ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第43話ハイ、行くわよっ!

 今年の夏も光ちゃんと海にきたわよ。今度こそ二人っきりの水入らずで過ごしたいわね、まあ海だけに水には入るけど。ってダジャレかましてどうすんねん!

 しばらく泳いで体が冷えてきたので岸へ上がると何やら騒がしい。

 「ビーチバレー大会やってるって。飛び込み参加もアリみたいだよ!」嬉しそうに語る光ちゃん、申込書を貰って参加条件なんかをチェックする。

 「1チーム3人制だってさ、じゃ俺達はムリだな」

 「そっかぁ、しょうがないね」その場を立ち去ろうとしたら珍しい人を発見した。

 「「こんにちは」」清川さんと虹野さんだった、二人共久し振りね。特に清川さんとは去年の春以来じゃないかしら?

 「ビーチバレーに参加するの?」虹野さんに聞かれた。

 「イヤ、参加条件満たしてないから。俺達二人だし」

 「それなら私と一緒にでない?」清川さんから意外な提案を出された。

 「私はいいけど、忍君はどうする?」光ちゃんがさえよければあちしに異存はないわよ、でも虹野さんはどうするの?

 「私、自分が出るのは苦手だから」そういう事なら、

 「よし、いっちょやろうぜ」こうして即席チームを結成し、大会にエントリーしたあちし達。

 

 試合は一回戦負け。まあ当然よね、でも楽しかったから良しとしますか。

 「お疲れ様、ハイ飲み物」虹野さん…こんな時までマネージャーっぽい事しなくていいのに、ジュースくらいあちしが買ってくるわよ。

 「ところで二人は進路を決めた?」清川さんが喉を潤しながら尋ねてきた。

 「俺はまだハッキリとは。とりあえずバイトは続けようかと」

 「私は体育大に行こうかな、清川さん達はどうするの?」光ちゃん、ちゃんと考えていたのね、あちしってば優柔不断で何だか恥ずかしいわ。

 「私は水泳の実業団に入るよ、先方から話を頂いてるし」そういやこの前TVで水泳選手権やってたわね、清川さん好成績だったハズよ。

 「私は料理学校を志望してるの、他に取り柄がないし」へぇ虹野さんは料理が得意なのね、色んな意味で興味深いわ。

 

 やがて陽が傾いてきてそろそろ帰る時間になったわ、ずっと四人で雑談しながら駅に向かい、ホームできら高生二人と別れて再び光ちゃんと二人っきりになる。

 「ねぇ忍君」光ちゃんは不安気な瞳であちしを見つめる。

 「どうした光?」

 「私達、卒業しても…何でもない」慌てて笑顔を繕う光ちゃん、ナゼかしら?胸が痛むわ。

 

 -それからしばらくして-

 高校生最後の陸上部の夏合宿、練習はきついけどここで体を作ってインターハイに備えないとね。

 そして合宿三日目、恒例になっている肝試しが今年も開催されるわ。

 「忍君」こちらも恒例、光ちゃんがあちしに声をかけてくる。

 「あのさぁ」流石に何が言いたいのかわかるわよ、ついてきてほしいのね。

 「もう高三だろ?」半ば呆れるあちしに

 「怖いモノは怖いの!」しょうがないわね。お化けなんざ怖くもなんともないあちし、むしろ他の男子からの敵意を帯びた視線の方が怖いのよね。

 「藤崎のヤロー」歯軋りして悔しがるヤツもいれば

 「死ね死ね死ね死ね」お経みたいに呪いの言葉を呟くのもいる。

 「さ、行こ」あちしの腕をとってスタート地点へ急ごうとする光ちゃん、バランスを崩して足がもつれたあちしはちょうど彼女を押し倒す格好でコケる。

 「忍君!」

 「ス、スマン光。すぐどくから!」焦りながら立ち上がる。鏡で確認しなくても分かる、今あちしの顔は絶対真っ赤になっているわ。光ちゃんも顔を上げられないのかずっと俯いている。

 「誰も見てない時にね…」アラ何て言ったの?

 「そ、それじゃ肝試しに行こう!」あ、誤魔化したわね。

 

 そのあとは大変だった。

 「キャーッ!」

 「助けてぇ‼」

 「もうヤダぁ~」光ちゃんは仕掛け一つ一つに怖がって大騒ぎしまくっていた。

 「大丈夫だ光。これ全部作り物だから」もう宥めるのも一苦労。翌日、脅かし役の男子は

 「あんまり怖がるからこっちが疲れた」とか言い出すし始めはあちしを疎ましい目でみていたヤツらは

 「俺ら陽ノ下さんと一緒じゃなくてよかったぜ。ゴメンな藤崎」ウンウン、分かればいいのよ。

 「忍君まで、みんな私をバカにしてない?」唇を尖らせて剥れる光ちゃん、他はいざ知らずあちしはむしろ可愛かったと思うわよ。

 

 合宿終了後、何だか体に力が溢れてくるのを感じる…陸上部奥義『世界一周百メートルダッシュ』を身に付けたわ。これでインターハイは

 

勝ったもドゥーズェン(同然)ヨォー!

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