ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
のんのんびより原作、もうすぐ終わりますね。ちょっと淋しいです。
オリ管理者が1人しか思いつかなった……結局化け物2匹を両方出すハメに
( ̄□ ̄;)
翌日。朝食を済ませると忍は花桜梨と2人で首里城跡へ見学に行った。
忍
「うわっ、真っ赤!」
花桜梨
「写真では見たけど、実際目にするとスゴい……よね」
忍
「……どうしたの?」
花桜梨
「うん。それほど昔の中国っぽくないなと思ってたの。ホラ、忍君達パラレルワールドの三国志時代に飛ばされたって、話してたよね。リアルなその時代の建造物とか見ていたんでしょ?」
忍
「うふふっ、時代が違うわよ。琉球王国の設立は1492年って云われてるけど、三国志の時代はそれより1000年以上も昔よ」
花桜梨
「……そうなの?ヤダ、何か恥ずかしい」そういう花桜梨の顔も首里城のように真っ赤になった。
忍
「分からなくもないわ。中国に限らず地球の文化とか科学って、19世紀ぐらいから急発展したもの。それまでは過去と未来にあまり差はなかったんじゃないかしら?」
花桜梨
「ねえ……?」
忍
「なぁに?」
花桜梨
「……ううん、何でもない」正直花桜梨は建造物とかどうでもよかった。それより少しでも忍と2人っきりになりたかった。そして彼がその世界でどんな女性と出会い、どんな恋をしたのかが気になっていたが、それを口に出しかけて止めた。
花桜梨
(忍君……やっぱりあっちに好きな娘居たの?)と、問い詰めたかったが花桜梨にはその勇気がなかった。
忍
「そろそろ戻りましょ」忍は花桜梨の肩を抱く。2人足並みを揃え、首里城を出ていこうとした時だった。
??
「オッス!」2人に声をかける者が居た。周りをキョロキョロ見渡すが人影はない。
??
「オイ!こっちだこっち」声がする方を見下ろすと、10才ぐらいの少年が仁王立ちしていた。
??
「やっと気づいたか」
花桜梨
「……この子、忍君の知り合い?」
忍
「いえ、知らない子よ。あなた誰?」忍の問いかけに少年はあっけらかんとして答える。
??
「オラ悟空ってんだ」
忍
「悟空って……西遊記の?」顔立ちはそうでもないが、言われてみれば雰囲気はどことなくサルっぽい。
悟空
「サルじゃねえぞ。オラ、あの外史の管理者の一人だ」
忍
「えっ、じゃあ貂蝉や卑弥呼の仲間?可哀想に……」
悟空
「まあそう言うな(笑)。あれで結構良い奴らだぞ……変態だけど」
花桜梨
「何の話?」
忍
「あとで説明するわ。ところで悟空だっけ?……あなたはどうしてこの時代に?」
悟空
「ああ。左慈と于吉のクズ共の
忍
「そう……仗助やれんちょんには会ったの?」
悟空
「イヤ。そっちは多分他の奴が行ってんじゃねえかな?」
忍
「そう。まあ良いけど……」忍がそう返すと、悟空と名乗った少年は何処かへ消えていった。そして花桜梨は再び忍に肩を抱かれるも、その手をそっと振りほどく。
花桜梨
「……ねぇ」
忍
「アラ。お嫌だったかしら?」
花桜梨
「手……繋ぎたい」花桜梨にしては精一杯の勇気を出して忍へ告げる。
忍
「ええ。勿論♪」忍は花桜梨の肩から手を離して差しのべる。2人は改めて仲良く首里城を後にした。
~シュノーケルチーム~
その頃、楓、夏海、ひかげ、れんげと億泰は港でボートに乗り込んだ。
ひかげ
「いつの間にかシュノーケル行く事になってたか分からんけど……やべー楽しみ♪」
夏海
