ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
やっと梅雨が開けて本格的な夏を迎えたわ、今年は高校最後の夏休みが控えているから受験やら何やらで遊んでばかりもいられないのよね。
とはいえ夏を楽しまないのも損した気分になるし海くらいは行きたいわね。なんてバイトの休憩中に考えていたら茜ちゃんが
「藤崎君て、陽ノ下さんと付き合ってるの?」とか聞いてきた、飲みかけていたお茶が変な気管に入ってムセるあちし。
「な、何言ってんだよ、誰からそんな事聞いたんだ?」
「えっ、ほむらだけど?去年のクリスマスパーティーに二人一緒だったって」赤井ったらもう、ウチの母なみに軽口なんだからぁ!いつかシメるわ。
翌日、あちしはいつになく一人でショッピング街にいた。部活で使ってるシューズが傷んでボロくなったから履き潰す前に買い換えにきたのよ、スポーツ用品のお店でお目当てのシューズを購入して帰ろうとしたら八重さんに会った。
「藤崎君、お買い物?」以前とは違う明るい笑顔で声をかけられる、この娘笑うとスッゴく可愛いわね。
「シューズを新調しにきたのよ、貴女は?」彼女はあちしがオカマだと知ってるし、今は他に誰もいないから素で話す。
「レッスン用のレオタードを見てたの、近くにお店があって」そういえばバレエで使うモノって普通は専門店しか扱ってないのよね、確かにここにも一軒あったわ、今のあちしは陸上競技の方が楽しいから気にも留めてなかった。
帰り道が途中まで同じ方向なので河川敷の脇を一緒に歩いているとまた変なのに因縁をつけられた。
「ウチの子分共や筋肉番長を痛めつけたヤツはお前か!」格好からしてこの前のデブの仲間かしら?背は随分小っこいけど。
「俺の名は四ッ谷甲二。人呼んで火の玉番長、筋肉番長の仇!かかってきやがれ!!」あ~も~メンド臭いわね!
そういう訳でまたしてもあちしは売られた喧嘩を買うハメになったわ。
「お控え・ナ・
「火の玉パンチ!」拳が燃えた?気をとられてたらまともに食らった、熱っ!まさかこいつもあちしと同じ
「あなた、本当にいいの?今は二度と取り返せないのよ」八重さんが説得しようと試みる、この手のアホはそんな事でどうにかならないわよ…って!
「チキショー!俺が馬鹿だったー!」ウソ効いてるの?けど今更後悔しても遅いのよ!
「あぁンの冬の空のぉ~っ、
「クッ!俺はまだ負けてねぇ!」アラ、意外にタフなのね。
ゴロゴロゴロ…何かが転がる音がすると思ったら火の玉番長とやら校庭や野外運動場を均すローラーを引っ張ってきた、そしてのしイカにされるあちし(泣)。
「奥義、重いコンダラ!」コンダラって何よ?それは整地ローラーっていうのよ!コンダラ
「藤崎!」
「八重さん!」佐倉さんに高坂?この二人も近くにいたのね、
「あ、あの小っこい先輩」高坂がヤツを指差す、ナヌ?あれ
「ゲッ。高坂?!」
「二年前、アンタが方々でカツアゲやってたせいで当時の野球部が全公式戦出場停止処分になったの…忘れたとは言わせねえ!」火の玉番長は高坂から怒り心頭のラリアートを食らい遥か彼方に吹っ飛ばされ星になる。空に消えていく人を久々に見たわね、三原さんみたく戻ってこられればいいけど。
「あ痛たたた…」今回は日頃の慢心が祟ったせいか苦戦したわね。
「大丈夫?」心配してくれるのね、佐倉さん優しい♪
「あのステップ、次の舞台に使えそう。是非教えて!」八重さん何言ってんの? ところで高坂は?
「これで他の先輩達の弔いはできたな」イヤイヤ高坂。野球部のOB方、死んではいないでしょ?
「ま、お前のおかげでスッキリしたぜ、立てるか?肩ぐらい貸すぜ」
「必要ねえよ」あちしは自力で立ち上がる。ヘタレ匠じゃあるまいしあの程度で動けなくなる程ヤワにできてないのよ、ただ明日の練習はキツくなりそうね。
-次の日-
「忍君、今日辛そうだけど何かあったの?」光ちゃんに尋ねられる、惚けようとしたら昨日の傷が急に疼いた。
「痛っ!」つい声にだしちゃったわ、見上げるようにあちしを睨む光ちゃん。
「保健室行くよ!」強引に連れてこられて事情聴取されるあちし、光ちゃんは聞きながら傷の手当てをしてくれたわ。
「あんまり無理しちゃダメだよ」
「はい…」
「ウン、分かればよろしい」光ちゃんはあちしの背中を叩く、でもそこは傷がある訳で。
「痛ってぇー」校舎にあちしの叫びがこだました。
[注釈1]現在ではコンダラの俗称もあるようです。