ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第44話いい年齢(とし)をして…

 下校しようと靴を履き替えようとしたらゲタ箱に手紙が入っていた、ラブレターにしては乱雑に押し込まれていたそれを読むと

 「貴様に決闘を申し込む、河川敷まで来い!総番長」なんだか予想通りすぎる展開だわ、でも総番長って事はこいつさえ片付けりゃもう煩わしい目に遭わないで済むのよね。それじゃ相手してやりますか、あちしは河川敷へ向かった。

 

 「よく逃げずにきたな、それだけは誉めてやる」アンタなんかに誉められても別に嬉しくないわよ!今すぐぶっ飛ばしてやるから覚悟なさい!

 

 総番長との戦いが始まる!いきなり気功波を放ってきた、か○は○○か!あちしもバレエ拳法フルパワーで挑む。しかしこいつ、総番長名のるだけあって今までのヤツらとは桁外れの強さね。

 「世界一周百メートルダッシュ!」陸上部奥義をぶちかますあちし。総番長を引き摺り回す、でもあんまり効いてないわね。

 「袖龍!」懐からドラゴン?こいつ化けモンな訳?次々と迫りくるタックルを食らいフラつくあちし、立って顔を上げると、そこには巨大化した総番長がいた。違う!これは目の錯覚よ!あちしの恐怖心が大きく見せているに過ぎない、そう自分に言い聞かす。

 「金茶子鷹!」地面から無数の火の鳥!ひょっとしてこいつ異世界の魔物とやらじゃないの?再び奥義をかますあちし、けど

 「超眼力!」完全に見切られた、もう勝つ手段はないの?絶望に陥る中、この前のバイトの日を思い出す。

 ~回想シーン~

 「ウェイター・ボーイ、ちょっとこちらへ来なッシブル」いつもライオネルさんと一緒に来店する顔のデカいお客さんに呼ばれた、何の用かしら?

 「ヴァナタにこれを授けるわ、ヴァターシの魔力を込めてあッシブル。きっとこの異世界でも使えるハズよ」と熊を彷彿させる仕掛け付きの手袋を貰ったわ、これで何をしろっての?

 ~回想シーン終わり~

 こうなるのをあの人は予想していたのかしら?あちしはその手袋をはめて総番長に爪を食い込ませる。

 「アンチテンションホルモン!」総番長がみるみる小さくなっていく、今度は爪を自分に刺して

 「スピードアップ!ドーピングホルモン!」三度目の『世界一周百メートルダッシュ』を決める、ここでずっと余裕綽々だった総番長の顔が初めて歪む。最後に止めよ。

 「アンチ健康ホルモン!」互いに満身創痍になりながら遂に倒した、ホント最強の敵だったわ。

 

 「お兄ちゃん!」茜ちゃんどうしたの?イヤちょっと待ってお兄ちゃんって?!

 「藤崎君、大丈夫?」

 「ああ。それよりこの人…」

 「ボクのお兄ちゃん、ここときらめき市を仕切る番長なの」え~と、あちしも茜ちゃんも高三だから少なくとも19才。いい加減番長というより不良やってる年齢(とし)じゃないわよね…。

 「うう…」あ、気がついた。

 「昔、茜が思いをよせるヤツがいた。だがそいつはある日突然茜の目の前からいなくなった、それ以来俺は決めたんだ!茜を悲しませるヤツは許さん!と」それがあちしだったの?でもその当時茜ちゃんとは知り合ってないわよ。

 「つまりお兄ちゃんの人違いだったんだ、それでこんな迷惑かけて!お兄ちゃんのバ~カァ~」ボゴッ!茜ちゃんのストレートがモロに入る。しかも目が怖い、本気で怒ってるわ。

 「薫、アンタは一度懲らしめないとダメだね」え?声のする方を見ると初対面のオバさんがいた、年齢はそれなりに重ねてるけど綺麗な人ね。若い頃はさぞモテたと思うわ、茜ちゃん達の知り合いかしら?

 「ねこやのオバちゃん、おじちゃんの奥さんだよ」茜ちゃんに紹介された、こんな状況だけどあちしも一応挨拶する。

 「そう、じゃ店の秘密も知ってるんだね」オバちゃんは総番長の耳を摘まんで自分に引き寄せると

 「薫は異世界流しにするよ、向こうの友人に預けるからそこでしばらく鍛え直してもらうといい。その間茜ちゃんはウチで預かるわよ」

 「ヒィーッ、オバちゃ~ん!勘弁してくれぇ!」そのままの体勢で引き摺られていく総番長、おじちゃんスゴい嫁得たわね。

 

 その後茜ちゃんから聞いた話によるとオバちゃんは元々異世界(あっち)から来た人で何があったかおじちゃんと所帯をもってからはこっちに移住したらしいわ、文字通りの意味で世界をまたにかけた愛といったところね。それにしても総番長…あの見た目で薫って可愛い名前!あまりに似合わな過ぎてあちし笑っちゃう。

 ガーッハッハッハー!

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