ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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 更新がかなり遅くなりましたm(..)m
のんのんびより、いよいよアニメも終わる……いっそBD買っちゃおうかなぁ?


第6話一穂が燃え尽きた

~仗助視点~

 

 卑弥呼をマングローブに封印してる間に結局、1人っきりになってしまった俺は一穂さん達が待つ休憩ポイントに向かう。

このみ

「あ、仗助君。大丈夫だった?」

一穂

「化け物さんはどうなったの?」

仗助

「マングローブに封印してきたっス。まあ……あいつなら自力で脱出出来るっしょ?」ここで卑弥呼の話題は打ち切りになった。ま、誰も好んでヤツの事なんか蒸し返したくないだろうしな。

小鞠

「こっから山登るんだっけ?」

このみ

「滝のトコまで登るみたい。インストラクターさんがご飯用意してくれるって」

仗助

「そうっスか」俺はパウチのポカ◯を飲んで一息つく。それを見た小鞠が思い出したように言った。

小鞠

「そういえば私、自動車の中にお茶忘れてきちゃった」

このみ

「え?飲み物持ってくるように言われてたじゃん」何やってんだ、こいつは……ったく。マジでれんげの方がよっぽどしっかりしてやがるぜ。

「えっと……私もお茶忘れてきちゃいました」オイ、お前もか?言っとくがクレイジーダイヤモンドだって、忘れ物は取って来れねえぞ?俺が呆れていると一穂さんが手にペットボトルが2本持っているのに気づいた。

一穂

「お茶……?お茶なら2人共忘れてたみたいだから持ってきたよ」

小鞠

「え、ホント?」

一穂

「あと、疲れた時用に……飴と冷却シートも」今日の一穂さん、意外にしっかりしてんな。前にれんげのスタンド騒動*1で会った時はもっとダラけたイメージあったけど。一穂さんは小鞠達にお茶と飴を手渡すと俺にも飴をくれた。

一穂

「仗助君も飴要る?」

仗助

「ありがとうございます」俺もお言葉に甘えて一粒だけ飴を貰って口に放り込む。

ツアーガイド

「お待たせしましたぁ。今から出発しまーす」ガイドの人が俺達を含むツアー参加者達に、今から頂上まで向かう事を知らせてきた。

 マングローブが生い茂る中を登り頂上に着くと、俺達の目の前に絶景が拡がる。

仗助

「おおっ、こりゃ壮観だな」轟音を立てながら流れる滝を見て、柄にもなく興奮する俺。小鞠と蛍も感動を抑えきれないようだ。

「すごーい!ここまでしぶき飛んできてますよ」

小鞠

「あれだ。マイナスイオン!マイナスイオンってやつだっ!」……小鞠よ。俺も詳しい訳じゃねえが、それはなんか違うんじゃねえか?

 

 インストラクターからメシが出来るまで、滝壺を泳いでも構わないと許可が下りた。

仗助

「……だとよ。行ってみっか?」

小鞠・蛍

「「はいっ!」」俺は小鞠と蛍を連れて滝壺の中を進んでみる。水は冷たいが、この沖縄の暑さを考えるとむしろ気持ちいいぐらいだ。

小鞠

「うおっ!冷たーい♪」

「これだけ冷たいと、急に泳いだら身体に悪いかも……」

仗助

「そうだな。少し身体を水に慣らしてから……」その時俺の目の前に、何かが勢いよく落下してきた。そのデカい水しぶきを浴びせられ、俺達3人は全身水浸しになった。

 落下……もとい滝壺に飛び込んできたのは一穂さんだった。滝壺の底から顔を出し、立ち上がるとやけに良い笑顔を向けてくる。

一穂

「冷たくて気持ちいいっ!」

小鞠

「何だぁ、かず姉か。ビックリさせないでよ……」

一穂

「いやぁ、ゴメンゴメン」

小鞠

「でもアレだね。今日のかず姉、いつもと違うね」

一穂

「えっ、そう?」

小鞠

「カヤックの時も助けに来てくれたし、山登りの時もちゃんと準備しといてくれてて。頼りがいあったし」

「今も何か、アクティブですもんね」

一穂

「ん~……何だろうなぁ~?こういう陽気な気候に居るとこっちも陽気になるっていうか……童心に戻ってハシャイじゃうのかなぁ~?」

小鞠

「とか言って……帰り道でヘバらないでよ」オイオイ……そのセリフはフラグじゃねえか?

