ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
2月の節分が近い土曜日、常連客で冒険者とかいう胡散臭い仕事をしている団体がやって来たわ。連中の中にいわゆる'鬼'がいて頼んだ料理には大豆(
「鬼なのに大豆食べるんだ」と呟く、吹き出しそうになるあちし。
「向こうにゃ節分がねぇだろうしな」おじちゃんが苦笑いしながら肩をすくめた。
高校生になって2度目のバレンタインを控えたある日、母がこんな話を振ってきた。
「ねぇ、忍ちゃんは誰かチョコを
「あちしは食べる専門よ」弟は弟で
「兄貴、俺にもチョコ分けてくれ」こいつにはプライドとかないのかしら?
そんなある日の建国記念日の事、特にする事もないので家の近所を散歩しているとジーンズのポケットに妙な違和感が走る。そこに手をやるとあちしお気に入りのキーホルダーがない!
「キキッ」チャリン、動物の鳴き声と金属音が聞こえる。その方角に顔を向けると一匹の小ザルがあちしのキーホルダーと戯れていた。
「ちょっと返しなさいよ、エテ公が!」取り返そうと格闘するも見事にかわされるあちし、小ザルごときがバカにすんじゃないわよ!
「デイジー、止めなさい!」女の子の声がしたわね、デイジーってこのエテ公の名前かしら?
「ご免なさい、ウチのデイジーが…」アラ、可愛い娘❤エテ公はこの娘のペットだったのね。あーんもうっ!そんな潤んだ
「そのキーホルダーはデイジーにあげるよ、勝利の対価さ」ま、お気に入りだけど自分で買ったヤツだしエテ公でもそのくらいの権利はあっていいわよね。
「あ、ありがとうございます。ホラ、デイジーもお礼を言いなさい」
「キキッ」お礼を言ってるみたいね、生憎サル語は理解できないけど。
「あの、これよかったらどうぞ」女の子が何かのチケットをあちしに手渡す。
「移動サーカスのチケットです、私も出演するので見に来て下さい」へえサーカスか、考えてみたら生で見た事ないわね。てかこの娘学校通ってないのかしら?
「ありがとう、是非見させてもらうわ」この辺の娘でもなさそうだったからあちしは言葉遣いを地に戻してそう告げる、彼女は少しビックリしたみたいだったけどこういう人種には慣れてるらしくて
「は、はい。お待ちしてます」笑顔を向けてそう返してくれた。
「そうだわ、名前きいてなかったわね。あちしは藤崎忍」
「私は野咲すみれと言います、当日にお会いしましょう」
「ええ、会いに行くわ」約束を交わしてその場は別れた。ところでこれペアチケットよね、一人で使うのはもったいないし誰を誘おうかしら?
話は戻りバレンタイン当日、朝一で光ちゃんからチョコをゲットしたわ。
「頑張ったんだけど美味しいかどうかわかんないよ、それじゃ」何か随分慌ててたわね。
「へへぇーっ。ちょっといい?」今度は美幸ちゃんね。
「何?俺にチョコくれるの?」そう言ったら苦笑いして
「あげるけどぉ、そーゆーのーデモクラシーがないって言うんだよぉ」デリカシーの間違いじゃない?
さて今年も匠の邪魔をしてやりましょ♪去年と同じくチョコを貰う現場に見知らぬ女子に化けて現れて言い掛かりをつけてやる、そしたら相手の女子が
「貴女、ホントに
「忍か。今廊下に大蛇が現れて大騒ぎにって、お前そのたんこぶはどうしたんだ?」アンタがやったんでしょ!とは言えないわよね、悪いのはあちしで純の判断は正しいもの。
今年の収穫は去年を上回ったわよ。光ちゃん、美幸ちゃん、美帆ちゃん、美緒ちゃん、水無月さん、彩ちゃん、朝比奈さんもくれたわ、1個10円のヤツ。家に帰ると愛ちゃんと八重さん、虹野さん、佐倉さんからも届いてた。詩織ちゃんはあちしだけじゃなく弟にも義理チョコとハッキリ伝えた上であげていた、テンション高い弟を見てあちしの心に隙間風が吹いた。