「でしょー?運良ければ、マンタ見られるらしいよ」
ひかげ
「マンタかー。おーっし絶対見るぞー!」昨日はまだ耳がおかしかったので、適当に相づちを打っていた割にノリノリのひかげだった。
れんげ
「イルカにも会えるん?」
億泰
「運が良けりゃな」ボートが順調に進みシュノーケルスポットまで来ると、早速海にもぐる一行。れんげと楓と億泰は青い海の美しさにしばし見惚れていた。だが1人だけそれどころじゃない人間が居た……
夏海
「ひか姉!ひか姉!サンゴめちゃくちゃあるよ!」夏海が呼び掛けるが、ひかげの目は虚ろになっていて、顔色も悪い。まるで水死体のようになっていた。
夏海
「ん?あれ!?ひか姉どうしたの!?」
ひかげ
「おぼ……ヤバい……波酔いヤバい……」
夏海
「ひか姉しっかりしろぉーっ!」そんなひかげとは逆に水中を満喫しているれんげ達。
れんげ
「駄菓子屋!おっ君!魚居たん!」
楓
「おー居たな。ちょっと……もう少し向こうまで」
億泰
「あっちにマンタ、出たってよ」インストラクターがボートから呼び掛けていたのを聞いて、れんげ達に伝える億泰。
れんげ
「おっ君何が出たん!?」
億泰
「マンタだよ」
れんげ
「イルカじゃないん?」
億泰
「おう!でケェ魚。見に行くか?」
れんげ
「見に行くん!」
億泰
「よーし、俺についてこい!」
楓
「あっコラコラッ、2人だけで行くな!」3人は再び海中に潜り、マンタが近づいて来るのを待つ。そして……彼らの下を通りすぎていくマンタ。
れんげ
「マンタ……スゴいん……!」
億泰
「ウォー!マンタかっけぇーっ……!」感動しているれんげと億泰の様子を、少し離れたところから見ていた夏海はひかげを励ますが、一向に効果はない。
夏海
「うぉっ、マンタ出たの!?ひか姉、マンタ出たんだって!」
ひかげ
「そう……なんだ……プオッス……飛行機の時といい……波酔いといい……私の三半規管ダメかもしれない……」
夏海
「早くしないとマンタどっか行っちゃうって!!マンタ見たいって言ってたじゃん!」
ひかげ
「……マンタ……?知らねーよ……そんなのよりビニール袋流れて来ないの……?」
夏海
「え?ビニール袋って……う、うわぁぁーっ」
??
「ったく……情けないわねぇ……」とても他所にお見せ出来ない姿のひかげの傍らに、ハゲで後ろ髪だけをお下げにした、見るに耐えない化け物が居た。さっきまでひかげを介抱していた夏海も思わず口を両手で押さえ、吐き気を我慢しようとしたが……ムダだった……。
億泰
「……!(ブクブク)」その見た目があまりに衝撃的すぎて、海中で気絶する億泰。すぐに駆けつけたインストラクターによって事なきを得たが、目を覚まして再び化け物と目が合うと、また気を失った。
れんげ
「おっ君死んだん!?」
楓
「いや……死んではいないだろう。つーかあの化け物は……確かれんげが絵に描いていたな」
れんげ
「そうなん。おーい!ダルマのおっちゃーん!」お分かりだろうが、化け物の正体は貂蝉だった。
貂蝉
「ハァーイ♥️久し振りね」どう取り繕ってもれんげが呼び方を変えないので貂蝉もやむを得ず、れんげにだけはおっちゃん呼ばわりを許していた。
海から上がり、三國志世界での思い出話に花を咲かす2人。旧友?との再会にれんげはハシャいでいるが、楓は目の前の化け物を警戒し、胃の中の物を全て逆流させた夏海とひかげは、貂蝉が視界に入らない場所でダウンしていた。
楓
「お、おいれんげ……大丈夫なのか?バイ菌とか
