ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
ひびきの市のとある場所で三人の人物が集まりその内の二人が会話している、話しぶりから親分と子分といったところか。
「四ッ谷も倒されただと?ヤツめ、ただで済むと思うなよ。次はお前だ、確実に仕留めてこい!今すぐだ!」
「恐れながら。今日は土曜日、ヤツは姐さんとバイト先が一緒です。さすればバレるのは必至かと」
「グヌヌヌッ!では明日だ、明日にでもヤツを始末しろ!!」
「御意!!」
~忍視点~
夏休み最初の日曜日、あちしは両親の名代で詩織ちゃん家にお中元を届けにきらめき市にやってきたわ。無事に伯母に手渡してその帰り道、きらめき中央公園を横切ると二つの声があちしを呼び止めた。
「あ、あの…」
「よう!」愛ちゃんと匠じゃない。思い出したわ、詩織ちゃんから得た情報によると匠のアホ、今度は彼女に手をだそうとしてるらしいわ。さてどうやって愛ちゃんの目を覚めさせてあげようかしら?とか考えていたら
「ワンワン!」一匹涙のヨーキー犬が愛ちゃんの足元にじゃれている、可愛い。彼女のペットかしら?
「あーっもう鬱陶しいな、あっち行けよ」匠が仔犬にシッシッとする、愛ちゃんは悲しそうな顔でその犬を抱えあげると
「あの、藤崎さん。どこか場所を移しませんか?」匠はショックを受け項垂れる。何かのシンパシーを感じ合ったあちしと仔犬は二、三秒見つめ合う、そこへさらにメンドくさいのが割り込んできた。
デブとチビに続いて
「お前もヤツらの仲間か?」
「フッ。俺は神田秋葉、木枯らし番長と呼ぶ者もいるがな」あっ、名乗る機会与えちゃった、不本意だわ。
「じゃ、そういう事で」匠は某クレ○ン○ん○ゃんのようにスルーして去っていった、愛ちゃんはガタガタ震えてる。あちしはそっと肩を抱きヤツから引き離した。
「帰れ、お前に用はない」
「お前になくとも俺にはある。子分共の仇、覚悟してもらおうか」ハァー、仕方ないわね。
木枯らし番長との戦いが始まる。
「小手!」予想通り木刀を得物にしたこいつは適格で素早い攻撃をしかけてくる。しかも木刀のリーチ分だけ間合いもとりづらいわ、これは直球より変則的な反撃に出た方がよさそうね。
「血と汗と涙のルルヴェ!」側の壁をかけ上がって間合いをとる、この距離なら木刀も届かないでしょ。そしてヤツの後ろに回り込み
「白鳥ア・ラ・ベ・ス・クゥー!」こめかみを思いっきり蹴りつける、よろめいたヤツに体制を建て直す隙も与えず再び前に回る。
「どうぞ・オカマい・
「真・不動明王唐竹割!」渾身の一撃をもってあちしを倒そうとする、降り下ろされるその刀身をあちしは掴む。手のひらに衝撃が走る!見た目より随分パワーあるのね、このままじゃ埒があかない。
「グルルルゥ、ワン!ワンワン、ワン!」犬があちしの前に出て木枯らし番長を威嚇して僅かに隙ができた、好機とばかりに必殺技をぶちかますあちし。
「あンの春の風のぉ
「怖かった…」しゃがみこむ愛ちゃんに手を貸して立たせてあげる、仔犬は心配そうにご主人様を見上げてるけど頭を優しく撫でられて安心したみたい。その足で愛ちゃんを家まで送っていく、ムクという件の仔犬にもスッカリ懐かれた。
~話の舞台は最初の場所に戻る~
「神田までヤられるとは!何とも不甲斐ないヤツらめ!もはや四天王もお前一人、なんとしてもヤツを地獄へ叩き落としてやれ!」これを受けた最後の子分は頷いて引き下がると
(まったく。過保護にもホドがあるわよ、それにホントにあの娘を思うならさっさと就職して働けばいいのに。いい年齢していつまで不良染みた事してんだか)親分の見ていないところでため息を吐いた。