一穂

「大丈夫大丈夫。今のウチはパワーに溢れてるから」だからフラグはやベェって……

このみ

「かずちゃ~ん!かずちゃん写真撮ってあげるから、ポーズとって」このみさんの方を振り向いた一穂さんは、シャッター音に合わせて親指をサムズアップしたポーズをバッチリ決める。

 

~視点なし~

 

 首里城を後にした忍と花桜梨は夕方、シュノーケル班と平久保崎灯台前で合流した。れんげは一生懸命に灯台を描いている。そこへ仗助から忍のスマホに電話が掛かってきた。

 

~忍視点~

 

 仗助によれば、なんでも一穂さんがバテて港のベンチから動かないらしいの。ひかげに頼まれて電話を代わると、

ひかげ

「うん、もしもし。あぁキツく言ってやって良いよ」と伝えて切る。しかし一穂さんが動けないとなると、運転手が楓さんしか居ないわね。あちしかれんちょん、億泰君が仗助のボタンとか預かってれば強引にこっちへ引っ張り込む手立てもあったのに。まあ、それはそれで色々と騒動にもなるでしょうけど。

ひかげ

「このみからも写真送られてきた。姉ちゃんのビフォーと……アフター」ひかげのスマホには良い笑顔でサムズアップしている姿と、明○の○ョーみたく、ベンチで項垂れている対称的な一穂さんが写されていた。

「……勘弁してくれよ」

億泰

「あいつら港着いてるんだったら、こっちも写真撮って帰っておくか」

「そうね……れんちょん。灯台の絵、描けた?」

れんげ

「描けたーん!」

「よーし。最後に写真撮るぞ」その後、みんなで灯台をバックに記念撮影すると、楓さんとあちしでカヤック班を迎えに行ったの。自動車を降りてからは、仗助と男2人で一穂さんに肩を貸して担いで民宿に戻ったわ。

あおい

「お帰りなさーい!」玄関を掃除していたあおいちゃんがあちし達を出迎えてくれた。

 

 その夜。夕食を摂りながら、それぞれ今日の出来事を報告し合った。どうやらあの(・・)変態コンビがこの地まで現れたようね。仗助は顔を(しか)めながら、れんちょんは嬉しそうに話し出したわ。食事中だから口には出さず、スタンドを介してだけど。

 

C・F

(ダルマのおっちゃんにも会ったん!)

J・B

(ちょっと……食事中に止めなさいよ)

C・D

(俺らントコにも卑弥呼が来たぜ)

C・F

(しのぶんトコには誰も来なかったん?)

J・B

(来たわよ。あいつらの仲間を自称する男の子が)

C・F

(おっちゃん達、他にも仲間が居たんなー)

C・D

(そいつぁどんな化け物だ?)

J・B

(いえ。見たところ10才ぐらいの、普通っぽい男の子だったわよ)

億泰

「お前ぇら……なんでさっきからスタンドで会話してんだよ……?」

仗助

(聞かれたくねえからだよ)

れんげ

(おっ君も言っちゃダメなん)

(秘密厳守で頼むわよ)

T・H

(分ぁったよ……)億泰君もザ・ハンドを展開して答える。他のみんなはあちしらの会話は敢えてスルーしていたわ。実際、スタンドの存在は知ってても実際に目にするのはムリだし、会話も聞こえてないしねぃ。だから化け物2人の話はさっさとお終いにして、普通に海やマングローブ、首里城の話にシフトしていったわ。

れんげ

「でなーっ!海の中見たら、珊瑚いっぱいだったん!」

「へぇ。良かったね♪」

れんげ

「あとマンタも見たん!」

億泰

「おう!スゲかったなぁー、マンタ!」

このみ

「マンタって……あのデッカくて平べったいヤツ?」

れんげ

「そうなん!……でもイルカは見えなかったん。やっぱりイルカ見たいん。でないと絵が完成しないん……」それは残念だったわね。今度杜王町やひびきの市の水族館に連れてってあげようかしら?けど、この場合野生じゃなきゃ意味ないのよねぇ……

