ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第47話あの時の指輪……

 光ちゃん家に来たあちしら男子三名は小物屋に出せそうな品をリビングにてチェックしている、光ちゃん本人は部屋への入室を許可してくれたけど純と高坂の方から逆に断ったからよ。二人共ホントに紳士だわ❤これが匠ならホイホイ部屋に入っていくところよね。

 「当日の客層とかも考えて…」純が小物の入った小箱をガサゴソしている。

 「おっ、この指輪なんか子供が喜びそうだな」高坂がおもちゃの指輪を見つける。

 「あっ、そ、それは…」

 「光、どうかした?」

 「ウウン。別に、何でもないよ」とはいうけど、どことなく表情が暗いわね。

 「さっきから元気ないみたいだけど?」

 「大丈夫だよ。ほら、小さい頃からずっと持ってたからちょっと名残惜しいかなって」

 「ムリしなくていいぞ、光ちゃん」

 「ああ、町で探せばいいんだし」

 「そうだな。どうせ部活もないし」もうインターハイも甲子園も終わってみんな引退してるのよね。こいつらもこう言ってくれてるし町に繰り出すとしますか。

 「いいっていいって、町で探すの大変でしょ?」結局、この日は最後まで光ちゃんの顔が晴れる事はなかった。

 

 そして文化祭当日。

 

 小物屋は意外にも沢山人がきた、客足が落ち着いたところであちしは光ちゃんと休憩に入っている。

 「ハァー」光ちゃんがため息吐くなんて珍しいわね、そういえば一昨日から様子が変なのよね。

 「どうした光?体の調子が悪いのか?」

 「あ、ウウン。ちゃんと売れてるかなっと思ってね」

 「人は入っていたけど売れるかどうかは別問題だな」

 「ウン、そうだね。きっとそうだ、売れないよ」

 「売れてほしくないみたいに聞こえるぞ、ひょっとして売りたくなかったとか」

 「そ、そんな事ないよ。そうだ私、他を見てくるね」水無月さんに会いに行くのかしら?そうね、思い出の品なら売りたくない気持ちも分からなくはない…け、ど!

 

 ~回想シーン~

 「それ欲しいの?」

 「ウン」

 「じゃあ僕が買ってあげる」

 「え、いいの?」

 ~回想シーン終わり~

 

 そうよ!あの指輪。あちしが買ってあげたモノじゃない!あちしってば、何で今まで忘れてたのよ。もう!あちしのバカバカバカ!急いで買い戻さないと取り返しがつかないわ!

 

 ~高坂視点~

 「3年1組で小物屋やってま~す」俺は教室の前で呼び込みをかける、とりあえず中に入って見ていこうって人は結構多い。まあ、俺は図体デカいから目立つしな。やがて小物も結構売れ始めた、そこそこ成功したと言っていいだろう。

 アレ?藤崎じゃないか、あいつ休憩中だよな。血相変えて戻ってきたけど何かあったのか?

 「ゼーハーゼーハー、高坂!指輪は?」

 「なんだいきなり?」

 「指輪だよ、ユ・ビ・ワ!お前が光ん家でみつけたヤツ!」

 「あー、あれならここに」俺はポケットからその指輪を取り出す。

 「そ、それは!」

 「あの時、陽ノ下の様子がおかしかったからさ、持ってはきたけど昨日の内に売り物から取り除いておいた」

 「スマン高坂、恩に着る!」

 「構わねえよ。それよりホレ、とっとと行け」何だかんだでこいつには借りがあるしな。

 「オ、オウ」指輪を渡すと藤崎は全力疾走で去っていった、転ぶなよ。

 

 ~再び忍視点~

 高坂が隠していてくれたおかげで無事に指輪を取り返せたあちしは光ちゃんを探して学校を走り回る、途中で純に呼び止められた。

 「おっと、いいところで会った」

 「悪りぃ純、急いでるんだ。後にしてくれ!」

 「じゃあ後でいいけど…光ちゃんが落ち込んでるみたいだったから」

 「!光が?オイどこにいた?」

 「光ちゃんが暗い顔してるのって珍しいから気になっちゃって」

 「だからっ!どこにいた?」

 「講堂の裏だよ、ホンの5分くらい前だけど」

 「講堂だなっ、ヨシッ!」

 

 講堂まで猛ダッシュするあちし、純の言った通り講堂裏で佇む光ちゃんをみつけたわ。

 「光!」

 「どうしたの?そんなに慌ててさあ」

 「今、小物屋の様子を見てきた」

 「で、どうだった?結構売れてた?」

 「大盛況だったよ」

 「そう。良かった…よね」

 「ああ、だから焦ったよ。先に売れたらどうしようと」

 「え?」あちしは光ちゃんにあの指輪をもう一度渡す。

 「あっ。この指輪…私の…」

 「ゴメン、今まで忘れてた。あの日俺が小遣いはたいて買ってあげたその指輪、大切に持っていてくれてたんだな。」

 「ウン、ありがと…」

 「もう忘れないよ」

 「ウン、ゴメン。ゴメンね…」

 「でも光も悪いトコあるぞ、ちゃんと言えば良かったのに」高坂が気づいてくれたから良かったものの、って言葉を続けようとしたらその張本人があちし達に手を振っている。

 「藤崎ぃ、陽ノ下ぉ!交代の時間だ」そうね、教室に戻りましょ。ン?アレ、隣にいるの佐倉さん?

 「えっと、確か今日はきら高も文化祭だったよな?」

 「え?じゃあ佐倉さん、ズル休み?」

 「イヤ。これはその…つまりだな(焦)」

 「アァ~ン、バレちゃったぁ(泣)」

 「俺は何にも見てないぜ。行こうか、光」これで貸し借りなしだわよ。

 

 夜になり文化祭も終了したわ、キャンプファイアーを囲んでのフォークダンスが行われたの。あちしも茜ちゃん、伊集院妹、赤井、そして光ちゃんと手を取り合って踊ったわ。

 「貴様、中々上手いのだ」

 「一時期バレエ習ってたからな」

 「ボク、今年は楽しかったよ」

 「それはなによりだ」

 「こういうのガラじゃねぇんだよな」

 「任せろ。俺がリードするから」

 「私ね、この学校にきて良かった、本当に良かった」

 「光、どうした?急に」何か思うところがあるのかしら?

 「卒業まで二人でずっと楽しく過ごそうね、約束だよ」

 「ああ」言われるまでもないわ。

 

 こうして高校生活最後の文化祭は終了したわ。

 

 

 

 

 

 

 

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