ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第45話決心と文化祭

 「え?何て言ったの?」あちしの発言にビックリしたらしく聞き返す詩織ちゃん。まあ驚くのも当然よね、あちしはさっきと同じセリフをもう一度繰り返す。

 「だから、あちし光ちゃんにカミングアウトしようと思うのよ。これ以上嘘をついていたくないの」今、あちしは詩織ちゃんと電話で話してるわ。最初はいつも通り何気ない会話していて、そこから流れでこんな展開になったのよ。

 「そう、忍ちゃんが決めたなら私は反対しないけど。それって覚悟がいらない?」

 「勿論よ、こうして話してる間も心臓が痛いわよ」

 「それでも話すんでしょ、好きだから」

 「ええ、あちしは光ちゃんが好きよ。だから正直に話すわ」

 「ねぇ、ムリしなくていいのよ。良かったら私が代わりに伝えても…」

 「折角だけどお断りよ、あちしが自分の口で話さなきゃ意味がないわ」

 「そう。頑張って忍ちゃん、フラれたら慰めてあげるわね」最後に冗談っぽく笑う詩織ちゃん、彼女なりに気を使ってくれたのね。

 

 ~匠視点~

 忍の従姉妹である詩織さんの家を盗聴していたら思わぬ情報を手に入れたぞ。これを光ちゃんに教えてやれば二人の関係は悪くなる。そこにつけこんでやろう。

 次の日、光ちゃんに昨日得た情報を伝えるが証拠がないので信じてもらえない。しかし俺には盗聴した会話を録音したテープ([注釈1])がある、表立ってはムリだけど後日コッソリ放送室に潜り込んで全校に流せば…グフフフ。さて今日は帰宅するとしよう、明日にでもテープを持ってくるか。

 

 ギュウゥーン!

 な、何の音だ?遠くから段々こっちに近づいてくるぞ。音は俺の側まできて止まった、そこには綺麗なお姉さん❤

 「ねぇ、ボクぅ。盗聴は犯罪だよ」一瞬後俺はお姉さんに叩きのめされた。襟首を掴まれて持ち上げられ足が宙に浮く、こんな細い腕なのにスゴい力だ。

 「録音したテープはどこにあるのかなぁ、正直に言わないと首絞めちゃうぞ。ニコッ」笑顔のまま俺に問うてくる、恐怖に震えながら自宅の机の中にあると吐いた。

 「内容は誰にも喋っちゃダメだよ」

 「ハ、ハイ…」掠れた声で返事をしたと同時に俺は意識を失った。

 

 ~再び忍視点~

 月が変わって10月に入る、今日は進路相談があるわ。華澄さんもとい華澄先生に生徒一人一人が呼ばれて希望を伝える、あちしはどうしようかしら?

 「で、進路はどうするつもり?」遂に今、あちしの番が回ってきて尋問…じゃなくて相談している最中よ。さてどう答えたモンかしら?

 「とりあえず、進学の方針で。二流大学辺りが妥当かと」そう答えるあちしに華澄先生は

 「いいんじゃないかしら、ただ自分の力量をもう少し踏まえた方がいいわね」というような事を話し合った。

 その日の放課後、光ちゃんと一緒に下校しようと校門を出ると華澄先生もちょうど帰るところだったらしく

 「二人で下校なんて珍しいわね」

 「別に珍しくないよ」

 「そうだね、珍しいって程じゃないかな」

 「二人共折角だから私の自動車(くるま)で送ってあげようか?」

 「やった!華澄先生と下校なんてそれこそ珍しいよね」あちしが一人はしゃいでいたら

 「私…帰る」光ちゃんが拗ねてどこか行っちゃった、急にどうしたのかしら?

 「あらあら、お邪魔だったみたいね。忍君、行ってあげなさい」先生に諌められ光ちゃんを探すあちし、幸いまだ校内に残っていた。

 「何よ、憧れの『華澄お姉ちゃん』と帰るんじゃなかったの?」

 「ナニ拗ねてんだよ?」

 「もういいよ、着てくれたし。エヘヘ」結局何だったの?光ちゃんも機嫌直してくれたからいいけど。

 その晩、あちしは夢を見た。

 「かすみおねーちゃんも一緒にあそぼー」

 「忍ちゃんなんか嫌い!」

 「あれ、光ちゃーん」

 「忍君、ちゃんと光ちゃんの気持ち考えてあげないとダメよ」そこで目が覚める、まだ引っ越す前の懐かしい夢だったわ。

 

 それから二週間くらい後、HR中に校内放送が響く。

 ♪キンコンカンコーン♪

 「今年の文化祭はクラスで出し物する事にしたのじゃ!以上!」

 ♪キンコンカンコーン♪

 校長先生、まるでその場の思い付きみたいに発表するわね。

 「クラスで出し物ね、それじゃしばらく自由に話し合ってみて」華澄先生が生徒達を促す。

 「よう!」

 「オウ!」

 「やあ純、高坂。お前らは何かやりたい事が…」

 「出し物さ、演劇にしない?」匠が口を挟んできた。そういやこいつ、理由は知らないけど先日沙織さんを怒らせてボッコボコにされたらしいわ。よく死ななかったわね、それにしても一体何しでかしたのかしら?理由を問い質したけど詩織ちゃんも教えてくれなかったのよね。それはさておき

 「演劇?」

 「一回、ああいうのの演出とか脚本とかやってみたくてね」

 「お前がか?」

 「そう、俺」匠の書く劇ね、ちょっと興味はあるわ。どうしようかしら?

 「忍君」あ、光ちゃん。

 「光は何かやりたい事はある?」

 「私は小物屋がやりたいんだけど、どうかなぁ?」小物屋ね、いかにも光ちゃんらしいわ。

 「いいんじゃないか、光の趣味が活かせそうだし」

 「エヘヘ、小物屋できたらスッゴく頑張るんだけどなぁ」もし決まったら光ちゃん、本気で燃えそうだわ。

 

 「そろそろ意見も出尽くしたわね、それじゃ多数決で決めましょう」

・小物屋

・演劇

・仮装行列

 提案が出たのがこの三つ、さあてあちしはどれに投票しましょ?

 




※注釈1、今ならUSBとか使ってるでしょうね。
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