れんげ
「駄菓子屋……いくら何でも失礼すぎるん」
楓
「そ、そうだよな……」
れんげ
「素手で触ると、全身に毒が回って死ぬん!」
楓
「お前の方が失礼だろ!」
貂蝉
「そんな訳ないでしょ!?……相変わらず口の悪い子ねっ!」
れんげ
「仗助のおっちゃんほどではないん」漫才のようなやり取りを繰り広げるれんげと貂蝉。億泰はいつでも攻撃出来るよう、スタンド『ザ・ハンド』を展開している。
れんげ
「おっ君……ダルマのおっちゃんにはスタンドも効かないんよ?」
貂蝉
「あらん?この子もスタンドを使うのね」
億泰
「マジか!?じゃこいつもスタンド使い……」
れんげ
「そういう訳でもないん」
億泰
「どういうこった?意味分かんねー……」そのあとしばらく世間話をしていたが、やがて貂蝉から永遠の別れを告げられる。
貂蝉
「……まあとにかく、元気そうで安心したわ……もう会う事もないでしょうけど」
れんげ
「そっかぁ、これでサヨナラなんなー」
貂蝉
「ええ。貴方達に幸多からん事を祈っているわ」最後にそう言って貂蝉は空気に溶け込むように消えていく。れんげは貂蝉が立っていた場所に手を振り続けていた。
れんげ
「ダルマのおっちゃーん!バイバイなのーん!」文章で読む限りでは感動のシーンかもしれないが、
~カヤックチーム(仗助視点)~
カヤック乗り場に向かう一穂さん、このみさん、小鞠、螢、俺と他1名。
小鞠
「うわー。カヤック乗り場に行く前からジャングルみたいだ。変な虫とか居ないかなぁ……」こいつ虫苦手なのか。れんげなんか虫大好きなのにな。
螢
「だ……大丈夫ですよ、きっと」虫居たら見つけたられんげに自慢してやれよ?あいつきっと羨ましがるぜぇ。
一穂
「ほれ3人共。立ち止まって他の人の邪魔にならないようにしろよー」
このみ
「おー。何か、かずちゃんが教師っぽい……」
一穂
「いや。まあ教師ですし」そういやこのみさんは先生って呼ばないな。
このみ
「かずちゃんが分校教師に赴任した頃、私はもう卒業していたからねー」あー……一穂さんってれんげと結構年齢離れてたな、俺達ほどじゃないけど。とか何とか会話しながら進んでいくと、大きめの湖が目の前に現れた。
小鞠
「あ。カヤック乗り場ついた?」
インストラクター
「皆さーん。パドルは両肘が直角になるように持って下さーい。あとカヤックは1人用の物と2人用の物がありますので、カヤックを選ぶ前にお申し付け下さーい」一通りレクチャーを受けてから、俺達はカヤックを選ぶ事になったが……
一穂
「カヤック2種類あるのかー。1人乗りの方がバランス取りやすいらしいから、1人乗りにする?」と、尋ねる一穂さんの言葉に重ねるように小鞠が宣言した。
小鞠
「2人乗りが良い!」
一穂
「………」
小鞠
「2人乗りが良い!」そんな必死に主張する事でもねえだろうに。
一穂
「……2回言わなくても聞こえているよ」
小鞠
「だって1人だと怖いというか……ひっくり返った時、助けてもらえないし……」
このみ
「いや。ひっくり返ったら、もう1人も水に落ちちゃってるんだけど……」結局巻き込まれるだけだろうがよ。こいつ中身っつーか実年齢以外、見た目含めてほぼ小学生だな。
小鞠
「蛍。一緒に乗ろうよ」
蛍
「はーい」
このみ
「じゃ私と乗る、仗助君?」このみさんと2人でか……悪くねぇ、つーか嬉しいが……
仗助た
「いや。1人で乗るっす」ああぁ~っ!……ったく俺はバカか?こんな風に変に意地張っちまうから、上手くいかねぇんだ!
