいモンなんだぜ。

美以

「変な頭には特別に、みぃの獲物を分けてあげるにゃ」クソ猫だけ、ナゼかマンガ肉を持ってきやがった。変な頭呼ばわりに俺が切れかけたら、先に忍がこめかみに青筋を浮かべ、ドス黒いオーラを背にクソ猫を見下ろしている。

「美以ちゃ~ん。ちょ~っと、いらっしゃーい……(怒)」

美以

「し、忍兄ぃ……怖いにゃ……」悪い笑みを見せる忍に連行されていくクソ猫。れんげがそれを合掌して見送る。

れんげ

「ネコちゃん……なんまいだなんなー」あのクソ猫……何しやがった?マンガ肉が関係してるとは思うが。ま、精々冥福を祈っておいてやっか。

桔梗

「皆、忍から教えを請うて、それぞれ趣向を凝らした甘味を用意しておる。気持ちと思って受けとるが良い」ヤベ、マジで泣きそうだ……

仗助

「ありがとよみんな。俺、てっきりみんなに愛想を尽かされたのかと思って……」確かに日にちは、ずれてるが今は元の世界でバレンタインのシーズンだ。

「分かってるでしょうけど、あちしはあげないわよ」ああ……でも忍が居なきゃこんな機会なかったよな。口にはしねえが、心の中で礼を言っておく。

愛紗

「では……食べて……くれるか……?」

仗助

「おうっ、勿論」

桃香

「良かったぁ♪」

鈴々

「鈴々のも食べるのだっ!」

仗助

「ああ、ありがたく食わせてもらう」

「あたし達のも忘れんなよ」

仗助

「勿論。翠も蒲公英も璃々もれんげもありがとよ」

「では、次は私の番だな」

仗助

「ありが……って、メンマ入りかよっ!?」

「当然。一見調和が取れてないように見えるこの組み合わせこそ、新しい食の文化を生み出す逸品。遠慮は無用だぞ」

仗助

「お、おう……」

「か、勘違いしないでよね、これは義理よっ、義理っ!」

「詠ちゃん、そんな事言っちゃダメだよぉ……」

仗助

「分ーってるって。月もありがとよ」詠のヤツ、思いっきり義理を強調してるな……

「……ん」ちょっとリボンの歪んだ包みを突きだしてくる恋。

仗助

「このリボン、恋が結んだのか?」

「……(コクン)」

仗助

「そうか。何だか食うのが勿体ねえな」

「……ダメ、食べる」

麗羽

「おーほっほっほっ!この私に感謝して食べると良いですわ」

斗詩

「麗羽様はこう言ってますけど、スッゴく悩んで作ってたんですよ」

麗羽

「斗詩、何を言ってますの!?」

猪々子

「まー良かったら食べてやってよ」

仗助

「分ーってる。味わって食わせて……れんげ、何隣に座ってんだ?」

れんげ

「ウチも食べるの手伝うん」

紫苑

「そろそろ食べてあげたらいかがです」

仗助

「そうだなっ!よっし、いただきます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




久し振りに原作との違い
・本編に登場しなかった魏延は当然、こっちでも出番なし
・美以がマンガ肉を持ってくるのは原作通りだが、忍に連行されるのはオリエピ。
・恋姫達はチョコの代わりに餡子を使ったお菓子を渡す→忍から作り方を教わり、オリジナルチョコを渡す。
・朱里&雛里、麗羽は店で買ってきたお菓子を渡す→全員が手作り。
・食べる時、隣に座るのは美以→連行されたのでれんげ。

次回、恐らく原作通りのオチです。
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