ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
11月半ばの平日、バイト帰りのあちしはいかにも柄の悪そうな男共が一人の綺麗な女性を取り囲むのを目撃した。男共は女性の体をいやらしく触りながら脅すように話し、選択を迫る。
「金が出来ねぇなら体で払ってもらおうか」
「なーに、これだけの上玉だ。借金くらいすぐに稼げてお釣りがくるぜ」ニタニタと下卑た笑いを浮かべて女性にセクハラしまくる男共、あちしは深く考えもせずほぼ反射的に飛び出してお馴染みのバレエ拳法でそいつらをぶちのめす。
「ありがとうございました」女性はあちしに頭を下げる、つい胸元に目がいっちゃったわ。たわわに実る
念の為、彼女が住むというきらめき市まで送っていく事にしたわ。道すがら聞くところによるとお父さんが借金残して亡くなって家はあまり裕福じゃなく下に弟が六人もいるそうよ、あちしには苦労が測りかねるけど頑張ってほしいわね。
~鏡美羅視点~
昨日、危うく売られそうなところを助けてくれたあの人。あの日以来私はずっと彼の事が気になっている、せめて名前だけでも聞いておけばよかったわ。後悔の念に駆られながら母のメーク道具を少し拝借して化粧を施して登校する、これもスッカリ習慣づいたわね。そして放課後はいつも親衛隊に囲まれて過ごす、私にとってこの時だけは普段の生活を忘れられる至福の一時なのよ。ホント男ってバカね、アッ勿論彼だけは別よ。
「鏡さん、今日はいつもの時間でよろしいですか?」親衛隊の一人、藤崎君だったかしら?が私に確認する。
「30分程遅れると伝えてくれるかしら?」
「はい、鏡さん!」そして土曜日。彼の情報を集めようと先日の商店街を歩いていると意外にアッサリ見つかった、レストランか喫茶店のウェイターの姿で女の子と一緒に何やら買い物をしているようね。でもこの辺の飲食店って今日はお休みのハズじゃないかしら?大きく深呼吸をして話しかけようと彼のそばに駆け寄る。
~忍の弟視点~
我がきらめき高校のマドンナである鏡美羅さんの様子がおかしいと親衛隊の幹部を務める先輩から俺達下っ端に告げられる。極秘に調査を進めるとどうも一人の男に心が傾きつつあるらしい、これは由々しき事態だ。
「我らの鏡さんをどこの馬の骨ともわからんやつに奪われる訳にはいかん!」
「その男を見つけたら二度と鏡さんに近づけさせぬように!」
「「「エイ、エイ、オー‼」」」隊長の音頭で全員
そして土曜日、今日は俺が例の男の探索を任された、とりあえず鏡さんの後をこっそりついていく。断じてストーカーなどではない!
商店街に入った鏡さんのが急におかしくなった、顔を赤くして何やらモジモジしている。さては奴がいるのか?鏡さんの視線の先を双眼鏡で確認すると…
「あ、兄貴じゃねぇか?!」
~茜視点~
ランチタイムが一段落しておじちゃんが食材の在庫チェックする。
「茜ちゃん、野菜がちーとばっかし足りねぇ。忍君と仕入れてきてくれ」この時間は大概暇だからボクは藤崎君と商店街に出向いて八百屋さんでキャベツなんかを購入した、お店に戻ろうと踵を返すと
「すみません…」誰かが話しかけてきた。振り向くとスゴい美人がいて、藤崎君にお礼を言ってる。どうやらこの前悪い連中に襲われてそこを助けてもらったみたい、彼優しいモンね。
~忍視点~
先日助けた女性に遭遇したわ、そしてまたお礼を言われた。別に気にしなくてもいいのに、あちしは
「無事ならそれでいい」と言い残して茜ちゃんとねこやに戻る。ところでさっきから彼女にストーカーまがいの事をしているあのバカは間違いなくウチの弟ね、バイト終わって家に帰ったら事情聴取してぶん殴っときますか。あちしは誰にも気づかれないようにハァー、とため息を吐いた。
親衛隊バカ過ぎる……。