結局このみさんはメガネと組んで、2人乗りのカヤックに乗ろうと決めたようだ。一穂さんと俺はそれぞれ1人乗りのカヤックを選んで湖へ漕ぎだした。
~視点なし~
各カヤックは順調に湖を進んでいた。小鞠と蛍は水面に群生する木を見つけた。
小鞠
「あの木なんか変わってるねー、あれ何だろ?」
蛍
「えっと……マングローブでしょうか?」
小鞠
「もうちょっと近くで見てみよっか」
蛍
「あ、先輩。あんまり近づきすぎると……」
小鞠
「え。あ、ちょ、ちょっと方向転換しないと……」
蛍
「ま、待って下さい。急に方向転換は……」蛍の心配した通り、カヤックの先端がマングローブに引っ掛かってしまった。
小鞠
「うわっ、カヤックが枝に挟まった!ど、どうしよう取れないっ!」小鞠は近くを渡っていたこのみに助けを求めたが
小鞠
「このみちゃーん。引っ掛かちゃったー!助けにきてー!」
このみ
「えー!?流れのせいでそっちには行けないってー」
小鞠
「そ、そんな~……」とんだ足止めを喰らった小鞠と蛍の前に、貂蝉に勝るとも劣らぬ化け物が水面から現れた。
小鞠
「ギョエ~!」
蛍
「キャーッ!」恐怖のあまり絶叫する2人の声を聞いた仗助が、全速力でカヤックを漕いで駆けつけた。
C・D
「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラーッ!」クレイジーダイヤモンドで化け物を殴る仗助だったが、その拳は全て受け止められてしまう。
仗助
「卑弥呼!手前ぇ~……何しに来やがった!?」卑弥呼と呼ばれた化け物は指を加えながら、残念そうな表情でいけしゃあしゃあと話し出す。
卑弥呼
「何じゃい……せっかく愛しいだぁりんの顔を見に来たのにのぅ」熱っぽい視線を自分へ送る爺ぃに青褪める仗助。
仗助
「……とりあえず死ねぇーっ!ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラーッ!」再びクレイジーダイヤモンドを仕掛ける仗助。だが今度は卑弥呼を直接攻撃はせず、小鞠達が枝に引っ掛かったマングローブを粉砕していた。
卑弥呼
「ん?ワシを討たんのか。流石はマイだぁりん……」
仗助
「……手前ぇは黙ってそこまで行け」仗助は顎でマングローブの残骸を示して卑弥呼に告げると、一連の様子を見ていた一穂が、小鞠達の側にカヤックを寄せる。
一穂
「うぃ。みんなとはぐれないように早く行こっかぁ……あ、仗助君。その化け物さんは任せるよ」
蛍
「あの……良いんですか?マングローブ、粉々ですけど……」
仗助
「ちゃんと元に戻せっから問題ねえよ」
小鞠
「まあ……私達に害はなさそうだし」3人は逃げるように仗助と卑弥呼を置いて先を急いだ。
卑弥呼
「初対面のワシを化け物呼ばわりとは……随分失礼な娘っ子じゃのう……」一穂に愚痴りながら言われた通り、マングローブ跡へ向かう卑弥呼へ皮肉を込めて、怒声を飛ばす仗助。
仗助
「……んなの当たり前だろうが!犬を犬呼ばわりすんのと同じだっ!」卑弥呼がマングローブ跡の中間にきたのを見計らい、元に戻す仗助。
卑弥呼
「なっ?オイ、だぁりんよ!何をするんじゃ!?」
仗助
「その呼び方ヤメろ!」……そしてあっという間にマングローブと一体化してしまった卑弥呼へ冷めた視線を送ると、一穂達と合流した。
蛍
「何だったんですか、さっきの人?」
小鞠
「人っていうか……化け物だったよね」
仗助
「……後で説明する。民宿に戻ってからな」
一穂
「あ~。なら夕食前にしてくれるかな?」貂蝉もそうだが、食後には思い出したくない存在である。
……余談だがその夜の日付が変わる頃、マングローブと融合させられた卑弥呼は自力で分離するのに成功して、そのまま帰還したらしい。
次回は仗助、忍♥花桜梨、億泰があおいとどう絡むか?……つーかそこまで話進むかな?
( ̄ヘ ̄)
〆