ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第24話秋季インターハイ

 夏の大会と同じ場所で開催される秋期インターハイ、運動部にとっては世代交代の季節でもある、これが終わると3年生は引退するからあちしら2年生が本気で各部を引っ張っていかなけりゃならないわ。

 陸上部では高校最後の試合に挑んだ先輩達は地区大会を順調に勝ち上がり関東大会まで駒を進めた、こうなりゃせめて全国まで行ってほしいわね。

 勿論あちし達も大健闘したわよ、しかし2年生は後一歩力及ばず地区止まり。来年こそ見てなさい!

 

 ~白雪美帆視点~

 今日はいつもの仲良しグループの文化部メンバーの私と水無月さん、如月さん、片桐さん、既に甲子園の予選で残念ながら敗北された高坂さんの5人で各運動部の応援にやってきました。会場で一度解散してそれぞれ別行動に移ります、片桐さんは剣道部、水無月さんと如月さんは陸上部の試合をご覧になるとおっしゃいます。アラ?皆さんお忘れなのでしょうか?美幸ちゃんもテニスの試合に出場されるのですがどなたもそちらには関心のないご様子ですね、では私が参りましょう。

 「申し訳ございません、少々よろしいでしょうか?」不意に声をかけられた方へ振り向く私、もしかして妖精さん?しかしそこには歴とした人間の方がいらっしゃいました。テニスウェアを着て髪を両サイド三つ編みにされた上品な雰囲気を漂わせた方です、ちょっとガッカリしました。ってそんな事思っちゃダメですよね、気持ちを切り替えその方に尋ねました。

 「どうかなさいましたか?」

 「(わたくし)、少々道に迷ってしまいまして。テニス部の試合が行われる領域はどちらでしょうか?」領域って(^^;)、普通にエリアと言えばいいのに。水無月さんじゃないのですから無理やり日本語を使わなくても…しかし私もちょうど向かうところですしご案内くらいして差し上げてもバチは当たらないでしょう。

 

 その後、無事会場に辿り着いた私達の元に一人のきら高生が駆け寄ってきました。

 「古式さ~ん、ハァ見つかって良かったぁ。アレ、何で姉さんが一緒なの?」彼女は白雪真帆、私の双子の妹です。えっナゼ違う学校に通っているかですって?そこは家庭の事情という事で、深く追求なさらないで下さるとありがたく思います。

 話が反れましたがさっきまで私と一緒だった方は古式ゆかりさんとおっしゃるきら高テニス部の選手だそうです。

 

 

 「それではひびきの高校ときらめき高校による第一回戦、第一試合開始します」会場にアナウンスが鳴り響く、ひびきのからは我らが美幸ちゃんがコートに姿を現します。

 「みんな~、美幸頑張るからねぇ、応援ヨロシクゥ」美幸ちゃんてば主旨が間違ってますよ、アイドルじゃないんですから。続けてきら高サイドからはなんと先程の古式さんが出場されるみたいです、私はホッと安堵しました。失礼ながらおっとりした印象の古式さん、正直あまり強くなさそうですから美幸ちゃんも一回戦を突破できそうですね。

 

 …私の考えが甘かったようです。試合開始のホイッスルが鳴った途端、まるで人が変わったかの如く素早い動きを見せる古式さんに美幸ちゃんは翻弄されっぱなし。なんとか打ち返したボールもヒョロヒョロ飛んでくへなちょこ球、全く追随を許さない古式さんは美幸ちゃん側のコートに何度もスマッシュを決めまくり結局美幸ちゃんは一点も取れず古式さんの完全試合で幕を閉じました。

 「残念でしたね」試合後ベンチにもたれる美幸ちゃんに言葉をかけます。

 「イヤァー、ラケットがスッポ抜けなかっだけ良かったよぉ」笑顔を繕っておどけて見せる美幸ちゃん。ホントはショックなハズです、私は彼女の頭を抱き寄せて撫でてあげました。

 「頑張りましたね、いー子いー子です」

 

 ~純一郎視点~

 個人戦第一試合を判定勝ちした俺の耳に大きなどよめきが聞こえた、女子の部の試合で瞬く間に一本勝ちを決めた凄腕の選手が現れたのだ。俺がその華麗な剣さばきに内心感動していると見知らぬ制服を着た薄気味悪い笑顔を浮かべた女が一振りの竹刀を差し出し、一言こう告げる。

 「ひびきの高校の穂刈純一郎、私が発明したこの自動追撃システム付の竹刀を使いなさい。これなら絶対に勝てるわ」なんて不謹慎な女だ(怒)、当然そんな申し出は断る。

 「そんなスポーツマンシップに反した卑怯な真似ができるか!」

 「勝てばなんだっていいじゃない、私にはそんなモノ関係ないわ」何て言い草だ、この女。

 「とっとと失せろ!」激昂する俺にしつこく自分の竹刀を押し付けてきたこの女に鶴の一声がかかる。

 「紐尾さん止めなさい、先生呼ぶわよ」さっきの試合で一本勝ちを決めた女子選手だった、穏やかだが強い口調で身勝手女に詰め寄る。

 「ナニよ藤崎さん、教師相手に私がびびると思ってる訳?」

 「じゃあウチのお姉ちゃん呼んじゃおっかなあ?」

 「ヒィ!」紐尾と呼ばれた女子は顔が真っ青になり一目散に逃げていく。そして出口の扉でコケる、思わず吹き出してしまう俺だった。

 

 ~忍視点~

 純と高坂を除くあちしら仲良しグループはそれぞれの試合後、文化部メンバー&高坂と合流した。純の応援をしようと剣道部のエリアに向かう、詩織ちゃんの事も気になるしね。

 アラ?紐尾じゃないの、何でアイツがここにいるの?それにしても随分慌てて走っていったわね。しかも青い顔してどうしたのかしら?

 

 剣道部の試合が行われている体育館で純を発見すると詩織ちゃんと一緒にいた、ナゼか純に頭を下げられている。

 「オーイ、純」

 「あ、忍か」

 「忍ちゃん、知ってる人?」詩織ちゃんに尋ねられたのでお互いを紹介した後、事の経緯を聞いたあちしはソッコーで逃げようとする。

 「大丈夫よ。お姉ちゃんがいるっていうのは嘘だから」あ~良かった、ハッタリだったのね。ホント心臓に悪いわ、勘弁してよね詩織ちゃん。

 

 

 

 

 

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