ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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伊集院家の威光も流石に異世界には及ばないようです。


第32話お嬢様VS女王様

 ~メイ視点(前話の続き)~

 「君達、何してるの?」その声には怒気が籠められていた、メイをこれ程怯えさせるのは婆や以外では初めてなのだ。

 「どうしたんだい?茜ちゃん」後ろからここの主人らしきジジイが出てきた、事情を聞いたジジイはメイ達を中に招かれ正座させる。

 「気に食わんからといって店壊されちゃたまんないな、お嬢ちゃん」2人してジジイに説教されるハメになったのだ。

 それにしても何なのだ、この店は?まず客達が奇妙過ぎるのだ。蜥蜴にライオンにちっこいババアに侍にどっかの王様にと、そいつらが皆一斉にメイを敵意の眼差しで見つめているのだ!

 「な、何なのだ?貴様らこのメイを伊集院家の者と知った上での態度か?」

 「知らんなぁ」カウンターに座っていたもう一人の白髪のジジイが呟くとメイに進言してきたのだ。

 「命乞いをするなら早い内が良いぞ。店を壊そうなどと企んだ以上、間もなくあやつ(・・・)がお主を成敗しにくるであろう」あやつとは誰の事なのだ?メイが混乱しだすと今度は全員が可哀想な生き物でも見るような目を向けてくる。

 

 ~忍視点~

 扉越しに力強い翼の羽撃く音が聞こえるわ、あのお客さんがきたのね。

 「いらっしゃいませ、今日はお早いですね」あちしはいつも通りそのお客さんを出迎える。

 「今日はまだ仕込みの途中でさ」おじちゃんも涼しい顔で対応する。

 「ウム、それは承知しておる。それより妾の縄張りたるこの店を壊そうとした不届き者はどいつじゃ?」嘘をついてもどうせすぐバレるからあちしは正直に床に正座している伊集院妹を指差す。

 

 ~再びメイ視点~

 藤崎がメイを指差すと頭に角を生やした色々なところがデカい女はメイと咲ノ進の襟首を掴んで

 「では店主、夜に改めて参る」そう言って店の扉を開けて出ていく、ただその先はメイ達がいた場所じゃなかったのだ。どこかの山の奥深い、明らかに日本ではない遥か彼方にやってきたようなのだ。メイ達が下ろされた地面は綺麗に馴らされていて周りには金額にしたら伊集院家の資産すら及ばない程の金銀財宝が無造作に積み上がっていた、やがてメイ達に女はこう告げたのだ。

 「ここはお主達から見て異世界じゃ、そしてあの店は妾にとってこの金銀以上の財宝。それを汚そうとしたのじゃから…」女は喋りながらその姿を少しずつ変化させていったのだ、口は裂け背中には翼が生えて紅蓮の炎の如く赤いドラゴンになったのだ!

 「お仕置きじゃ、今から黒焦げにしてやろうぞ」口から業火を吐き出すドラゴン、咲ノ進でどうにかなる相手ではないのだ。メイ達は業火から走って逃げる、野を越え谷を越え息が続かなくなるまで散々追い回されたのだ。

  「「ご、ゴメンなさ~い。もう2度としません、お許し下さ~い」」咲ノ進と2人、泣きながら土下座して謝った。

 「今回限りじゃ。再びあの店に近づこうものなら」人間の姿に戻ったもののドラゴンのままの瞳孔でメイ達をギロッと睨めつけると仕上げと言わんばかりに声を荒げて

  「解っておろうな!」

  「「ハ、ハイ!」」気が付くとメイ達は咲ノ進が運転する自動車に戻っていたのだ。

 「夢…?」しかし咲ノ進がやんわり否定してきたのだ。

 「もしそうであればメイ様と夢を共有できたのは光栄の至り、と申し上げたいところですが」夢でない証拠に着ている服はあちこち焦げてボロボロだった、それとあのドラゴンの鱗が一枚メイの懐に残っていたのだ。

 「メイ様、伊集院家の息女ともあろうお方がなんてみっともないお姿!しかも高校生にもなって。よりによってお、お漏ら…」屋敷に帰ると婆やが怒り出したと思ったら失神してしまったのだ、つまりエェーイ!これ以上は話せんのだぁ━━━━━━っ!

 

 ~再び忍視点~

 今年のクリスマスイブは日曜日でねこやもお休みよ、あちしは光ちゃんを誘い伊集院家のパーティーに向かう。途中で詩織ちゃん家できら高のみんなと待ち合わせてるのよ、赤井と一緒に会場入りしてくれる人も紹介してもらわないとねい。

 「お待たせ、忍ちゃん」さて、今年も伊集院家に乗り込むとしますか。

 

 

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