小鞠

「でも明後日には帰るし……見られるかな……?」

夏海

「明後日……か……」

あおい

「……明後日には帰っちゃうんですね」給仕をしていたあおいちゃんがいつの間にかあちしらの席近くに立っていて寂しそうに呟く。

夏海

「あ、うん……当たった旅行、3泊4日だから。デパートの福引きでこの旅行当てたんだ、兄ちゃんが」夏海ちゃんに指されて頷くメガネ君。相変わらず無言ね。

あおい

「へぇ良いな。ウチはそういうの当たらないから。あ、当たらないですから」

夏海

「別に敬語じゃなくて良いって」

あおい

「うん!でもデパートが近くにあるなんて良いね。この辺デパートとかないから」

れんげ

「うちの方も自動車ないとデパート行けないん」

夏海

「山とか川とか畑ばっかだよ」

億泰

「俺らんトコも昔はデパートあったけどな」

仗助

「ああ。潰れてショッピングモールになっちまったな」

「あちしらんトコも、昔ながらのデパートって見なくなったわね」

あおい

「皆さん住んでる場所違うんですか?」

仗助

「俺と、このバカ面の億泰は東北のS県。杜王町ってトコだ。そんでこのカップルが……」

億泰

「誰がバカ面だ!?」

れんげ

「バカ面じゃなくてバカなん!」

億泰

「そうそう……ってオイ!」

「こら、れんちょん。ホントの事言っちゃダメでしょ?」あちしも調子に乗って煽る側に回る。アラ?億泰君をフォローする人は誰も居なくなったわね。

小鞠

「……れんげも結構口悪くなったよね」

花桜梨

「忍君も……普段はこんな人じゃないんだけど」そう言われても億泰君って、ある意味無垢だから誂い( からか )甲斐があるのよね。あおいちゃんは勿論、他の面子も苦笑いしてるけど知ったこっちゃないわ。

「東京のひびきの市から来たのよ」

あおい

「へぇ、東京か……それぞれどんなトコなんだろう?」

れんげ

「見せてあげるん」

あおい

「へっ?」

れんげ

「部屋にスケッチブックあるん」

「れんちゃん、色々絵描いてたモンね。杜王町やひびきの市の風景とかも」

億泰

「絵で伝わるか?生憎写真とかねえけどよぉ……」

仗助

「れんげの絵なら問題ねえ。画力だけなら露伴の上をいくしな」

億泰

「プロ以上って!?……どんなガキだよ……?」

れんげ

「こんなガキなん」億泰君の前に身を乗り出すれんちょん。自分でガキとか言ってりゃ世話ないわね(笑)。

夏海

「あっ、じゃあ部屋に遊びにおいでよ!」

ひかげ

「今日は私、大人用のベッドで寝るし。そっちはそっちで好きにやりな」

仗助

「俺達もジャマして良いか?」

あおい

「あー……じゃあ、お母さんが良いって言ったら、ちょっとだけ」その後女将さんの許可を得たあおいちゃんと子供部屋でしばし、トークを楽しむ事になったわ。

 

 れんちょんの描いた彼女達の村の風景に感激しているあおいちゃん。

あおい

「何か素敵な所だねえ♪」

れんげ

「これが学校で、こっちが具!」やけにリアルに描かれたタヌキの絵をあおいちゃんに突きつけるれんちょん。

あおい

「ぐ?」

れんげ

「タヌキの名前なん。あと……」スケッチブックを捲り次の絵を披露する。そこにはあの場所(・・・・)が描かれていたわ。

れんげ

「これが1800年前の蜀なん!」

あおい

「しょく?」

仗助

「……れんげ。その話はよせ」

「関係者以外にやたら話すモンじゃないわよ……」まあ尤も、あちしらがかつてその時代に居たなんて言っても信じる訳ないでしょうけど。

小鞠

「そ、それよりさ。れんげ、杜王町やひびきの市の絵も描いたんでしょ?見せてよ」どうにか上手く話題が逸れたわ。小鞠ちょんGJよ!

 

れんげ

「んで。これが沖縄にくる前に描いた絵なん」れんちょんは再び自分ん家の近所を描いた絵をあおいちゃんに見せていた。

あおい

「うちの近くにもこんな木ぃがあるよ」

れんげ

「おー!その木にウチの絵見せてあげたいん!」

夏海

「明日は自由行動だっけ?どこか面白そうなトコある?てか、一緒に行こうよ!」この旅行で夏海ちゃんとあおいちゃんはスッカリ仲良くなったみたいね。

あおい

「あー……案内してあげたいけど、午前中は宿のお掃除があるし……ゴメンね」まあ仕方ないわね。けどせっかくだから1日ぐらい一緒に居られる時間があっても良いような気もするのよね……何か妙案はないかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
本作品基本世界を描いたオリジナル未来編『スタンドを得た』とは別のストーリーがあったと解釈して下さい




アニメとの違い(前回含む)
・首里城編は完全オリエピ。
・小鞠と蛍のカヤックがマングローブの枝に引っ掛かかった時、一穂が枝をずらして救助→卑弥呼登場で仗助がマングローブを破壊したので、その間に脱出。
・ダウンした一穂を担ぐのは楓とひかげ(原作にはない)→仗助と忍。
シュノーケル編はひかげがリバースして終わり→その後貂蝉登場。
・れんげは夕食時にマンタの件などをみんなに話す→スタンドを介して、先に貂蝉の話をする。
・れんげは自分の田舎や具の絵をあおいに見せる→更に1800年前の蜀の絵も見せる。

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